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第1章
第183話 騒動は続く
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マーブル神の説明によると、輪廻の女神は相手から憎悪や怒りなどの感情をぶつけられると力を増していくらしい。凶神にとっては天敵のような存在らしく、凶神と女神は過去にも幾度となく戦っているのだとか。
『凶神の撒き散らす瘴気や呪詛も、闇ちゃんにとってはご馳走だからね。まあ、凶神の方も似たようなものなんだけど』
マーブル神が苦笑する。
「決着がつかないのですか?」
今は、五分五分。少し、輪廻の女神が圧しているだろうか。
『あれは、凶神の一部なんだ。本体は別の場所にあるんだよ』
「あれで一部?」
シュンは、蠢く触腕の数々を見つめた。
『闇ちゃんさえ居なければ、あのウネウネだけで神界を制圧できたかもね』
「凶神の槍を受けて縦穴を落ちていましたが・・危ないところだったのですね」
『闇ちゃんは大丈夫さ。祠に籠って数年寝込むけど、すぐに復活するよ』
「しかし・・痛みはあるのでしょう?」
シュンは、マーブル神の顔を見た。
『・・うん、そうだね。治るといっても、傷を負えば痛むはずだ。闇ちゃんには、無理ばかりさせちゃったね』
マーブル神が俯く。
「龍神というのは、どうなりました?」
シュンは、凶神と輪廻の女神の戦いへ視線を戻した。
『どうもこうも・・神が等しく参画できる世界を再創生するべきだとか煩く言ってたよ。主神様は使徒戦の結果が全てだからと相手にしていなかったけどね』
「神様が無事なら迷宮は存続しますね?」
『まあね。迷宮と地上世界はボクの作品だからね。手放す気は無いよ』
「凶神は神様を狙っているのですか?」
なぜ、シュンが神界に連れて来られたのだろう。迷宮を明け渡せだなどと、今の段階で地上世界にいる使徒に伝える必要は無かったはずだ。
『ボクも狙われてるっぽいね。でも、なんか・・別の狙いがありそうなんだよなぁ。まあ、主神様に反逆しているのは確かなんだけど・・』
マーブル神が首を捻る。
『君は知らないだろうけど・・使徒戦で世界を失った神々が、まとめて離反しちゃったんだよ』
「そうですか」
『創世できる神って、わりと数が少ないんだよ? そんな神々がまとめて反逆って、有り得ないんだけど・・』
「そうですか」
『・・創世は主神様の許可が必要なんだけど、主神様は新しい創世を認めない方針みたいだ』
神々から創世の許可を求められたらしいが、主神が許さなかったらしい。
「それを不満に造反ですか?」
『う~ん、理由としてはちょっと弱いね』
「しかし、主神に離反した神々の迷宮が敵対すると、魔王種が野放しになりますね」
使徒を復活させた事が仇になる。完全に裏目になってしまう。
『どうかな? さすがに、主神様もこのまま静観はしないと思うよ? 魔王種の駆除か、迷宮の没収くらいはするんじゃないかな?』
「そうだと良いのですが・・」
シュンは小さく息を吐いた。
『ああ、以前に君から依頼のあった件、主神様から許可していただいたよ。アルマドラ・ナイトに封印を施した代わりに許可して下さるそうだ』
ずいぶんと前にお願いした件だったが、ようやく許可が下りたらしい。
「感謝します。すぐにお願いできますか?」
『やっとくよ。でも、もう要らないんじゃないかな? 君、あの鎧が無くても、月神の子を狩っちゃうくらい強いじゃん?』
「月神の御子は油断してくれたようです。それに、戦いに慣れていない素人の動きでした」
最初から弓を使い、油断なく対応されたら、勝ち目は薄かっただろう。
『絶対に当たる弓を持ってたでしょ? あれ、どうやって回避したの?』
「避けずに受けて、治癒薬と蘇生薬を使いました。神様、あれは?」
シュンはマーブル神に注意を促した。
『ああっ! や、闇ちゃん、それは・・』
マーブル神がぎょっと眼を剥いて慌てた声を上げた。
輪廻の女神が、戦斧に黒々とした闇を纏わせ大上段に振りかぶって高々と舞い上がっていた。
「神様」
シュンは、マーブル神を引き留めて背に庇うと、多重に水楯を展張して身構えた。
『・・もう、ああなったら闇ちゃんは止められない。見境無く動く物を攻撃するんだ』
「神様?」
『たぶん、ここは崩落する。ボクが空間を維持するから闇ちゃんの近くへ突っ込んでくれるかい? 視界に入らないように背後をとって』
「分かりました」
シュンは何も訊かず、マーブル神を右手に抱えた。
『いや、この持ち方ってどうなの?』
マーブル神が何やら言いかけた時、輪廻の女神が奇声を張り上げながら、膨れあがった闇の塊を凶神めがけて叩きつけた。
バモォォォォーーーー・・
凶神の叫びが響いた。マーブル神が言った通り、庭園の地面に亀裂が入り、凶神を呑み込むように落下を始めた。
「行きます」
シュンは黒翼を生やして飛んだ。
『や、闇ちゃんの真後ろに・・』
「はい」
シュンは空中で身を捻り、輪廻の女神を追った。
輪廻の女神が発生させた闇とは違う、黒い渦のようなものに巻かれて下へと螺旋を描いて引きずられている。
『この暗い世界が固着する前に脱出するからね。悪いけど、合図したら闇ちゃんを掴んで、ひたすら上に向かって瞬間移動を繰り返すんだ。たぶん、闇ちゃんに襲われるから何とか防いでよ』
「・・分かりました」
シュンは前方で暴れている女神を見た。
姿勢を乱して落ちていく凶神を追って戦斧で殴り続けている。
『さすが闇ちゃんだ。凶神の腕一本、奪ったな』
マーブル神が呟いた瞬間、
デジィァァァァーー・・
これまでとは違う苦鳴が響き渡り、黒槍を握っている腕が付け根から斬れて舞った。太い腕が回転しながら飛来したところを、シュンがポイポイ・ステッキで回収する。
『今だ!』
マーブル神の合図で、シュンはマーブル神を掴むと輪廻の女神めがけて投げつけた。
鬼女の形相で振り返った女神だったが、自分にぶつかったのがマーブル神だと気付いたらしく、すぐさま戦闘前の嫋やかな美貌に変じて頬を紅く染めた。
「そのまま離さないで下さい」
シュンの言葉に、輪廻の女神が満面の笑顔で頷いて見せる。シュンは、2人にそっと触れて瞬間移動を始めた。
上へ、上へ・・。認識できる最大限の距離を移動していく。
『ちょ、ちょっと、闇ちゃん・・』
「神様、動かないで下さい。危険です! アリテシア様、しっかり掴んで離さないで下さい!」
『分かりましたわ!』
輪廻の女神が上機嫌で頷き、マーブル神を抱きしめる。
シュンは瞬間移動に意識を集中し、連続して移動し続けた。
どのくらい瞬間移動を繰り返したのか、不意に周囲の景色が一変し、花々が咲き誇る美しい庭園が現れた。泉水池と大樹に見覚えがある。
『止まって!』
マーブル神の懸命の声を聞いて、シュンは瞬間移動を止めて庭園の上に着地した。
『闇ちゃん、ちょっと・・もう着いたよぉ~』
か細い声でマーブル神が呻いている。
『・・・・』
『闇ちゃ~ん』
『あ・・気付きませんでしたわ。申し訳ありません』
輪廻の女神がにこやかに謝罪を口にしつつマーブル神を離す。
「凶神はどうなりました?」
禍々しい気配が去り、庭園は明るく平穏に見えるが・・。
『狭間に落ちたよ。さすがに、あの状態では戻って来られない。まあ、あれは一部だから本体は元気なんだけどね』
マーブル神が苦笑した。
『旦那様、凶神は自我がおかしくなっていましたわ』
輪廻の女神が言った。
『本当に? あいつ、元々おかしかったけど?』
『半分寝ているような・・ぼんやりとした状態でした』
『ふうん? どうしたのかな?』
マーブル神が首を傾げる。
『ところで旦那様、これからどうします? お命じ下されば、龍神を刻んで参りますよ?』
『龍は撃退できれば良い。あれは色々と役目を負った存在なんだから』
『ああ、なんて慈悲深い旦那様・・素敵です』
輪廻の女神がシュンに向かって軽く手を振ると、シュンの体から黒い血液のような物が吸い出されて消えていった。黒い槍を握っただけで呪いに冒されていたのだ。呪祓いの薬を飲んでも完全には消えていなかった。
『ははは・・とにかく、主神様のところへ行くよ』
「・・私も?」
シュンは軽く眉根を寄せた。できれば、元の空間へ戻して欲しいのだが・・。
『当たり前でしょ? もう、どっぷり当事者だよ!』
「しかし、神界の揉め事に、これ以上人間が関わって良いのでしょうか?」
『良いも悪いも、もう月神の子を滅殺しちゃったじゃん!』
『シュン・・でしたね?』
横で聴いていた輪廻の女神がシュンを見た。ようやく名前を覚えたらしい。
「はい」
『今は敵の数が多いのです。存在格に関係無く味方が欲しいわ。旦那様の使徒としての活躍を期待していますよ?』
「承知しました」
素直に首肯するシュンを見て、マーブル神の眼が大きく見開かれた。
『凶神の撒き散らす瘴気や呪詛も、闇ちゃんにとってはご馳走だからね。まあ、凶神の方も似たようなものなんだけど』
マーブル神が苦笑する。
「決着がつかないのですか?」
今は、五分五分。少し、輪廻の女神が圧しているだろうか。
『あれは、凶神の一部なんだ。本体は別の場所にあるんだよ』
「あれで一部?」
シュンは、蠢く触腕の数々を見つめた。
『闇ちゃんさえ居なければ、あのウネウネだけで神界を制圧できたかもね』
「凶神の槍を受けて縦穴を落ちていましたが・・危ないところだったのですね」
『闇ちゃんは大丈夫さ。祠に籠って数年寝込むけど、すぐに復活するよ』
「しかし・・痛みはあるのでしょう?」
シュンは、マーブル神の顔を見た。
『・・うん、そうだね。治るといっても、傷を負えば痛むはずだ。闇ちゃんには、無理ばかりさせちゃったね』
マーブル神が俯く。
「龍神というのは、どうなりました?」
シュンは、凶神と輪廻の女神の戦いへ視線を戻した。
『どうもこうも・・神が等しく参画できる世界を再創生するべきだとか煩く言ってたよ。主神様は使徒戦の結果が全てだからと相手にしていなかったけどね』
「神様が無事なら迷宮は存続しますね?」
『まあね。迷宮と地上世界はボクの作品だからね。手放す気は無いよ』
「凶神は神様を狙っているのですか?」
なぜ、シュンが神界に連れて来られたのだろう。迷宮を明け渡せだなどと、今の段階で地上世界にいる使徒に伝える必要は無かったはずだ。
『ボクも狙われてるっぽいね。でも、なんか・・別の狙いがありそうなんだよなぁ。まあ、主神様に反逆しているのは確かなんだけど・・』
マーブル神が首を捻る。
『君は知らないだろうけど・・使徒戦で世界を失った神々が、まとめて離反しちゃったんだよ』
「そうですか」
『創世できる神って、わりと数が少ないんだよ? そんな神々がまとめて反逆って、有り得ないんだけど・・』
「そうですか」
『・・創世は主神様の許可が必要なんだけど、主神様は新しい創世を認めない方針みたいだ』
神々から創世の許可を求められたらしいが、主神が許さなかったらしい。
「それを不満に造反ですか?」
『う~ん、理由としてはちょっと弱いね』
「しかし、主神に離反した神々の迷宮が敵対すると、魔王種が野放しになりますね」
使徒を復活させた事が仇になる。完全に裏目になってしまう。
『どうかな? さすがに、主神様もこのまま静観はしないと思うよ? 魔王種の駆除か、迷宮の没収くらいはするんじゃないかな?』
「そうだと良いのですが・・」
シュンは小さく息を吐いた。
『ああ、以前に君から依頼のあった件、主神様から許可していただいたよ。アルマドラ・ナイトに封印を施した代わりに許可して下さるそうだ』
ずいぶんと前にお願いした件だったが、ようやく許可が下りたらしい。
「感謝します。すぐにお願いできますか?」
『やっとくよ。でも、もう要らないんじゃないかな? 君、あの鎧が無くても、月神の子を狩っちゃうくらい強いじゃん?』
「月神の御子は油断してくれたようです。それに、戦いに慣れていない素人の動きでした」
最初から弓を使い、油断なく対応されたら、勝ち目は薄かっただろう。
『絶対に当たる弓を持ってたでしょ? あれ、どうやって回避したの?』
「避けずに受けて、治癒薬と蘇生薬を使いました。神様、あれは?」
シュンはマーブル神に注意を促した。
『ああっ! や、闇ちゃん、それは・・』
マーブル神がぎょっと眼を剥いて慌てた声を上げた。
輪廻の女神が、戦斧に黒々とした闇を纏わせ大上段に振りかぶって高々と舞い上がっていた。
「神様」
シュンは、マーブル神を引き留めて背に庇うと、多重に水楯を展張して身構えた。
『・・もう、ああなったら闇ちゃんは止められない。見境無く動く物を攻撃するんだ』
「神様?」
『たぶん、ここは崩落する。ボクが空間を維持するから闇ちゃんの近くへ突っ込んでくれるかい? 視界に入らないように背後をとって』
「分かりました」
シュンは何も訊かず、マーブル神を右手に抱えた。
『いや、この持ち方ってどうなの?』
マーブル神が何やら言いかけた時、輪廻の女神が奇声を張り上げながら、膨れあがった闇の塊を凶神めがけて叩きつけた。
バモォォォォーーーー・・
凶神の叫びが響いた。マーブル神が言った通り、庭園の地面に亀裂が入り、凶神を呑み込むように落下を始めた。
「行きます」
シュンは黒翼を生やして飛んだ。
『や、闇ちゃんの真後ろに・・』
「はい」
シュンは空中で身を捻り、輪廻の女神を追った。
輪廻の女神が発生させた闇とは違う、黒い渦のようなものに巻かれて下へと螺旋を描いて引きずられている。
『この暗い世界が固着する前に脱出するからね。悪いけど、合図したら闇ちゃんを掴んで、ひたすら上に向かって瞬間移動を繰り返すんだ。たぶん、闇ちゃんに襲われるから何とか防いでよ』
「・・分かりました」
シュンは前方で暴れている女神を見た。
姿勢を乱して落ちていく凶神を追って戦斧で殴り続けている。
『さすが闇ちゃんだ。凶神の腕一本、奪ったな』
マーブル神が呟いた瞬間、
デジィァァァァーー・・
これまでとは違う苦鳴が響き渡り、黒槍を握っている腕が付け根から斬れて舞った。太い腕が回転しながら飛来したところを、シュンがポイポイ・ステッキで回収する。
『今だ!』
マーブル神の合図で、シュンはマーブル神を掴むと輪廻の女神めがけて投げつけた。
鬼女の形相で振り返った女神だったが、自分にぶつかったのがマーブル神だと気付いたらしく、すぐさま戦闘前の嫋やかな美貌に変じて頬を紅く染めた。
「そのまま離さないで下さい」
シュンの言葉に、輪廻の女神が満面の笑顔で頷いて見せる。シュンは、2人にそっと触れて瞬間移動を始めた。
上へ、上へ・・。認識できる最大限の距離を移動していく。
『ちょ、ちょっと、闇ちゃん・・』
「神様、動かないで下さい。危険です! アリテシア様、しっかり掴んで離さないで下さい!」
『分かりましたわ!』
輪廻の女神が上機嫌で頷き、マーブル神を抱きしめる。
シュンは瞬間移動に意識を集中し、連続して移動し続けた。
どのくらい瞬間移動を繰り返したのか、不意に周囲の景色が一変し、花々が咲き誇る美しい庭園が現れた。泉水池と大樹に見覚えがある。
『止まって!』
マーブル神の懸命の声を聞いて、シュンは瞬間移動を止めて庭園の上に着地した。
『闇ちゃん、ちょっと・・もう着いたよぉ~』
か細い声でマーブル神が呻いている。
『・・・・』
『闇ちゃ~ん』
『あ・・気付きませんでしたわ。申し訳ありません』
輪廻の女神がにこやかに謝罪を口にしつつマーブル神を離す。
「凶神はどうなりました?」
禍々しい気配が去り、庭園は明るく平穏に見えるが・・。
『狭間に落ちたよ。さすがに、あの状態では戻って来られない。まあ、あれは一部だから本体は元気なんだけどね』
マーブル神が苦笑した。
『旦那様、凶神は自我がおかしくなっていましたわ』
輪廻の女神が言った。
『本当に? あいつ、元々おかしかったけど?』
『半分寝ているような・・ぼんやりとした状態でした』
『ふうん? どうしたのかな?』
マーブル神が首を傾げる。
『ところで旦那様、これからどうします? お命じ下されば、龍神を刻んで参りますよ?』
『龍は撃退できれば良い。あれは色々と役目を負った存在なんだから』
『ああ、なんて慈悲深い旦那様・・素敵です』
輪廻の女神がシュンに向かって軽く手を振ると、シュンの体から黒い血液のような物が吸い出されて消えていった。黒い槍を握っただけで呪いに冒されていたのだ。呪祓いの薬を飲んでも完全には消えていなかった。
『ははは・・とにかく、主神様のところへ行くよ』
「・・私も?」
シュンは軽く眉根を寄せた。できれば、元の空間へ戻して欲しいのだが・・。
『当たり前でしょ? もう、どっぷり当事者だよ!』
「しかし、神界の揉め事に、これ以上人間が関わって良いのでしょうか?」
『良いも悪いも、もう月神の子を滅殺しちゃったじゃん!』
『シュン・・でしたね?』
横で聴いていた輪廻の女神がシュンを見た。ようやく名前を覚えたらしい。
「はい」
『今は敵の数が多いのです。存在格に関係無く味方が欲しいわ。旦那様の使徒としての活躍を期待していますよ?』
「承知しました」
素直に首肯するシュンを見て、マーブル神の眼が大きく見開かれた。
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