137 / 316
第1章
第137話 異界の神殿
しおりを挟む
巨亀の解体を終えた"ネームド"は、"異界の門"の向こう側へと踏み込んでいた。
"異界の門"の向こう側は、巨大な石造りの建物の中である。恐らくは巨大亀が居たのだろう円形の広大な台座を、真上から見下ろせる半球状の天井近くに、"門"の出入り口が設置されていた。
「妾の世界とは違うようじゃ」
女悪魔ががらんと何も無い建物中を見回しつつ黒翼を広げて舞っている。
シュンはアルマドラ・ナイトを召喚して肩に乗り、ユアとユナも自分では飛ばず肩甲に並んで座っていた。
『高い場所なのです』
白翼の美少年が先行して漂いながら言った。
「高い場所?」
シュンは改めて巨大な建造物の中を見回した。
円形の台座がある部分を、上下二階層の回廊が囲んでいた。回廊部分は、人が歩くための廊下にしては幅が広く天井高がある。
『この建物が高い場所にあるです』
「・・そうなのか。出入り口は見当たらないようだが、あの回廊のどこかにあるのか?」
シュンはユアとユナとアルマドラ・ナイトの肩に乗ったまま、建物の散策を始めた。
「主殿、"異界の門"の発動原理が分からぬ。あまり遠くへ行くのは危険じゃ」
女悪魔が天井の"異界の門"付近に浮いたまま、不安そうに声をかけてきた。
「分かった」
返事を返しつつ、シュン達は回廊に階段を見つけて、1階から2階へと上った。1階部分と造りは変わらないが、2階には回廊に沿って部屋があった。
「ここには、大きな人が住んでいた」
「間違いない」
2人が見上げた扉は、把手まで2メートル近い高さがあった。
アルマドラ・ナイトに指示して扉の把手を動かすと、巨大な扉が音も無く開いていった。
瞬間、シュンは水楯を多重展張した。最近は、一枚ずつ重ねるまでもなく、同時に数十枚を展張できるようになっている。
「危険感知だ。油断するな」
「アイアイ」
「ラジャー」
ユアとユナが防御魔法をかけ始める。
「ユキシラ、そちらの様子はどうだ?」
シュンは"護耳の神珠"で呼びかけた。ユキシラを、"異界の門"の向こう側に残して来たのだ。
『サヤリです。今のところ接近してくる者などおりません。念の為、門周辺を幻術で覆っています』
現在はサヤリになっているらしい。
「分かった」
シュンは開いた扉の内へ視線を向けると、大扉が閉じないようアルマドラ・ナイトに押さえさせ、そのまま待機を命じた。瞬間移動が使えるため、扉が閉まっていても問題無いと思うが、何らかの障害が起きる可能性はある。
シュンとユア、ユナは警戒しながら扉から続く廊下を進んで行った。少し歩くと、広々とした大部屋になり、中央奥の方に座っているらしい人影が見えてきた。人影は椅子に座ったまま、シュン達が居る通路側を向いているようだが反応した様子はない。
「テンタクル・ウィップ」
まだ遠いが、シュンは黒い触手を伸ばして人影に巻きつかせた。身の丈は5メートル近いが、痩せ細った体躯だった。テンタクル・ウィップを巻きつけた手も足も骨と皮しかない。
近づいてみると、祭壇のような雰囲気の壇上に巨大な椅子が設えてあり、青みがかった長い髪をした女が座っていた。
女は雪色に輝く長衣の腹部を黒い槍に貫かれて椅子の背に縫い刺しになっている。衣服を湿らせた銀色をした液体が血液なのだろうか?
「密室殺人」
「犯人はこの中にいる」
ユアとユナがMP5を構えて周囲を見回した。静まり返った広間に生き物の姿は見当たらない。扉が自由に開くので、密室では無さそうだ・・と思いつつ、シュンは巨人の女を貫いた黒い槍に眼を凝らした。
「不気味な槍だな」
槍の素材は黒々とした何かの金属で、銀色の筋が葉脈のように浮き上がって表面を覆い、ゆっくりと息づくように明滅を繰り返していた。
「ん?」
シュンは黒い槍に眼を凝らした。
「ボス?」
「危険感知?」
「それだ」
シュンは黒い槍を指差した。同時にテンタクル・ウィップを3本伸ばして黒い槍に巻きつかせた。
「気配を感じる」
「ボス、もしかして、巨人が生きてる?」
「槍を抜いたら生き返る?」
双子のMP5が巨人の女へ向けられる。
「さあな・・抜いてみるか」
そう考えたシュンだったが、力を込める寸前で思いとどまった。黒槍の穂先には無数の鉤爪のような返しが付いている。これだけ深々と刺さっていれば傷口の肉ごと抉らないと抜き取れないだろう。乱暴なことをして余計に損壊させては後の処置に困る。
「ボス?」
「どうかした?」
ユアとユナが怪訝そうにシュンを見た。
「槍穂の返しが多い。背側に抜こう」
シュンは巨人の女が座っている椅子を横から見える位置へと移動すると、椅子の背もたれから突き出ている槍穂へテンタクル・ウィップを巻き付け、力を込めて鋭く引いた。
「・・変だな?」
シュンは動きを止めて眼を凝らした。
微動だにしなかった。
抜けないまでも、少しズレるか、軋み音の一つくらいは鳴りそうなものだが・・。
「椅子が硬い?」
「撃ってみる?」
「・・悪いが、斬らせて貰うぞ」
シュンは、女巨人に声をかけつつ、"魔神殺しの呪薔薇"を取り出した。
「金剛力」
身体強化を行いながら、"魔神殺しの呪薔薇"をゆっくりと振りかぶる。
ユアとユナが周囲へ警戒の視線を向けつつ、少し後ろへ下がった。
瞬間、シュンが消えて、女巨人の頭上へ姿を現した。
「おぉぉぉぉーーーっ!」
シュンにしては珍しく大きな雄叫びをあげた。
途端、項垂れていた女巨人の頭部が動いて真上を見上げるや、鋭い牙の並んだ大口を開け、首を蛇のように伸ばしてシュンに咬みついてきた。
「はずれ!」
「残念っ!」
ユアとユナがにやりと笑った。
首を長々と伸ばして咬みついた先にシュンはいなかった。
ギィアァッ・・
長い首の先にある口から苦鳴が漏れた。
椅子の肘掛けに乗ったシュンが、"魔神殺しの呪薔薇"を腹部へ突き入れている。そのまま、宙返りをするように後方へ回転して、下から上へ、胸部から首にかけて斬り裂いていた。
続いて、前後左右に連続して瞬間移動を繰り返して姿を明滅させたシュンが、女巨人が動きを追えていないことを確かめてから、真上に出現して斬り下ろす。そのまま、シュンは金剛力の効果が続く限り連続して斬り続けた。
しばらくして、シュンが動きを止めた時には、女巨人が銀色の粒子となって崩れ始めていた。
「カーミュ?」
『ずっと前に魂が死んでいたです。今、体が死んだです』
白翼の美少年が顔をしかめながら言った。その時、
ドシィィィーーン・・・
酷く重々しい音をたてて、黒槍が床に転がり落ちた。テンタクル・ウィップを巻き付けていたのだが、3本では支えきれない重さだった。
「この槍を識っているか?」
シュンはテンタクル・ウィップを12本巻き付けて黒槍を宙に持ち上げた。
『初めて見たです。禍々しいのです』
「呪具の類か?」
『それと同類なのです』
白翼の美少年が指さしたのは、シュンが握っている"魔神殺しの呪薔薇"だった。
「得体の知れない武器ということか」
シュンは少し考えてから、ポイポイ・ステッキで収納した。さらに、椅子の上に遺された魂石も収納する。
その時、危急を告げる声が響いた。
女悪魔の声だ。
そうと気付くなり、シュンはユアとユナを両脇に抱えて瞬間移動した。
移動した先は、女悪魔が待っている"異界の門"だ。
「主殿、門が閉じそうじゃ!」
いきなり出現したシュン達を見て、女悪魔が安堵の表情を浮かべて寄って来た。
「向こうへ戻ろう」
アルマドラ・ナイトを送還し、シュン達は"異界の門"を潜った。
「シュン様!」
門の向こう側では、サヤリが思い詰めたような顔で待っていた。安堵の表情を浮かべて駆け寄って来る。
「もう少し探索したかったが・・」
シュンが振り返った時、おぼろげに視界を歪めていた"異界の門"が大気に溶けるようにして消えていった。
「謎だらけだな」
シュンは小さく息をついた。結局、"異界の門"を設置した者については不明のままだ。
「大亀とろくろ首を斃した」
「黒い槍をゲットした」
双子が手帳に書き記している。
「カーミュ、あそこがどこか分かるか?」
『異界はいっぱいあるです。どれがどれだか分からないです』
白翼の美少年が申し訳なさそうに項垂れる。
「気にするな。分かったところで、どうしようもない。ただ、地名・・名称くらいは知っておきたいと思っただけだ」
シュンは笑顔で言った。
「妾の使い魔を遊ばせておる故、もう少し情報が得られるはずじゃ」
女悪魔が胸元に球形の魔法陣を浮かべながら言った。
「"異界の門"は閉じたぞ?」
「妾の使い魔は、距離も時空も関係ないのじゃ。どこの世界におろうと情報は届く。ただ、界が違うと魔力を補充できぬゆえ、10日足らずで土塊に戻ってしまうが・・」
女悪魔が微かに紅唇を綻ばせた。
「これで悪魔の侵入経路は塞がったのか?」
シュンの問いかけに、女悪魔が頷いた。
「そのはずじゃ。迷宮内には他に"穴"は見つかっておらぬ」
「よし・・次は1階へ行って罠の設置だ。侵入経路を罠で塞ぐ」
「アイアイ」
「ラジャー」
ユアとユナが敬礼をした。
"異界の門"の向こう側は、巨大な石造りの建物の中である。恐らくは巨大亀が居たのだろう円形の広大な台座を、真上から見下ろせる半球状の天井近くに、"門"の出入り口が設置されていた。
「妾の世界とは違うようじゃ」
女悪魔ががらんと何も無い建物中を見回しつつ黒翼を広げて舞っている。
シュンはアルマドラ・ナイトを召喚して肩に乗り、ユアとユナも自分では飛ばず肩甲に並んで座っていた。
『高い場所なのです』
白翼の美少年が先行して漂いながら言った。
「高い場所?」
シュンは改めて巨大な建造物の中を見回した。
円形の台座がある部分を、上下二階層の回廊が囲んでいた。回廊部分は、人が歩くための廊下にしては幅が広く天井高がある。
『この建物が高い場所にあるです』
「・・そうなのか。出入り口は見当たらないようだが、あの回廊のどこかにあるのか?」
シュンはユアとユナとアルマドラ・ナイトの肩に乗ったまま、建物の散策を始めた。
「主殿、"異界の門"の発動原理が分からぬ。あまり遠くへ行くのは危険じゃ」
女悪魔が天井の"異界の門"付近に浮いたまま、不安そうに声をかけてきた。
「分かった」
返事を返しつつ、シュン達は回廊に階段を見つけて、1階から2階へと上った。1階部分と造りは変わらないが、2階には回廊に沿って部屋があった。
「ここには、大きな人が住んでいた」
「間違いない」
2人が見上げた扉は、把手まで2メートル近い高さがあった。
アルマドラ・ナイトに指示して扉の把手を動かすと、巨大な扉が音も無く開いていった。
瞬間、シュンは水楯を多重展張した。最近は、一枚ずつ重ねるまでもなく、同時に数十枚を展張できるようになっている。
「危険感知だ。油断するな」
「アイアイ」
「ラジャー」
ユアとユナが防御魔法をかけ始める。
「ユキシラ、そちらの様子はどうだ?」
シュンは"護耳の神珠"で呼びかけた。ユキシラを、"異界の門"の向こう側に残して来たのだ。
『サヤリです。今のところ接近してくる者などおりません。念の為、門周辺を幻術で覆っています』
現在はサヤリになっているらしい。
「分かった」
シュンは開いた扉の内へ視線を向けると、大扉が閉じないようアルマドラ・ナイトに押さえさせ、そのまま待機を命じた。瞬間移動が使えるため、扉が閉まっていても問題無いと思うが、何らかの障害が起きる可能性はある。
シュンとユア、ユナは警戒しながら扉から続く廊下を進んで行った。少し歩くと、広々とした大部屋になり、中央奥の方に座っているらしい人影が見えてきた。人影は椅子に座ったまま、シュン達が居る通路側を向いているようだが反応した様子はない。
「テンタクル・ウィップ」
まだ遠いが、シュンは黒い触手を伸ばして人影に巻きつかせた。身の丈は5メートル近いが、痩せ細った体躯だった。テンタクル・ウィップを巻きつけた手も足も骨と皮しかない。
近づいてみると、祭壇のような雰囲気の壇上に巨大な椅子が設えてあり、青みがかった長い髪をした女が座っていた。
女は雪色に輝く長衣の腹部を黒い槍に貫かれて椅子の背に縫い刺しになっている。衣服を湿らせた銀色をした液体が血液なのだろうか?
「密室殺人」
「犯人はこの中にいる」
ユアとユナがMP5を構えて周囲を見回した。静まり返った広間に生き物の姿は見当たらない。扉が自由に開くので、密室では無さそうだ・・と思いつつ、シュンは巨人の女を貫いた黒い槍に眼を凝らした。
「不気味な槍だな」
槍の素材は黒々とした何かの金属で、銀色の筋が葉脈のように浮き上がって表面を覆い、ゆっくりと息づくように明滅を繰り返していた。
「ん?」
シュンは黒い槍に眼を凝らした。
「ボス?」
「危険感知?」
「それだ」
シュンは黒い槍を指差した。同時にテンタクル・ウィップを3本伸ばして黒い槍に巻きつかせた。
「気配を感じる」
「ボス、もしかして、巨人が生きてる?」
「槍を抜いたら生き返る?」
双子のMP5が巨人の女へ向けられる。
「さあな・・抜いてみるか」
そう考えたシュンだったが、力を込める寸前で思いとどまった。黒槍の穂先には無数の鉤爪のような返しが付いている。これだけ深々と刺さっていれば傷口の肉ごと抉らないと抜き取れないだろう。乱暴なことをして余計に損壊させては後の処置に困る。
「ボス?」
「どうかした?」
ユアとユナが怪訝そうにシュンを見た。
「槍穂の返しが多い。背側に抜こう」
シュンは巨人の女が座っている椅子を横から見える位置へと移動すると、椅子の背もたれから突き出ている槍穂へテンタクル・ウィップを巻き付け、力を込めて鋭く引いた。
「・・変だな?」
シュンは動きを止めて眼を凝らした。
微動だにしなかった。
抜けないまでも、少しズレるか、軋み音の一つくらいは鳴りそうなものだが・・。
「椅子が硬い?」
「撃ってみる?」
「・・悪いが、斬らせて貰うぞ」
シュンは、女巨人に声をかけつつ、"魔神殺しの呪薔薇"を取り出した。
「金剛力」
身体強化を行いながら、"魔神殺しの呪薔薇"をゆっくりと振りかぶる。
ユアとユナが周囲へ警戒の視線を向けつつ、少し後ろへ下がった。
瞬間、シュンが消えて、女巨人の頭上へ姿を現した。
「おぉぉぉぉーーーっ!」
シュンにしては珍しく大きな雄叫びをあげた。
途端、項垂れていた女巨人の頭部が動いて真上を見上げるや、鋭い牙の並んだ大口を開け、首を蛇のように伸ばしてシュンに咬みついてきた。
「はずれ!」
「残念っ!」
ユアとユナがにやりと笑った。
首を長々と伸ばして咬みついた先にシュンはいなかった。
ギィアァッ・・
長い首の先にある口から苦鳴が漏れた。
椅子の肘掛けに乗ったシュンが、"魔神殺しの呪薔薇"を腹部へ突き入れている。そのまま、宙返りをするように後方へ回転して、下から上へ、胸部から首にかけて斬り裂いていた。
続いて、前後左右に連続して瞬間移動を繰り返して姿を明滅させたシュンが、女巨人が動きを追えていないことを確かめてから、真上に出現して斬り下ろす。そのまま、シュンは金剛力の効果が続く限り連続して斬り続けた。
しばらくして、シュンが動きを止めた時には、女巨人が銀色の粒子となって崩れ始めていた。
「カーミュ?」
『ずっと前に魂が死んでいたです。今、体が死んだです』
白翼の美少年が顔をしかめながら言った。その時、
ドシィィィーーン・・・
酷く重々しい音をたてて、黒槍が床に転がり落ちた。テンタクル・ウィップを巻き付けていたのだが、3本では支えきれない重さだった。
「この槍を識っているか?」
シュンはテンタクル・ウィップを12本巻き付けて黒槍を宙に持ち上げた。
『初めて見たです。禍々しいのです』
「呪具の類か?」
『それと同類なのです』
白翼の美少年が指さしたのは、シュンが握っている"魔神殺しの呪薔薇"だった。
「得体の知れない武器ということか」
シュンは少し考えてから、ポイポイ・ステッキで収納した。さらに、椅子の上に遺された魂石も収納する。
その時、危急を告げる声が響いた。
女悪魔の声だ。
そうと気付くなり、シュンはユアとユナを両脇に抱えて瞬間移動した。
移動した先は、女悪魔が待っている"異界の門"だ。
「主殿、門が閉じそうじゃ!」
いきなり出現したシュン達を見て、女悪魔が安堵の表情を浮かべて寄って来た。
「向こうへ戻ろう」
アルマドラ・ナイトを送還し、シュン達は"異界の門"を潜った。
「シュン様!」
門の向こう側では、サヤリが思い詰めたような顔で待っていた。安堵の表情を浮かべて駆け寄って来る。
「もう少し探索したかったが・・」
シュンが振り返った時、おぼろげに視界を歪めていた"異界の門"が大気に溶けるようにして消えていった。
「謎だらけだな」
シュンは小さく息をついた。結局、"異界の門"を設置した者については不明のままだ。
「大亀とろくろ首を斃した」
「黒い槍をゲットした」
双子が手帳に書き記している。
「カーミュ、あそこがどこか分かるか?」
『異界はいっぱいあるです。どれがどれだか分からないです』
白翼の美少年が申し訳なさそうに項垂れる。
「気にするな。分かったところで、どうしようもない。ただ、地名・・名称くらいは知っておきたいと思っただけだ」
シュンは笑顔で言った。
「妾の使い魔を遊ばせておる故、もう少し情報が得られるはずじゃ」
女悪魔が胸元に球形の魔法陣を浮かべながら言った。
「"異界の門"は閉じたぞ?」
「妾の使い魔は、距離も時空も関係ないのじゃ。どこの世界におろうと情報は届く。ただ、界が違うと魔力を補充できぬゆえ、10日足らずで土塊に戻ってしまうが・・」
女悪魔が微かに紅唇を綻ばせた。
「これで悪魔の侵入経路は塞がったのか?」
シュンの問いかけに、女悪魔が頷いた。
「そのはずじゃ。迷宮内には他に"穴"は見つかっておらぬ」
「よし・・次は1階へ行って罠の設置だ。侵入経路を罠で塞ぐ」
「アイアイ」
「ラジャー」
ユアとユナが敬礼をした。
1
お気に入りに追加
515
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
夫から国外追放を言い渡されました
杉本凪咲
恋愛
夫は冷淡に私を国外追放に処した。
どうやら、私が使用人をいじめたことが原因らしい。
抵抗虚しく兵士によって連れていかれてしまう私。
そんな私に、被害者である使用人は笑いかけていた……
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
美しい姉と痩せこけた妹
サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる