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第二章
第119話 鈴の音
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ユキのチタン六角棒が正面から死告騎士の膝頭を打ち払う。ほぼ同時に、背後から襲ったレンの"レフト・シザーズ"が細い首を挟んで吊るし上げ、"ライト・シザーズ"が背から腹部へと貫き通した。
その時には、宙へ跳び上がったユキが、巨大なハンマーを振りかぶっている。
「シザーズ、オフ!」
ユキのハンマーが触れる寸前で、レンは"シザーズ"を消しながら跳びすさった。
ドシィィィ……
巨大な鎚頭が容赦なく"土俵"の床を殴打して振動させる。
『"核"が分離して移動します』
視界中央に、補助脳の赤色メッセージが浮かんだ。
(どこ……)
レンは素早く視線を巡らせた。
『ハイライト表示します』
メッセージと同時に、視界に3つの赤点が点った。
小指の先ほどの小さな光点が、圧壊した死告騎士の残骸の周囲に転がっている。
(……物じゃないのか)
"核"というくらいだから、宝石の玉のような物を想像していたのだが、どうやら肉眼では見えないエネルギーの塊のようだった。
(ナノマテリアル?)
『いいえ、小型の記憶演算装置です』
(魔力の道具?)
『マノントリに極めて近い物体です』
(……マノントリ)
レンの眉間に皺が寄る。
『透明に見えるよう、周囲に同化するエネルギー皮膜に覆われています』
補助脳のメッセージを見ながら、レンはHK417で狙いを付けた。
ダンッ!
ダンッ!
ダンッ!
3つの"核"それぞれに 7.62×51mm 弾を撃ち込んだ。
触れると爆ぜるような物では困る。まずは、銃撃して様子を見るつもりだったが……。
『消滅を確認しました』
"核"は、3つ共粉々になった。銃弾で処理できる物らしい。
(破片から再生するとか?)
『消滅を確認しました』
(……そう?)
レンは、近寄ってきたユキに"核"のことを伝えた。
「……これまでの死告騎士の"核"は、討ち漏らしていたのでしょうか?」
ユキが形良い眉をしかめる。
(どうなの?)
『"核"を体外に分離した個体は、"オリジン・ワン"が初めてです』
「……らしいよ?」
「そうですか」
ほっと息を吐いて、ユキが"土俵"を見回した。
「討伐表示が出ません」
「何かあるのかな?」
レンは自分の"フェザーコート"残量と特殊スキルの回復状況を確認した。
「コートは22%。2発撃てる」
「私は、26%です」
ユキが囁くように声を潜めて言った時、いきなり上方から眩い光が照射されて、レンとユキを包み込んだ。
(攻撃!?)
思わず身を硬くしたが、
『転移光です』
補助脳のメッセージが懸念を打ち消してくれた。
「転移みたい」
「……転移ですか」
レンとユキは、光に包まれながら背を合わせて転移が終わる瞬間を待った。
(6……7……8……)
レンは俯いて足下を見つめたままカウントしていた。転移光に包まれてから、やけに時間がかかっている。
(これ……落ちてるんじゃないか?)
これまで経験してきた転移とは異なり、浮遊感のようなものが腹腔をくすぐっている。
『円筒形の筒の中を高速で降下中です』
(円筒……って、エレベーター?)
『"土俵"ごと降下しています』
(転移じゃない)
レンは顔をしかめた。
「落ちていますか?」
背後からユキが訊いてくる。
「うん、転移せずに降下しているみたい」
レンは、補助脳の探知情報を見つめた。
『転移光です』
(いや、ただの目くらましだろ?)
『転移光です』
補助脳のメッセージが繰り返し表示される。
直後、
(あっ……)
何度も味わった転移の感覚が襲った。今度は本当に転移したようだった。
『円形の構造物の中です』
レンの視界に、周辺図が高速で描画されてゆく。
「半径150メートル。円形の部屋の中央に立っている。天井は、ドーム状。モンスターはいない」
強い光に包まれたまま、レンはユキに周囲の様子を伝えた。
「了解です」
ユキの返答が聞こえた時、周囲を覆っていた眩い光が減衰して通常の視界が戻ってきた。
「"土俵"が消えた。これ……この床って、大理石?」
レンは戦闘靴の踵で床を蹴った。暗い灰色の石のような物が床一面を覆っていた。
「違います」
ユキが床を見回して言った。
「コンクリートじゃないよね?」
「強化ガラスのような感触です」
「……大理石って見たことある?」
「はい」
「ふうん……そうなんだ」
レンは銃剣を取り出して、足下の床に切っ先を当ててみた。
どのくらい力を入れれば傷が入るか試そうと思ったのだが……。
「硬いな」
毛ほどの傷すら付けられなかった。
『地球のモース硬度で10はあります』
(叩けば割れる?)
『モース硬度とは引っ掻き傷に対する耐性です。打撃や衝撃に対する強度を表すものではありません』
(ふうん……脆い可能性があるってこと?)
レンは銃剣を鞘に収めて、柄頭で床面を叩いてみた。
(割れる感じがしないな)
"パワーヒット"を使ってチタンハンマーで叩くとどうなるだろう?
『"フェザーコート"の残量は、31%です』
(……やらないよ)
レンは立ち上がって周囲に視線を巡らせた。
補助脳の探知によって、構造物の形や大きさは把握できている。
「何もありませんね」
ユキが言った。
「動くと何かが起こるのかな?」
補助脳の探知情報にも、モンスターらしい反応は表示されていない。真っ平らな床面の上には何も無い。周囲を囲む垂直の壁にも、上を覆う天井にも……。
「このまま、コートの回復を待とうか」
「そうですね」
レンの提案に、ユキが頷いた。
何も起こらないのなら、動かずに"フェザーコート"と特殊スキルの回復を待つべきだろう。
「あれっ?」
レンは小さく声を漏らした。
「レンさん?」
ユキがレンを見る。
「オリジン・ワンの討伐情報が出てない」
「……ぁ」
ユキが軽く目を見開いて、HK417を手に周囲を素早く見回した。
「あの人形、まだ動くのか?」
補助脳の探知に触れず、どこかに潜んでいるのだろうか?
『ここが、ゾーンダルクから隔絶した空間である可能性があります』
「ゾーンダルクじゃない?」
レンは、ボードメニューの【マップ】を開いてみた。
「座標が表示されない」
「ピクシーメールを送ることができません」
ユキが言った。
「さっきの転移で、また変な場所に閉じ込められたのか」
顔をしかめながら、レンは【アイテムボックス】から麦茶の入ったペットボトルを取り出して口に含んだ。
「このまま放置されるとつらいですね」
ユキがボードのメニューをいくつか試しながら呟く。
「確かに」
レンは苦笑した。
その時だった。
シャリンッ……シャリンッ……シャリンッ……
どこからか鈴の音が聞こえてきた。
(上?)
レンとユキは上方を見上げて軽く息を飲んだ。
背に白い大翼の生えた巨大な"バーブ"が浮かんでいた。
「バーブ……ですか?」
ユキが小声で囁いた。
「……たぶん」
レンも声を潜めている。大きさこそ段違いだが、形状は"バーブ"そのものだ。
- 142m
(こいつ、目があるのか)
これまで遭遇した"バーブ"には牙の並んだ口しかなかったが、目の前の巨大な"バーブ"には口が無く、その大きな禿頭を埋め尽くさんばかりの無数の目があった。
首から下は黒地に幾筋もの赤い模様がはいった裾の長いドレスを纏っていて、手には錫杖のような物を握っている。その先に沢山の鈴がぶら下がっていて音を鳴らしているようだった。
(服からすると、女?)
"バーブ"に人間のような性別があるのかは分からないが……。
(頭頂高38メートル……)
補助脳による測定値を見ながら、レンは灰色の床面を見回した。
いつの間にか床の色が変わって、透明感のある黒に近い色になっている。
シャリンッ……
巨大バーブが、錫杖を振って鈴音を響かせた。
『精神を攻撃するエネルギー波を感知しました』
「ユキ?」
レンは、横目でユキを見た。
「大丈夫です」
答えるユキの顔が、苦痛に耐えるように歪められている。
シャリンッ……
再び、錫杖が鳴らされた。
「精神に攻撃を受けた」
レンはユキに声を掛けつつ、【アイテムボックス】から対物狙撃銃を取り出し、巨大なバーブの頭部に狙いを付けた。特殊スキルは、まだ2回しか使えないが……。
シャリンッ……
巨大なバーブが錫杖を鳴らした。
ダァン!
鈴の音を掻き消すように銃声が轟く。
「ユキ!」
額を抑えて身を屈めたユキに声を掛けながら、レンは巨大バーブめがけて閃光発音筒を放った。
キィィィアァァァァ…………
金切り声を放ちながら、巨大バーブが頭を抱えて体を震わせた。
その時、放り上げた閃光発音筒が爆ぜた。
100万カンデラを超える閃光と轟音が巨大バーブを襲った。
「ユキ!」
「……耐えます」
ユキがレンを見て小さく頷いた。
「一瞬……悪寒に襲われて体の自由を奪われます」
「今は?」
レンは、銃座ごと重機関銃を取り出して床に設置した。上蓋を開いて弾帯を挟むと装填レバーを操作し、射撃レバーを押し込む。
「動けなくなるのは、鈴の音が聞こえてから3秒間です」
銃座の陰へ入りつつ、ユキが閃光発音筒のピンを抜いて放り上げた。
(動きを阻害する攻撃か)
精神に対する攻撃と聞いて、体を操られるような状態を想像したが……。
(……3秒も動けなかったら死ぬ)
レンは無数の目に覆われた頭部を狙って銃弾を当て続けた。予想通り、当たる寸前で見えない壁に邪魔をされて銃弾が散らされる。
ユキの投げた閃光発音筒が爆発した。
キィィィアァァァァ…………
巨大バーブの悲鳴が響き渡った。
======
死告騎士 [ オリジン・ワン ] を討伐した!?
"土俵"ごと何処かに転移した!
その時には、宙へ跳び上がったユキが、巨大なハンマーを振りかぶっている。
「シザーズ、オフ!」
ユキのハンマーが触れる寸前で、レンは"シザーズ"を消しながら跳びすさった。
ドシィィィ……
巨大な鎚頭が容赦なく"土俵"の床を殴打して振動させる。
『"核"が分離して移動します』
視界中央に、補助脳の赤色メッセージが浮かんだ。
(どこ……)
レンは素早く視線を巡らせた。
『ハイライト表示します』
メッセージと同時に、視界に3つの赤点が点った。
小指の先ほどの小さな光点が、圧壊した死告騎士の残骸の周囲に転がっている。
(……物じゃないのか)
"核"というくらいだから、宝石の玉のような物を想像していたのだが、どうやら肉眼では見えないエネルギーの塊のようだった。
(ナノマテリアル?)
『いいえ、小型の記憶演算装置です』
(魔力の道具?)
『マノントリに極めて近い物体です』
(……マノントリ)
レンの眉間に皺が寄る。
『透明に見えるよう、周囲に同化するエネルギー皮膜に覆われています』
補助脳のメッセージを見ながら、レンはHK417で狙いを付けた。
ダンッ!
ダンッ!
ダンッ!
3つの"核"それぞれに 7.62×51mm 弾を撃ち込んだ。
触れると爆ぜるような物では困る。まずは、銃撃して様子を見るつもりだったが……。
『消滅を確認しました』
"核"は、3つ共粉々になった。銃弾で処理できる物らしい。
(破片から再生するとか?)
『消滅を確認しました』
(……そう?)
レンは、近寄ってきたユキに"核"のことを伝えた。
「……これまでの死告騎士の"核"は、討ち漏らしていたのでしょうか?」
ユキが形良い眉をしかめる。
(どうなの?)
『"核"を体外に分離した個体は、"オリジン・ワン"が初めてです』
「……らしいよ?」
「そうですか」
ほっと息を吐いて、ユキが"土俵"を見回した。
「討伐表示が出ません」
「何かあるのかな?」
レンは自分の"フェザーコート"残量と特殊スキルの回復状況を確認した。
「コートは22%。2発撃てる」
「私は、26%です」
ユキが囁くように声を潜めて言った時、いきなり上方から眩い光が照射されて、レンとユキを包み込んだ。
(攻撃!?)
思わず身を硬くしたが、
『転移光です』
補助脳のメッセージが懸念を打ち消してくれた。
「転移みたい」
「……転移ですか」
レンとユキは、光に包まれながら背を合わせて転移が終わる瞬間を待った。
(6……7……8……)
レンは俯いて足下を見つめたままカウントしていた。転移光に包まれてから、やけに時間がかかっている。
(これ……落ちてるんじゃないか?)
これまで経験してきた転移とは異なり、浮遊感のようなものが腹腔をくすぐっている。
『円筒形の筒の中を高速で降下中です』
(円筒……って、エレベーター?)
『"土俵"ごと降下しています』
(転移じゃない)
レンは顔をしかめた。
「落ちていますか?」
背後からユキが訊いてくる。
「うん、転移せずに降下しているみたい」
レンは、補助脳の探知情報を見つめた。
『転移光です』
(いや、ただの目くらましだろ?)
『転移光です』
補助脳のメッセージが繰り返し表示される。
直後、
(あっ……)
何度も味わった転移の感覚が襲った。今度は本当に転移したようだった。
『円形の構造物の中です』
レンの視界に、周辺図が高速で描画されてゆく。
「半径150メートル。円形の部屋の中央に立っている。天井は、ドーム状。モンスターはいない」
強い光に包まれたまま、レンはユキに周囲の様子を伝えた。
「了解です」
ユキの返答が聞こえた時、周囲を覆っていた眩い光が減衰して通常の視界が戻ってきた。
「"土俵"が消えた。これ……この床って、大理石?」
レンは戦闘靴の踵で床を蹴った。暗い灰色の石のような物が床一面を覆っていた。
「違います」
ユキが床を見回して言った。
「コンクリートじゃないよね?」
「強化ガラスのような感触です」
「……大理石って見たことある?」
「はい」
「ふうん……そうなんだ」
レンは銃剣を取り出して、足下の床に切っ先を当ててみた。
どのくらい力を入れれば傷が入るか試そうと思ったのだが……。
「硬いな」
毛ほどの傷すら付けられなかった。
『地球のモース硬度で10はあります』
(叩けば割れる?)
『モース硬度とは引っ掻き傷に対する耐性です。打撃や衝撃に対する強度を表すものではありません』
(ふうん……脆い可能性があるってこと?)
レンは銃剣を鞘に収めて、柄頭で床面を叩いてみた。
(割れる感じがしないな)
"パワーヒット"を使ってチタンハンマーで叩くとどうなるだろう?
『"フェザーコート"の残量は、31%です』
(……やらないよ)
レンは立ち上がって周囲に視線を巡らせた。
補助脳の探知によって、構造物の形や大きさは把握できている。
「何もありませんね」
ユキが言った。
「動くと何かが起こるのかな?」
補助脳の探知情報にも、モンスターらしい反応は表示されていない。真っ平らな床面の上には何も無い。周囲を囲む垂直の壁にも、上を覆う天井にも……。
「このまま、コートの回復を待とうか」
「そうですね」
レンの提案に、ユキが頷いた。
何も起こらないのなら、動かずに"フェザーコート"と特殊スキルの回復を待つべきだろう。
「あれっ?」
レンは小さく声を漏らした。
「レンさん?」
ユキがレンを見る。
「オリジン・ワンの討伐情報が出てない」
「……ぁ」
ユキが軽く目を見開いて、HK417を手に周囲を素早く見回した。
「あの人形、まだ動くのか?」
補助脳の探知に触れず、どこかに潜んでいるのだろうか?
『ここが、ゾーンダルクから隔絶した空間である可能性があります』
「ゾーンダルクじゃない?」
レンは、ボードメニューの【マップ】を開いてみた。
「座標が表示されない」
「ピクシーメールを送ることができません」
ユキが言った。
「さっきの転移で、また変な場所に閉じ込められたのか」
顔をしかめながら、レンは【アイテムボックス】から麦茶の入ったペットボトルを取り出して口に含んだ。
「このまま放置されるとつらいですね」
ユキがボードのメニューをいくつか試しながら呟く。
「確かに」
レンは苦笑した。
その時だった。
シャリンッ……シャリンッ……シャリンッ……
どこからか鈴の音が聞こえてきた。
(上?)
レンとユキは上方を見上げて軽く息を飲んだ。
背に白い大翼の生えた巨大な"バーブ"が浮かんでいた。
「バーブ……ですか?」
ユキが小声で囁いた。
「……たぶん」
レンも声を潜めている。大きさこそ段違いだが、形状は"バーブ"そのものだ。
- 142m
(こいつ、目があるのか)
これまで遭遇した"バーブ"には牙の並んだ口しかなかったが、目の前の巨大な"バーブ"には口が無く、その大きな禿頭を埋め尽くさんばかりの無数の目があった。
首から下は黒地に幾筋もの赤い模様がはいった裾の長いドレスを纏っていて、手には錫杖のような物を握っている。その先に沢山の鈴がぶら下がっていて音を鳴らしているようだった。
(服からすると、女?)
"バーブ"に人間のような性別があるのかは分からないが……。
(頭頂高38メートル……)
補助脳による測定値を見ながら、レンは灰色の床面を見回した。
いつの間にか床の色が変わって、透明感のある黒に近い色になっている。
シャリンッ……
巨大バーブが、錫杖を振って鈴音を響かせた。
『精神を攻撃するエネルギー波を感知しました』
「ユキ?」
レンは、横目でユキを見た。
「大丈夫です」
答えるユキの顔が、苦痛に耐えるように歪められている。
シャリンッ……
再び、錫杖が鳴らされた。
「精神に攻撃を受けた」
レンはユキに声を掛けつつ、【アイテムボックス】から対物狙撃銃を取り出し、巨大なバーブの頭部に狙いを付けた。特殊スキルは、まだ2回しか使えないが……。
シャリンッ……
巨大なバーブが錫杖を鳴らした。
ダァン!
鈴の音を掻き消すように銃声が轟く。
「ユキ!」
額を抑えて身を屈めたユキに声を掛けながら、レンは巨大バーブめがけて閃光発音筒を放った。
キィィィアァァァァ…………
金切り声を放ちながら、巨大バーブが頭を抱えて体を震わせた。
その時、放り上げた閃光発音筒が爆ぜた。
100万カンデラを超える閃光と轟音が巨大バーブを襲った。
「ユキ!」
「……耐えます」
ユキがレンを見て小さく頷いた。
「一瞬……悪寒に襲われて体の自由を奪われます」
「今は?」
レンは、銃座ごと重機関銃を取り出して床に設置した。上蓋を開いて弾帯を挟むと装填レバーを操作し、射撃レバーを押し込む。
「動けなくなるのは、鈴の音が聞こえてから3秒間です」
銃座の陰へ入りつつ、ユキが閃光発音筒のピンを抜いて放り上げた。
(動きを阻害する攻撃か)
精神に対する攻撃と聞いて、体を操られるような状態を想像したが……。
(……3秒も動けなかったら死ぬ)
レンは無数の目に覆われた頭部を狙って銃弾を当て続けた。予想通り、当たる寸前で見えない壁に邪魔をされて銃弾が散らされる。
ユキの投げた閃光発音筒が爆発した。
キィィィアァァァァ…………
巨大バーブの悲鳴が響き渡った。
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死告騎士 [ オリジン・ワン ] を討伐した!?
"土俵"ごと何処かに転移した!
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