カオスネイバー(s)

ひるのあかり

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第一章

第34話 シーカーズ

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「ようこそ、シーカーズギルドへ」

 華やいだ笑顔と共に、着物姿の女性がお辞儀をした。
 細面の華奢な雰囲気の美人だった。黒い前髪の間に真っ白な角が生えていること以外は、地球の人間と変わりない姿をしている。
 従業員の被服は、単衣小紋に白い足袋と草履で統一されているらしく、ギルド内で働いている女性はみんなクリーム色をした単衣の和装姿だった。よく見ると、草花の総柄になっている。

(和風なんだから、シーカーズギルドなんて言わずに、探索士組合とかにすればいいのに)

 ちらとそんなことを考えながら、レンは差し出されたアクリルのような質感の板に手の平を置いた。

「エーテル・バンク・カードから情報を読み取って個人情報を登録します。そのまま光り始めるまで動かないで下さい」

 受付の女性に言われて、レンは小さく頷いた。

「銀行とギルドは、何か関係があるんですか?」

「エーテル・バンク・カードは偽造ができませんから、シーカーズギルドでも身元を特定する際に参照利用させて頂いております」

 受付の女性が淀みない口調で表情で答えた。

「参照ですか」

 レンの手元で、板が銀色に色づいた。

「ありがとう御座います。これで、基本登録作業は完了しました」

「何が変わったんでしょう?」

「エーテル・バンク・カードに、シーカーズ情報が追加されました。レン様はボードメニューの【ステータス】を解放していらっしゃいますので、シーカーズ情報を【ステータス】から参照できます。また、同メニューの【ジェネレート】を使用することで、カードの基本情報を任意の素材に印字することが可能です」

「……えっと? ちょっと、意味が分かりません」

 知らない単語が次々に出てくる。

「身分証の提示や提出を求められた際、用意された紙や板、皮などに、ご自身についての基本情報を印字することができます」

「ボードの【ステータス】から?」

 レンは、ボードを開いてステータスを開いた。


------

<基本情報>

・名前:レン
・状態:良好
・所属:富士山 - Gate
・所在:ステーション
・渡界:1回


<シーカーズ・ステータス>

・探索士名 :レン(EBC:fjs09008ren)
・種族名  :異人種
・パーティ名:なし
・種族スキル:身体能力+・欠損再生+・自己治癒+2・銃器使用+3
・発現スキル:空間認識能力+5・動体視力+3・精神耐久+3・刺突+2
・取得スキル:悪疫抗体+7・パワーヒット+3・アクロバット+6・インファイト+5
      :ハルシネイト+7・エナジーサック+2
・宝 珠  :アビオード・ラゼッタ
・勲 章  :オープナー

------


(こんなに情報があったのか)

 レンは、自分のステータス画面を食い入るように見つめた。
 以前の【ステータス】とはまるで内容が異なっていた。

「シーカーとしての情報が追記されているはずです」

 受付の女性が言った。

「……そうですね」

 これまで、なんとなく体の強さが増したような気がしていたが、どうやら本当に何らかの補正がされていたようだ。種族スキルという項目に、それらしい情報が並んでいる。

(自己治癒+2……こういうので、ケインさんの骨折が治ったのか? 欠損再生って……指とか失っても治る? もしかして、眼なんかも? このスキル、いつからあるんだ?)

 "使徒ちゃん"のイベントで獲得したスキルが取得スキルの欄に並んでいた。
 宝珠という物が何かは分からないが、アビオードは帝王鷲、ラゼッタは岩山龍を討伐した際に手に入った物だ。

「この項目や……スキルについての説明は?」

「主なものでしたら、こちらの冊子に纏めてありますが、固有のスキルなどは載っていません」

 手の平サイズの小さな冊子を手渡された。開いてみると、恐ろしく小さな文字がびっしりと並んでいる。

「では、こちらの用紙に、ジェネレートで印字をしてみてください。印字する項目はご自身で選択できます。身分証の提示を求められた場合は、EBC番号、探索士名と種族名、パーティ名の記載があれば問題御座いません。その他の情報は、要求されても公開しないようにして下さい。ギルドの職員等から開示を求められた場合でも、拒否して頂いて結構です」

 受付の女性が、A4くらいの紙を差し出した。

「分かりました」

 レンは、言われた通りメニューから【ジェネレート】を選択し、表示される手順に従って項目を選んでみた。

(刻印対象に手を触れる?)

 レンは、表示された文字に従い、机上に置かれた紙面に手を載せた。
 途端、レンの手の平の下で光が明滅し、わずかに焦げる臭いが漂った。

(プリントされた?)

 今の一瞬で、紙面にレンのステータスが印字されていた。
 印字されたのは、設定した通り [EBC番号] [探索士名] [種族名] [パーティ名] の4つだけだった。

「ボードメニューのステータスを解放していない場合は、EBCを扱っている銀行で、専用の器具を使って印字作業を行う必要があります。ただ、そうした器具を設置している銀行は少ない上に都度料金が発生しますから、ゾーンダルクへ行く前に何枚か作成しておくことをお勧めします」

 どこかで使う時のために、作り置きをしておいた方が良いらしい。

「それでも良いんですね?」

「はい。ただ、【ジェネレート】で刻印あるいは印字された文字は、3ヶ月経つと消えてしまいます。お気をつけ下さい」

「……なるほど」

 レンのように【ステータス】を解放していれば、いつでも作成可能ということだ。

「では、こちらはギルドでお預かり致します。続きまして、シーカーズギルドにおいて取得可能なボードメニューについてご案内致します」

「よろしくお願いします」

「シーカーズギルドの主な役割は、探索士の方々に様々な情報を提供することです。他には、ギルド内にある取り引き所で、モンスターから入手した品々の買取を行っております。後は……探索士専用の道具類、薬品類の販売等ですね」

 受付の女性が建物の中にある、素材取り引き所や道具屋、薬屋を指さした。

「取り引き所や販売店はどなたでもご利用できますが、売買できる品物や値段は、探索士それぞれの探索ポイントによって変化します。探索ポイントは、累計討伐ポイントと採取ポイントから算出したもので、ギルド内限定の評価数値になります。皆様には公表されません」

「……なんか、色々あるんですね」

 レンは、渡された小冊子に眼を通しながら呟いた。

「ギルドで追加可能なボードメニューですが……異能ポイントをお支払い頂くことで【アラート】を解放できます」

 小さなリーフレットを差し出された。

「なんですか、それ?」

「一定エリア内にモンスターが接近した場合、警報が鳴って報せてくれるというものです。警報音は、本人にしか聞こえません」

 モンスターを感知するための異能らしい。

「探知範囲は、どのくらいですか?」

 レンの補助脳より優れているとは思えないが……。

「【アラート①】が半径100メートル、【アラート②】が半径300メートル、【アラート③】になりますと半径500メートルをカバーします。ただし、それぞれ順番に取得して頂かく必要が御座います」

「間に合ってます」

 レンはリーフレットを返した。
 補助脳の探知範囲は、半径1キロメートルだ。全方位ではなく方向を絞れば、2キロまで探知できる。ボードの【アラート】は不要だろう。

「……そうですか」

 女が残念そうに言って、手元に置いてあった冊子の頁を捲った。

「もう一つ、【ピクシーメール】というメニューが御座います」

「それは?」

「ギルド職員のピクシーによる郵便サービスです」

「郵便……ですか?」

「お手紙だけでなく、お荷物の配達も可能です。ただし、3辺の合計が90センチメートルの箱に収納できる物に限ります」

 そう言うと、女が受付机の上に空箱を置いた。

「これ、誰宛てに送れるんですか?」

「過去に立ち寄ったシーカーズギルド、現在のパーティメンバー及びボードの【検索】に表示されている相手が対象となります」

 シーカーズギルドとパーティメンバーなら、距離に関係無く手紙や荷物をやり取りできるという説明だった。

「取得は、何ポイントですか?」

「10ポイントになります」

 女が微笑んで見せた。

「う~ん……結構かかりますね」

 レンは唸った。
 有用そうなメニューなので解放しておきたいが……。

「ギルドとの連絡にも使えますので、仲介した依頼の達成報告、納品などにもご利用頂けますよ」

 受付の女性がにこやかに言った。

「……取得します」

「畏まりました。それでは、レン様のボードに【ピクシーメール】を追加致します」

「仲介した依頼というのは何ですか?」

 RPGゲームによくあるクエストのことだろうか?

「あちらに、当ギルドで仲介している依頼を掲示してあります。ぜひご覧になって下さい」

「掲示板?」

 女が指さした先に大きな掲示板があり、葉書サイズの紙がいっぱい貼ってあった。
 その前で、ケイン達が談笑している。

「受注を希望される際は、依頼書を取ってこちらにお持ち下さい。契約書類を作成後、控えをエーテル・バンク・カードに転写します」

「他に、追加できるメニューは無いんですか?」

「現在のところは、【アラート】と【ピクシーメール】のみとなっております」

「分かりました。ありがとうございました」

 話を切り上げ、レンは受付を後にしてケイン達のところへ向かった。

「おう! 終わったか」

 ケインがレンを見て破顔する。

「お待たせしました」

「何かボードメニューを取ったのか?」

「ちょっと迷ったんですが【ピクシーメール】を解放しました」

「俺達は、ポイントが少ないから諦めたぜ。解放できたのは、ユキさんとレン君だけだな」

「うわぁ、いいなぁ」

「あると便利そうよね。私も欲しかったんだけど、ポイントがきつくてさ」

 マイマイとキララが羨ましそうにレンを見る。

「【アラート】は解放しましたか?」

 ユキが訊いてきた。

「いや、取らなかった。ユキは?」

「【アラート①】だけ解放しました。【アラート②】は10ポイント、【アラート③】は20ポイント必要みたいです」

「うわ……それはきつい」

 他のメニューより必要ポイントが多かった。それだけ、ゾーンダルクでは探知能力に価値があるということだろう。

「アナウンスにあった【ゼロウェイスト】というのは何でしょう?」

 新メニューが、グレーアウトした状態で追加されている。

「まだ誰も解放してないわ。そのままの意味なら、ゴミを出さないってことだろうけど」

「5ポイントですね」

 レンは、ボードを開いて解放に必要なポイント数を確かめた。

「こういうのって、普通は説明書きとかあるもんじゃない? ステーションの誰に訊いても知らないって言うし……ただのゴミ処理ならポイントが勿体ないわ」

「僕は、まだポイントが余っているから取ってみます」

 レンは、【ゼロウェイスト】を解放してみた。

「ちょっ……」

「レン君ってば、大胆!?」

 キララとマイマイが慌てる。

「ああ……ウェイストって、排泄物のことなんですか」

 レンは、メニューの説明に眼を通して呟いた。
 【ゼロウェイスト】とは、ゴミではなく、排泄物をゼロにするというメニューだった。

「ええっ!?」

「レン君っ!? それ、本当っ?」

 マイマイとキララが飛びついてきた。

「ゾーンダルクに滞在中、小便と大便を排泄する行為が不要になる……そう書いてあります」

 レンは、表示されたメニューの説明書きをそのまま読み上げた。
 そうと聞くなり、マイマイ、キララ、ユキ、そしてケインまでが【ゼロウェイスト】を取得していた。









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レンは、シーカーズギルドに登録した!

レンは、新メニュー【ピクシーメール】【ゼロウェイスト】を解放した!
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