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第一章
第6話 赤い鳥
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レンが岩山だと思ったものは、巨大なトカゲだった。
もしかしたら、恐竜と呼んでも良いのかもしれない。岩のようにゴツゴツとした硬くて分厚い鎧を背負った大きなトカゲだ。
その巨大なトカゲが喰われていた。
真っ赤な色をした大きな鳥が、片足で岩山を押さえ付けて転がし、大きな嘴でバリバリとトカゲの腹部を粉砕して中の肉をついばんでいる。
悪夢のような光景だった。
(これって……現実なんだよな?)
呆然となりながらも、レンはなんとか平静さを保っていた。
恐怖もある。焦りもある。だが、頭のどこかが冷静に状況を把握し、分析し続けていた。
(岩山みたいなトカゲの全長が25メートルくらい? あんな化け物も……赤い鳥にとったら餌なのか)
大きさ自体はさほど変わらないが、力の強さが段違いらしい。
巨鳥の爪のある足で押さえ付けられて、巨大なトカゲが手足を力無く動かして足掻いている。その腹底へ、真っ赤な巨鳥が大きな嘴を突き入れ、中身を毟り取っていた。
レンの位置からでは、鳥の姿全体は見えなかったが、鷲や鷹のような体型に見える。
(あの岩山みたいなのが、食べられる側? どうなってるんだ、この森……)
レンは、改めて周囲へ視線を巡らせた。
警戒だけは続けておかないと危ない。"怪獣"に気を取られている間に、別の何かが迫って来ているかも知れなかった。
ギィィア! ギィィア!
不意に、大きな鳥の声が響いた。
慌てて眼を向けると、どうやら満足したらしい真っ赤な巨鳥が、岩山のようなトカゲを捨てて飛び立つところだった。
わずかに遅れて突風が吹き荒れ、周囲の巨樹が軋み音を鳴らした。
(あんな化け物、小銃なんかで撃っても、どうにもならないな)
レンは、頭を抱えて岩片交じりの突風をやり過ごすと、周囲を警戒しながら捕食の現場へ向かった。
(まだ動いてる?)
腹の中身をゴッソリと抜き取られた岩山のようなトカゲが、ひっくり返ったまま弱々しく四肢を動かしていた。鳥の好みなのか、内臓だけをついばんでいて、肉などはそのまま残している。
(……切って焼けば食べられるかな?)
巨鳥が開けた腹の穴から、綺麗な赤い肉が見えていた。
切り取って持っておけば、焼くか、燻すかして食べられそうな気がする。
戦闘糧食を支給されていたが、数には限りがある。
しばらく考えて、レンは意を決して横倒しになった巨大トカゲによじ登ると大きく開いた腹部から中へ入り込んだ。
胃酸が散ったのか眼に染みる刺激臭がしたが、レンから見て上側の骨に付いた肉などは綺麗そうに見えた。
(あれは何だろう?)
背骨らしき太い骨に沿って青白い管が伸び、喉に近い辺りで玉のような塊になっていた。人の頭よりは大きい塊だが、トカゲの巨体からしたら小さなものだ。
(あれも、臓器なのかな?)
レンは、64式小銃に取り付けた銃剣の先で青白い玉を突いてみた。
(思ったより柔らかい?)
力を込めれば貫けそうな感じがした。
(やってみようか)
レンは、体液が飛び散ることを予想して、少し体を引き気味に銃剣で突き刺してみた。
予想とは違い、塊から淡い光粉が噴出してレンの体に吹き付けた。
途端、
『高濃度ナノマテリアルを摂取しました』
いきなり、目の前に光る文字が浮かび上がった。
(う……わあっ!?)
思わず身を引いたレンの目の前で、文字が表示され続けている。
(なんだ? ナノマテリアル?)
狼狽えながら、レンはきょろきょろと周囲を見回し、すぐに、今銃剣で突き刺したもののことだと気が付いた。
(青白い光が出ているけど……これが?)
ナノマテリアルが目視できるはずはないと思いつつも、レンはそっと手を伸ばして刺し傷から漏れ出ているものに触れてみた。
『高濃度ナノマテリアルの摂取により、不足しているナノマテリアルを補填できます』
また、目の前に浮かぶ文字が変化した。
視界の中に、吹き出しが追加され、青白いものを指して"高濃度ナノマテリアル"と表示している。
(どうなってるんだ、僕の眼……いや、これって、ここの仕様? ゲームみたいな? こっちの世界のシステム?)
"ボード"と同じような何かのギミックなのだろうか?
このARのような表示は、"偽神"によるものなのか?
多少気味悪く感じながらも、とにかく悪い状況ではないらしいと見極めて、レンは青白い光を手で受け続けた。
ポーン……
不意の電子音に、レンは身を震わせた。
(なっ、なんだよ!?)
焦った自分に腹を立てるレンの前に、
******
岩山龍 [ アビオドロス ] を討伐しました!
******
銀色に光る大きな文字が浮かび上がった。
(は?)
これまで視界に浮かんでいた無機質な文字とは異なる、飾り文字による大きな表示だった。
呆然と見守るレンの前で、銀色の文字が花火が散るように細かく爆ぜて消えていき、続いて別の表示が浮かび上がった。
******
討伐ポイント:500
異能ポイント:5
技能ポイント:9
採取ポイント:28
******
(これが、ポイント? でも、なんか種類がいっぱいあるみたいだけど?)
固まったまま見つめるレンの目の前で、先ほどと同様に銀色の文字が飛び散って消えていった。討伐ポイントだけだと思っていたが、どうやら他にも種類があるらしい。
[ドロスの泪 :3]
[鉄山鉱 :9]
[真鉄山鉱 :2]
[アビオード :1]
[岩龍の頬肉 :2]
[岩龍の背脂 :1]
[岩龍の大腰筋:2]
[ドロスの歯 :8]
今度は、小さなカード状のものが8枚、レンの正面に並んで浮かび上がった。
応じるように、レンの手元からステーションで作ってもらったエーテル・バンク・カードが浮かび上がる。
(なんだこれ?)
見る間に、レンのエーテル・バンク・カードに、8枚のカードが吸い込まれて消えていった。
『高濃度ナノマテリアルの摂取を完了しました』
(それって……)
『不足していたナノマテリアルを吸収したことで、補助脳の機能不全が解消されます』
(はい? 補助脳って、マーニャが言ってたやつ? 今まで機能してなかったのか?)
『周辺の探知を開始します』
視界に、簡潔な文字が浮かんで消えた。
(ええと……じゃあ、こっちの表示は別口?)
レンは、目の前に浮かんだ銀色の文字列を見ながら嘆息した。
どうやら、ナノマテリアルがどうこうという表示は、マーニャがレンの脳内に施した補助脳が表示するARっぽい"何か"らしい。
銀色の文字は、このゾーンダルクの世界特有の"何か"だろう。
(……なんか、"何か" ばっかりだなぁ)
不確かなことがいっぱいありすぎて笑えてくる。
レンは苦笑を漏らしながらも、当初の目的を思い出して、肋骨らしき骨と骨の間にある肉へ銃剣を突き入れた。肉が食用になるかどうかは分からないが……。
『警告します! ナノマテリアルを内包した物体が多数接近して来ます!』
視界に、赤色の文字が浮かび上がった。
「なんだって?」
警告の表示が意味するところを察し、レンは慌てて岩山龍の死骸から飛び降りると、近くの巨樹へ身を隠した。
『マーカーによる識別表示を行いますか?』
「……お願い」
レンは、64式小銃を手に周囲へ視線を巡らせた。
途端、視界の中に、無数の光点が現れた。
補助脳が、レンの視界内に対象物の位置を表示したらしい。
レンから見て右手側の木々の間を、83個のオレンジ色をした光点が迫ってくる。恐ろしく移動が速い。
今から逃げようにも、見つかればたちまち追いつかれてしまうだろう。
レンは、64式小銃のセレクターを"レ"の位置へ動かした。念の為、初弾が装填されているかどうかを確かめ、大きく息を吸い込み、そしてゆっくりと吐き出した。
『赤外線照準追尾を開始します』
(それ、小銃なのに意味ある?)
レンは、巨樹の裏側に身を潜めたまま、視界を忙しなく左右する光点に注意を向けた。
思ったほど大きくは無い。
一つ一つは、中型犬くらいだ。
『形状測定できました』
声と共に、視界左上に、四角い枠が開き、対象の輪郭が表示された。
(ネズミ……)
大きさはともかく、姿形は地球産のネズミにそっくりだった。
(岩山龍の死骸が目当てだったのか)
樹の裏に隠れているレンには見向きもせず、大きなネズミたちは岩山龍の裂けた腹めがけて飛び込んでいた。
(もう、あの肉は駄目だな)
ネズミが群がった後の肉なんか怖くて食べられない。
(これで全部?)
巨樹の裏からでも、レンの視界には岩山龍の輪郭と、その腹の中へ群がった大ネズミの群れが見えていた。オレンジ色の ▼ マークが全て集まっている。
『探知範囲内の全個体が集合しました』
(……了解)
レンは、64式小銃を肩に担ぐと、戦闘服のポケットから破片手榴弾を2つ取り出した。
(ネズミくらいにしか使い道が無さそうだし……)
レンは、木陰を出て大胆に近付くと、破片手榴弾のピンを抜いて、岩山龍の腹の中で一心不乱に食事をしている大ネズミの集団めがけて放り込んだ。さらに、もう一個同じように放ってから巨樹の裏へ待避した。
大きな爆発が連続して起こった。
いきなりの轟音と衝撃で、パニックになった大ネズミが何匹か飛び出して来る。閉所に集まっていたため、かなりの数を巻き込むことができた。
外に飛び出したネズミ達も重傷を負っていたり、大音で衝撃を受けていて、まともに動けていない。
(ネズミって顔が怖いな)
レンは、64式小銃を構えて引き金を絞った。
======
レンは、岩山龍アビオドロス×1を討伐した!
レンは、毒爪鼠チェロス×83を討伐した!
もしかしたら、恐竜と呼んでも良いのかもしれない。岩のようにゴツゴツとした硬くて分厚い鎧を背負った大きなトカゲだ。
その巨大なトカゲが喰われていた。
真っ赤な色をした大きな鳥が、片足で岩山を押さえ付けて転がし、大きな嘴でバリバリとトカゲの腹部を粉砕して中の肉をついばんでいる。
悪夢のような光景だった。
(これって……現実なんだよな?)
呆然となりながらも、レンはなんとか平静さを保っていた。
恐怖もある。焦りもある。だが、頭のどこかが冷静に状況を把握し、分析し続けていた。
(岩山みたいなトカゲの全長が25メートルくらい? あんな化け物も……赤い鳥にとったら餌なのか)
大きさ自体はさほど変わらないが、力の強さが段違いらしい。
巨鳥の爪のある足で押さえ付けられて、巨大なトカゲが手足を力無く動かして足掻いている。その腹底へ、真っ赤な巨鳥が大きな嘴を突き入れ、中身を毟り取っていた。
レンの位置からでは、鳥の姿全体は見えなかったが、鷲や鷹のような体型に見える。
(あの岩山みたいなのが、食べられる側? どうなってるんだ、この森……)
レンは、改めて周囲へ視線を巡らせた。
警戒だけは続けておかないと危ない。"怪獣"に気を取られている間に、別の何かが迫って来ているかも知れなかった。
ギィィア! ギィィア!
不意に、大きな鳥の声が響いた。
慌てて眼を向けると、どうやら満足したらしい真っ赤な巨鳥が、岩山のようなトカゲを捨てて飛び立つところだった。
わずかに遅れて突風が吹き荒れ、周囲の巨樹が軋み音を鳴らした。
(あんな化け物、小銃なんかで撃っても、どうにもならないな)
レンは、頭を抱えて岩片交じりの突風をやり過ごすと、周囲を警戒しながら捕食の現場へ向かった。
(まだ動いてる?)
腹の中身をゴッソリと抜き取られた岩山のようなトカゲが、ひっくり返ったまま弱々しく四肢を動かしていた。鳥の好みなのか、内臓だけをついばんでいて、肉などはそのまま残している。
(……切って焼けば食べられるかな?)
巨鳥が開けた腹の穴から、綺麗な赤い肉が見えていた。
切り取って持っておけば、焼くか、燻すかして食べられそうな気がする。
戦闘糧食を支給されていたが、数には限りがある。
しばらく考えて、レンは意を決して横倒しになった巨大トカゲによじ登ると大きく開いた腹部から中へ入り込んだ。
胃酸が散ったのか眼に染みる刺激臭がしたが、レンから見て上側の骨に付いた肉などは綺麗そうに見えた。
(あれは何だろう?)
背骨らしき太い骨に沿って青白い管が伸び、喉に近い辺りで玉のような塊になっていた。人の頭よりは大きい塊だが、トカゲの巨体からしたら小さなものだ。
(あれも、臓器なのかな?)
レンは、64式小銃に取り付けた銃剣の先で青白い玉を突いてみた。
(思ったより柔らかい?)
力を込めれば貫けそうな感じがした。
(やってみようか)
レンは、体液が飛び散ることを予想して、少し体を引き気味に銃剣で突き刺してみた。
予想とは違い、塊から淡い光粉が噴出してレンの体に吹き付けた。
途端、
『高濃度ナノマテリアルを摂取しました』
いきなり、目の前に光る文字が浮かび上がった。
(う……わあっ!?)
思わず身を引いたレンの目の前で、文字が表示され続けている。
(なんだ? ナノマテリアル?)
狼狽えながら、レンはきょろきょろと周囲を見回し、すぐに、今銃剣で突き刺したもののことだと気が付いた。
(青白い光が出ているけど……これが?)
ナノマテリアルが目視できるはずはないと思いつつも、レンはそっと手を伸ばして刺し傷から漏れ出ているものに触れてみた。
『高濃度ナノマテリアルの摂取により、不足しているナノマテリアルを補填できます』
また、目の前に浮かぶ文字が変化した。
視界の中に、吹き出しが追加され、青白いものを指して"高濃度ナノマテリアル"と表示している。
(どうなってるんだ、僕の眼……いや、これって、ここの仕様? ゲームみたいな? こっちの世界のシステム?)
"ボード"と同じような何かのギミックなのだろうか?
このARのような表示は、"偽神"によるものなのか?
多少気味悪く感じながらも、とにかく悪い状況ではないらしいと見極めて、レンは青白い光を手で受け続けた。
ポーン……
不意の電子音に、レンは身を震わせた。
(なっ、なんだよ!?)
焦った自分に腹を立てるレンの前に、
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岩山龍 [ アビオドロス ] を討伐しました!
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銀色に光る大きな文字が浮かび上がった。
(は?)
これまで視界に浮かんでいた無機質な文字とは異なる、飾り文字による大きな表示だった。
呆然と見守るレンの前で、銀色の文字が花火が散るように細かく爆ぜて消えていき、続いて別の表示が浮かび上がった。
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討伐ポイント:500
異能ポイント:5
技能ポイント:9
採取ポイント:28
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(これが、ポイント? でも、なんか種類がいっぱいあるみたいだけど?)
固まったまま見つめるレンの目の前で、先ほどと同様に銀色の文字が飛び散って消えていった。討伐ポイントだけだと思っていたが、どうやら他にも種類があるらしい。
[ドロスの泪 :3]
[鉄山鉱 :9]
[真鉄山鉱 :2]
[アビオード :1]
[岩龍の頬肉 :2]
[岩龍の背脂 :1]
[岩龍の大腰筋:2]
[ドロスの歯 :8]
今度は、小さなカード状のものが8枚、レンの正面に並んで浮かび上がった。
応じるように、レンの手元からステーションで作ってもらったエーテル・バンク・カードが浮かび上がる。
(なんだこれ?)
見る間に、レンのエーテル・バンク・カードに、8枚のカードが吸い込まれて消えていった。
『高濃度ナノマテリアルの摂取を完了しました』
(それって……)
『不足していたナノマテリアルを吸収したことで、補助脳の機能不全が解消されます』
(はい? 補助脳って、マーニャが言ってたやつ? 今まで機能してなかったのか?)
『周辺の探知を開始します』
視界に、簡潔な文字が浮かんで消えた。
(ええと……じゃあ、こっちの表示は別口?)
レンは、目の前に浮かんだ銀色の文字列を見ながら嘆息した。
どうやら、ナノマテリアルがどうこうという表示は、マーニャがレンの脳内に施した補助脳が表示するARっぽい"何か"らしい。
銀色の文字は、このゾーンダルクの世界特有の"何か"だろう。
(……なんか、"何か" ばっかりだなぁ)
不確かなことがいっぱいありすぎて笑えてくる。
レンは苦笑を漏らしながらも、当初の目的を思い出して、肋骨らしき骨と骨の間にある肉へ銃剣を突き入れた。肉が食用になるかどうかは分からないが……。
『警告します! ナノマテリアルを内包した物体が多数接近して来ます!』
視界に、赤色の文字が浮かび上がった。
「なんだって?」
警告の表示が意味するところを察し、レンは慌てて岩山龍の死骸から飛び降りると、近くの巨樹へ身を隠した。
『マーカーによる識別表示を行いますか?』
「……お願い」
レンは、64式小銃を手に周囲へ視線を巡らせた。
途端、視界の中に、無数の光点が現れた。
補助脳が、レンの視界内に対象物の位置を表示したらしい。
レンから見て右手側の木々の間を、83個のオレンジ色をした光点が迫ってくる。恐ろしく移動が速い。
今から逃げようにも、見つかればたちまち追いつかれてしまうだろう。
レンは、64式小銃のセレクターを"レ"の位置へ動かした。念の為、初弾が装填されているかどうかを確かめ、大きく息を吸い込み、そしてゆっくりと吐き出した。
『赤外線照準追尾を開始します』
(それ、小銃なのに意味ある?)
レンは、巨樹の裏側に身を潜めたまま、視界を忙しなく左右する光点に注意を向けた。
思ったほど大きくは無い。
一つ一つは、中型犬くらいだ。
『形状測定できました』
声と共に、視界左上に、四角い枠が開き、対象の輪郭が表示された。
(ネズミ……)
大きさはともかく、姿形は地球産のネズミにそっくりだった。
(岩山龍の死骸が目当てだったのか)
樹の裏に隠れているレンには見向きもせず、大きなネズミたちは岩山龍の裂けた腹めがけて飛び込んでいた。
(もう、あの肉は駄目だな)
ネズミが群がった後の肉なんか怖くて食べられない。
(これで全部?)
巨樹の裏からでも、レンの視界には岩山龍の輪郭と、その腹の中へ群がった大ネズミの群れが見えていた。オレンジ色の ▼ マークが全て集まっている。
『探知範囲内の全個体が集合しました』
(……了解)
レンは、64式小銃を肩に担ぐと、戦闘服のポケットから破片手榴弾を2つ取り出した。
(ネズミくらいにしか使い道が無さそうだし……)
レンは、木陰を出て大胆に近付くと、破片手榴弾のピンを抜いて、岩山龍の腹の中で一心不乱に食事をしている大ネズミの集団めがけて放り込んだ。さらに、もう一個同じように放ってから巨樹の裏へ待避した。
大きな爆発が連続して起こった。
いきなりの轟音と衝撃で、パニックになった大ネズミが何匹か飛び出して来る。閉所に集まっていたため、かなりの数を巻き込むことができた。
外に飛び出したネズミ達も重傷を負っていたり、大音で衝撃を受けていて、まともに動けていない。
(ネズミって顔が怖いな)
レンは、64式小銃を構えて引き金を絞った。
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