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第76話 隠れて特訓してました
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「カシムさん、今、フレイア様を殺すって言いました?」
「ああ、確かに言ったな」
「カシム、面白がっていないできちんと説明してよ、驚くでしょう普通は」
「分かったよ、うるせー女だな全く」
やれやれと言いたげに両手を軽く広げてわざとらしくため息を吐く。
「こいつが生きてる限り、絶対に追手がかかる、いいか、絶対だ! あのクソ女は自分が聖女になることしか考えてねーし、諦めるような可愛い性格なんかじゃない、だから、こいつの髪の毛と洋服に血を垂らして王都に持って行ってもらおうと思ってな」
「その程度の証拠で納得しますか?」
「無理だろうな、さっきも言ったが王都の大聖教会には、聖女が生きている限り反応する魔道具があるんだ、だからそいつをごまかすために仮死状態になれないか街の外でずっと試してたんだけど、…上手くいかねーんだよな」
「その魔道具って、どんなものなんですか?」
「あのね、聖女に認定されると杖が渡されるのと、特殊な魔石を体に取り込むのよ、それが私の体温や脈動をその魔道具に伝えているの、だから一週間ほど仮死状態になれば死亡認定されると思うんだけどね、ふー、……上手くいかないのよね」
なるほど、だから街の外に行ってたのか、最近はこの街の中も人が増えてきてるしな、そんな会話も実験も誰かに聞かれたらそいつを拘束するしかなくなるよな。
「なあ、ナナミ、それって仮死状態から戻ったら、気付かれたりしないのか?」
「聖女の座を長く不在にしないはずなので、新しい聖女が決まれば魔石も新たにセットされるから大丈夫なんだって、それに聖女の認定も大聖教会の祈りの泉で、主神オーディンと女神フレイヤから、祝福を授かってその言葉を教皇陛下に伝えるものだけど、その泉には一人で入るらしいからどうにでもなるんじゃないのかな」
そっか、神様からお言葉賜りました。って言えばいいよってことなのかな、フレイア様がそうおっしゃっているのなら、大丈夫なんだろう。
「でもね、一時的な仮死状態には出来るんだけど、長い時間は無理なんだよね、いろいろ試して疲れてきちゃったよ」
一時的には出来るけど、長くは無理か、そりゃあ、そうだよな、体に負担かけすぎちゃダメだろうし、…冷凍保存、も無理だよな、失敗したらどうすんだよ、……冷凍、あれっ、シャーベットを作った時に使った俺の魔法って、時空魔法?
ちょっと待てよ、ミハルの仮想空間、あそこって時間の流れがここと違ってたよな、あの時って確かこっちでは三日位って言われたけど、俺の感覚で四~五時間だったから、それをもっと長く出来れば可能になるのか?
「もしかしたら、出来るかも…よ?」
「「どうやって!」」
二人の食いつきが物凄かったので、ちょっとビビったのは内緒だ、ミハルとシンさんも交えて俺の思い付きを話してみた、ちなみに今日のミハルのコスチュームはプティキュアらしい、もう勝手にすればいい。
衣装担当は、姫子ちゃんとシノブちゃん、クールビューティのアズミちゃんは加わらないけど、興味はあるらしく、二人がきゃあきゃあ、にゃあにゃあしながらお針子作業してるのをチラ見してたからね。
「仮想空間を使うのは構わんが、ナナミ一人では無理じゃろう、鑑定スキルが無いからのう、カイルが出てきてしまえば、どうなるのじゃろう、一緒に入って、カイルだけ出てくる、と、どうなるのじゃ? 前例がない故にようわからんのう」
「おそらくだが、時間停止になるであろうよ、だいぶ前にそのような話をきいたことがある、マレーニアのダンジョンでは迷い人と呼ばれる行方不明者が出るのだが、数年後や数十年後にいなくなった時のままで見つかることがあると聞いたことがある」
おお、シンさん、だてに長生きしてただけじゃないんだな。
「マレーニアって、迷いの森のダンジョンか? …そう言えば俺も聞いたことがあるぞ、迷い人の噂だろ、あれって本当だったのか、すげーな」
カシムは職務上、各国の事情にもある程度は通じていたのだ。
「ふふふ、そうじゃろう、そうじゃろう、ダンジョンは凄いのじゃよ、ダンジョンに不可能無し! 」
ドヤ顔で決めたミハルだが、キラキラした眼で見てくれるのは猫又達だけだ。
「なあ、仮想空間に閉じられたら時間停止になるのか? だったら、仮死状態にならなくても大丈夫なのかな?」
ボソッと呟いたカイルの一言で、ナナミがカシムを睨みつける。
「じゃあさ、あんな無茶な特訓は必要なかったってこと?」
「そうなるかもな、いいじゃねえかよ、魔力量は上がったんだし、光魔法もましになっただろ、俺の訓練なんてそうそ受けれるもんじゃねんだから、感謝しろよ」
「何度も死にそうになったのに感謝なんかする訳ないでしょう、私じゃなかったらとっくに死んでるわよ!」
「生きてるから問題無しだな!」
そう、仮死状態になるためには光魔法のレベル上げが必要だったから、俺達が最初にやったあの特訓、限界まで魔力や体力を使い、ポーションで無理矢理回復させて、それを繰り返すという奴だ。
でも、光魔法で仮死状態って、なんかイメージ違うなと思ってたら、仮死状態になれば怪我や病気も悪化することが無いので、使用することが出来るらしいけど、Lv、8だってさ。
元々のフレイア様は使えたけど、ナナミの意識が全面に出るようになった時には、確かLv、5だったから、めちゃめちゃな成長速度だな、どんな特訓したのかはこれ以上、聞くのを止めよう。
「よし、じゃあ明日だ、いいな、ナナミ」
「わかった、大丈夫だよ、一週間でいいの? もうちょっと長いほうがいいかな」
「そうだな、念のため二週間にするか」
「うん、失敗できないからね、じゃあ、カイル、美味しいお弁当、デザート付きでよろしく、あとさ、ミハルちゃん、もし、大丈夫だったら誰か猫又君達、一人でもいいから一緒にお籠りしてくれないかな? 二週間のボッチは寂しいよ」
「そうじゃのう、妾は構わねが、お前達はどうじゃ?」
しっぽがゆらゆらとゆれているので、大丈夫そうだ。
「では、サスケとシノブ、頼んでも良いか?」
「「おまかせなのにゃ! 」」
やったー、二週間のもふもふ生活、デザート付き!
ネコ枕に抱きネコ、ふふふん、どっちにしようかな。
「ああ、確かに言ったな」
「カシム、面白がっていないできちんと説明してよ、驚くでしょう普通は」
「分かったよ、うるせー女だな全く」
やれやれと言いたげに両手を軽く広げてわざとらしくため息を吐く。
「こいつが生きてる限り、絶対に追手がかかる、いいか、絶対だ! あのクソ女は自分が聖女になることしか考えてねーし、諦めるような可愛い性格なんかじゃない、だから、こいつの髪の毛と洋服に血を垂らして王都に持って行ってもらおうと思ってな」
「その程度の証拠で納得しますか?」
「無理だろうな、さっきも言ったが王都の大聖教会には、聖女が生きている限り反応する魔道具があるんだ、だからそいつをごまかすために仮死状態になれないか街の外でずっと試してたんだけど、…上手くいかねーんだよな」
「その魔道具って、どんなものなんですか?」
「あのね、聖女に認定されると杖が渡されるのと、特殊な魔石を体に取り込むのよ、それが私の体温や脈動をその魔道具に伝えているの、だから一週間ほど仮死状態になれば死亡認定されると思うんだけどね、ふー、……上手くいかないのよね」
なるほど、だから街の外に行ってたのか、最近はこの街の中も人が増えてきてるしな、そんな会話も実験も誰かに聞かれたらそいつを拘束するしかなくなるよな。
「なあ、ナナミ、それって仮死状態から戻ったら、気付かれたりしないのか?」
「聖女の座を長く不在にしないはずなので、新しい聖女が決まれば魔石も新たにセットされるから大丈夫なんだって、それに聖女の認定も大聖教会の祈りの泉で、主神オーディンと女神フレイヤから、祝福を授かってその言葉を教皇陛下に伝えるものだけど、その泉には一人で入るらしいからどうにでもなるんじゃないのかな」
そっか、神様からお言葉賜りました。って言えばいいよってことなのかな、フレイア様がそうおっしゃっているのなら、大丈夫なんだろう。
「でもね、一時的な仮死状態には出来るんだけど、長い時間は無理なんだよね、いろいろ試して疲れてきちゃったよ」
一時的には出来るけど、長くは無理か、そりゃあ、そうだよな、体に負担かけすぎちゃダメだろうし、…冷凍保存、も無理だよな、失敗したらどうすんだよ、……冷凍、あれっ、シャーベットを作った時に使った俺の魔法って、時空魔法?
ちょっと待てよ、ミハルの仮想空間、あそこって時間の流れがここと違ってたよな、あの時って確かこっちでは三日位って言われたけど、俺の感覚で四~五時間だったから、それをもっと長く出来れば可能になるのか?
「もしかしたら、出来るかも…よ?」
「「どうやって!」」
二人の食いつきが物凄かったので、ちょっとビビったのは内緒だ、ミハルとシンさんも交えて俺の思い付きを話してみた、ちなみに今日のミハルのコスチュームはプティキュアらしい、もう勝手にすればいい。
衣装担当は、姫子ちゃんとシノブちゃん、クールビューティのアズミちゃんは加わらないけど、興味はあるらしく、二人がきゃあきゃあ、にゃあにゃあしながらお針子作業してるのをチラ見してたからね。
「仮想空間を使うのは構わんが、ナナミ一人では無理じゃろう、鑑定スキルが無いからのう、カイルが出てきてしまえば、どうなるのじゃろう、一緒に入って、カイルだけ出てくる、と、どうなるのじゃ? 前例がない故にようわからんのう」
「おそらくだが、時間停止になるであろうよ、だいぶ前にそのような話をきいたことがある、マレーニアのダンジョンでは迷い人と呼ばれる行方不明者が出るのだが、数年後や数十年後にいなくなった時のままで見つかることがあると聞いたことがある」
おお、シンさん、だてに長生きしてただけじゃないんだな。
「マレーニアって、迷いの森のダンジョンか? …そう言えば俺も聞いたことがあるぞ、迷い人の噂だろ、あれって本当だったのか、すげーな」
カシムは職務上、各国の事情にもある程度は通じていたのだ。
「ふふふ、そうじゃろう、そうじゃろう、ダンジョンは凄いのじゃよ、ダンジョンに不可能無し! 」
ドヤ顔で決めたミハルだが、キラキラした眼で見てくれるのは猫又達だけだ。
「なあ、仮想空間に閉じられたら時間停止になるのか? だったら、仮死状態にならなくても大丈夫なのかな?」
ボソッと呟いたカイルの一言で、ナナミがカシムを睨みつける。
「じゃあさ、あんな無茶な特訓は必要なかったってこと?」
「そうなるかもな、いいじゃねえかよ、魔力量は上がったんだし、光魔法もましになっただろ、俺の訓練なんてそうそ受けれるもんじゃねんだから、感謝しろよ」
「何度も死にそうになったのに感謝なんかする訳ないでしょう、私じゃなかったらとっくに死んでるわよ!」
「生きてるから問題無しだな!」
そう、仮死状態になるためには光魔法のレベル上げが必要だったから、俺達が最初にやったあの特訓、限界まで魔力や体力を使い、ポーションで無理矢理回復させて、それを繰り返すという奴だ。
でも、光魔法で仮死状態って、なんかイメージ違うなと思ってたら、仮死状態になれば怪我や病気も悪化することが無いので、使用することが出来るらしいけど、Lv、8だってさ。
元々のフレイア様は使えたけど、ナナミの意識が全面に出るようになった時には、確かLv、5だったから、めちゃめちゃな成長速度だな、どんな特訓したのかはこれ以上、聞くのを止めよう。
「よし、じゃあ明日だ、いいな、ナナミ」
「わかった、大丈夫だよ、一週間でいいの? もうちょっと長いほうがいいかな」
「そうだな、念のため二週間にするか」
「うん、失敗できないからね、じゃあ、カイル、美味しいお弁当、デザート付きでよろしく、あとさ、ミハルちゃん、もし、大丈夫だったら誰か猫又君達、一人でもいいから一緒にお籠りしてくれないかな? 二週間のボッチは寂しいよ」
「そうじゃのう、妾は構わねが、お前達はどうじゃ?」
しっぽがゆらゆらとゆれているので、大丈夫そうだ。
「では、サスケとシノブ、頼んでも良いか?」
「「おまかせなのにゃ! 」」
やったー、二週間のもふもふ生活、デザート付き!
ネコ枕に抱きネコ、ふふふん、どっちにしようかな。
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