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第63話 役立たずには無報酬
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さて、自警団を編成するにあたって、なんと言っても頼りになったのはナナミだ、なんせ、元刑事。
プロがいるならお任せするに限る……、と、言いたいところだが、今までの経験からするとナナミはけっこう突っ走るタイプだからな、やっぱり、一緒にやろう。
そうそう、タイガーヴァイスはシュバーツェン家のお抱え冒険者になってもらったんだ、もし、なってくれたのなら、屋敷に一緒に住んでもらってお給料は一か月、金貨15枚、基本的に屋敷に居る間の食事はこっち持ち、そう言った途端に、イリアンさんとアンさんが喰い付いた。
「「やる!! 」」
「儂もかまわんぞ 」
「……やってもいい 」
あれ、イルガーさんは?
「俺も基本的には、賛成なんだけどよ、自警団に入りたい時はどうすりゃいいんだ? 」
「やったー、イルガーには団長になってもらおうと思ってたんだんよね、カイルもそれでいいでしょう。」
「ああ、俺もかまわないよ、イルガーさんなら安心出来るしね 」
と言う訳で、屋敷に住みこんでもらい、何もなければ屋敷の警備と自警団の手伝いをしてもらうことになったんだ。
そうしたら、シンさんが屋敷の警備と自警団に是非、蛇人族の者も入れて欲しい、主様の屋敷と街を守るのに、我らも力になりたいと言ってきた。
「主様、そのような者達に頼らなくても、命じて下されば、我らがいつでもお力になりますのに 」
といっていってきたんだけ蛇人族の人達は基本的にスペック高いから、手伝ってくれるのは有難いけどさ、この一週間程、シンさんとサファイルさんは、何してたっけ。
キッチンに行って、山のような煮卵つくらせて、丸呑みしてさ、昼寝してただけじゃね?
「そ、そのような、ことも、あったかもしれませぬが……いつも寝ていた訳ではなく 」
「お父様は、ぐで寝をしていただけかもしれませぬが、私は違いましてよ、ご主人様 」
「何をいうか、お前とて食べて寝て、また食べて寝ておっただけじゃろうが 」
「お父様、もう耄碌なさったのですか? あと、100年程寝ていらしたらよろしいのでは? 」
「あー、親子喧嘩はやめてもらっていいですか 」
二人共、卵の食べ過ぎなのか、異様にツヤツヤしたお肌が、逆に不気味なんですけど、
「私は、この街を守る水晶を生み出すために、ミハルにずっと魔力を送り続けておりましたのよ 」
「その通りじゃ、やはり地上にダンジョンを設置するのは、少々イレギュラーでもあるらしくての、洞窟内や塔の内部などであれば魔力を留めておけるのじゃが、地上の領域も広げたこともあり、不安定になっておったのじゃ、じゃから水晶を通じて我の魔力を供給しておるのじゃよ 」
「えっ、そうだったんだ、何も知らなくてごめんね、サファイルさん、それじゃあ、ずいぶん疲れたんじゃないのかな 」
「ご主人様のためならば、このような疲れなど何ほどの事のありませぬ 」
そ、そうなの、それじゃあ、手を離してもらってもいいかな?
「悪いがのう、カイル、サファイルに少し精気をわけてやってはくれぬか? 今回は本当に世話になったのじゃ、こ奴の助けが無ければ街の入り口にあれほどの大きさの水晶は設置出来なかったであろうよ 」
ええー、精気をあげるって、また血を吸われるの? ……なんかヤダ。
「そのように嫌な顔をするものではないぞ、きちんと働いた部下には、報いねばな、そのように手を触れてるだけでも、わずかながらサファイルにながれておるしの 」
「手を触れてるだけでいいのか? また、血を吸われるかと思ったけど、それぐらいでいいなら全然いいよ 」
「主様、そのような羨ましい……ならば、我も、」
「何を言うておるのじゃ、この蛇は、お主は何の役にも立っておらぬだろうが! 」
ミハルさん、ブラックで苦労しただけあって、労働には報酬で報いるが、何もしていない怠け者には手厳しい。
「ぐぬぬぬ、じゃが、我とて頼まれれば魔力ぐらい、送ってやったわ 」
「言われてからしか動けぬようでは、三流じゃな 」
そんな、やり取りの合間も、ぴったりと体を擦り付けうっとりした顔で、手をスリスリされるオレ、とそれをジト目で睨むシンさん。
勝ち誇ったように、俺にぴったりくっつくサファイルさん、油断してるといろいろ触られるので、それを躱しながら、真正面で身悶えしながら何も言えないシンさんとのおよそ一時間、頑張った俺を誰か誉めて!
こんなことなら、大人しく血を吸われたほうが良かったかもな。
明日は、自警団の選抜があるから、今日はもう、寝よう、それがいい。
プロがいるならお任せするに限る……、と、言いたいところだが、今までの経験からするとナナミはけっこう突っ走るタイプだからな、やっぱり、一緒にやろう。
そうそう、タイガーヴァイスはシュバーツェン家のお抱え冒険者になってもらったんだ、もし、なってくれたのなら、屋敷に一緒に住んでもらってお給料は一か月、金貨15枚、基本的に屋敷に居る間の食事はこっち持ち、そう言った途端に、イリアンさんとアンさんが喰い付いた。
「「やる!! 」」
「儂もかまわんぞ 」
「……やってもいい 」
あれ、イルガーさんは?
「俺も基本的には、賛成なんだけどよ、自警団に入りたい時はどうすりゃいいんだ? 」
「やったー、イルガーには団長になってもらおうと思ってたんだんよね、カイルもそれでいいでしょう。」
「ああ、俺もかまわないよ、イルガーさんなら安心出来るしね 」
と言う訳で、屋敷に住みこんでもらい、何もなければ屋敷の警備と自警団の手伝いをしてもらうことになったんだ。
そうしたら、シンさんが屋敷の警備と自警団に是非、蛇人族の者も入れて欲しい、主様の屋敷と街を守るのに、我らも力になりたいと言ってきた。
「主様、そのような者達に頼らなくても、命じて下されば、我らがいつでもお力になりますのに 」
といっていってきたんだけ蛇人族の人達は基本的にスペック高いから、手伝ってくれるのは有難いけどさ、この一週間程、シンさんとサファイルさんは、何してたっけ。
キッチンに行って、山のような煮卵つくらせて、丸呑みしてさ、昼寝してただけじゃね?
「そ、そのような、ことも、あったかもしれませぬが……いつも寝ていた訳ではなく 」
「お父様は、ぐで寝をしていただけかもしれませぬが、私は違いましてよ、ご主人様 」
「何をいうか、お前とて食べて寝て、また食べて寝ておっただけじゃろうが 」
「お父様、もう耄碌なさったのですか? あと、100年程寝ていらしたらよろしいのでは? 」
「あー、親子喧嘩はやめてもらっていいですか 」
二人共、卵の食べ過ぎなのか、異様にツヤツヤしたお肌が、逆に不気味なんですけど、
「私は、この街を守る水晶を生み出すために、ミハルにずっと魔力を送り続けておりましたのよ 」
「その通りじゃ、やはり地上にダンジョンを設置するのは、少々イレギュラーでもあるらしくての、洞窟内や塔の内部などであれば魔力を留めておけるのじゃが、地上の領域も広げたこともあり、不安定になっておったのじゃ、じゃから水晶を通じて我の魔力を供給しておるのじゃよ 」
「えっ、そうだったんだ、何も知らなくてごめんね、サファイルさん、それじゃあ、ずいぶん疲れたんじゃないのかな 」
「ご主人様のためならば、このような疲れなど何ほどの事のありませぬ 」
そ、そうなの、それじゃあ、手を離してもらってもいいかな?
「悪いがのう、カイル、サファイルに少し精気をわけてやってはくれぬか? 今回は本当に世話になったのじゃ、こ奴の助けが無ければ街の入り口にあれほどの大きさの水晶は設置出来なかったであろうよ 」
ええー、精気をあげるって、また血を吸われるの? ……なんかヤダ。
「そのように嫌な顔をするものではないぞ、きちんと働いた部下には、報いねばな、そのように手を触れてるだけでも、わずかながらサファイルにながれておるしの 」
「手を触れてるだけでいいのか? また、血を吸われるかと思ったけど、それぐらいでいいなら全然いいよ 」
「主様、そのような羨ましい……ならば、我も、」
「何を言うておるのじゃ、この蛇は、お主は何の役にも立っておらぬだろうが! 」
ミハルさん、ブラックで苦労しただけあって、労働には報酬で報いるが、何もしていない怠け者には手厳しい。
「ぐぬぬぬ、じゃが、我とて頼まれれば魔力ぐらい、送ってやったわ 」
「言われてからしか動けぬようでは、三流じゃな 」
そんな、やり取りの合間も、ぴったりと体を擦り付けうっとりした顔で、手をスリスリされるオレ、とそれをジト目で睨むシンさん。
勝ち誇ったように、俺にぴったりくっつくサファイルさん、油断してるといろいろ触られるので、それを躱しながら、真正面で身悶えしながら何も言えないシンさんとのおよそ一時間、頑張った俺を誰か誉めて!
こんなことなら、大人しく血を吸われたほうが良かったかもな。
明日は、自警団の選抜があるから、今日はもう、寝よう、それがいい。
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