世界制覇?興味ない、特殊能力は美味いのために!オリジナルダンジョンで俺が出会ったのは、最強の美少女と神(自称)だった。

透理

文字の大きさ
上 下
44 / 79

第44話 知らないところで国造り

しおりを挟む
ナナミとシンさんがパタパタと部屋から出て行った。

飲み過ぎたか?  でも、ナナミは最初ビールで、あとは梅酒を大分薄めて飲んでたみたいだし、シンさんは、まあ、大丈夫だろう、ちょっと、顔が赤くなってたけど、蛇神様だしな。

つぶれたりはしないだろう、空になった酒瓶が隅のほうで、キレイに並べられている。

そろそろ、片付け始めるか、みんな、喜んでくれて良かったよ、って、猫又達もいないじゃん。

片付けは俺一人か、でも、居酒屋の予行練習と思えばいいか、全部、一人でやるんだしな。
カチャカチャと、片付ける音だけが静かに響いていた頃、

ナナミとシン、猫又達でなにやら、こそこそと話しをしていた。

「なんじゃ、このようなところで、」

「あのね、シンさん、ダイチは居酒屋やりたいって言ってるけど、どう思う。」

「どう、と言われてもな、それが主の望みならば支えるのみだが、」

「でもさ、ダイチは身分を隠してるけど、領主様になる訳でしょう、それに人がいいと言うか、警戒心が薄いと言うか・・そこがいいところでもあるんだけど、ちょっと心配というか、ね、」

「うむ、我が主はお優しい、だがもしも、悪意あるものが近づいたとしても、我が側におれば人間などに遅れはとらぬ。」

「もしも、ロキに目をつけられたらどうするのにゃ?」
「・・・ふ・・・む・・、我が父親か?、確かにいずれということは考えられるな。」

「それでね・・・・・・、」
「・・・うむ、可能じゃが・・」
「で、いづれはね・・・・」
「・・良いかもしれぬな・・・」
「・・我らとミハル様も、協力するのにゃ。」
「・・わかった、主様の・・・  に。」


翌朝、ダイチが朝食の用意をしていると、ナナミ達も起きてきて、サラダと黒パン、果実水であっさりめの朝食を済ませると、ナナミとシン、猫又達は立ち上がり、

「ちょっと、タイガーヴァイスのところに出掛けてくるわね、夕方には帰るわ。たぶん。」
「主様、少々、お側を離れます。1週間程、お時間をいただけますでしょうか?」
「ミハル様のところにいってくるのにゃ、夕方には帰るのにゃ、・・・たぶん。」

えっ、みんな、どこ行くの?、 俺だけハブられてんの? 

「サイゾーは、ダイチ様と一緒におりますのにゃ。」

みんな、行っちゃっ・・・た。

何がおきているのか、わからないままに、ポツンとサイゾーくんと一緒に残されたダイチ。

サイゾーくんを腕に抱えてなでなでしながら、きいてみた。

「オレ、もしかして、・・・・嫌われた?」

「そ、そんなことはないのですにゃ、ダイチ様に喜んで欲しいと、昨日、みんなで話し合ったのにゃ。」

そう言えば、昨日、みんなでなんか話してたみたいだけど、なんだか腑に落ちない。

だが、俺のためだと必死に訴えているサイゾーくんの顔を見ていると、それ以上、突っ込むのも気が引けてしまい、何も言えなかったが、、どこかそわそわと落ち着かなかった。

家を出たナナミは、言葉通りにタイガーヴァイスの泊まる宿に向かった、

そして、イリアンとアナに手紙を託し領主の館に行ってもらい、ダンジョンの近くに屋敷を建てる許可を貰って、そのままギルドに報告に行ってもらったのだ。

そして、タイガーヴァイスのメンバーにナナミ達の計画を話したところ、それは面白そうだと全面的な協力を取り付けた。

シンは、蛇人が住んでいる蒼刻そうこくの谷にいた。自分の娘が長を務めているので、先触れを出すことも無く、そのまま転移してきて、皆の前でこう告げたのだ。

「これより、我らはダイチ様にお仕えするため、この地を離れる。良いな、速やかに準備を整えよ。」

「お待ちください、父上様、我ら、お言葉には従いますが、ダイチ様というのは、どのようなお方でいらっしゃいますか? 父上様はロキ様に捕らえれたていたのではありませんか?」

「我が父の呪縛より、解き放って下さったのが、ダイチ様なのだ。ダイチ様は人の子ではあるが、我を超える魔力をお持ちであり、この時代の聖女も従えておられる。」

始祖様をお救い下された方なのか、あの、ロキ様の呪縛を破られるとは、本当にそのような方が人の子であるのか? 

聖女って、この大陸で一番強い光魔法の使い手だよな、でも、私達、蛇人族は聖女から疎まれておるのではないのか?  様々な意見がささやかれてざわついていた。

「その、聖女ナナミも権力を横取りしようとした者達から、命を狙われていたが、ダイチ様に助けられたので、聖女という身分を隠し、ダイチ様がイザカヤという国を造るために助力しておる。

そして、我らが持つ、強い魔力と引き換えの呪いなような蛇淫の力もダイチ様と聖女の力で抑えることが出来そうなのだ。、長年、この霧に包まれた蒼刻の谷より出て、我らも、安住の地を手に入れようぞ!」

おおっ、さすが始祖様でいらっしゃる。我らのためにそのような御心遣いをご用意いただいておったとは、聖女も我らの味方につくとは、ガヤガヤと皆のざわめきはいっそう、熱を帯びて高まっていった。

蛇人族は、長命で総じて魔力も強いものが多く、その強さ故からか人族からは恐れられ、忌み嫌われる事が多かったが、本来は人恋しい種族なのだ。

自分達の半身ともいえる人に恋をすることも多かったのだが、裏切られたりすると、その強い魔力のまま暴走し自分も相手も滅ぼしてしまうような一面もあったため、だんだんと人族から距離を取り、隠れ住むように霧の深いこの谷で暮らしていたのだ。

そんな蛇人族はシンの娘、サファイルを中心にして蛇人族の移動準備は進んでいった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生した体のスペックがチート

モカ・ナト
ファンタジー
とある高校生が不注意でトラックに轢かれ死んでしまう。 目覚めたら自称神様がいてどうやら異世界に転生させてくれるらしい このサイトでは10話まで投稿しています。 続きは小説投稿サイト「小説家になろう」で連載していますので、是非見に来てください!

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

スキルが【アイテムボックス】だけってどうなのよ?

山ノ内虎之助
ファンタジー
高校生宮原幸也は転生者である。 2度目の人生を目立たぬよう生きてきた幸也だが、ある日クラスメイト15人と一緒に異世界に転移されてしまう。 異世界で与えられたスキルは【アイテムボックス】のみ。 唯一のスキルを創意工夫しながら異世界を生き抜いていく。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

まさか転生? 

花菱
ファンタジー
気付いたら異世界?  しかも身体が? 一体どうなってるの… あれ?でも…… 滑舌かなり悪く、ご都合主義のお話。 初めてなので作者にも今後どうなっていくのか分からない……

田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。

けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。 日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。 あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの? ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。 感想などお待ちしております。

処理中です...