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第17話 居酒屋
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ナナミと猫又達が気持ち良さそうにお昼寝していたので、そっと近づくと、目を覚ましたようだ。
「ダイチ様、お久振りでございます。そして、ミハル様、初めてお目にかかります。私、フレイアと申します。お会い出来まして光栄に存じます。」
なんと、フレイア様だった。
「うむ、確かにそなたとは初めてじゃな、今代の聖女であろう。命の危機があったようじゃが、聖教会におらんで良いのか?」
「はい、戻るつもりではおりましたが、今の聖教会の在り方、王族や限られた方達のための聖女なのかと思うようになりまして・・・。ナナミ様、ダイチ様がトレーニングという修練をされておられる時に初めてスラムとういう場所で生活をされてる方々がおられる事を知りました。恥ずかしながら、私は与えられたものを、ただ当たり前に受け止め、言われた事をするだけが聖女の役割だと思っておりました。・・・・・お腹を満たす食事にさえ事欠く方々がおられることさえ知らなかったのです。」
うつむきながらも、はっきりとした口調だった。
「それと、ナナミ様のお好きな”もふもふ”というのでしょうか?猫又様達との触れ合いは、暖かい気持ちになれ、とても良いものだと思います。私は、知らない事が多すぎます。もっといろいろなものを自分の目で確かめたいのです。ナナミ様頼りになってはしまいますが・・・」
「閉ざされた世界におったのじゃろう、知らぬことを恥と感じる必要は無いであろう。知ろうとしないのは怠惰であり、傲慢でもあるがのう。そなたは歩みだそうとしておる。知らぬことと、知ろうとしないことは全く異なるものなんじゃよ。」
どうしたんだ、なんかスゲーいい事言ってるんじゃね?見た目は12才位のふわふわ美少女なのに、威厳?・・・あー100年以上生きてるんだったよな、そういえば、
・・・ただのロリババ・・・あっ、いや、そんな、そんな目で見ないで下さい・・。さっきまでいい関係でしたよね?
眼圧を物理的に感じられるほど、空気が重い。しまったと思った頃には既に遅いと学んだダイチだった。
「やっぱり、どこか抜けてるっていうか、残念感漂うよね、ダイチってさ、」
「残念感は否定しないがのう、世の中全員勇者でも面白くなかろうよ。」
そう言って笑いあう二人。・・・おかしい。アイデア出したのほぼ俺で、・・・ナナミは寝てただけなのに・・・フレイア様のほうが、良かったな・・・。
「あー、なんかまた残念なこと考えてたんでしょう?すぐ、顔に出るからね。」
「そうじゃのう、身分を考えても、もう少し感情を抑えたほうが良いのではないかのう。」
うぐぐぐぐぐ。なんで・・・いつも・・・・。
考えても無駄である。
ひとしきり笑って気が済んだようだ。
「ねえねえ、それでどうやってここまで人を引っ張てくるの? 街からここまで結構あるよ。」
「そのための”命の水”だからさ、どうなるか分からないけどやってみる価値はある。」
そう言った、ダイチ達が向かったのは、一軒の宿屋だった。食堂兼居酒屋は夕方にはまだしばし時間があるが、すでにいくつかの席が埋まり賑わいを見せている。
早めに仕事を終えた冒険者達が集まり始めていたのだ。内心は、かなりウキウキしながらも努めて顔に出ないよう普通にふるまっていた。この世界にきて初めての居酒屋なので。無理もない。隣にいるナナミにバカにされないようはしゃぎたい気持ちを必死に抑えているのだ。
ナナミはと言えば、隣にいるダイチなど気にすることなく、物珍し気にキョロキョロと辺りを見回し、猫耳、狐耳、あっちは熊耳かな?と脳内もふもふワールドを堪能している。
12才から独りで稼ぎ始めることも多いこの世界に年齢確認は無いので、入り口に近く、店内全体を見渡せる席を選び、元気よく厨房と店内を往復している女の子に声をかける。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」
「エールと果実水、そうだなあ、リゴーネはあるかな?」
「ありますよ、他にもレモーネ、マスカローネ、甘いのがいいならメローネ、ピーネがおすすめです。」
どうする?とナナミを見る、
「じゃあ、レモーネで、あとお食事のおすすめは何かある?」
「はい、今日はジャイアントフロッグがお出しできますが、少しお高いですけどね、あとホーンラビットの香草焼きは評判いいですよ。」
「じゃあ、ホーンラビットの香草焼きとスープを二つ、あとテキトーにおつまみを2,3品お願いします。」
店の賑わいを見渡しながら、あー、やっぱ、こういう雰囲気いいよな、皆がわいわいやって、酒が入ってほぐれて笑顔になって、愚痴も出てさ、一日働いたあとの旨い酒とつまみがあればそれでいいんだよな、俺も、いつかは・・
なんて思っていたら、お目当てのグループが入ってきた。ドワーフ、獣人、人族2人、巨人族の5人グループだ。ドワーフは外せないが、あとあまり若すぎず、かといってランクもそこそこ、出来ればDランク(一般)程度のパーティを探していたのだ。
あまり若いと勢いだけで突っ走られ、ダンジョンとして機能する前に大勢で押しかけられても困るし、高ランクの冒険者を引き付ける程のドロップ品は、まだ無いので、武骨で無愛想なものが多いが本当は情が厚く義理堅い。そんなドワーフにダンジョン再生の要になって欲しいと考えていたのだ。
「ダイチ様、お久振りでございます。そして、ミハル様、初めてお目にかかります。私、フレイアと申します。お会い出来まして光栄に存じます。」
なんと、フレイア様だった。
「うむ、確かにそなたとは初めてじゃな、今代の聖女であろう。命の危機があったようじゃが、聖教会におらんで良いのか?」
「はい、戻るつもりではおりましたが、今の聖教会の在り方、王族や限られた方達のための聖女なのかと思うようになりまして・・・。ナナミ様、ダイチ様がトレーニングという修練をされておられる時に初めてスラムとういう場所で生活をされてる方々がおられる事を知りました。恥ずかしながら、私は与えられたものを、ただ当たり前に受け止め、言われた事をするだけが聖女の役割だと思っておりました。・・・・・お腹を満たす食事にさえ事欠く方々がおられることさえ知らなかったのです。」
うつむきながらも、はっきりとした口調だった。
「それと、ナナミ様のお好きな”もふもふ”というのでしょうか?猫又様達との触れ合いは、暖かい気持ちになれ、とても良いものだと思います。私は、知らない事が多すぎます。もっといろいろなものを自分の目で確かめたいのです。ナナミ様頼りになってはしまいますが・・・」
「閉ざされた世界におったのじゃろう、知らぬことを恥と感じる必要は無いであろう。知ろうとしないのは怠惰であり、傲慢でもあるがのう。そなたは歩みだそうとしておる。知らぬことと、知ろうとしないことは全く異なるものなんじゃよ。」
どうしたんだ、なんかスゲーいい事言ってるんじゃね?見た目は12才位のふわふわ美少女なのに、威厳?・・・あー100年以上生きてるんだったよな、そういえば、
・・・ただのロリババ・・・あっ、いや、そんな、そんな目で見ないで下さい・・。さっきまでいい関係でしたよね?
眼圧を物理的に感じられるほど、空気が重い。しまったと思った頃には既に遅いと学んだダイチだった。
「やっぱり、どこか抜けてるっていうか、残念感漂うよね、ダイチってさ、」
「残念感は否定しないがのう、世の中全員勇者でも面白くなかろうよ。」
そう言って笑いあう二人。・・・おかしい。アイデア出したのほぼ俺で、・・・ナナミは寝てただけなのに・・・フレイア様のほうが、良かったな・・・。
「あー、なんかまた残念なこと考えてたんでしょう?すぐ、顔に出るからね。」
「そうじゃのう、身分を考えても、もう少し感情を抑えたほうが良いのではないかのう。」
うぐぐぐぐぐ。なんで・・・いつも・・・・。
考えても無駄である。
ひとしきり笑って気が済んだようだ。
「ねえねえ、それでどうやってここまで人を引っ張てくるの? 街からここまで結構あるよ。」
「そのための”命の水”だからさ、どうなるか分からないけどやってみる価値はある。」
そう言った、ダイチ達が向かったのは、一軒の宿屋だった。食堂兼居酒屋は夕方にはまだしばし時間があるが、すでにいくつかの席が埋まり賑わいを見せている。
早めに仕事を終えた冒険者達が集まり始めていたのだ。内心は、かなりウキウキしながらも努めて顔に出ないよう普通にふるまっていた。この世界にきて初めての居酒屋なので。無理もない。隣にいるナナミにバカにされないようはしゃぎたい気持ちを必死に抑えているのだ。
ナナミはと言えば、隣にいるダイチなど気にすることなく、物珍し気にキョロキョロと辺りを見回し、猫耳、狐耳、あっちは熊耳かな?と脳内もふもふワールドを堪能している。
12才から独りで稼ぎ始めることも多いこの世界に年齢確認は無いので、入り口に近く、店内全体を見渡せる席を選び、元気よく厨房と店内を往復している女の子に声をかける。
「いらっしゃいませ、ご注文はお決まりですか?」
「エールと果実水、そうだなあ、リゴーネはあるかな?」
「ありますよ、他にもレモーネ、マスカローネ、甘いのがいいならメローネ、ピーネがおすすめです。」
どうする?とナナミを見る、
「じゃあ、レモーネで、あとお食事のおすすめは何かある?」
「はい、今日はジャイアントフロッグがお出しできますが、少しお高いですけどね、あとホーンラビットの香草焼きは評判いいですよ。」
「じゃあ、ホーンラビットの香草焼きとスープを二つ、あとテキトーにおつまみを2,3品お願いします。」
店の賑わいを見渡しながら、あー、やっぱ、こういう雰囲気いいよな、皆がわいわいやって、酒が入ってほぐれて笑顔になって、愚痴も出てさ、一日働いたあとの旨い酒とつまみがあればそれでいいんだよな、俺も、いつかは・・
なんて思っていたら、お目当てのグループが入ってきた。ドワーフ、獣人、人族2人、巨人族の5人グループだ。ドワーフは外せないが、あとあまり若すぎず、かといってランクもそこそこ、出来ればDランク(一般)程度のパーティを探していたのだ。
あまり若いと勢いだけで突っ走られ、ダンジョンとして機能する前に大勢で押しかけられても困るし、高ランクの冒険者を引き付ける程のドロップ品は、まだ無いので、武骨で無愛想なものが多いが本当は情が厚く義理堅い。そんなドワーフにダンジョン再生の要になって欲しいと考えていたのだ。
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