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第14話 お弁当
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「お世話になりますにゃ。」
ぺこりと頭を下げたサイゾーがドアをくぐる。
「いいのよ、気にしないで、さあ、入って、入って、」
ここは、俺の家なんだが、・・いかん、気にしたら負けだ、多分。
「サイゾー達って食事はどうしてんの?」
「食べれるけど、食べなくても問題無しですにゃ。
最初のうちは皆でよく食事をしていたですにゃ、でも、何かを創り出すのに必ず魔力は必要にゃんで節約のために最近は何も食べていなかったにゃ。」
えっ、ダメじゃん、そんなの、聞いてるだけで泣きそうだよ、こんな小さい子が食事もままならないなんて、よしっ、今日は俺がなんか旨いもの作ってやるからな!明日はお弁当を作って持っていこう。
うん、それがいい。こんな小さい子が頑張ってるんだ、俺が出来ることがあればしてあげよう。
とすっかり保護者気分になっているが、小さくても使役神、例え見た目がネコでも魔力が回復すれば平均的な人間の能力など軽く上回るのだが・・どうしても見た目で判断してしまいがちである。
きけば人間と同じ食事で大丈夫だと言う。久しぶりに料理が作れると上機嫌でキッチンに向かい、準備をする。あー、こうやって料理するのは何日ぶりだろう、毎日のようにナナミにしごかれ、テキトーに食べれる物を用意するのに精一杯だったもんな、
手元にある食材を見ながら、メニューを考える。この世界の食事って基本的にスープ、パン、おかずなんだよな、柔らかい肉じたいが高級品だし、干し肉、ハム、ソーセージもだいたい硬くて塩辛い。
保存技術が無いしな、今日はポテトサラダとちょっと贅沢してロックバードの塩焼きだな。胡椒は高いから・・・。多めに作って明日のお弁当分も用意しよう。
ジュー、ジューとおいしそうな音を立てて、肉が焼けてきた。
久しぶりの食事らしい食事に俺のお腹もさっきから、うるさいぐらいだ、あーいい匂いだな、
さっきから、ナナミが何度もキッチンを覗きにきている。手伝わないなら座ってて欲しいんだが・・。
以前にお湯を頼んだら、どうやるのかと聞かれたので、やかんに水を入れて魔道コンロにかけるだけだと教えたら、やかんが爆発した。魔石に魔力を流すコツが分からなかったらしい。
今日の訓練を見る限り、光魔法は当たり前のように使えるようだが、他の属性が不安定なんだよな、魔力が多すぎて、コントロールが難しいのかもしれない。
前世でも、刑事という職種のせいか、おいしく食べるというより効率重視で料理はほとんどしたことが無いと言ってたからな、でも、筋トレするなら料理すればいいのに、と思うのは俺だけなのか?
いや、向き不向きや、好き嫌いもあるからな、強制するのは良くないよな。
三人(二人と一匹?)で、テーブルに座り、いただきます。
「おいしいっ。」 「うまいにゃん!」
そうだろ、そうだろ、まずはポテトサラダから一口、うーん、塩辛いハムがいい隠し味になっているが、やっぱりマヨネーズが欲しいぞ、お酢はこの世界にもあるんだが、卵を生で食べるのにちょっと抵抗があるんだよな、ポテトサラダに胡椒をほんの少しかけて、もう一口。上手い。
今はこのくらいの胡椒を使うのも、贅沢だけど、これからどんな料理に挑戦するかと考えながら、ロックバードの塩焼きを口に運び、二人がおいしい、おいしいと目をキラキラさせて食べるのを眺めて、おいしいは正義だ! と改めて強く感じた。
翌日、夜明け前にナナミに起こされて、ランニング10キロ、腕立て、腹筋、スクワット、各100回、合気道や、空手の組手を行い、朝食を食べ、慌ててお弁当を詰めて、夜が明ける頃、南門を出て洞窟に向かった。
洞窟の中を進んで行くと、昨日は暗闇だったが、今日は薄っすらと明るい。そういえば、ダンジョンの中ってなぜか明かりも無いのに、明るかったりするんだよな、本当に洞窟じゃなかったんだ・・・。カマッテスネークが二、三匹いたが動く気配が無かったので、そのまま進む。
奥行きも少し広がったみたいだし、少し修復されたボロボロの扉を開くとミハルとネコ達がいた。良かった、無事だったんだ。誰も来ないとは思ったが、この目で見るまで安心出来なかったのだ。
7匹のネコ達は、寄り添ってじっとしていた。そこにサイゾーが近づき1匹づつ頭をすり寄せていくと、薄く目を開ける子もいたが、半分位はじっとしたまま動かない。一匹、一匹、頭をすり寄せ、優しく舌で舐めている。
その様子を母親のように見つめながら、
「サイゾーにはな、共感能力があるのじゃ、ああやって自分が昨日体験したことを伝えておるのじゃろう、こ奴らは我の力が少なかったので、ここから出た経験が無い、良い経験になるじゃろう。礼を言うぞ。」
そんな事言われたら、ダメじゃん。ナナミはもう、ウルウルしてるしさ。
「あ、あの、良かったらお弁当持ってきたんですよ、皆で食べようと思って、」
「我らのためにか・・?」
「そうですよ、もちろん、サイゾーくんも喜んで食べてくれたし、ね?」
「そうか、預かってもよいか、目が覚めたら皆でいただこう、今少し目覚めぬじゃろうから。」
ぺこりと頭を下げたサイゾーがドアをくぐる。
「いいのよ、気にしないで、さあ、入って、入って、」
ここは、俺の家なんだが、・・いかん、気にしたら負けだ、多分。
「サイゾー達って食事はどうしてんの?」
「食べれるけど、食べなくても問題無しですにゃ。
最初のうちは皆でよく食事をしていたですにゃ、でも、何かを創り出すのに必ず魔力は必要にゃんで節約のために最近は何も食べていなかったにゃ。」
えっ、ダメじゃん、そんなの、聞いてるだけで泣きそうだよ、こんな小さい子が食事もままならないなんて、よしっ、今日は俺がなんか旨いもの作ってやるからな!明日はお弁当を作って持っていこう。
うん、それがいい。こんな小さい子が頑張ってるんだ、俺が出来ることがあればしてあげよう。
とすっかり保護者気分になっているが、小さくても使役神、例え見た目がネコでも魔力が回復すれば平均的な人間の能力など軽く上回るのだが・・どうしても見た目で判断してしまいがちである。
きけば人間と同じ食事で大丈夫だと言う。久しぶりに料理が作れると上機嫌でキッチンに向かい、準備をする。あー、こうやって料理するのは何日ぶりだろう、毎日のようにナナミにしごかれ、テキトーに食べれる物を用意するのに精一杯だったもんな、
手元にある食材を見ながら、メニューを考える。この世界の食事って基本的にスープ、パン、おかずなんだよな、柔らかい肉じたいが高級品だし、干し肉、ハム、ソーセージもだいたい硬くて塩辛い。
保存技術が無いしな、今日はポテトサラダとちょっと贅沢してロックバードの塩焼きだな。胡椒は高いから・・・。多めに作って明日のお弁当分も用意しよう。
ジュー、ジューとおいしそうな音を立てて、肉が焼けてきた。
久しぶりの食事らしい食事に俺のお腹もさっきから、うるさいぐらいだ、あーいい匂いだな、
さっきから、ナナミが何度もキッチンを覗きにきている。手伝わないなら座ってて欲しいんだが・・。
以前にお湯を頼んだら、どうやるのかと聞かれたので、やかんに水を入れて魔道コンロにかけるだけだと教えたら、やかんが爆発した。魔石に魔力を流すコツが分からなかったらしい。
今日の訓練を見る限り、光魔法は当たり前のように使えるようだが、他の属性が不安定なんだよな、魔力が多すぎて、コントロールが難しいのかもしれない。
前世でも、刑事という職種のせいか、おいしく食べるというより効率重視で料理はほとんどしたことが無いと言ってたからな、でも、筋トレするなら料理すればいいのに、と思うのは俺だけなのか?
いや、向き不向きや、好き嫌いもあるからな、強制するのは良くないよな。
三人(二人と一匹?)で、テーブルに座り、いただきます。
「おいしいっ。」 「うまいにゃん!」
そうだろ、そうだろ、まずはポテトサラダから一口、うーん、塩辛いハムがいい隠し味になっているが、やっぱりマヨネーズが欲しいぞ、お酢はこの世界にもあるんだが、卵を生で食べるのにちょっと抵抗があるんだよな、ポテトサラダに胡椒をほんの少しかけて、もう一口。上手い。
今はこのくらいの胡椒を使うのも、贅沢だけど、これからどんな料理に挑戦するかと考えながら、ロックバードの塩焼きを口に運び、二人がおいしい、おいしいと目をキラキラさせて食べるのを眺めて、おいしいは正義だ! と改めて強く感じた。
翌日、夜明け前にナナミに起こされて、ランニング10キロ、腕立て、腹筋、スクワット、各100回、合気道や、空手の組手を行い、朝食を食べ、慌ててお弁当を詰めて、夜が明ける頃、南門を出て洞窟に向かった。
洞窟の中を進んで行くと、昨日は暗闇だったが、今日は薄っすらと明るい。そういえば、ダンジョンの中ってなぜか明かりも無いのに、明るかったりするんだよな、本当に洞窟じゃなかったんだ・・・。カマッテスネークが二、三匹いたが動く気配が無かったので、そのまま進む。
奥行きも少し広がったみたいだし、少し修復されたボロボロの扉を開くとミハルとネコ達がいた。良かった、無事だったんだ。誰も来ないとは思ったが、この目で見るまで安心出来なかったのだ。
7匹のネコ達は、寄り添ってじっとしていた。そこにサイゾーが近づき1匹づつ頭をすり寄せていくと、薄く目を開ける子もいたが、半分位はじっとしたまま動かない。一匹、一匹、頭をすり寄せ、優しく舌で舐めている。
その様子を母親のように見つめながら、
「サイゾーにはな、共感能力があるのじゃ、ああやって自分が昨日体験したことを伝えておるのじゃろう、こ奴らは我の力が少なかったので、ここから出た経験が無い、良い経験になるじゃろう。礼を言うぞ。」
そんな事言われたら、ダメじゃん。ナナミはもう、ウルウルしてるしさ。
「あ、あの、良かったらお弁当持ってきたんですよ、皆で食べようと思って、」
「我らのためにか・・?」
「そうですよ、もちろん、サイゾーくんも喜んで食べてくれたし、ね?」
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