二十九の星 -後漢光武帝戦記-

真崎 雅樹

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第八章 新たな単于

第四十七話

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 天鳳てんほう元年(西暦十四年)、秋。数千騎の匈奴フンヌ軍が分散して万里の長城を越え、前年よりも南へ深く侵入して農村を襲撃した。家が焼かれ、農民が殺され、収穫を間近に控えた畠が踏み荒らされた。匈奴軍襲来の一報に接したしん軍は、農村を守るため、というより、農村から徴発する予定の食糧を守るために、各地の城塞や野営地から出撃した。歩兵を主体とする新軍が徒歩で移動する間に、匈奴軍は襲撃を終えて後退し、烏珠留単于うしゅりゅうぜんうが率いる本隊と合流した。陽動に乗せられた新軍が戻る前に、帝国の重要な城塞の一つを強襲した。強襲された城塞を救援せよ、という命令が、竇融とうゆうの上官に下された。竇融の上官は竇融に騎兵二百、歩兵千二百を与え、城塞の救援に向かわせた。

 城塞へ向かう途中、竇融は焼き払われた集落を見つけた。辺りの地面に残されている馬蹄の跡から、匈奴軍の仕業であることが知れた。砂塵と秋風に晒されている遺体を埋葬するよう、竇融は兵士たちに命じた。遺体が集められ、穴が掘られた。男、女、老人、子供の遺体が穴の底に並べられた。竇融の下で従軍している馬援ばえんが、遺体の傷、恐らくは矢によるものであろう傷を見て、同じだ、と呟いた。遺体に土が被せられた。ふと畠の方へ目をやると、馬蹄に踏み躙られた麦や菽を、幾人かの兵士が地を這うようにして拾い集めていた。その様が妙に切なく見えて、竇融は彼方の地平へ目を逸らした。

 数日後、竇融が斥候として先行させた数騎が、彼方で上がる黒煙を見つけた。数騎の中には馬援が含まれていた。馬援以外の騎兵は竇融に報告するために馬首を巡らしたが、馬援は単騎、黒煙の方へ馬を走らせた。弟たちが殺された日の記憶が、黒煙の下に匈奴軍がいることを馬援に確信させた。皆殺しにしてやる、と双錘そうすいを強く握りしめた。燃えている集落が見えてきた。燃える家屋に土をかけて消火を試みている男たちと、若者の遺体に縋りついて泣いている老婆を見つけた。馬援が馬を近づけると、男たちは悲鳴を上げて逃げた。逃げるどころか顔を上げようともしない老婆に、おい、と馬援は呼びかけた。

「おい、匈奴軍はどこだ」

 老婆は馬援の問いに答えず、泣き続けた。馬援は苛立ち、声を荒げた。

「おい、聞いているのか。匈奴のやつらはどこに――」

 老婆が縋りついている遺体の傷が、矢傷ではなく刀傷であることに、馬援は気づいた。

「……婆さん」

 馬援は馬を下りた。老婆に歩み寄り、その近くに片膝をついた。

「そいつは――」

 老婆が縋りついている若者の遺体を、馬援は見た。

「――あんたの身内かい?」

 老婆は頷いた。

「誰にやられた?」

 新軍の兵士だ、と老婆は答えた。新軍の小隊が集落に現れ、冬を越すために貯えていた食糧を徴発と称して持ち去ろうとしたことを、老婆は馬援に話した。それを徴発されたら冬を越せなくなる、と抗議した農夫たちが兵士に斬られ、集落に火が放たれたことを話した。どうしてなのか、と老婆は泣いた。息子は正直者で人を騙したことはない、税も真面目に納めていた、それなのに、どうして殺されなければいけないのか、と遺体に泣き伏した。ぎ、と馬援の口中で歯が軋んだ。先程、馬援を見て逃げた男たちが、恐る恐る、という様子で近づいてきた。あいつらの仲間ではないのか、と訊ねる男たちに、この若者を殺したやつらはどこだ、と馬援は訊き返した。男たちは顔を見合わせ、東を指した。馬援は馬に乗り、東へ駆けた。

 燃えていた家屋が焼け落ちた。力無く立ち尽くしている男たちの前に、馬援が再び現れた。大きな袋を背に積んだ驢馬を、馬援は連れていた。老婆の許へ行き、馬援は馬を下りた。驢馬の背から袋を降ろし、袋の口を開け、逆さにした。丸いものが袋の口から幾つも転がり出た。転がり出たものが人間の首であることに気づき、ひ、と周囲の男たちが声を漏らした。婆さん、と馬援は老婆に呼びかけた。

「婆さん、この中に、あんたの息子の仇はいるかい?」

 老婆は顔を上げ、地面に転がされた無数の首を確かめた。そいつだ、と首の一つを指した。そいつが息子を殺した、と言い、皺だらけの手で石を掴んだ。息子を返せ、と仇の首を石で殴りつけた。息子を返せ、息子を返せ、と泣きながら何度も殴りつけた。

 二日後、新軍の旗を掲げた騎兵が十数騎、竇融の隊の野営地に押しかけてきた。弓を鳴らし、甲冑を鳴らし、馬にも地面を踏み鳴らさせながら、双錘を使う老いぼれを出せ、と大声で騒いだ。来たか、と馬援は双錘を掴んだ。二日前に殺した兵士たちの仲間が報復に現れるであろうことは、予想できていた。馬に乗り、野営地を出た。ぶん、ぶん、と肩を慣らすように双錘を振りながら、誰が老いぼれだ、と吼えた。おまえか、と殺気立つ十数騎の中から、一騎が前に出てきた。その一騎が新軍随一の驍将、廉丹れんたんであることを、別の一騎が馬援へ伝えた。馬援は片頬を薄く笑ませた。

「聞いたことがある名だ。確か、ちょう廉頗れんぱの子孫だな。廉頗は敵の大軍を恐れ、味方を見捨てようとした男だが――」

 廉丹の後ろの十数騎を、馬援は一瞥した。

「――なるほど、こいつも先祖に似て、胆が小さいようだ」

 一人を相手に大勢で押しかけるとは情けない男だ、と馬援は廉丹を挑発した。廉丹の後ろの十数騎が、廉公を侮辱するか、と色を成した。廉丹は片手を上げ、背後の十数騎を制した。

「老いぼれ、おまえの名は?」

「姓は馬、名は援、字は文淵ぶんえん。趙の馬服君ばふくくんの子孫だ」

「馬服君の子孫、ということは、趙括ちょうかつの子孫か」

 趙括、と聞いて廉丹の後ろの数騎が笑い出した。なるほど、あの愚将の子孫か、言われてみれば先祖の面影がある、と馬援を指して嘲笑した。何だと、と馬援は馬を前へ進めようとした。馬援の前を遮るように、廉丹が肩に担いでいる戟の刃が、きらりと陽を反射した。

「おれの兵士を殺したな、老いぼれ」

「知らんな。民を苦しめる盗賊を成敗はしたが、栄えある大新軍の兵士を傷つけたことはない」

「盗賊は、おまえだ。おまえは村を襲い、民を殺し、おれの兵士も殺した。そして、おれに捕らえられ、処刑される」

「おれを殺して、おれの屍に罪を擦りつけるつもりか」

「何人もの兵士が、おまえの凶行を目撃している。民の証言も取れている」

 その言葉で、自分が集落の住人たちに売られたらしいことを、馬援は察した。別に構わないさ、と心の内で一笑した。彼らは既に多くのものを失くしている。だから、おれのために何かを失くすことはない。そう心から思う馬援に、廉丹は続けた。

「あとは、おまえを処刑するだけだ。おまえの皺首が手に入れば、それで全て終わりだ」

「おまえの思い通りになると思うなよ」

 馬援は双錘を強く握りしめた。廉丹の後ろの十数騎が前へ出ようとした。ぶん、と横に振られた廉丹の戟に、十数騎は前を遮られた。一対一の決闘を廉丹が望んでいることを察し、十数騎は馬を下がらせた。廉丹は戟を戻した。

 砂塵を含んだ風が、睨み合う二騎の間を過ぎた。不意に廉丹が馬首を横へ向けた。後ろへ回り込まれないために、馬援も同じ方へ馬首を向け、馬を駆けさせた。速さを競うように並走しながら、互いに少しずつ馬を近づけた。廉丹の戟が馬援へ突き出され、馬援は双錘を振り回して戟を弾いた。廉丹は続けて戟を繰り出し、双錘が届く距離まで近づこうとする馬援を突き放した。鉄が鉄を打つ音が、七度、八度と鳴り響いた。九度、音が鳴り響いた瞬間、馬援は体当たりをするように廉丹との距離を詰めた。双錘の一方を振り上げ、振り下ろした。廉丹は戟を鋭く旋回させ、振り下ろされた双錘の柄を戟の柄で叩き、双錘の球を逸らした。再び錘が振り上げられるよりも早く、馬援の馬に自らの馬をぶつけた。馬援の馬がよろめいた隙に距離を取り、再び戟を繰り出した。

 馬援と廉丹が野営地の外を一周し、廉丹が連れてきた十数騎の前に再び姿を見せた。あの老いぼれ、意外とやるな、と笑う十数騎の前を、馬援と廉丹は武器を打ち交わしながら駆け抜けた。二騎の姿が見えなくなり、また野営地を一周して現れた。いつまで馬援が廉丹の戟を防げるか、十数騎は賭けを始めた。三周、四周と周回を重ねる馬援へ、面白半分の応援と野次が飛んだ。五周、六周と馬援は駆け続けた。賭けに興じていた十数騎の表情が曇り始めた。七周が過ぎ、八周が過ぎた。九周目に突入しようとした時、廉丹の戟が異音を立てた。双錘に弾かれた戟の穂先が、度重なる衝撃に耐えかねて折れ飛んだ。

 弦音が鳴り響いた。矢が風を裂いて飛び、馬援の馬の後脚に命中した。馬が跳ね、馬援は落馬した。十数騎の一騎が、よし、と弓を空へ突き上げた。廉丹が戟を捨て、馬を反転させた。まだ体を起こせていない馬援へ、直刀を抜いて突進した。廉丹の勝利を確信して十数騎が歓声を上げた。

 廉丹の左手が手綱を引いた。

 ざ、と蹄が地を擦る音を立て、廉丹の馬が馬援の前で急停止した。鞍上の廉丹の片足が上がり、廉丹の体が馬から離れ、両足が土を踏んだ。立て、というように、廉丹の目が馬援を見た。格好つけやがる、と馬援は地に拳をついて立ち上がり、後悔するなよ、と吼えて双錘を構えた。するものか、と応じて廉丹は直刀を構えた。数秒の睨み合いの後、同時に地を蹴り、武器を振りながら馳せ違い、振り返りながら更に一撃を繰り出した。廉丹の足が馬援の脛を襲い、体勢を崩した馬援に直刀が振り下ろされた。三度、振り下ろされた直刀を、馬援は双錘と甲冑で受け止め、押し返した。反撃の双錘を廉丹へ叩きつけた。廉丹の右手から直刀が弾き飛んだ。

 廉丹の直刀を弾き飛ばした双錘が、横へ抛られた。

 廉丹の横面を、馬援の拳が殴り飛ばした。更に拳を繰り出そうとした馬援の顎を、廉丹の足が蹴り上げた。続けて打ち込まれた拳に耐え、馬援は廉丹に組みついた。廉丹の体を抱え上げ、投げ飛ばした。投げ飛ばした拍子に、自らも体勢を崩して地面に倒れた。甲冑の重さに苦しみながら体を起こした時、竇融が野営地から駆け出てきた。

「何をしているのだ」

 竇融は馬援へ駆け寄り、馬援を廉丹から引き離した。

「馬公、やめろ。廉将軍も、何をしておられるのか」

「竇か。邪魔をするな。その老いぼれは、おれの兵士を殺した」

 誰が老いぼれだ、と馬援が喚いた。おれはまだ三十にもならんわ、と猛る馬援を押し止めながら、竇融は廉丹を顧みた。

「馬援が軍律に背いたのなら、然るべき手続きを取るべきです。あなたがしていることは正しくない」

「豎子が賢しげな口を叩くな。然るべき手続きとやらを取れば、どこからか糧秣が湧いて出るのか。そうではあるまい。そうではないから、おれはこうしているのだ」

「廉将軍」

 野営地から走り出てきた部下たちに馬援を任せ、竇融は廉丹の方へ体を向き直らせた。

「わたしの妹は、大司空だいしくう小妻めかけです」

「それがどうした」

「大司空は、帝室の一員にして国家の重鎮であり、聖上からも目をかけられています」

「目をかけられているから何だ」

「廉将軍、あなたは誤解している」

「何?」

「今回の件は、軍から脱走した者たちの仕業です。脱走兵が盗賊となり、民を襲い、あなたの兵士を殺したのです。あなたの兵士は掠奪などしていないし、馬援に殺されてもいない。全ては、盗賊に身を落とした脱走兵の仕業です」

 ふざけるな、と馬援が叫んだ。脱走兵の仕業ではない、と叫ぶ馬援の口に、竇融の部下たちが布の塊を押し込んだ。静かにしろ、と馬援を押さえる部下たちを後目に、竇融は廉丹に引き下がるよう求めた。ぺ、と廉丹は血が混じる唾を地面に吐いた。

「民を殺したのは、その老いぼれだ」

「あくまで馬援を疑うのなら、わたしにも考えがあります。あなたと、あなたの部下たちがしてきたことを大司空に報告し、大司空の口から聖上せいじょうへ伝えてもらいます」

「それをやれば、おまえの収賄も皇帝に知られる。おまえは処刑されるだろう。おまえが大司空の姻戚でも関係ない。おれたちの皇帝は、そういう人だ」

「しかし、わたしの友は無事でいられます」

 地に落ちている廉丹の直刀を、竇融は右手で拾い上げた。刀身の尖端を下へ、刃を自分の方へ向け、直刀を廉丹へ差し出した。同時に左手を懐に入れ、懐から出したものを直刀の柄に添えた。

「馬援の兄たちは二千せきの高官であり、わたしには大司空の庇護があります。あなたと、あなたの兵士はどうでしょうか? どうか、よく考えて、決めてください」

 竇融は廉丹に頭を下げた。廉丹は直刀を受け取り、竇融の左手からも何かを受け取り、それが何かを確かめた。

「……確かに、今回の件は、全て脱走兵の仕業のようだ」

 竇融に渡されたものを、廉丹は懐へ捻じ込んだ。廉丹の部下の十数騎の一騎が、廉丹の馬を引いてきた。廉丹は馬に跨り、竇融を見下ろした。

「糧秣が足りないせいで、脱走する兵士が相次いでいることは事実だ。脱走兵が盗賊になる。それも、よく聞く話だ。おまえの話は、信じるに足る」

 これ以上は事を荒立てるべきではない。そう判断して、廉丹は馬首を巡らした。竇融の部下たちに押さえられている馬援を一瞥し、馬を走らせた。十数騎が廉丹の後に続いた。馬蹄の轟きが離れ、竇融は大きく息を吐いた。馬援が布の塊を口中から吐き出した。

「竇公」

「わたしを軽蔑したろう、馬公」

「あいつらは、民を殺した。正直で、人を騙したことはない。税も真面目に納めていた。そういう民を殺した」

「馬公、あなたの憤りは正しい。しかし、廉将軍が言われることも、解らないではない」

「竇公」

「馬公、わたしは――」

 竇融は顔を俯かせた。

「――わたしは、わからないのだ。正しいことが多すぎて、どうすればよいのか、わからないのだ」

 風が地を掃き、新軍の黄旗が砂埃の中で揺れた。数十日が過ぎ、目指していた城塞に竇融と馬援は辿り着いた。城塞は既に陥落し、破壊と殺戮と掠奪の後、放棄されていた。何千という城兵と城民の屍を、竇融らは城外に埋葬した。更に数十日が過ぎ、冬が訪れた。大勢の兵士が飢えと寒さで死んだ。死んだ兵士を、馬援は城外に埋めた。遺体に土を被せていた時、廉丹の隊では餓死者も凍死者も出ていない、という話を耳にした。さすがは廉将軍だ、廉将軍の下にいる連中が羨ましい、と語る兵士たちの声を、馬援は寒風の中、背中で聞いた。

 大新帝国の敵である匈奴単于国にも、冬は平等に訪れた。大いなる湖バイカル・ノールの湖面が例年よりも厚く凍り、馬、牛、羊が何十万頭も死んだ。匈奴単于国は深刻な食糧危機に襲われ、烏珠留単于は牧民を一人でも多く、且つ確実に生き残らせるために、命の選別を行うことを決断した。自力で冬を越えることが出来れば再び迎え入れることを約束し、強くない者、若くない者、健康ではない者を、人類の生活圏の外、雪山や湿地へ追放した。追放された者たちの中には子供もいた。同じく追放された老人や、戦闘で体の一部を失くした戦士らに手を引かれ、猛獣が闊歩する化外の地へ子供たちは姿を消した。
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