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しおりを挟む私の目を見つめながら手を握り、その手のひらにそっと口づけした後のエルは、熱のかたまりみたい。
私もつられて熱くなる。
耳にキスされるとくすぐったいだけじゃなくて力が抜けると知った。
エルの唇は優しいのに、熱くて時々淫らになる。
大きな手が胸を包み込み、立ち上がった先端を執拗に舐めて吸う。
時々お腹の奥深くがきゅんとして、逃げたくなった。
「エル、エル……もう十分だから、あッ、なんで……⁉︎」
わざと歯を立てて甘噛みする。
一瞬痛みを感じたけど、すぐに舌で優しくいたわるように舐めるからじんじんした。
「可愛いくて愛おしくて、大事にしたいのに泣き顔も見たい。いろんなローが見たい」
「……エル?」
もうエルは一緒に育った王女の守護騎士という立場じゃない。
対等な夫婦関係で、私の大切な夫。
彼の普段見せない顔に、心臓が跳ねた。
「エル、泣くなんて嫌だわ。優しくして」
「わかった」
胸から離れてほっとしていると、エルの身体がどんどん下へ向かい、私の足が大きく広げられた。
部屋の明かりはだいぶ落としているけれど、すべて見えていると思う。
「待って」
閨事については一通り聞いていたけど、実際はこんなに恥ずかしい体勢になるのかと一気に顔が熱くなる。
「ローはすべてがキレイだ」
「あまり見ないで。恥ずかしい」
「いろんなローが見たいって言っただろ」
低く笑う表情が、普段の誠実で品行方正なエルとは少し違う。
ほんの少し煽ったのも認めるけど、彼の雄の部分を思い切り引き出してしまったみたい。
「エル」
「やっぱりやめたくなった?」
じっと探るように見つめてくるエルに私は答えようと口を開いて――。
「やめたくない」
そう言ったのはエルで。
私は彼を見つめたまま同じ気持ちで静かに頷いた。
「やめたくないが、ローに無理をさせたいわけじゃない」
「本当に続けてほしいわ……エルが大好きだから」
ほっとしたようで、エルの顔が少し緩んだ。
それから伸び上がって私の唇を再び啄みながら、ゆっくり太ももを撫でる。
大きな手をすべらせて脚のつけ根をかすめた。
「…………ッん」
誰も触れたことのないその場所は思ったよりも潤んでいて、そんなことは初めてで戸惑った。
「ロー、もっとちゃんと触れて愛したい」
「うん……お願い。あとで私にも愛させてね」
エルは困ったような表情を浮かべて、次の時にと言った。
お腹の辺りに熱くて硬いものが当たっていたから、私もエルを真似しよう、そう思って――。
「あぁっ!」
ぬるりとした初めての感覚に体が甘く痺れて腰が浮いた。
いつの間にか移動したエルが、脚のつけ根にキスをしているのが見える。
逃れようと思わずずり上がった私の腰をがっちりつかんで、再び唇を寄せた。
「待って、そこは!」
「痛くなければ逃げないで。傷つかないように備えたいんだ」
最初は痛いと聞いていたし、仕方ないものだと思っている。
エルの心遣いが嬉しくて、恥ずかしい気持ちを乗り越えようと深呼吸して力を抜いた。
「わかったわ」
見なければ恥ずかしくないかも。
目を閉じると感覚が研ぎ澄まされて、エルのすることすべてがよくわかる。
柔らかくなぶる舌の動きも、ひだを開いてくすぐるように動く指も。
それから太い指が私の体の中へ――。
「ロー、中が熱い」
押し出そうとする動きにも負けず、エルの指は内側にとどまり、甘く痺れる処を唇で捉えながらゆっくり馴染ませた。
「あっ、エル……ッ、……んっ!」
「ここがいい? そろそろ指を動かしてみるよ」
違和感しかなかった指がスムーズに動くようになって、今度は二本の指で私の身体を拓いていく。
「んっ、あ、あ……ッ」
痛いようで痛くない。
ゾクゾクするような初めての感覚に、目を開いてエルへと視線を向けた。
「痛かったら言って。ローの身体が俺の指を上手に飲み込んでいるよ。熱くてうねって、濡れている」
「恥ずかしいよ、エル」
「ごめん、感動している。恥ずかしがるローも可愛い。あともう少し備えさせてほしい」
まだ続けるのかと驚いていると、指で内側を探りながら、脚のつけ根に再び唇を寄せた。
さっきから何かが時々押し寄せてくる。
エルに触れられると身体が熱くなって、呼吸するたびに声が漏れた。
「……エル、そこは……っ」
時々指がかすめる内側の場所に、熱がたまる。
よくわからない。
でも気持ちいい。
私の変化に気づいたエルは淡々と同じ動きを繰り返す。
ふいに外と中から同時に押すような刺激を受けて、目の前が白く光ってはじけた。
「あっ、あ、ああ――っ」
短く息が切れる。
勝手に身体が跳ねてどうしようもなかった。
エルはそんな私の快楽を引き伸ばすように、舌先を動かしながら収縮する内側の動きを指で受け止めている。
「そのまま力を抜いていて」
「…………ん」
起き上がったエルが、たくましい彼自身に手を添えるのが見えた。
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