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に  通訳した結果

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 あのパーティの翌日には二年世話になった国をあっさり脱出していた。
 彼の国まで一週間ほどかかるらしく、最初の一泊目は王族御用達の宿屋へ。
 ものすごく豪華な部屋で、料理も美味しい。

「オレは第五皇子だし、母は移民の踊り子で早々に国を出た。だから、後ろ盾のないオレが皇位に関わることはないし、今のように国々をまわり、情報を流すのが役目になると思う。……これからずっとオレについて来てくれるか?」
「はい、もちろんです。承知しました」

 なるほど。
 扱いが雑だから、通訳もいなかったのかな。

 それにしてもなんてラッキーな人生だ!
 言葉には困らないし、旅して回るなんて……美味しいもの食べて、いろんな人と出会って、見たことのない景色を見る!

 すごい!
 そんなことでお金が稼げるとか楽すぎでしょ⁉︎
 楽しい人生すぎる!

 彼がなまりが強いというのも、母親の影響なのがわかったけど、私にはどうでもいい。
 違いが全くわからないから。
 ずっと聴いてられるくらいにはいい声だと思うし。

「そうか……二十歳なら問題ないな? もう大人だな?」
「あ、はい? ソウデスネ」
 
 じっと見つめられて、大人と認めることに不具合がありそうだけど、嘘をつくこともできず。
 なんとなく、彼から距離を置こうと後ろに下がる。

「どうして下がる?」
「なんとなく、です」

 身の危険を感じるもん。

「オレが怖いのか?」
「……いえ、怖いわけでは、ないです」

 でもちょっと、身の危険を感じるというか。 
 これまでにそんな……私を女として見るような顔をした人はいないから。

「……それなら、こっちこい」
「えーと……」

 逃げる言い訳が浮かばない‼︎

「ジェリー様、つ、疲れたのでそろそろ失礼したいのですが……」
「そうだな、慣れない旅で疲れただろう。気遣いが足りなかった。すまない」

 じりじりと近づいてくるけど、私も後ろへ下がる。
 私たちは一体何をしているんだろう?

「あの……どこで休めば」

 にっこりと笑うのを見て、身体が固まった。
 あっという間に身ぐるみ剥がされてベッドの住人になる。

 服がしわにならないように脱がしてくれたんだ~って思いたい!

「このまま休みませんか?」
「……いや、無理だろう」
「無理ですかね」
「無理だな」

 まぁ、しかたないか、ここまできたら。

「…………最初に年齢聞いておいてよかった」

 いきなり私の脚をガバッと開けて、頭を突っ込む。

「いい匂いだな……そそられる。そのままおとなしくしていろ。悪いようにはしない」

 いやもう十分悪いようにされてますけど‼︎

 いきなり舌を伸ばしてぺろりと舐めた。
 恥ずかしい‼︎
 何をしてるか、ナニをしてるんだってわかってるけど!

「そう、恥ずかしがるな。大丈夫だから」

 何が大丈夫かわからないけど、舐めたり吸いついたり、指を出し挿れされているうちに身体が熱くなる。
 脚の間でぐちゅぐちゅと水音がした。
 
「だいぶほぐれたな……ほら、うまそうにオレの指を咥えこんでる」
「……っ、あぁっ、もう、おかしっ……」
「こんなに小さい身体だし、初めてだろ? しっかり慣らさないとな」
「ジェリーさまっ……!」

 恥ずかしくて聞けないけどぉ、私、おもらししてませんかーー!

「オレの花嫁にするから大人しくしていろ」
「はな、よめ……?」
「……わかってなかったのか? ついて来てくれるか、さっき訊いたのだが」

 あー、なるほど。
 そういうことか。

 結婚しよう。
 シンプルなのが一番グッとくる気がするけど、まぁ、いいか。
 
 お母さん、踊り子だって言ってたし私相手で大丈夫なのかな。
 まわりに反対されたら、新たな国で通訳業すればいっか。
 まぁ、なんとかなるでしょ。

「私でいいなら、お受けします」
「お前がいい……オレを受け入れてくれ」
「あ、はい」

 お受けしますって言ったのに。
 脚の間に大きなものを押し当てられて、勘違いに気づいた。

「ジェリーさま⁉︎ それは人間のサイズなんでしょうか?」
「……他の男を見たことがあるのか?」

 低い声で言うから慌てて返す。

「小さい頃、父と風呂に入ったことがあるのと、兄がいたので……」

 あ、なんだか思い出して悲しくなった。
 もう帰れないんだろうなぁ……。
 家族仲よかったけど、私が悪い子だったばっかりに。

「そ、そうか。……これからはオレがお前の家族となる……毎日一緒だから寂しくないぞ?」
「そうですね! 花嫁ってことは家族になるんですね!」

 もうひとりぼっちじゃないのか。
 家族っていいな。
 花嫁も悪くないかも。
 だけど。

「ジェリーさまは、きっと、ものすごく、モテるでしょうけど……その」

 側室とる気あるのか訊いていいのかな?
 と言うか、立場的に私が側室かな。
 すっごい嫌なんだけど!
 あんな婚約破棄劇場見た後なだけに。

「なんだ? これからはクミン、ただ一人だ。……お前も他の男に惑わされるなよ」
「あ、そういう心配は必要ないです! そんな簡単に恋に落ちないので‼︎」
「…………オレは一目惚れだったがな」

 ロリっぽいのが好きなのかな?
 逆に彼の国では私は年相応に見えるのかもしれない!
 驚いてなかったし‼︎

「……クミン」

 脚の間に、ジェリー様のおちんちん様がこすりつけられる。
 思わずそう呼んでしまうくらいには立派なものだから。
 
 そうだ、これから世界をまたいでのセ、セックスなのだった!
 しかも初体験。
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