4 / 9
4 ※
しおりを挟む「そこまで節操なしじゃない。何でそう考えたかわからなくもないけど」
一瞬ムッとした様子を見せたけど、林は指をゆっくりと抜き差しし始める。
なみの眉間にシワがよったのを見て、脚の間に頭を寄せた。
「はやし!」
何をしようとしているかわかって止めようとしたけれど、林がクリトリスを口に含むほうが早かった。
熱さと初めての経験に甘くしびれ、足に力が入る。
指を動かされると、どろりと愛液がしたたるのがわかった。
「素直だね」
馬鹿にしてるわけでもなく、ただ見たことをそのまま伝えている感じ。
「可愛い、こんなに楽しいの初めてかも」
林はそう言ってから敏感になっているクリトリスに舌を這わせる。
「んっ、はや、し……っ、もう、いいから」
「名前で呼んでくれたら、やめるか考えてもいい」
「名前……?」
そんなのわかってる。
なのに内側の指が同じところばかり撫でてすぐに頭が真っ白になって言葉にならない。
「五年のつき合いがあるのにまさか知らない? 入社の時に何度も挨拶させられたのに」
「ん、知ってる……ッはやし、あっ、指、止めてよッ」
答えようとすると指と舌が同時に動く。
熱がたまって、すぐにもイきそう。
「なみちゃんいって」
口を開いても漏れるのは吐息ばかりで、答えるより先にあっけなくイった。
「あ、はぁ、はぁ、はぁ……はやし、ひどい」
「ひどいのは俺の名前を覚えてないなみちゃんのほうだよ」
「覚えてる! 覚えているよ! はやし、さとる」
みんな『はやしさとし』だと思っているし、先輩たちがわざとそう呼んでいたから、新人たちもそう思い込んでいる。
林はにっこり笑って私を見下ろした。
「正解、でも時間切れだからもう一度ね」
「待って、だって、当てたのに! あッ、はやし!」
いつの間にか増やされた指が、器用に動く。
外側と違ってじわじわと快楽がたまっていって――もっと欲しくなる。
こんな感じは初めてで、早く終わらせて欲しくなった。
「指は、もういいから……ッ、お願い」
なみだけが何も着ていなくて、林は上半身しか脱いでいない。彼の肩を押して身体を起こすとベルトに手を伸ばした。
室内にカチャカチャとベルトを外す音とファスナーを下ろす音が響く。
それから下着の中で窮屈そうにしているペニスを表に出した。
林はじっと見ているだけ。
大きく反り返ったソレを両手でつかんだ。
熱くて硬くて血管がはっきり浮かんでいる。
ごくりと唾を飲んでしまったけど、先端にキスしてから竿に舌をのばす。
「なみちゃん、無理しなくていいよ」
そう言われたけど目線だけ上に向けて嫌だと思ってないのを確認してから思い切って大きく咥えた。
「…………」
林の気持ちよさそうな低いため息に気をよくして、咥えながらしごく。
途中林の手が優しく髪を撫でた後、髪をつかんできたから視線だけ上げた。
「やばい」
ペニスが膨らんだのを感じると同時に、林にぐっと後ろに押された。
口から抜けた瞬間に白い液体が飛んでくるのが見えてぎゅっと目をつぶる。
「……ッ、ごめん! 拭くから目をつぶってて」
頬と唇についた精液をティッシュで拭う。
「林もひさしぶりだった?」
「…………そうかもしれない。いつもはこんなに早くない。なみちゃんが上手いのも腹立つ」
「そう……?」
女慣れした林が言い訳しているのがちょっとおかしくて、でもセンシティブなことだから。
「お互いひさしぶりだから身体が敏感になってたのかな。あのね、林……気持ちよかったよ。シャワー、先に浴びる?」
その先も今まで通りの同僚として過ごすならこれ以上先に進まないほうがいいのかも。
「まだ終わらない。いや、こんな中途半端に終われない」
「でも出しちゃったし」
「もう元気だから」
「ほんとだ」
林のペニスは何事もなかったみたいに元気に上向いていた。
「えっと、絶倫の人?」
「そうじゃないけど、早漏じゃないことはわかってほしい」
「うん? 早くてもすぐ休めていいと思うけど……」
「なみちゃんの元カレ、ヘタクソだったんだな」
薄々そうかもしれないって思い始めていた。
「林が上手すぎるのかも」
「最後までそう思ってもらいたいな」
林がゴムのパッケージを開けて、スルッと片手で装着した。
肩を押されて後ろに倒れたなみの脚を抱えてペニスを押し当てる。
流れるようにスムーズな動き。
「いい?」
「うん」
限界まで拡げられるような圧迫感を感じながら林のペニスを受け入れる。
少し苦しい。
前戯がていねいだったのも、なみがひさしぶりだったからという理由以外に、大きいのもあるかもしれない。
「……あっ」
ずりゅ、とさっきまで指で触れていたところに当たって声が漏れた。
「痛い?」
「……大丈夫。はやし、おっきい……こんなの持ってたんだ」
顔もよくて性格も悪くない。女癖が悪いけど、こんなふうに抱いてくれたらハマる気持ちもわかるかも。
「全部挿れていい?」
「まだ入ってないの? 入るなら」
「じゃあ、遠慮なく」
「……あっ」
誰も触れたことのない奥深くまで存在している。少し怖くなった。
「まだ、動かないで。私の内臓大丈夫かな」
林の肩が震えて、震動が体内にまで伝わる。
「笑ってるの? 本気なのに」
「うん、ごめん。なみちゃんの発言も可愛くて……本当に可愛い。馴染むまでキスしてよう」
「……んっ」
軽く唇をとがらせて、ついばむキスに心が落ち着いてきた。
林って本当に女の子の扱いが上手だと思う。
「少し動いてみていい?」
「うん」
すきまなんてないくらいピッタリだったのに、揺らすような動きもなめらかで、濡れやすいのも悪くないと思えた。
とはいえ声を抑えている今、水音が響いて恥ずかしい。
「なみちゃん、指じゃ届かないところでも気持ちよくなろうか」
「イヤ。必要ないよ。大きい人とすることなんてこの先ないと思う」
27
お気に入りに追加
361
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
元婚約者が愛おしい
碧桜 汐香
恋愛
いつも笑顔で支えてくれた婚約者アマリルがいるのに、相談もなく海外留学を決めたフラン王子。
留学先の隣国で、平民リーシャに惹かれていく。
フラン王子の親友であり、大国の王子であるステファン王子が止めるも、アマリルを捨て、リーシャと婚約する。
リーシャの本性や様々な者の策略を知ったフラン王子。アマリルのことを思い出して後悔するが、もう遅かったのだった。
フラン王子目線の物語です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
好きな人がいるならちゃんと言ってよ
しがと
恋愛
高校1年生から好きだった彼に毎日のようにアピールして、2年の夏にようやく交際を始めることができた。それなのに、彼は私ではない女性が好きみたいで……。 彼目線と彼女目線の両方で話が進みます。*全4話
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
愛してしまって、ごめんなさい
oro
恋愛
「貴様とは白い結婚を貫く。必要が無い限り、私の前に姿を現すな。」
初夜に言われたその言葉を、私は忠実に守っていました。
けれど私は赦されない人間です。
最期に貴方の視界に写ってしまうなんて。
※全9話。
毎朝7時に更新致します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる