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22 新しい一年 ※
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* 新年、最初の更新はこちらから。今年もよろしくお願いいたします。皆さまにとってよりよい一年になりますように!
******
新年を知らせる鐘が鳴った後、まわりでも軽く唇を合わせて挨拶をしたり、賑やかに今年の抱負を話したり、乾杯したりしていました。
特に注目されていたわけでもなさそうで、少しほっとしています。
あの彼もすぐに女性に囲まれて、せがまれたのか手の甲に口づけの真似をするところを見てしまいました。
きっと彼は今年も女性から積極的に迫られるのかもしれません。それでもいつの日か素敵な方と出会えることを密かに祈ろうと思います。
パーティは明け方まで続くそうですが、ブレンダン様と私は早々に抜けることにしました。
私達に用意された離れの客室へ入ると、ブレンダン様が私を腕の中へ抱き込みます。
「アリソン、どんな話をしていたんだ?」
先ほどの彼との会話についてでしょうか。
本当なのかさっそく確かめたいです。
「ブレンダン様が軍に所属していた頃の話を聞かせてもらいました。誰よりもお酒が強かったって」
「……それは若い頃の話で、今はそうでもない。他には?」
今は適量を楽しんでいるみたいですが、飲み比べをすれば負けたことがなかったそうです。否定されないから本当なのですね。
「ブレンダン様が、グリズリーを料理したという話を聞きました」
手際よくスープを振舞って皆さんと寒さを凌いだのだと。
「……そんなこともあったな。他には?」
「ブレンダン様が」
「本当に私の話しかしてないのか」
私は不思議に思いながら頷きました。
「はい。あの方は未婚の女性から逃げて来たそうです。私がブレンダン様を好きだってことがわかっていたから、息抜きにそばに来たみたいですよ。……私って、そんなにわかりやすいのでしょうか?」
彼とのやりとりを話すと、ブレンダン様がなんとも言えない表情を浮かべます。
「さぁ、どうかな。私がアリソンを熱烈に愛しているのはわかりやすいと言われたが」
「では、お互いにわかりやすいということなのですね」
これは少し恥ずかしいかもしれません。
「皆に知られているというなら、しばらく部屋から出なくても問題ないだろう」
「……ブレンダン様?」
そう言って笑いながら手際よく私のドレスだけ脱がせると、そのまま抱き上げました。
「アリソンからパーティの匂いがする。一緒に風呂に入ろう」
「……はい」
たくさんのお酒と、常にできたての料理が用意されていましたから、そばにいた私は匂いがついたのかもしれません。
離れの部屋は夫婦や家族で使う造りだそうで、それぞれの部屋に浴室がありました。
温泉を引いているようですぐに温かい湯が出ます。
お互いにすべて脱いで湯を浴びました。
ブレンダン様が手早く石鹸を泡立てて、二人分洗ってくださるのです。
「私は……っ、大丈夫ですから」
洗っているというよりも欲を煽るような触れ方をするので、困ってしまいました。
なめらかにすべる泡のせいで胸の先端がブレンダン様の手のひらに触れます。
「早くベッドに行きたい。新年早々、あなたをこんなところで奪いたくないんだ。それに後でもう一度ゆっくり風呂に浸かろう」
私が返事をする前にお湯をかけてくださいました。
「新年じゃなければ……?」
思わず疑問が口をついて出ます。
ブレンダン様が楽しそうに笑いました。
「望むなら、また後にここで睦み合うのもやぶさかではない」
「あの、私……っ」
そんなつもりはない、そう言うことができませんでした。
ブレンダン様の口づけに私は座り込んでしまわないように首に腕を回します。
「ベッドへ行こう」
私を抱き上げて大股で歩きました。
逃げませんのに、今夜のブレンダン様はいつもより性急です。
「ブレンダン様、愛しています。今年になってから初めて言ったかも……好きです、大好きです」
一緒に横になり、最初から舌を絡める深い口づけに体に火が灯りました。
ブレンダン様も熱く、昂まっているのを感じます。
「愛しているよ、アリソン。……どうしたものかな。あなたが可愛すぎて、頭と体が一致しない」
なんだか少し迷っているように思えます。
それから戯れるように私の唇を啄みました。もしかしたら、今夜は荒々しく激しい営みを望んでいるのかもしれません。
ごくまれにブレンダン様の本能のままに求められる夜もありましたから。
「動けなくなるのは困りますが……ブレンダン様の望むままに」
ブレンダン様が私の唇にそっと指を這わせて言います。
「それ以上は……今は言わないほうがいい」
私の口内に指を挿し入れて、普段舌で触れるところを刺激しました。こんなふうに探られても気持ちよくて、頭の中がぼんやりして話すことを忘れてしまいます。
それからブレンダン様はその指を脚の間へと伸ばしました。
「あっ……」
体が跳ねて、ブレンダン様が私を抱き止めます。
「あなたにひどくしてしまいそうだ」
低く色気のある声と、深い愛情と私を求める眼差しに、体がますます熱くなりました。
しとどに濡れて、一つになりたいと焦がれるような想いが溢れて――。
「ブレンダン様、大丈夫ですよ。それほど弱くありませんから」
「アリソン、最愛の人」
高ぶった私を宥めるように頬を撫でた後、ブレンダン様がしっかり腰をつかみました。
それから焦らされることもなく、正面から見つめ合って私を満たします。
「あ……っ、ブレンダンさま……」
それだけで気持ちが良くて、お互いに抱きしめ合い深く息を吐きました。
口づけを交わしながらブレンダンに揺さぶられ、私はすぐさま高みへと押し上げられます。
彼に触れられるといつでもこのようになってしまうなんて、私の体はおかしいのかもしれません。
ブレンダン様にそのことを伝えますと笑いました。
「互いの体に馴染んだからだろう。いや、気持ちが通じ合っているからだな」
高みに登ったままの私は、頷くのが精いっぱいです。
ブレンダン様と体を重ね合わせていると、私の思考は途切れてしまいますから。
「あなたは本当に可愛い。……あぁ、これでは俺がもたない」
ブレンダン様が体を離し、仰向けの私に寄り添いました。
それから私の左脚を軽く持ち上げて――。
「これならずっと、愛し合える」
私の右脚をブレンダン様の両脚で挟むようにして昂まりを挿入しました。
「ん……っ」
お互いの脚が絡み合って、ブレンダン様の全身に包まれているみたいに感じます。
のぞき込んだブレンダン様が私に口づけを落とし、いつのまにか背中側から胸を包み込んで先端を弄んでいました。
「この姿勢だと、あなたがどう感じているかすぐにわかっていいね」
こんなふうにつながるのは初めてでしたが、いつでも口づけができて触れ合えて優しい気持ちになります。
「ブレンダン様、大好きです」
「俺もだよ」
ですが、横から押しつけるように受け入れているせいか、いつもと違います。
穏やかですがじわじわと熱がたまって――。
「……あ」
左脚に触れていた手が下生えをかき分けてかたくなった粒を見つけます。私の反応を確かめながら、ブレンダン様が指を押しつけました。
「食べられているみたいだ」
ブレンダン様の低い声が耳元で響きます。
自分でもブレンダン様の昂まりを逃さないように、奥へ誘い込むように動くのがわかりました。
「このままあなたの中で爆ぜてしまいたくなる」
「そうして……ください」
いつも私のほうが気持ちいいみたいなので、ブレンダン様も同じように感じてもらいたいのです。
「いや。それはもったいない。もっとあなたを味わってからでないと」
そう言って口づけを交わしながら胸も二人のつながる先にも触れて、私を翻弄するのです。
「ブレンダンさまっ、私……っ」
「うん?」
「私……もう……!」
「愛しているよ」
新年最初の睦み合いは、ブレンダン様の心と体に包まれて、私は蕩けてしまいました。
******
お読みいただきありがとうございます。
八つ橋という体位を参考にしました。
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新年を知らせる鐘が鳴った後、まわりでも軽く唇を合わせて挨拶をしたり、賑やかに今年の抱負を話したり、乾杯したりしていました。
特に注目されていたわけでもなさそうで、少しほっとしています。
あの彼もすぐに女性に囲まれて、せがまれたのか手の甲に口づけの真似をするところを見てしまいました。
きっと彼は今年も女性から積極的に迫られるのかもしれません。それでもいつの日か素敵な方と出会えることを密かに祈ろうと思います。
パーティは明け方まで続くそうですが、ブレンダン様と私は早々に抜けることにしました。
私達に用意された離れの客室へ入ると、ブレンダン様が私を腕の中へ抱き込みます。
「アリソン、どんな話をしていたんだ?」
先ほどの彼との会話についてでしょうか。
本当なのかさっそく確かめたいです。
「ブレンダン様が軍に所属していた頃の話を聞かせてもらいました。誰よりもお酒が強かったって」
「……それは若い頃の話で、今はそうでもない。他には?」
今は適量を楽しんでいるみたいですが、飲み比べをすれば負けたことがなかったそうです。否定されないから本当なのですね。
「ブレンダン様が、グリズリーを料理したという話を聞きました」
手際よくスープを振舞って皆さんと寒さを凌いだのだと。
「……そんなこともあったな。他には?」
「ブレンダン様が」
「本当に私の話しかしてないのか」
私は不思議に思いながら頷きました。
「はい。あの方は未婚の女性から逃げて来たそうです。私がブレンダン様を好きだってことがわかっていたから、息抜きにそばに来たみたいですよ。……私って、そんなにわかりやすいのでしょうか?」
彼とのやりとりを話すと、ブレンダン様がなんとも言えない表情を浮かべます。
「さぁ、どうかな。私がアリソンを熱烈に愛しているのはわかりやすいと言われたが」
「では、お互いにわかりやすいということなのですね」
これは少し恥ずかしいかもしれません。
「皆に知られているというなら、しばらく部屋から出なくても問題ないだろう」
「……ブレンダン様?」
そう言って笑いながら手際よく私のドレスだけ脱がせると、そのまま抱き上げました。
「アリソンからパーティの匂いがする。一緒に風呂に入ろう」
「……はい」
たくさんのお酒と、常にできたての料理が用意されていましたから、そばにいた私は匂いがついたのかもしれません。
離れの部屋は夫婦や家族で使う造りだそうで、それぞれの部屋に浴室がありました。
温泉を引いているようですぐに温かい湯が出ます。
お互いにすべて脱いで湯を浴びました。
ブレンダン様が手早く石鹸を泡立てて、二人分洗ってくださるのです。
「私は……っ、大丈夫ですから」
洗っているというよりも欲を煽るような触れ方をするので、困ってしまいました。
なめらかにすべる泡のせいで胸の先端がブレンダン様の手のひらに触れます。
「早くベッドに行きたい。新年早々、あなたをこんなところで奪いたくないんだ。それに後でもう一度ゆっくり風呂に浸かろう」
私が返事をする前にお湯をかけてくださいました。
「新年じゃなければ……?」
思わず疑問が口をついて出ます。
ブレンダン様が楽しそうに笑いました。
「望むなら、また後にここで睦み合うのもやぶさかではない」
「あの、私……っ」
そんなつもりはない、そう言うことができませんでした。
ブレンダン様の口づけに私は座り込んでしまわないように首に腕を回します。
「ベッドへ行こう」
私を抱き上げて大股で歩きました。
逃げませんのに、今夜のブレンダン様はいつもより性急です。
「ブレンダン様、愛しています。今年になってから初めて言ったかも……好きです、大好きです」
一緒に横になり、最初から舌を絡める深い口づけに体に火が灯りました。
ブレンダン様も熱く、昂まっているのを感じます。
「愛しているよ、アリソン。……どうしたものかな。あなたが可愛すぎて、頭と体が一致しない」
なんだか少し迷っているように思えます。
それから戯れるように私の唇を啄みました。もしかしたら、今夜は荒々しく激しい営みを望んでいるのかもしれません。
ごくまれにブレンダン様の本能のままに求められる夜もありましたから。
「動けなくなるのは困りますが……ブレンダン様の望むままに」
ブレンダン様が私の唇にそっと指を這わせて言います。
「それ以上は……今は言わないほうがいい」
私の口内に指を挿し入れて、普段舌で触れるところを刺激しました。こんなふうに探られても気持ちよくて、頭の中がぼんやりして話すことを忘れてしまいます。
それからブレンダン様はその指を脚の間へと伸ばしました。
「あっ……」
体が跳ねて、ブレンダン様が私を抱き止めます。
「あなたにひどくしてしまいそうだ」
低く色気のある声と、深い愛情と私を求める眼差しに、体がますます熱くなりました。
しとどに濡れて、一つになりたいと焦がれるような想いが溢れて――。
「ブレンダン様、大丈夫ですよ。それほど弱くありませんから」
「アリソン、最愛の人」
高ぶった私を宥めるように頬を撫でた後、ブレンダン様がしっかり腰をつかみました。
それから焦らされることもなく、正面から見つめ合って私を満たします。
「あ……っ、ブレンダンさま……」
それだけで気持ちが良くて、お互いに抱きしめ合い深く息を吐きました。
口づけを交わしながらブレンダンに揺さぶられ、私はすぐさま高みへと押し上げられます。
彼に触れられるといつでもこのようになってしまうなんて、私の体はおかしいのかもしれません。
ブレンダン様にそのことを伝えますと笑いました。
「互いの体に馴染んだからだろう。いや、気持ちが通じ合っているからだな」
高みに登ったままの私は、頷くのが精いっぱいです。
ブレンダン様と体を重ね合わせていると、私の思考は途切れてしまいますから。
「あなたは本当に可愛い。……あぁ、これでは俺がもたない」
ブレンダン様が体を離し、仰向けの私に寄り添いました。
それから私の左脚を軽く持ち上げて――。
「これならずっと、愛し合える」
私の右脚をブレンダン様の両脚で挟むようにして昂まりを挿入しました。
「ん……っ」
お互いの脚が絡み合って、ブレンダン様の全身に包まれているみたいに感じます。
のぞき込んだブレンダン様が私に口づけを落とし、いつのまにか背中側から胸を包み込んで先端を弄んでいました。
「この姿勢だと、あなたがどう感じているかすぐにわかっていいね」
こんなふうにつながるのは初めてでしたが、いつでも口づけができて触れ合えて優しい気持ちになります。
「ブレンダン様、大好きです」
「俺もだよ」
ですが、横から押しつけるように受け入れているせいか、いつもと違います。
穏やかですがじわじわと熱がたまって――。
「……あ」
左脚に触れていた手が下生えをかき分けてかたくなった粒を見つけます。私の反応を確かめながら、ブレンダン様が指を押しつけました。
「食べられているみたいだ」
ブレンダン様の低い声が耳元で響きます。
自分でもブレンダン様の昂まりを逃さないように、奥へ誘い込むように動くのがわかりました。
「このままあなたの中で爆ぜてしまいたくなる」
「そうして……ください」
いつも私のほうが気持ちいいみたいなので、ブレンダン様も同じように感じてもらいたいのです。
「いや。それはもったいない。もっとあなたを味わってからでないと」
そう言って口づけを交わしながら胸も二人のつながる先にも触れて、私を翻弄するのです。
「ブレンダンさまっ、私……っ」
「うん?」
「私……もう……!」
「愛しているよ」
新年最初の睦み合いは、ブレンダン様の心と体に包まれて、私は蕩けてしまいました。
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