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21 年越しパーティ
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* 今年最後の更新です。お立ち寄りくださった皆さま、貴重な時間をさいていただきありがとうございました。来年ものんびり更新したいと思っておりますので、おつきあいくださると嬉しいです。良いお年をお過ごし下さい。
******
一年の終わりの日、私達はブレンダン様の友人夫婦主催の年越しパーティに出席することになりました。
もともと同じ軍隊に所属していたそうで、気のおけない友人達なのだそうです。
昨年は結婚したばかりだということもあり、誘われることはありませんでしたが、彼らは毎年賑やかに新しい年を迎えるのだと聞きました。
「見た目は少し、怖そうに見えるかもしれないが皆、気のいい奴らだから」
そのようにブレンダン様が言いましたが、少しも怖い方達ではありませんでした。
確かに体は大きいですし、お顔立ちは少し……迫力がありましたが、笑顔に優しさや温かさが滲み出ているように思えたのです。
夜に始まったパーティに、およそ三十人ほど集まったのでしょうか。
それぞれが好きなように過ごしています。
食事をとったり、お酒を飲んだり、ダンスをしてみたり、音楽団の演奏をのんびり聴いてみたり。
主催者は現在、退役して侯爵家を継いだ方だそうで、大きな敷地に離れもあって、招待客全員が泊まれそうほど十分な広さがありました。
半数は明け方のお開きとともに街へくり出すのだそうですが。やはり皆さん、体力があるのですね。
ブレンダン様と一緒に友人達を紹介してもらいながらひと回りしたので、ほんの少し休ませてもらうことに。
久しぶりに会った友人と男同士でおしゃべりしたいと思ったのです。
半数近くは独身の方で、ちょっとした出会いの場でもあるようです。
私はそれらをのんびり眺めながら音楽に耳を傾けていました。
ブレンダン様が私に見せる表情と少し違うような気がします。少し少年に戻ったような笑顔も素敵だなぁと内心思いました。
彼に限らず、まるでお茶を飲むようにウィスキーが減っていくのですが、明るい笑い声が響くことはあっても、酔っぱらう人は現れません。
揚げた芋にチーズとグレービーソースをかけた料理が一緒に消えていきます。ですがすぐにできたての料理が追加されるのはさすが侯爵家でした。
パーティは気後れしてしまうのですが、今回はくつろいだ雰囲気で、とても居心地がいいと思います。
先ほどまでは私の隣にご婦人がいたのですが、お花摘みに出かけました。
一人でのんびり、グラスに注がれたアップルサイダーを飲みながらサトウカエデを塗ってこんがり焼いたサーモンを摘みます。
この地域もサトウカエデを使った料理が多いようでした。
他にはボリュームのあるローストビーフのパイや、砕いたクッキーの上にバターたっぷりのカスタードクリームをのせ、さらに溶かしたチョコレートをのせて固めた三層のケーキが人気です。
それは侯爵家特製のナナイモバーと呼ばれていました。
私が休むと伝えた時にブレンダン様が食べる価値があるのだと言って真っ先に皿にのせたのです。
とても濃厚でおいしいのですが、びっくりするほど甘く感じましたから、二人で分け合っていただきました。
その後ブレンダン様は友人に声をかけられて私の髪へ口づけを落としてから戻ったのですが……少し恥ずかしかったです。
「コーツ伯爵夫人。ご一緒してもいいですか? ずっと踊っていたら腹が空いてしまって」
目の前に、先ほどブレンダン様に紹介された青年がにこにこして立っています。
ブレンダン様の元同僚の弟で、軍人だそうですが直接一緒に仕事をしたことはないと聞きました。
見目もよく人好きのする笑顔で独身だそうですから、きっと女性達が放っておかなかったのでしょう。
私が返事をする前に、隣に腰を下ろしてしまいました。
「せっかく兄の代わりにパーティに参加できたのに、おいしそうな料理を前にまだ一口も食べていないんだ」
彼は給仕からウィスキーのグラスを受け取り、料理を盛り合わせるように頼みます。
彼は私を見てにこっと笑い、打ち明けるように言いました。
「俺、パーティは好きだけど、まだ結婚なんて早いと思っているんだ。でも、ここにいる未婚の女性の勢いがすごくて」
「まぁ……」
何と答えていいかわかりません。
ちょうど給仕が皿を運んできました。
驚くほど盛られていますが、きっとこのパーティのお客様の食欲旺盛なことに慣れているのでしょう。
「……夫人はずっとコーツ伯爵を見ているから少し休ませてもらえるかなって……ははっ、すいません」
あっけらかんと言われて私も笑ってしまいました。確かに私はブレンダン様以外と火遊びなんて少しも考えたことはありませんから、一緒にいても間違いなど起こり得ません。
「いえ。気にしないで……実際その通りですもの」
「ははっ、それはまた……羨ましいな」
私より少し歳が上のようですが、気さくな方で、ブレンダン様の昔話を聞かせてくれました。
「ところで、何か別のものを飲む? メイプルリーフカクテルがおすすめだよ」
空になった私のグラスを見て、彼が言いました。
「それはどんな飲み物ですか?」
「ウィスキーにサトウカエデのシロップとレモンを絞ったもので、とても飲みやすいから試してみたら?」
給仕を呼んだので、私は少し申し訳ないと思いつつ答えます。
「ごめんなさい、私はこれと同じものをいただくわ」
ちゃんとアップルサイダーだと通じたようでほっとしました。
「あまりお酒は強くないので、夫がいる時に試してみます」
そう言うと、彼が笑い出しました。
「俺もあなたのような人と結婚したいな」
ちょうどその時、私の肩に大きな手が乗せられました。
「ブレンダン様」
「アリソン、一曲踊ろう」
ブレンダン様に誘われて自然と笑顔が浮かびます。
「……コーツ伯爵夫人、お話しできて楽しかった」
「はい、私も」
「では失礼するよ」
ブレンダン様とフロアに向かいます。
ダンスはあまり得意とは言えないのですが、皆さんが自由に楽しそうに踊っていたので少し羨ましく感じていました。
「ブレンダン様と踊れて嬉しい」
「……そうか、よかった」
ブレンダン様が笑顔を浮かべます。
元々体を動かすのが得意だからでしょうか、とてもリードが上手でした。
踊り慣れているのかもしれません。
私の疑問に笑います。
「それは、俺達の相性がいいからだろう」
そろそろ曲が終わるという頃、先ほどの彼がこちらに向かって近づいてきました。次の曲のダンスを誘いにきたのかもしれません。
ブレンダン様も彼に気づいたようです。
ちょうどその時、新年を告げる鐘の音が聞こえました。
「アリソン、新年おめでとう」
「ブレン…っ!」
ブレンダン様がいきなり深い口づけをします。
まわりでは新年を祝う歓声が上がりますが、私はそれどころではありません。
驚いて身をこわばらせる私の腰をきつく引き寄せ、脚が震えて力が抜けるまで口づけするのですから。
それはとても人前でするような口づけではなくて――。
「……ブレンダン、様……っ」
私は恥ずかしさと、ブレンダン様の口づけのせいで目が潤んでしまいました。
顔が熱くてたまりません。
「年越しパーティではね、新年最初に会った人と口づけする習慣があるんだ。夫婦や恋人は末長く幸せに過ごせるように、友人の場合は仲を深めるように、知り合いなら新しい恋人ができるように願うんだ」
ブレンダン様はそう言って私の唇に触れて視線を移動させました。その先には先ほどの彼がいて、会釈して去って行きます。
彼はほんの少し困ったような笑みを浮かべていたように見えました。
もしかして、ほんの少しやきもちを焼いたのでしょうか。
私はブレンダン様のことを、怒るに怒れなくなりました。
******
一年の終わりの日、私達はブレンダン様の友人夫婦主催の年越しパーティに出席することになりました。
もともと同じ軍隊に所属していたそうで、気のおけない友人達なのだそうです。
昨年は結婚したばかりだということもあり、誘われることはありませんでしたが、彼らは毎年賑やかに新しい年を迎えるのだと聞きました。
「見た目は少し、怖そうに見えるかもしれないが皆、気のいい奴らだから」
そのようにブレンダン様が言いましたが、少しも怖い方達ではありませんでした。
確かに体は大きいですし、お顔立ちは少し……迫力がありましたが、笑顔に優しさや温かさが滲み出ているように思えたのです。
夜に始まったパーティに、およそ三十人ほど集まったのでしょうか。
それぞれが好きなように過ごしています。
食事をとったり、お酒を飲んだり、ダンスをしてみたり、音楽団の演奏をのんびり聴いてみたり。
主催者は現在、退役して侯爵家を継いだ方だそうで、大きな敷地に離れもあって、招待客全員が泊まれそうほど十分な広さがありました。
半数は明け方のお開きとともに街へくり出すのだそうですが。やはり皆さん、体力があるのですね。
ブレンダン様と一緒に友人達を紹介してもらいながらひと回りしたので、ほんの少し休ませてもらうことに。
久しぶりに会った友人と男同士でおしゃべりしたいと思ったのです。
半数近くは独身の方で、ちょっとした出会いの場でもあるようです。
私はそれらをのんびり眺めながら音楽に耳を傾けていました。
ブレンダン様が私に見せる表情と少し違うような気がします。少し少年に戻ったような笑顔も素敵だなぁと内心思いました。
彼に限らず、まるでお茶を飲むようにウィスキーが減っていくのですが、明るい笑い声が響くことはあっても、酔っぱらう人は現れません。
揚げた芋にチーズとグレービーソースをかけた料理が一緒に消えていきます。ですがすぐにできたての料理が追加されるのはさすが侯爵家でした。
パーティは気後れしてしまうのですが、今回はくつろいだ雰囲気で、とても居心地がいいと思います。
先ほどまでは私の隣にご婦人がいたのですが、お花摘みに出かけました。
一人でのんびり、グラスに注がれたアップルサイダーを飲みながらサトウカエデを塗ってこんがり焼いたサーモンを摘みます。
この地域もサトウカエデを使った料理が多いようでした。
他にはボリュームのあるローストビーフのパイや、砕いたクッキーの上にバターたっぷりのカスタードクリームをのせ、さらに溶かしたチョコレートをのせて固めた三層のケーキが人気です。
それは侯爵家特製のナナイモバーと呼ばれていました。
私が休むと伝えた時にブレンダン様が食べる価値があるのだと言って真っ先に皿にのせたのです。
とても濃厚でおいしいのですが、びっくりするほど甘く感じましたから、二人で分け合っていただきました。
その後ブレンダン様は友人に声をかけられて私の髪へ口づけを落としてから戻ったのですが……少し恥ずかしかったです。
「コーツ伯爵夫人。ご一緒してもいいですか? ずっと踊っていたら腹が空いてしまって」
目の前に、先ほどブレンダン様に紹介された青年がにこにこして立っています。
ブレンダン様の元同僚の弟で、軍人だそうですが直接一緒に仕事をしたことはないと聞きました。
見目もよく人好きのする笑顔で独身だそうですから、きっと女性達が放っておかなかったのでしょう。
私が返事をする前に、隣に腰を下ろしてしまいました。
「せっかく兄の代わりにパーティに参加できたのに、おいしそうな料理を前にまだ一口も食べていないんだ」
彼は給仕からウィスキーのグラスを受け取り、料理を盛り合わせるように頼みます。
彼は私を見てにこっと笑い、打ち明けるように言いました。
「俺、パーティは好きだけど、まだ結婚なんて早いと思っているんだ。でも、ここにいる未婚の女性の勢いがすごくて」
「まぁ……」
何と答えていいかわかりません。
ちょうど給仕が皿を運んできました。
驚くほど盛られていますが、きっとこのパーティのお客様の食欲旺盛なことに慣れているのでしょう。
「……夫人はずっとコーツ伯爵を見ているから少し休ませてもらえるかなって……ははっ、すいません」
あっけらかんと言われて私も笑ってしまいました。確かに私はブレンダン様以外と火遊びなんて少しも考えたことはありませんから、一緒にいても間違いなど起こり得ません。
「いえ。気にしないで……実際その通りですもの」
「ははっ、それはまた……羨ましいな」
私より少し歳が上のようですが、気さくな方で、ブレンダン様の昔話を聞かせてくれました。
「ところで、何か別のものを飲む? メイプルリーフカクテルがおすすめだよ」
空になった私のグラスを見て、彼が言いました。
「それはどんな飲み物ですか?」
「ウィスキーにサトウカエデのシロップとレモンを絞ったもので、とても飲みやすいから試してみたら?」
給仕を呼んだので、私は少し申し訳ないと思いつつ答えます。
「ごめんなさい、私はこれと同じものをいただくわ」
ちゃんとアップルサイダーだと通じたようでほっとしました。
「あまりお酒は強くないので、夫がいる時に試してみます」
そう言うと、彼が笑い出しました。
「俺もあなたのような人と結婚したいな」
ちょうどその時、私の肩に大きな手が乗せられました。
「ブレンダン様」
「アリソン、一曲踊ろう」
ブレンダン様に誘われて自然と笑顔が浮かびます。
「……コーツ伯爵夫人、お話しできて楽しかった」
「はい、私も」
「では失礼するよ」
ブレンダン様とフロアに向かいます。
ダンスはあまり得意とは言えないのですが、皆さんが自由に楽しそうに踊っていたので少し羨ましく感じていました。
「ブレンダン様と踊れて嬉しい」
「……そうか、よかった」
ブレンダン様が笑顔を浮かべます。
元々体を動かすのが得意だからでしょうか、とてもリードが上手でした。
踊り慣れているのかもしれません。
私の疑問に笑います。
「それは、俺達の相性がいいからだろう」
そろそろ曲が終わるという頃、先ほどの彼がこちらに向かって近づいてきました。次の曲のダンスを誘いにきたのかもしれません。
ブレンダン様も彼に気づいたようです。
ちょうどその時、新年を告げる鐘の音が聞こえました。
「アリソン、新年おめでとう」
「ブレン…っ!」
ブレンダン様がいきなり深い口づけをします。
まわりでは新年を祝う歓声が上がりますが、私はそれどころではありません。
驚いて身をこわばらせる私の腰をきつく引き寄せ、脚が震えて力が抜けるまで口づけするのですから。
それはとても人前でするような口づけではなくて――。
「……ブレンダン、様……っ」
私は恥ずかしさと、ブレンダン様の口づけのせいで目が潤んでしまいました。
顔が熱くてたまりません。
「年越しパーティではね、新年最初に会った人と口づけする習慣があるんだ。夫婦や恋人は末長く幸せに過ごせるように、友人の場合は仲を深めるように、知り合いなら新しい恋人ができるように願うんだ」
ブレンダン様はそう言って私の唇に触れて視線を移動させました。その先には先ほどの彼がいて、会釈して去って行きます。
彼はほんの少し困ったような笑みを浮かべていたように見えました。
もしかして、ほんの少しやきもちを焼いたのでしょうか。
私はブレンダン様のことを、怒るに怒れなくなりました。
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