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10 コリー 2
しおりを挟む* 触手プレイ入ります。大丈夫な方のみお読み下さいませ。
* * * * *
「以前のお礼をね……ずっと、ずーっと、考えていたんだ」
にやにやと笑うコリーは、イケメン度二割減。
そんな姿も、人間味があっていいけど。
何度も一緒に過ごしているけれど、彼が言っているのは一番初めの日のことだと思う。
お昼ご飯にお寿司食べて、ショコラ食べながらまったりゲームして楽しく過ごした。
夜はすき焼きをお腹いっぱい食べて、隣に並んでぐっすり眠った。
朝の、うっかり射精してしまったのを気にしているんだよね~、これは。
「お礼も何も、なーんにも気にしなくていいんだよ?」
なんとなく不穏なものを感じる。
このふわっとした空間に逃げ道がない。
「だからね、スズ。……スズも気持ち良くなればいいと思うんだ」
こういうの、ど~かな~って、言われて、私の目の前が暗くなった。
これがコリーの好きな世界観か……。
紫色のテラテラしたシーツの上に寝かされた私は、いつの間にか世界を救う魔法少女のような衣装を着せられていた。
心が、胸が痛い!
つらい!
私二十七なんだけどー‼︎
そんでもって、両手両足が触手に拘束されて、うにょうにょと身体を這う。
「スズ……どう? めっちゃ興奮する」
「どうもなにも! 恥ずかしい! やめて!」
ベッドの向かいの椅子に腰かけて私を眺める。
「さすがにこれ、初めての経験でしょ? 気持ち良くなるだけだから心配しないで」
文句を言おうとした私の口の中に触手が潜り込む。
「んーっ、んんーっ……!」
何かわからない甘い液を垂らしながら口内を嬲るから、何も言えなくなる。
飲み込んだらダメなやつじゃない?
トイレ近くなるやつか気持ち良くなるやつ?
お腹痛くなるやつは絶対いやーー!
飲み込みたくないのに直接喉の奥に甘い液を流し込んでくる。
そうこうしているうちに、触手はありとあらゆるところから私の身体に入り込み、胸の先端を弾いてみたりくすぐってみたりとやりたい放題だ。
「んーっ! んー!」
身をよじって、コリーを睨む。
「いや、それ……逆にやばい……」
顔を覆うような仕草をしながら指の間からしっかりのぞいている。
触手が太ももを撫でするりと下着の中へ忍び込んだ。
さ、三本?
その理由はすぐわかった。
一本は蜜口へ。
いきなり侵入することなく襞を開いてつついてくる。
もう一本は陰核をちろちろとくすぐるように刺激してから尿道口に突っ込んだ。
無理無理!
それない!おかしいって!
最後の一本はアナルをくすぐった。
これって……。
もしかしてこの後……。
いやー‼︎
「んー! お、りぃー! む、りぃ」
涙目で訴える私を、興奮した様子でコリーが眺める。
「スズ、エロい……めっちゃ、クる」
でしょうね!
触手とか現実にないしね!
「コリーー!」
名前を呼んだ瞬間に、勢いよく蜜壺の中へ触手が滑り込んで内側を探り始めた。
「んっ……ぅ、……んあっ……」
こんなことされて気持ち良くなっちゃうなんて。
ぐちょぐちょと音を立てて私の中を擦る。
いつの間にか服は脱がされて、身体を覆うのは絡みついた触手で。
「やべぇ……俺の想像を超えるエロさだ……」
生唾をごくりと飲む音が聞こえた。
そんなところに一人観客でいるなんて。
「コリぃ、……こんなのに、イかされたく、ないっ、きてよぉ!」
よろよろとやってきたコリーに手を伸ばす。
「コリーの挿れて! それでおあいこ!」
お互いの手が触れた瞬間、ふっと触手が消えた。
「……やり、すぎ、た……?」
「……やりすぎ、だよ」
身体が熱い。
コリーの下半身もガチガチだ。
おぼつかない手で洋服を脱ぎ、恐る恐る私に触れて抱きしめる。
「スズ……ごめん……。俺の妄想につき合わせて……」
「男の夢って、感じ? 触手って」
「ごめん……」
「もういいから、続き」
ごくりと頷いたコリーの高ぶりに手を伸ばして、脚の間に誘導した。
「スズ、あったかい……」
「んっ……」
腰を揺らしながら私の中へとずぶずぶと挿入する。
「はぁ……好きだ、ヒロインの妹だった頃から……」
ん?
「あの時はマーサだったけど……好きすぎて他の誰も攻略できなかった。今のスズのほうが芯があって、もっと好きだよ……」
ヒロインの妹?
モブだったってことかな?
それでバッドエンド?
なんか色んな設定ぶっ込んできた。
私がそうだとしても覚えてないけれど。
「スズ……ごめんな。これから大切にするから、この償いはするよ……」
「わかった、約束だよ」
コリーの唇が私のそれと重なる。
へこへことぎこちなく腰を揺らされて、熱くなっていた私はその動きさえも気持ちいい。
「いいの? スズ?」
「うんっ、気持ちいいっ……コリー、……ああぁーっ……」
「イってるの? イってるのかな⁉︎ かわいい、俺もっ……」
コリーが私の中で果てると、ふわっとした空間がいつものセミダブルのベッドになっていた……。
きょろきょろしていたら、真上から真剣な顔でのぞき込まれる。
「命尽きるまで、大事にします」
「重い」
「ちゃんと、死後も面倒見るから」
「…………」
錦織の落とされた異世界は彼が過去に遊んだギャルゲーの世界だった。
主人公補正でみんなから好かれたけれど、続編が出たら絶対攻略したかったというヒロインの妹、マーサだけは幼なじみと結婚してしまったらしい。
その後は傷心のあまり、誰とも結ばれることなく孤独に過ごした……ということで以前聞いた通り、あの女神様に救われたということ。
コリーにとっては私がマーサの生まれ変わりで間違いないらしい。
正子だし、ね……間違っていないとはいえないけど、どうかな。
コリーが幸せならいいか。
「女神様って……すごいね」
「うん、最高だよね!」
遠くで女神様の明るい笑い声が聞こえたような気がした。
* * * * *
本編はここまでです。
お読みいただきありがとうございました。
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