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パターン6 (執着心と独占欲の塊だと自覚のある根暗ヤンデレ)
1 好きなのに離れようとするから
しおりを挟む* ヤンデレの自覚があるため、エリンから離れようとする根暗ブレーカーと、それに気づいているエリンの話。全3話。
* 2人の関係をお読みになってからどうぞ。(別パターンは一旦忘れて下さい)
******
「エリン、もうここに来るな」
卒業まであと半年もないのに、ブレーカーは学園を休みがちだ。
私は授業が終わるとまっすぐ帰って彼に会いに行く。
よく本を読んでいる彼に、その日のこととか思い浮かんだことをひと通り話すのだ。聞いていないようで、彼は全部聞いてくれている。
私が言ったちょっとしたことも覚えていて、ふとした拍子に尋ねてくる。
ふうん、って返事して終わるけど。
でも今日のブレーカーはいつも以上に暗くて、私の方を全然見ない。
「どうして?」
「……もう、お互い大人になるんだ。2人きりで部屋で会うのはやめよう」
「それなら一緒に学園に行こうよ。一緒に行きたい」
「……もう行かない。単位は取ってるから、卒業式に出ればいい……先生にも伝えてある」
「そんなの……!」
私が寂しいのに。
「だから、もう……幼馴染だからって世話を焼かなくていい」
「なに、それ……」
「俺、もう父さんの仕事を手伝っているんだ。学園は卒業できるってわかってるわけだし、働いたほうがいいから」
たしかにブレーカーは頭がいいし、ゆくゆくは家業を継ぐのだから、早く仕事を覚えることはいいんだと思う。
でも……どんどん会う時間が減って、どんどん私を避けるようになって、どんどん私より先に行ってしまう。
私はブレーカーと残りの学園生活を楽しみたいのに。
「卒業パーティ、出れる?」
「どう、かな。……多分、無理かも。仕事になりそうだし」
ブレーカーは口の中でもごもご答えた。
「私は一緒に出たい。だって、卒業パーティは一度しかないんだよ……?」
「エリンなら、俺じゃなくても……」
そう呟いて、黙る。
ブレーカーの本心じゃないって、私は思う。
どうしてこんなふうになってしまったんだろう。私達はとても仲が良くて、ずっと一緒にいるはずだったのに。
「ブレーカーは私が……他の人を好きになって、恋人ができて、結婚してもいいの……?」
私の言葉にブレーカーが拳を握るのが見えた。血管が浮くほど力が入っているのに、無言のままでいる。
だって彼は、私のことが嫌いなはずはない。
むしろ――。
だから、私は続けて言った。
「ブレーカー以外の人とデートして、キスして、それ以上のことも」
「エリン、出て行ってくれ!」
いつもより強い口調に、ブレーカー本人もはっとしたようで口を閉じた。
「…………」
「……出ていってほしい。俺が何かしでかす前に」
私は言いすぎたのだと気づいたものの、ブレーカーの強い拒絶に何も言えなくなってしまった。
入学した頃は一緒に登校していたのに、だんだん距離を置かれるようになった。
クラスも別々で、帰りまで顔を合わせないこともたびたびあって。
だから、一緒に帰りながらどんなふうに過ごしたかよく話した。
「……エリンは毎日楽しそうだね」
「うん! とても仲が良いクラスなの。今度、天気のいい日にみんなと中庭でランチ食べようって話してる。花も咲いているし、暖かくなってきたからね!」
「……そう」
「ブレーカーのクラスはそういうことしない?」
「……さぁ? 興味ないからわからない」
「もう、ブレーカーってば!」
「俺はそういうのはいいんだ」
あまり人に興味を示さないブレーカーは、友達が少ない。自分から仲良くしようとも思わないらしい。
『エリンがいればいい』
昔はよくそう言ってくれていたし、多分今もそれは変わっていないと思っていた。
でも……私の思い違いで、変わってしまったのかも。
そんなことない。
きっと今のブレーカーの本心は変わっていないはず。
私はブレーカーが大好きだし、昔みたいに独占欲をみせてくれてもいいのに。
そう思ったのに、ブレーカーは私を徹底的に避けた。
時々昏い目をするようになって、思い詰めた顔をすることもあって、ますます話さなくなった。
私が一生懸命話しかければかけるほど、離れていく気がする。
そうして今の状態になって――。
「ブレーカーはね、集中して仕事を覚えるように商会の寮にしばらく泊まり込むことになったの。何人か職員が住んでいるから安心よ。あの子、早く一人前になりたいんだって」
ブレーカーのお母さんがそう言って笑った。
「心配しなくても大丈夫よ。部屋の掃除くらいは本人がするけど、食事や洗濯は寮母さんに頼んであるから」
休みの日は戻るように言ってあるし、卒業パーティ用の衣装は準備しているって教えてもらったけど……。
それからの日々もブレーカーは私を徹底的に避けた。
休みは私が学校にいる間にとって、姿を現さない。
こんなに離れているのは初めてで、落ち着かなかった。
時々ブレーカーの両親から話は聞けたけど、私が商会を訪ねると決まって彼はいない。
居留守を使っているわけでも、他の職員が嘘をついているわけでもなく、タイミングが悪いらしい――というより、ブレーカーは私の考えることがわかっているのかも?
とうとう我慢ができなくなった私は、彼の寮へと押しかけた。
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