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⑴
9 お泊まり会ってもっと健全なはず ※
しおりを挟む寮で味もわからないまま夕食をとった後、俺の部屋まで送ってきたジェラルドが言った。
「あとで迎えに来る」
ぽやんとした頭のまま別れて、シャワーを浴びた。
落ち着け。
あんなべろんべろんのキスして、ふぇらちおにごっくんだ。
ファル――――ッス!
今、勃ち上がるんじゃないッ。
いや。
いっそのこと、一度ヌイておこうかな。
今夜、俺のファルス勃ちませんって。
おけ。
菩薩様のように安らかな顔で、ジェラルドを迎え入れた。
「…………準備はいいか?」
「うん」
「……あとで、勉強を教えてやってもいい」
時間があれば、とかなんとか言った。
時間はあるでしょ。
時間は、たっぷりあるはずだ。
時間は有効に活用しなくちゃ。
「ええっと、じゃあ……中学の参考書持って行こうかな~」
ナニに時間を使ったら、足りなくなるのかな?
ボク、わかんない。
だって今日は金曜日で、週末は連休だよ。
「…………俺がイチから教える」
「勉強のことだよね?」
「……そうだが?」
本当に?
「ほら、時間は有限だ」
「ひぃ……うっ……な、んで……っ」
おかしい。
俺の外肛門括約筋はこれ以上、拡がらないはずだ。
なぜか今、俺はベッドでケツだけ高く持ち上げてジェラルドのされるがままッ。
まな板の恋人だ。
もう、よくわからないんだ‼︎
鯉になんかなりたくないからこれでいいッ。
「指が三本入るまで、あと少しだから」
「やだぁっ……もぉ、壊れ、るっ……」
最初はゆっくり一本の指がアヌスの周りを撫でるようにくるくる触れていたんだ。
まるで肛門括約筋のマッサージみたいで、案外イケるかもって。
それから、ジェラルドが、怖くないよって指をそうっと挿れて、震える俺の背中にたくさんキスを落とした。
大事にされてるって、そっか。
恋人なんだなって、実感したんだけどッ。
ジェラルドはやっぱり原作の主人公だった‼︎
俺のファルスをゆるゆるとしごきながら、二本の指が同じところばかり刺激する。
ぐにゅりと入る指は、最初気持ち悪かったのに、浅くてこりこりする所をトントンされて、甘く痺れた。
こんなの、知りたくなかった!
「これが、前立腺なんだな。……ここ、俺ので突いたら、どんなふうになるのかな」
今、指だけで、こんななのにね。
そう吐息混じりにジェラルドが言うからぶるりと身を震わせる。
「このあと、……このあとはっ、……俺の番だからあぁっ……あっ、」
確か部屋に入った後、そう決めたんだ。
なんとなく、一緒にいたら唇が重なって、いつのまにかベッドに移動していて。
そして、俺がジェラルドの上に乗り上げたのだけど。
『……先に俺からでもいいか? お互い痛い思いをしないように準備するから』
なるほど。
そのまま突っ込んだら痛いもんね。
俺詳しく知らないし。
やり方は俺も知っておきたいし。
わかった、って答えたら今の状況なわけで。
たっぷりとジェルを追加して三本目の指がゆっくりと入口を拡げる。
ジェラルド、やっぱり、総攻めヒーローの素質を持ってるんだ!
俺、女の子にされちゃうよッ。
「あ、あっ……」
「その調子で、力抜いとけよ」
ゆっくりと拡げるように動かす。
ぬちゃぬちゃと音がして、耳も犯されてる!
あーもー、どうしたらいいのッ。
「ウィルフレッド。そのまま、力を抜いていろ」
ジェラルドの指がずるっと抜けて、たっぷりのジェルを追加された。
「……っ!」
そのまま、俺の背後にピタリと身を寄せ、アヌスにファルスが押し当てられる。
もう、すでに、心臓が爆発しそう。
「ウィルフレッド。……いい子だから、力を抜け」
ちらりと後ろを振り返ると、欲望でギラギラした目でみつめてくる。
「ジェラルド、やっぱり、怖い」
「…………ウィルフレッド、好きだ」
俺の頬に口づけした後、唇を啄み、口内で舌を遊ばせた。
彼なりの慰めなのかも。
それで緩んじゃう、俺のカラダ。
ちょっともう、ジェラルドを好きになってない?
「痛かったらやめるから。お前を、傷つけない」
きゅん。
ジェラルド、やっぱりいい男だ。
「いいよ」
俺の首筋に顔をこすりつけるようにしてから、俺の上半身を腕で支えて起こした。
「多分、このほうが楽だ」
アヌスに圧がかかる。
俺のお尻の処女よ、サヨウナラ。
「あ――っ……ん?」
ローションのおかげで、先端がつるんと入った。
なんか挟まってる感じがあるけど、いたくない?
「……大丈夫そうか?」
さらにずずっと押し込まれて、鳥肌が立った。
「……っは……ゆっくり、ゆっくりにして!」
「……っ、……角度」
「ふぇ? ナニ?」
角度?
がっちり腰を掴まれて、少し腰を引いてから再度ズブズブ腰を進める。
「あっ、あぁ、……なんか、……出そうっ」
口から、内蔵飛び出すッ!
「……イって、いいぞ」
いや、そんな簡単に、イけないから!
だけどファルスを握られて、快感を拾って頭の中がぐちゃぐちゃになる。
「ジェラルドッ」
俺の声と同時にジェラルドのファルスが根元までおさまった。
「~~~~っ‼︎」
「ウィルフレッド、愛してる」
俺を力一杯抱きしめて、そう言うけれど。
脚が震えて、どうしようもない。
「もぉ、なんとかしてッ‼︎」
耳元でジェラルドが微かに笑った。
「煽るなよ。……俺も、初めてなんだが」
ああ――‼︎
あんまりに落ち着いてるから、忘れてたけどォ!
「……や、優しくして」
振り向く俺に向ける顔はこわばっているし、欲に塗れた瞳は原作のヒーローそのものなのに。
「わかってる。……動いていいか?」
なにこの、溺愛されてるカンジ!
原作も薄い本も飛び越えてるぞ‼︎
疑ってゴメン。
きゅんきゅんする俺を許して。
「……いいよ」
突き挿れられるより、ギリギリまで抜かれるほうがなんかへん。
枕で抑えられてるけど、声が漏れそう。
ジェラルドがゆっくりと何度か抽挿した後言った。
「やっぱり、顔見たい」
俺の片脚を持って、つながったまま器用に仰向けにする。
なに、それ⁉︎
ダイナミック、サーカスかな⁇
「……ふぁっ……」
「多分、このほうが、ウィルフレッドの、いいところに、当たる。それに、声も」
「ぅえ⁉︎ こぇ! じぇらるどぉ!」
愉しそうな顔をして、浅い所をねちねちと突く。
そうされると声も我慢できない!
「ほら、遠慮せずにイけよ」
ファルスを扱かれ、頭の中が真っ白になる。
「あっ、だめっ、……あぁっ」
白濁が宙を飛んだ。
なにこれ、夢であって欲しい。
「奥、いくぞ」
快感に打ち震えている俺に、ずぷりと奥まで一息に突いた。
「あぁっ、じぇあるど、こわいっ……!」
「大丈夫、だから」
舌を絡めせるキスをして、俺を落ち着かせると、腰を打ちつけた。
その後ジェラルドは、イってもすぐ勃ち上がる原作と同じ鬼畜っぷりをみせた。
ぷるぷるしながら起き上がって、俺は満足そうなジェラルドを見下ろす。
「……次、俺の番だよね?」
「あ、ごめん。……ローション使い終わった」
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