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6 お風呂ってのはくつろぐところだから ※微

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「遠慮するな」
「いや、だって。ねぇ?」
「…………行くぞ」

 イくぞ⁉︎
 体操着をひんむかれて、一緒に浴室に入った。
 貞操の危機⁉︎
 そう思ったけど、俺、大丈夫そうだ。
 ジェラルドのファルスは大人しい。
 
 そっか、番外編でデザートって言われたくらいだし今は意識してない、ってことかな。
 男同士で風呂に入る感覚! オケ。

「ほら、楽にしてろ」

 ちょっと熱めのシャワーでお互いを流した後、ボディソープを手に取り、そのまま俺に塗りたくって洗ってくれる。
 もう一回言うけど、手で!
 俺の後ろに立って、肩とかマッサージしながら筋肉の動きを確かめるように。

「僧帽筋、なんでこんなにガチガチなんだ?」

 肩から背中の辺りを手のひらで押しながらクルクル洗う。
 全くエロさを感じないから、目をつぶり力を抜いた。

「やっぱり運動会って緊張したのかな……大縄跳びとか玉入れだったらこうならなかったと思うけど……」

 はぁ~、気持ちいい。

「……そうか、よかった」

 あれ?
 声に出してたのかな。
 腕とか背中とか、それから前に手が回り、胸筋や腹筋に洗いながら触れる。

「これ、どんなトレーニングしてるんだ?」
「……自重トレーニングメインで、腕立てして、クランチにスクワット……特別なことはしてない、かなぁあああっっ!」

 俺のファルス!
 いきなり握られるとびっくりするから!
 
「俺に、任せておけ。……男の体のことはわかってる」

 ですよねーー!
 知ってる、知ってる‼︎

「さ、さすがに、そこはぁあああ! あっ! ヤメテッ‼︎」

 それって洗ってるってゆうの?
 元気になってきちゃったけどぉ!

「風呂場だし、気にするな。そのまま、出せばいい」

 スッキリするだろ、って。
 後ろからガッチリ抱きしめられて、なんなのこの状況⁉︎

「ジェラルド、ダメっ!」
「ほら、遠慮するな」

 ファルス、ファルス、ファルスがぁ!
 
「あぁっ、やだっ、こんなっ……」

 あっけなく白濁を吐き出して、俺の頭は真っ白。
 牛の乳搾りレベルだぞ、俺!
 だめだ、このタイミングで賢者タイムに入っちゃダメなんだーー!

「気にするな。ほら。そのまま洗ってやるから」

 ぽーー。
 はっ。
 いかん、いかん。

 シャワーできれいに泡を流した後、ケツの穴……こちらではアヌスに指が触れた。

「ぅわっ……!」
「痛むのか?」
「痛まない、けど、誰にも触られたくないっ」

 しゃがみ込んだジェラルドがケツを割り開き、のぞき込む。

 やめてーー!
 人様に見せるようなところじゃないから!

「……キレイだな」
「なにがッ⁉︎」

 いつもウォシュレットしてるし!
 
「あいつらに無理やりナニされたんだ?」
「……あいつら? 部長達のこと?」

 言ってる意味がわからないし、この状況に脚が震える。
 
「……犯されたのか?」
  
 ん? なんで……?

  (回想)

 あぁ……さっきの会話かな?

「……騎馬戦の元々のチームから引き抜かれたんだ、部長達のチームに。ちょっと強引だったし、まぁ、無理やりではあるけど、俺達一年のチームには文句も言えないし……」

 モゴモゴ言う俺の目の前に立って、嘘を言ってないかまじまじと顔を見てきた。

「…………そういうことか。お前は俺のものだからな。じゃあ、リレーに勝ったご褒美、貰おうか」

 あれ?
 新たな危機⁉︎
 だから、原作は?

 ジェラルドは再度ボディソープを手に取り、黙々と全身を洗い始めた。
 俺と自分を。

 ご褒美。
 そう言ったけど、そのあと何も言わないから、怖々訊く。

「ナニが欲しいの……?」

 お互い裸で、いつの間にかジェラルドのファルスが上向いているのをチラ見しながら、確認するけども。
 訊かずにはいられなかったんだ!
 
「ウィルフレッド」
「何?」
「だから、ウィルフレッドが欲しい」

 なんでいきなり詰んでいるのーー⁉︎
 原作、原作はどうなってるんだ!
 姉ちゃーーん! ここに来て教えてよぉ!

「大丈夫だ。俺も初めてだが知識はあるし、お互い少しずつ進めて行こう」

 今。なんて言った?

「ジェラルド、初めてなの、か?」
「……お前は、違うのか?」

 ギロッと睨まれて慌てて答えた。

「違わない、けど。ジェラルドは嘘でしょ?」

 どういうことだ?
 名前も見た目も通っている学園も同じで、原作と同じ展開も起こっているのに。

「なぜそう、思う?」

 だって、原作では主役の鬼畜ドSクズヒーローだし。
 いきなり俺のベッドで一緒に寝てたし。
 いや、あれは原作にもなかった。
 うん、なかった。

 今も時々朝目覚めると、やっぱり一緒に寝てるし。鍵かけているんだけどな。
 もう、よくわからない。
 
 とにかく、主役なだけあって。
 
「ジェラルドはカッコいいし頭もいいし、金持ちだし生徒会もやってて、やっぱりモテるでしょ?」
「くそッ。……壁に手をつけ」

 くるりと後ろをむかされ、グッと腰を引かれると、脚の間にジェラルドのファルスを挟まれた。

「ジェ、ジェラルド、ちょっ!」
「お前が悪い」

 ナニコレ!
 素股ぁ?
 
「ほら」

 俺のファルスを握られた!

「あっ、待って! そんなに、何度も!」

 勃ち上がっちゃう、僕の元気なファルスのばかぁ‼︎

 耳元で笑わないでーー!
 エロい。エロいからぁ。

「ちゃんと、脚、閉じてろよ。……一緒に、気持ちよくなろう」

 ボディソープのおかげでよく滑り、俺の脚の間から何度もジェラルドのファルスがぴょこぴょこコンニチワしてるし、俺のファルスが大きな手で握り込まれて腰がムズムズする。
 
「俺、男なのに! こんなっ、こんなのっ‼︎」

 俺、ネコ?
 ネコじゃん!
 俺の前世の名前はヒロシだぞ!

「お前が、可愛いのが悪いッ」
「あっ! やぁっ……!」

 パンパン腰を打ちつけられながら、扱かれてあっけなく果てた。

 人に触られるの、慣れてないんだもん。
 力加減、絶妙なんだもん。

 首筋にジェラルドの荒い息がかかる。
 
「もうすこし、待ってろ」

 何度も何度も腰を打ちつけてから、ジェラルドが果てた。

 一つしか歳が違わないのに、長持ちだな?

「…………」
「ウィルフレッド、わかってるよな?」

 なにが?

「お前、こんなことしておいて……」

 つまり黙ってて欲しけりゃ、いうこと聞けってこと?
 俺を脅してカラダを奪おうって……?

「…………」
「他の男に近づくなよ?」
「それ⁉︎」

 またまたギロッと睨んでくるから、頷いた。

「…………うん」

 ここ、男子しかいないけどね?

「……わかってなさそうだな。……浸かりながら話すか」

 ザッと流して湯船に浸かった。
 何で同じ方向を向いて、腹に腕が回されているんだろう?

「ウィルフレッド」
「はい」
「お前は俺のものになれ」

 ええと?

「昔から、お前だけが、好きだ」

 





 

******


 アヌス(肛門)  anus(ラテン) で統一、するか、筋肉名にするか(肛門括約筋とか)悩ましいところです。
 

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