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強制転移で腕をなくしたニートの俺を助けたのは王女様だった②※

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 それから俺はイザベラのそばで魔法を操る方法やこの世界で生きていくすべを教わった。
 
「共食いみたいでなんだか嫌だな」

 朝起きると、時々果物がなっている。
 有り余った魔力がそうさせるらしい。
 俺は右腕からぶら下がる真っ赤なリンゴをもぎ取ってかじった。
 イザベラがもう1つもいで笑う。特に痛みもないし、重いから助かるけどね。

「魔力だけが栄養のはず……共食いとはまた違うと思うわ。オレンジ、キウイ、チェリー、洋ナシに赤リンゴ……メロンや桃が食べられる日も来るかな。木の実なんかもいいかもしれない」

 リンゴが食べたいとか考えていたわけじゃないが、寝る前にイメトレしたら好きな物が食べられるかな。やってみてもいいかもしれない。
 
「ふーん、木の実……くるみとかアーモンドとか? 考えたことなかったな。わかった。メロンかぁ……重そうだな。でもいいね」

 王宮にいれば食べるものに困らないが、朝食に新鮮な果物が食べられるのは悪くない。
 
 俺はイザベラの護衛騎士兼婚約者ということになっているらしく、部屋から出ると使用人たちが興味深げに見てくる。
 
 イザベラは女王に伝えてあるから堂々としていれば問題ないと言うが、注目されたくない。
 早朝とか人気の少ない時間に移動する。
 
「剣は向いてないよな」

 シュルシュルと鞭のように使うほうが得意だった。
 ある程度の太さの枝も簡単に思い通りに断ち切ることもできたし、イザベラと出かけて森に迷い込んで猪っぽい獣に遭遇した時も、簡単に始末することができた。

 俺の体と魔力とも一体化して、今はもうただの枝ではない。
 だんだん愛着が出てきたかも。

「剣使いはこの辺りにはたくさんいるから、シンの特性を活かした方がいいよ」
「そうかもしれない」

 魔力はイザベラのおかげで問題なく扱うことができて、王宮での生活はあと少し、もうすぐイザベラが治める領地へ引っ越すことになっている。
 
 女王も勝手に召喚されたことを謝ってくれた。
 でもあの姿はあまり思い出したくないが――。


『貴様がシンか? 呼び出してすまなかった。……あまり目立つのもな。こやつらを同じように四肢切断してやろうと思ってね。とりあえず、大人しくさせてあるんだ。好きにしていいぞ?』

 四肢切断⁉︎
 すでに神官たちの太ももに剣がぶっ刺さっているんだが⁉︎
 逃げられないようにしたってことか?

『ひぇッ⁉︎』
『……遠慮せず、スパッとその腕で切り落とさんか! こうやって……』

 スパーンって神官長(?)の爺さんの腕が肩から落ちた。

『ぐぁっ……』

 女王は血しぶきを浴びても鮮やかな笑顔でこちらを見る。
 ものすごい美人なのはイザベラの言った通りだし、ここは美醜逆転の世界じゃなかったけど!
 結婚できない理由がわかったよ、ワイルドで好戦的なすぎる。

『いや、あの……俺……確かにこんな体にされて怒ってはいましたが、脚はありますし、腕も一応……彼らへの処罰は女王様におまかせします……あ、この先召喚しないと約束してくれるなら、です』

 女王様は片眉を上げて、不満そうに俺を見る。
 視線が強すぎて怖い。
 
『お姉様、彼は平和な国で暮らしていたようなので、本心からの言葉ですよ。ね?』

 俺が大きく何度も頷くと、ふぅと息を吐いた。

『つまらん。だが仕方ない。まぁ、一旦みな同じように腕を落としてやろう。』
『ギャー‼︎』

 叫んだのは神官たちだけじゃなくて俺も。

『お姉様、失礼しますね。領地に向かう準備をしなくては』
『そうか? 貴様は最後まで見ていくだろう?』
『いえ、もう、十分です! 女王様!』
 
 女王様に笑われてしまったけど、これ以上見ていられない。
 あの時の俺が痛みで苦しんだように同じ思いをしろと思っていたけど、目の前で神官たちが絶望した顔でうめいて転がっている。

 控えている魔女が出血しすぎないようにしているみたいだ。
 いつからこの状況なのか、この後もえげつないことにしかならないだろう。
 想像と現実な違う。

『シン、行こう』

 イザベラに背中を押されながら歩き出した。

『ほどほどにね、お姉様』
『では、し、失礼しました』
『……寛大な相手でよかったなァ? 命までは奪わんよ。……さぁ、続けようか』

 女王様がそう言った後、俺たちの後ろで扉が閉まった。
 もし怪我なく召喚されていたら女王様の結婚相手として差し出されていたと思うと怖すぎる。
 先にイザベラと出会えて本当によかった。やっぱり彼女は天使だ。

 その後、神官たちは魔女の実験体になることが決まった。
 腕とか脚を失った人が普通に生活できるように、何がベストかいろんなものをくっつけて試してみるらしい。

 木の枝はどこにでもあるけど、魔力がない人でもうまく動かせる物質を探したいようだった。
 
 あの場ではびびってよく考えられなかったけど、俺以外にも被害者がいたみたいだから当然かもしれない。今は、王宮の地下牢で魔女に順番を呼ばれるのを待つ日々らしい。

「シン? 疲れているなら早く休もう」
「あ、うん。……イザベラ、こっち」

 俺が腕をひろげると、イザベラが恥ずかしそうな顔で抱きついてきた。
 今の俺はめちゃくちゃ幸せなんだが。
 好きな子と両想いって最高。

 イザベラと一緒にいると面白くて、一日があっという間に過ぎる。
 パソコンが恋しくなる日がないわけじゃないが、本で色々調べるのも楽しい。
 彼女が直接教えてくれることもあるし……。

「……あと半月で結婚だな」

 プロポーズは薔薇っぽい花を右腕にいっぱい咲かせて、イザベラに申し込んだ。好きだって言う時が一番恥ずかしかったが、なんか感激してくれて俺もジーンとした。
 
「シンは……後悔してない?」
「もちろん、してない。すっっごく楽しみ」

 初夜が。
 日本の知識はあるんだけど、こっちの世界もきっとそんなに変わらないはず。

「よかった……好き」
「俺も、好き」

 イザベラが可愛すぎる。
 あの女王様の近くにいたから自己評価低かったのかな。俺も出来のいい兄と比べられて育ったからよくわかる。
 だけど特殊な右腕が意外にも俺の自信につながった。
 
 今では魔力に体が馴染んで、自在に動かせるから、その辺の騎士にも負けないのもわかっている。
 男たちはみんなイザベラの可愛さを直視できなくて挙動不審になっていただけだ。

 何度か絡まれたし、右手の鞭で剣を取り上げスパパーンってやっつけたし。
 今の俺は本物のイザベラの護衛騎士と言ってもいいはず!
 目立つからあまり戦いたくないんだけどな。
 結婚して、早く領地で2人きりになりたい。







 

「シン、今夜のことは私にまかせて。お姉様から聞いているから」

 結婚式の夜、イザベラが覚悟をキメた顔で言った。
 女王様から聞いたとか、不安しかない。

「…………では、失礼します」
「ほわ⁉︎ え? あえ⁉︎」

 ベッドに仰向けに倒され、イザベラが俺の着ていたローブを開いた。その下は何も着ていない。

「これが……雄」
「ああ、ちょ、イザベラぁあ⁉︎」

 目覚めていた俺のちんちんを両手でつかみ、パクッと口に含んだ。
 いやいやいや、いきなりそれはない。
 だって、まずハグとキスからだろ?
 ロマンチックな初めての夜になるはずが!

「……ッ、ま、って!」

 好きな子にこんなことされたら暴発してしまう。
 だめだ、いくらなんでも早すぎる!

「きもち、よくない……?」

 俺の体がカチンコチンになったことに気づいたイザベラが、しょぼんとした顔で言う。

「そんなわけない、気持ちいいよ、でも!」
「えっと、じゃあ、続ける、から……」

 もう一度咥えようとするから、慌てて右手を伸ばした。シュルシュルと枝がイザベラの動きを封じ込んだ。

「イザベラ、俺の世界のやり方でいい?」

 腕に魔力を込めると、ポンっと桃が育った。
 ちょうどいいくらいに熟したところで、もいで皮をむく。
 このタイミングで間抜けな感じもするが。

「ちょっと落ち着こう。食べて」

 イザベラの口元に持っていって食べさせた。
 これまで直接食べたことはなかっただろうから、かぶりつくと汁がたれてあごを伝う。
 思わず、ぺろっと彼女のあごを舐めた。

「……シン⁉︎ んぅ。……」

 そのまま、キスして口を塞ぐ。
 なんかものすごく驚いているけど、よくわからない。
 この世界、キスってしないのかも。
 結婚式で唇にキスしたらざわめいていたし。

 桃甘い、イザベラもおいしい。
 他のこと考えたくない。

 イザベラのローブを脱がせて、抱きしめた。
 右手がシュルシュルのびて、フェザータッチで全身に触れ、ついでに脚に巻きついて広げた。

「シン……! あっ……恥ずかし……っ」

 右手、有能!

「シンの世界は、こうなの……?」
「うん」

 不安そうな顔のイザベラに力強くうなずいて、脚の間に顔をうずめた。

「きゃっ! ああんっ」

 たっぷり舐めている間も、俺の意識に反応しているのか右手がイザベラの反応を引き出すように動く。
 シュルシュル伸びて、蜜口から忍び込んだつるが中で膨らんで広げているのがわかった。

 つるっとしてるから痛くないはず。
 しかもちょっと振動してる。

「シン、なんか、へんっ。あっ、抜いて!」

 俺の右手のはずなのに、触手みたいだし、拘束プレイを見ているみたいだ。

「シン、シンがいいっ、お願いっ、このまま、いやっ」

 ハッとして、体中に絡みついていた柔らかな蔓を一気に外した。

「イザベラ、好きだ」
「んっ、私も……! ああぁっ‼︎」

 俺のちんちんがイザベラの中へダイブ。
 押し返すような抵抗を感じながら腰をすすめた。

「あったかい……」

 めちゃくちゃ幸せなんだが!

「シン……」
「イザベラ、痛む?」
「大丈夫」
「そろそろ、私が上になっても? 姉からそう聞いていて」

 女王様~!
 最初から騎乗位がこの世界のやり方?

「それはまた次の時で」

 シュルシュルと蔓を伸ばしてイザベラの両腕に絡ませた。
 俺、意外と独占欲というか執着心強いのかもしれない。
 あと、ビジュアル的にたぎる。

「シン? これ……?」
「くっついていたいんだ、イザベラと」
「……私も」

 可愛い、可愛い、可愛い!

「イザベラ、動くよ」
「はい……っ、あ、シン……ッ」
「やばッ……」

 締めつけられてびゅるびゅるッと勢いよく出た。
 数回で発射してしまうと、右手にアボカドがポンッとなる。
 食べて復活&勃起力高めろってこと?
 そんなの食べなくても大丈夫だ。
 とりあえずベッドヘッドに投げておいた。

「……シン?」
「続けていい?」

 俺のちんちん、今夜はおさまらないかもしれない。
 いや、このまま終わるわけにはいかない。

「うん、いいよ」
「一緒に幸せになろう」
「あっ、シン! あんッ、あ、あぁっ……!」
「ちょ、イザベラッ、……ッ、く!」

 おかしいな。妄想ではもっと上手くいくはずだったんだが。
 蔓をもっと使いこなさなくては!

「シン、今度は私が」
「いや、もう一度俺が」



 
 それから俺は5人の娘たちに囲まれるパパとなった。
 末娘が女王様に見た目も中身もそっくりで、彼女の養女にならないかと言われている。
 女王様は恋人がいるらしいが、今でも独身だ。

「シンの血が混じっているもの。平和になるわ」

 イザベラに言われて、最近はそれも悪くないかもしれないと思い始めたところ。
 強制転移でとんでもない思いをしたが、今の俺は幸せだ。
 

 





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  読んでくださりありがとうございます。
 
 
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