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屑でごめん④ 暴露[改稿版]※☆
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* こちらはメリーバッドエンドです。
******
会場に着くと、第二王子が私の前にやってきた。
婚約者のいる身で、彼の行動は異例のことだと思う。
周りの視線が痛い。
「何も心配しなくていいから。今夜は一緒にいてほしい……」
「でも……」
「今夜は特別な……最後のパーティだから。せめて、最初のダンスを踊って」
最初のダンスは婚約者と踊るものでは?
「さすがにそれは……」
「俺たちの秘密、みんなに話してもいいの?」
彼の囁きに口を閉じる。
最悪だ。
彼の婚約者の公爵令嬢がこちらを睨んでいる。
「あの……できれば二曲目を……」
「いや、このまま一緒に行こう。君のことは守る」
何から?
そう思いながら恐る恐る彼の手をとった。
「貴様とは婚約破棄する! もう調べはついているのだ。この、可愛いベッカにした仕打ちの数々。証拠も証人も全て揃っている! そのような卑怯な真似をする貴様が王族になれるわけがないだろう! 今すぐ、この国から出ていくがいい!」
どうして卒業パーティでこんなことに?
公爵令嬢から嫌がらせはあったけれど、国外追放するレベルじゃない。
しかもこんな公衆の面前で。
戸惑う私の肩を王子が抱き寄せる。
「殿下! その者に騙されているのです! 彼女は数々の男を手玉にとり、操る魅了の力を持つ魔女なのです! ほら、彼女の瞳の色が変わりましたわっ! 彼女は、わたくし達の婚約者全員と身体の関係がありますのよ? そんなおぞましい女と殿下は結婚なさるつもりですか?」
青ざめる私の肩を強く抱きしめる。
「彼女は俺が初めてだった! 出血したし……」
やっぱりこの王子には手を出さなければよかった。
「俺も寝たけど、出血したなぁ。多分、俺の方が先だと思うよ?」
子爵令息が落とした爆弾によってその場がざわつく。
どう乗り切ったらいいかわからない。
「ベッカ……嘘だろう?」
困惑した王子がじっと見つめてきたけれど、私は何も答えられない。
彼がふうっと息を吐いた。
「向こうでじっくり話を聞かせてくれ」
私はそのまま、高い塔に閉じ込められた。
きっと、全てバレてしまったのだろう。
侯爵令息や騎士団長令息とも寝たのだから。
その夜やって来たのは、あの暗殺者。
「助けてほしい?」
「……わからない」
いろいろなことがありすぎて感覚が麻痺している。
「ここにいたら、娼館に堕とされるよ?」
「…………これまでと変わらないわね」
思わず自分を嘲笑った。
パーティの後は自由になれるんじゃなかったの?
こんな未来なら、いらない。
「あなたが、殺してくれる?」
「…………ここは嫌だ」
「どこでもいいわよ」
「じゃあ、しばらくおやすみ」
私はベッドの上で両手を鎖に繋がれていた。
「……どう、して……?」
「目が覚めた? ここは安全だよ」
「殺さないの?」
「どうせいつか死ぬんだ。……二度目はちゃんと守りたい」
彼の最後の言葉に引っかかる。
二度目はちゃんと守りたい……?
「…………リョウ?」
「うん、そう。ずっと見守っていたよ、君のこと。ね……最期まで俺が面倒みるから、塗り替えさせて。これからはずっと俺が満たしてあげるから」
「リョウはこんな私でいいの? リョウを道連れにして、あんな」
唇が重なり、舌が絡む。
「……っ、リョウ、……ごめんっ……」
「許さない」
「うん……」
「だから、……ずっとそばにいて」
スカートをまくり上げ、私の足を開く。
彼の陰茎が何の妨げもなくするりと入った。
「んっ……」
「ここに連れてきて、もう何度か種付けしたんだ。痛くないでしょ? 俺のでいっぱいにして子供を産んで。……俺、有能らしくてさ、一生遊べるほどの金があるから」
「……リョウが私を望んでくれるなら、ずっと一緒にいる……」
見た目は全く別人なのに、リョウと同じ笑い方をするから胸がじーんと熱くなった。
「逃げないから、鎖……はずして?」
彼は首を横に振って私を抱きしめた。
「もう、死んだら困るから」
私の脚をまとめて持ち上げ、のしかかるように何度も何度も突き込んだ。
「あっ、あぁっ……、リョウッ……!」
「やっと、やっと、この手で抱けるんだ……絶対逃さないし、死なせやしない」
彼が壊れたのは私のせい。
「リョウ……好き。あの時、落ちる前から」
「……っ……!」
彼は何度も何度も私の中で精を放つ。
「俺だってずっと、ずっと好きだった。こっちへ来て何もできず、見ているだけでつらかった……憎いとさえ思ったよ」
「うん、ごめん」
私だってリョウの為だけに頑張った。
「許さない」
「うん……好き」
「俺だって! だから、二度と離さないから」
このまま私だけをみつめて。
「ごめん」
「許さない」
こんな状況なのに彼の執着が嬉しくてたまらない。
ずっと、許さないで。
終
******
お読みいただきありがとうございました。
最後に出てきた男がかっさらう病みエンドです。
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会場に着くと、第二王子が私の前にやってきた。
婚約者のいる身で、彼の行動は異例のことだと思う。
周りの視線が痛い。
「何も心配しなくていいから。今夜は一緒にいてほしい……」
「でも……」
「今夜は特別な……最後のパーティだから。せめて、最初のダンスを踊って」
最初のダンスは婚約者と踊るものでは?
「さすがにそれは……」
「俺たちの秘密、みんなに話してもいいの?」
彼の囁きに口を閉じる。
最悪だ。
彼の婚約者の公爵令嬢がこちらを睨んでいる。
「あの……できれば二曲目を……」
「いや、このまま一緒に行こう。君のことは守る」
何から?
そう思いながら恐る恐る彼の手をとった。
「貴様とは婚約破棄する! もう調べはついているのだ。この、可愛いベッカにした仕打ちの数々。証拠も証人も全て揃っている! そのような卑怯な真似をする貴様が王族になれるわけがないだろう! 今すぐ、この国から出ていくがいい!」
どうして卒業パーティでこんなことに?
公爵令嬢から嫌がらせはあったけれど、国外追放するレベルじゃない。
しかもこんな公衆の面前で。
戸惑う私の肩を王子が抱き寄せる。
「殿下! その者に騙されているのです! 彼女は数々の男を手玉にとり、操る魅了の力を持つ魔女なのです! ほら、彼女の瞳の色が変わりましたわっ! 彼女は、わたくし達の婚約者全員と身体の関係がありますのよ? そんなおぞましい女と殿下は結婚なさるつもりですか?」
青ざめる私の肩を強く抱きしめる。
「彼女は俺が初めてだった! 出血したし……」
やっぱりこの王子には手を出さなければよかった。
「俺も寝たけど、出血したなぁ。多分、俺の方が先だと思うよ?」
子爵令息が落とした爆弾によってその場がざわつく。
どう乗り切ったらいいかわからない。
「ベッカ……嘘だろう?」
困惑した王子がじっと見つめてきたけれど、私は何も答えられない。
彼がふうっと息を吐いた。
「向こうでじっくり話を聞かせてくれ」
私はそのまま、高い塔に閉じ込められた。
きっと、全てバレてしまったのだろう。
侯爵令息や騎士団長令息とも寝たのだから。
その夜やって来たのは、あの暗殺者。
「助けてほしい?」
「……わからない」
いろいろなことがありすぎて感覚が麻痺している。
「ここにいたら、娼館に堕とされるよ?」
「…………これまでと変わらないわね」
思わず自分を嘲笑った。
パーティの後は自由になれるんじゃなかったの?
こんな未来なら、いらない。
「あなたが、殺してくれる?」
「…………ここは嫌だ」
「どこでもいいわよ」
「じゃあ、しばらくおやすみ」
私はベッドの上で両手を鎖に繋がれていた。
「……どう、して……?」
「目が覚めた? ここは安全だよ」
「殺さないの?」
「どうせいつか死ぬんだ。……二度目はちゃんと守りたい」
彼の最後の言葉に引っかかる。
二度目はちゃんと守りたい……?
「…………リョウ?」
「うん、そう。ずっと見守っていたよ、君のこと。ね……最期まで俺が面倒みるから、塗り替えさせて。これからはずっと俺が満たしてあげるから」
「リョウはこんな私でいいの? リョウを道連れにして、あんな」
唇が重なり、舌が絡む。
「……っ、リョウ、……ごめんっ……」
「許さない」
「うん……」
「だから、……ずっとそばにいて」
スカートをまくり上げ、私の足を開く。
彼の陰茎が何の妨げもなくするりと入った。
「んっ……」
「ここに連れてきて、もう何度か種付けしたんだ。痛くないでしょ? 俺のでいっぱいにして子供を産んで。……俺、有能らしくてさ、一生遊べるほどの金があるから」
「……リョウが私を望んでくれるなら、ずっと一緒にいる……」
見た目は全く別人なのに、リョウと同じ笑い方をするから胸がじーんと熱くなった。
「逃げないから、鎖……はずして?」
彼は首を横に振って私を抱きしめた。
「もう、死んだら困るから」
私の脚をまとめて持ち上げ、のしかかるように何度も何度も突き込んだ。
「あっ、あぁっ……、リョウッ……!」
「やっと、やっと、この手で抱けるんだ……絶対逃さないし、死なせやしない」
彼が壊れたのは私のせい。
「リョウ……好き。あの時、落ちる前から」
「……っ……!」
彼は何度も何度も私の中で精を放つ。
「俺だってずっと、ずっと好きだった。こっちへ来て何もできず、見ているだけでつらかった……憎いとさえ思ったよ」
「うん、ごめん」
私だってリョウの為だけに頑張った。
「許さない」
「うん……好き」
「俺だって! だから、二度と離さないから」
このまま私だけをみつめて。
「ごめん」
「許さない」
こんな状況なのに彼の執着が嬉しくてたまらない。
ずっと、許さないで。
終
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お読みいただきありがとうございました。
最後に出てきた男がかっさらう病みエンドです。
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