異世界でパクリと食べられちゃう小話集

能登原あめ

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ふわもふの森を飛び出したい!(『BLの総受けは大好物だけど、私に逆ハーって理不尽』から派生)[改稿版]※

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* 『BLの総受けは大好物だけど、私に逆ハーって理不尽』に出てくるコリーが創造主として管理する世界です。あちらを読まなくても大丈夫です。
* ほんのり百合要素、がっつり無理矢理描写あるので、苦手な方はバックしてください。Rシーンをメインに改稿しました。会話に♡使用してます。
 







******


 ありえない。
 私の身体に猫耳と尻尾。

「おはよー、ココアちゃん! これ、よかったら着てね」
「……アリガトウ、ウレシイ」

 ほかの村の住人とお揃いのワンピースをもらって、なんとか笑顔を浮かべてお礼を言った。

「それと……一緒にフルーツ狩り行かない?」

 お願いって可愛く言う。
 いや、馴染すぎだから!
 あなたも転生者でしょ⁉︎

「え? だって、スローライフ楽しいよね? 彼氏? いらなーい」

 でも、でも、恋したくない?

「だって、失恋して悲しくてご飯食べれなくなって死んじゃったのに、ここは女の子ばかりでパラダイスだよ? しかもこんなななかわいい姿に生まれ変わったから鏡を見るのが楽しい!」

 確かにミルクちゃんは長いお耳のウサギちゃん姿でかわいいよ?
 ファンタジーなアニメでたまに見かける人間にケモ耳バージョンだもんね。
 ふわふわの短い尻尾に何度癒されたことか。
 
「だよね♡ ココアちゃんもとってもかわいいから、これ着てね」
「ウン、アリガトウ。ミルクちゃん」



 私は日本で生きてきた記憶がある。
 最期はおぼえてないけど、三十歳以降の記憶がない。
 この世界は生前、弟がめちゃくちゃハマったスローライフを楽しみつつ、女の子を落とすギャルゲそっくりだ。 
 私を含め、森の中で悠々自適に一人暮らしをする女子ばかりだし、初めて会うのに前から知っているみたいに感じておかしいなってところから気づいたんだけど。

 それからは村に一つだけある空き家に、主人公の男の子が来るのを今か今かと待ってた。
 めっちゃ競争率高そうだけど、気にしない。
 だって、この村って引っ越し率高いから。
 毎月誰かいなくなる。

 男の子が他の女の子と結ばれればすぐ引っ越しだろうし、そしたら新しい男の子がやってくるんじゃないのかな。
 ゲームが元ならそういうものじゃないの⁇


 だけど、その家には女の子のミルクちゃんが引っ越してきた!

「私、隣町からやってきました! ここで皆さんと親睦を深めて幸せなります。よろしくお願いしまーす!」
「……本当に女の子?」

 実は男の子ってことはない?

「…………正真正銘女の子です♡ もしかして、あなたも転生者? えーとですね、この世界の神様がヒーローポジションだけどいいよね? って私に言ったんです。もちろん、二つ返事でおっけーしました!」
「……女の子が好きな人?」
「えー? 違いますけど、男なんかより女の子同士でお喋りしたり、お出かけしたり、お泊まりしたり♡ お風呂入ったり♡ 楽しいじゃないですかぁ♡」

 お風呂?

「そう、かな……?」
「はい! ぜひ今度、うちに泊まりに来てくださいね♡」
「あ、うん……」

 これからどうしよう。
 これは他の村を移動するしかないかな。
 気づいたらひとり、ここで生活していて家族がいるのかもわからない。
 私達っていつの間にか生まれていた精霊的ななにか?

 ミルクちゃんの様子を見るからに、作られた身体の中に、魂が入ることになったのかな。
 うん、もう、それでいい。
 考えるのはやめよう。

 とりあえず手続きとか必要なことを聞きに町役場に向かった。






「引越し? 行先決まってますか? 決まってないと……うーん……。希望あります? 空き家を探してみるので、また聞きにきてくださいね!」
「アー、ハイ。よろしくお願いシマス」

 役場のおねえさんににっこり言われて、私は頷いた。
 人手不足のところ悪いけど。
 私、毎日聞きにきちゃうよ。




「どうですか?」
「……みつからないですねぇ」

 あれから三か月。
 
 ミルクちゃんはジャスミンちゃんときゃっきゃうふふしてる。
 よく手を繋いで歩いているんだよね。
 ミルクちゃんの念願が叶ったようでよかった、よかった。

 だけどエンディングがこないというのとは、ハーレム狙い?
 一人、二人と彼女の群れが増えていく。
 ある日はチュッチュしてるのを見かけた……。
 引越し先が見つからないと言うことは、私も狙われている?

「ココアちゃん、今日一緒にご飯食べない? 魚いっぱい釣ったの。手伝って!」

 きゅるんっとかわいい瞳でみつめてくるから、頷いた。
 ご飯ぐらいいいよねって。




「ミルクちゃん、ごちそうさま。おいしかった!」
「ね、ココアちゃん。……たまには泊まって行って。かわいいココアちゃんといっぱいおしゃべりしたいな♡」
「……そ、そうしたいんだけどねっ、朝イチで役場に行かないと~。ごめん!」

 私は慌てて挨拶をして自宅に向かった。

 やばい。
 私も本気で狙われてる⁉︎
 友情エンドはダメらしい。

「おっと!」
「わわっ‼︎」

 暗闇の中、慌てていたから目の前に人が現れて驚いた。

「あれ? ココアちゃんどうしたの?」
「…………ミントさん」

 ミントさんは時々やってくる行商で、一見女性にも見える中性的な美人さん。

 その前はよく鳥の獣人さんが来ていたけど、今では全く見かけなくなった。
 縄張りとかあるのかな。
 そういえば、女の子も同時に引っ越しちゃったなー。
 
 そのすぐ後から時々やってくるようになって、怪しげなものを販売しているけど、ごく稀に掘り出し物も扱っているし、私は楽しみにしていて毎回のぞく。

 ミントさんは狐の獣人らしく、売ってる商品からもカタギの人にはみえない。
 もしかしたら。
 もしかしたら、他の村の裏情報を知ってるかもしれない。

「ミントさん、今日はお仕事終わりですか? 相談があるんですが、聞いてもらえませんか?」
「……あまり人に聞かれたくない話?」
「あ、はい……あの……ミントさんは今日帰るんですか?」

「いや、車で仮眠をとって朝帰るよ」
「あの……それなら、少しの時間でいいので、うちに寄りませんか?」

 善は急げ、だ。
 ミルクちゃんから逃げ切れるうちになんとかしないと。

「…………ココアちゃんの家にあがっていいの? 嬉しいな」

 ミントさんが妖しく笑った。








「こんな、こんなことっ、するために、呼んだわけじゃないっ、のにぃ~~!」

 テーブルにうつ伏せになった私の、脚の間にミントさんの顔がある。
 じっと見られて、指で触れて、あとはひたすら舌で嬲られた。

「この村から出たいんだろ? そして、男が欲しい。……なら、解決だ」
「ミントさんっ! 待って‼︎」

 確かに他の村に引っ越ししたいこと、できたらそこで恋人が欲しいと言ったよ?

「お前のことは気に入っている。だから俺が両方叶えてやる」

 ガッと両脚を大きく開かれてぬちゃぬちゃとお互いの性器が触れ合う。
 ぶるりと震えた私の背中で小さく笑った。

「貫通したら、この村にいる資格はない」

 そう言って一気に腰を押し進める。
 何という重要な情報!
 でも、タイミング‼︎

「ぃぁああーーっ……!」
「……っく! きっつ!」

 村から出れるのは嬉しいけど。
 場所おかしい!
 私、さっきまで処女‼︎

「ミントさんっ、痛い~……ここじゃ嫌っ」
「……ごめん、早く欲しくて」

 そう言いながらも腰を押しつけ、私の耳たぶを噛む。
 処女にハードル高いテーブルプレイ。
 というか立ちバックなの、これ?

「明日には俺と一緒にこの村を出るぞ」

 その前に中で出すぞって。
 中に出すぞって……。

「ベッドそこぉ!」

 目と鼻の先にベッドだってあるのに~~‼︎
 痛みで涙が出るし、私の脚はぷるぷるしてる。
 ミントさんが耳元で低く笑い、私のお腹に手を回して持ち上げ、そのままベッドに倒れ込んだ。
 中に入ったままのアレの存在感がすごい。

「うう~……」
「ほら、お前の願いはなんでも叶えてやる」

 思いのほか優しい手つきで私の髪を撫で、覆い被さった。

「ありがとう……?」
「かわいいな。大事にするよ」

 なんか思ってたのと違うけど、これでいいのかな。

「一回じゃおさまりそうにないな。……先に出すが、その後はたっぷりかわいがってやるよ。遠慮せず喘いでくれ」
「ふぇ⁉︎ そんなの、むりぃ! あっ、あぁっ!」

 弟が言ってた!
 これ、マジカルちん○かもしれない!

 私はそれから長時間揺さぶられて、快楽を教え込まれた。
 明け方、気怠い体を毛布に優しく包まれて、ミントさんの商品と一緒に荷台に載せられ眠りに落ちた。
 それから、新しい村でお店を開き、私達は意外にも穏やかで幸せな生活を手に入れた。








               終






******


 お読みくださりありがとうございました。
 マジカル○んぽって、男性向け作品に出てくる、どんな女も堕とすという魔法のTNKらしいです。
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