こんな愛ならいらない

能登原あめ

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まさかこんな相手だったなんて!相性は前もって確認しておくべきだった。(エロコメ) ※

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* あほです。コメディです。ラブアイテムが出てきます。アナル注意で下品です。







******


「今から俺たちはでろんでろんになるまで交わります。だから、どっちか選んで下さい」
「酒か、媚薬?……二択なの?翌日頭が痛くならないほうで」
「……潔いですねーー。ヨカッタ、断られたらどうしようかと思いました!」
 
「……こんなもの本当に売ってるんだ……嘘でしょ?パーティグッズだよね?」
「これでパーティしたらまずいですよ……ちゃーんと、大手通販サイトで買いました!」

 銀色のパッケージに淫なんちゃらと書かれたラブアイテム。
 冗談としか思えない。

「二日酔いは嫌ですもんね。今晩はどんなに乱れても、これのせいだって言えるんですから遠慮なく喘いでください」
「…………」

 私と彼は、恋人同士ではない。
 セフレでもない。

「せっかくの初夜ですからねっ、なるべく早く子どもが欲しいですし、思い出に残る夜にしましょう、奥さん」

 奥さんってエロいな~って笑う彼の様子にひく。

 私たちはお見合い結婚だ。
 三十過ぎて、パートナー欲しさにお見合い紹介所に登録した。
 仕事を続けてもいいこと、じじばば別居、家事はお互いの得意分野でわけること、そんな条件をのんでくれたのが、三つ年下の彼。

 おつきあい期間はたった三ヶ月、身内だけの食事会の後入籍してそのまま彼の分譲マンションに移り住んだ。
 その一日目。

 正直、彼なら見合いなんてしなくても相手が見つかりそうなものだと思ったけど、仕事が忙しすぎて出会いがない、なーんて言葉に騙された。

 アッチ方面がやや変態なのか。
 そんな変なもの使わずに普通にすればいいと思うし、婚前交渉しなかったのは失敗だったかもしれない。

 今さらだけど。
 結婚はギャンブルって誰が言ったんだっけ。
 銀のパッケージのなんちゃら肛って、どう考えても普通じゃない。

 それ肛門用だよね?
 子供が欲しいって、それ肛門用のやつ、どこに使う気?

 それとも、彼は初夜からニ穴責めとかする気?
 もしかして、どこかに大人のおもちゃを隠しているのかもしれない。

 ベッドサイドの引き出し、一センチくらい開いているのも気になる。
 ナニが入ってるの?
 引っ越してきたばかりで細かいところは把握してない。
 好きなように使っていいって、どこ開けてもいいとは言ってたけど。
 仕事部屋にしている書斎以外は。
 
「タカくん。……このアイテム、どこに使おうと思ってる?」

 恐る恐る訊いた。

「そんなの、決まってます」

 にっこり笑って、私の手から奪う。

「え……? あの、私、ノーマルだから……」
「俺だってゲイじゃありません。これまで、何度そういう疑いをかけられ、お尻を狙われたことか!」

 え……?
 それで、もしかして私のお尻を開発しようと?

「タカくん、考え直そう?」
「……どうして?俺はこの夜を本当に本当に楽しみにしてました‼︎ ようやくハナちゃんを抱けると!ずっとずっと我慢してました‼︎」

 えーー?
 我慢せずにしてたら、結婚しなかったかもしれないなぁ。
 そうしてほしかったかも。

「ハナちゃん、俺を捨てないで‼︎」

 タカくんが私の唇を覆うように大きく口を開けてペロペロと舐め出した。

「開けて!」

 えーー?
 驚いた隙に強引に舌が滑り込む。

「んんっ、ちょっ……、タカ、くんっ、んむぅ、……」

 テクニックも何もない、勢いだけのキス。

「ハナちゃん!俺、一目惚れだったんです!……だから、初めての夜は思い出にしたい!」

 アナル開発して?

「あの……あれは使わないにしよう?使わなければ……」

 ガバッと起き上がって私の顔をじっと見る。

「じゃあ。一塗りだけ、させて下さい。花ちゃんが嫌がったら、やめますから。……約束、します。だって、今夜は初夜だから!」
「ナカに塗り込むの?」
「できれば……」

 指挿れられるの?
 お尻に?

「…………」
 
 私は腹をくくった。

「はぁっ……。一度だけ。無理だったら言う」

 ぱあぁっと、顔を明るくしてラブアイテムの包装を開けた。

「小さい……」
「そんなに塗るもんじゃないだろうね……ねぇ、それ私が塗ってもいい?怖いし……」

 ムードもへったくれもないけど、私は訊いた。

「それは……」
「私がシてるところなんて、多分二度と見れないよ?……ね、タカくん?」
「……」
「今回だけ、ね?」

 次に使うことはないけどね……多分!

「……わかった」

 私は彼の方にお尻を向けて四つん這いになり、この日のために奮発したナイトウェアを腰のあたりまでするすると巻き上げた。
 普段でも着れるくらいにエロすぎない大人なデザイン。
 
 タカくんがゴクリと唾を飲む。
 
「パンティ……俺が脱がせてもいいですか?」
「…………いいよ」

 なんだろう、この拷問。
 そのまま待っていると彼がパンツをそっと引き下ろして、尻を撫でる。

 やっぱりお尻は特別好きなのか。
 確かにお尻は処女だよ。

「ぅあっっ……!」

 いきなり彼の唇が秘部に押し当てられて、可愛くない声が出た。
 ペロペロピチャピチャと舌で舐められ、ぶるりと震える。

「ハナちゃん、可愛い! そのままでいて下さい……やっぱり、ちょっとほぐしてから、ね……」

 蜜口に触れていた指が中を探る。
 たっぷり舐められてひくひくしていたそこは、彼の指を締めつけつつも、愛液を垂れ流す。
 あぁ、そろそろ、イきそう。

「嬉しい……こんなに濡れて……使わなくてもいい、かもしれませんね?」

 あれ?
 もしかして彼、膣に塗ろうとしていたの?
 間違って買ったのかな?
 それならよかった……。

 力を抜いた私の肛門に舌を這わせた。

「ふぇ⁉︎ やっ……」
「でも、気持ちよさそうですよ? ナカすごく締まった……」

 いや、それ、恐怖で!

「やっぱり、俺が塗りましょうか。こんな姿、興奮しますね……」

 そうですか、そうですか。
 こっちはチンコついてたら縮こまってるヨ!

「怖い~~‼︎」

 涙目で訴える私に、彼がウッと詰まった。
 
「大丈夫です!勉強はしてきました」

 何が大丈夫かわからない!
 勉強してきたって言うことは、経験ないこと試そうとしてるんだよね⁉︎

「ごめん、マジで無理だ!」

 逃げ出そうとした私の腰に腕を回し、上から覆いかぶさった。

「仕方ないですね、じゃあこのまましますよ」
「ちょっと、待って‼︎」

 彼のチンコが脚の間を往復した後、アナルをギュッと押されてヒヤッとした次の瞬間。

「ふあぁぁぁっっ‼︎」

 つるりとすべって蜜口に滑り込んだ。
 背後ではぁはぁと荒い息が聞こえる。

 あれ?

「俺ので、気持ちよくなってほしいですけどっ!ハナちゃん、気持ちよすぎますっ、あっ……こんなの、モチソウモナイッ」

 ずちゅずちゅと突き込まれて、喘ぎながらも頭は混乱する。

 あれ?
 普通だ。

「そうだ、ここもっ」

 いきなりクリトリスを撫でられて、私はあっけなくイった。

「ああーーっっ‼︎」
「っく、やばっ、……ハナちゃん、ごめんなさいっ‼︎」

 パンパン強く腰を打ちつけて、私の中で果てた。

 あれ?
 ノーマルだわ。

「……はぁ、はぁ、はぁっっ、……ハナちゃん、もう一回しますから。俺、ハナちゃんが満足するまで頑張ります‼︎」
「あ。もう満足。私もイったし……」
「え?初夜ですよ?目の下にクマができるくらい頑張らないと!」
「なんで?」

 キリッとした顔でタカくんが言う。

「初夜ってそういうもんでしょ? 女性向け小説で勉強したんで!」
「あー、なるほど……それで、アナル開発しようとしたの?」

 ずいぶんマニアな小説、選んだなー、と。

「へ?……いえ、そんなつもりは……」
「だって、それアナルに塗るやつだよ?」
「……!………………ごめんなさい、間違えました!」

 なんだ、よかった。
 ホッとした私に彼がにこにこして言った。

「せっかくなので試しましょう! ハナちゃんのすべてを俺のものにしたいので!」
「ええーー⁉︎」
 
 それから長い長い夜が始まった。


 
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