11 / 20
おまけ4
しおりを挟む「ケツエキガタ? なんだそれは?」
ワタシはアルに異国の統計学について話していた。
「今読んでる本なんだけどねぇ、生き物の血液をざっくり八つの型に分けて、それぞれの型に性格の傾向とかあるみたいなの!」
この本は雑貨屋さんでホコリをかぶっていて、ワタシがパラっと見てたら、すごく安く売ってくれた。
長い間売れなかったみたいで、バナナ三本ぶんくらいの値段にしてくれたのだけど、すごく読みごたえがある!
「……どんなことが書いてあるんだ?」
のぞき込んだアルにワタシは開いて見せる。
「……お前……これが読めるのか?」
「うん、ワタシの住んでたところは娯楽が少ないから本ばっかり読んでいた! 他の国の言葉を覚えると、さらに本も読めてもっとたくさんのことを知ることができるからね!……ハナセナイケド」
アルが唸ってスゴイって褒めてくれた!
「ホント? すごい⁉︎ アルに褒められるとすっごく嬉しい! ん~っ、アル大好きっ」
ワタシが抱きつくと軽々と抱き上げてくれる。
体幹がしっかりしてるからかな、揺れたり絶対倒れたりしないのが、力強くて好き。
多分離れたところから走って飛びついても大丈夫と思う。
うん、今度やってみよう。
「キャットの頭はずいぶん……」
アルが何か言いかけたけど、首を横に振ってため息をついた。
ナゼ? ナントカは紙一重か、とかつぶやいてるけど。
「それで……なんか面白いことがかいてあるんだろ?」
「うん! まだ全部読んだわけじゃないし、わからない言葉もあるからざっくりとだけど。A型は好きな人を、ものすごく大切にするんだって! しかもどこが好きかいっぱい語りたくなっちゃうんだって。でね、ネコ獣人の九割以上がA型なんだって! 当たってるよね⁇」
「キャットには当てはまってると思うが……ネコ獣人九割って、乱暴すぎる意見だと思うが」
「まぁね! 読み物として面白いからいいの!」
アルが首を傾げているけど、ワタシは続けて喋る。
「それで、アルに当てはまるのを推理してるの! 血液は八つの型に分けているけど、性格は四つだけなんだよね」
「……大雑把すぎるな」
「まぁね~、古い本だし、どうやって血液を調べるのかとか言葉が難しくてわからないんだけどね!」
アルがワタシの話を聞いてくれるのが嬉しい。
両親も兄たちもまた始まった、みたいな反応で適当な相づちしか打ってくれなかったから。
だからついつい真剣に語っちゃう。
「ブタ獣人も九割A型なんだけどねー、O型はね~、植物系ってナニ?……妖精とかかなぁ? 一人の時間が大事だけど寂しいのも嫌……距離感が大事なのかな~」
アルの胸に背中を預けて座り直すと、優しく包んでくれる。
「AB型はカエル人、好きなものにはまっしぐらだけど感情表現が苦手……」
「カエル人てなんだ……カエルか? 確かに感情は読みづらそうだが、他の国にはいるのか……」
「うーん、もっとしっかり読めば書いてあるのかも?」
「分類されない特殊なイヌ獣人やトリ獣人もいるけど」
「分類されないってどういうことだ?まだ発展してない学問か?廃れたのか?」
パラパラとめくりながら気になるところまで戻る。
「B型はウシ獣人と、ゴリラ獣人の大半ダネ。人一倍愛されたいけど、上手く伝えられない……だって!」
「…………ものすごく、前置きが長かったが、俺がB型だと言いたいのか?」
ワタシはくるりと振り向いて、ちゅっと口づけした。
「だって、ほかにも……」
その先の言葉はアルの唇に飲み込まれた。
「んむっ……ちゅっ、……はぁ、アル……そういう、ところが……」
「キャット、好きだ」
アルに好きって言われた!
きゅ~んってして力が抜けちゃう!
「アルぅ~、大好き!」
「……上手く伝わらないか? それなら、こっちで……」
ワタシのお腹を撫でてから、そっとささやかな胸を包む。
先端をつままれるとちょっと弱い。
「アルって、いつも元気だよね~」
「……いやか? お前がその気にさせるんだろ?」
「んふぅ……、そんなアルも大好き……全部大好き。ワタシがいっぱい愛をあげるからねっ」
「まったく……」
そう言いながら、私の秘裂を太い指で開き、ぐっと指を押し込む。
「アルっ」
「あったけえな……」
「だって、アルに触られるとそうなっちゃうんだもんっ」
「焦らそうと思ったのに、なんで毎回煽るんだ」
ずぶずぶとワタシの中を指でかき回されて腰が揺れる。
「アル、もぉ、ビショビショ……」
「ちょっと待て」
「アルだって先っぽ濡れてるでしょ~? もったいないから早くして!」
「……もったいないって……」
ワタシの腰を片手で持ち上げ、後ろでモゾモゾと動く。
「ゆっくり腰を下ろせ」
「んあああぁぁぁっっ……!」
「……っ! 絞るなっ……」
受け入れただけで気持ちよくなったワタシに、焦ったアルがきつく抱きしめる。
「ぅっ…そこっ、だめぇ!」
アルに陰核をぐにぐに触られながら奥もぐりぐりされて、頭がおかしくなりそう。
「……お前を愛でてんだ、遠慮すんな」
ぐちゅぐちゅと室内に響く音にワタシは感じることしかできない。
「アルはやっぱり、B型だよぉ~」
体を前に倒され後ろからガツガツ強く穿たれる。
「……まだ、言うか」
「アル、あぁぁぁ~っ!」
ワタシの中で果てると、塗り込むように押しつけて再び硬くなる。
ワタシはポツリと呟いた。
「……B型は欲望に素直」
「………………合ってるかもな」
******
ゴリラはみんなB型と聞いて書き始めたものの、実際はニシローランドゴリラのみすべてB型で、A型とO型しかいない種類もいるそうです。
血液型は話のタネ程度に楽しむのがいいかなと思いつつ……。
お読みいただきありがとうございました。
1
お気に入りに追加
540
あなたにおすすめの小説
番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
平凡令嬢の婚活事情〜あの人だけは、絶対ナイから!〜
本見りん
恋愛
「……だから、ミランダは無理だって!!」
王立学園に通う、ミランダ シュミット伯爵令嬢17歳。
偶然通りかかった学園の裏庭でミランダ本人がここにいるとも知らず噂しているのはこの学園の貴族令息たち。
……彼らは、決して『高嶺の花ミランダ』として噂している訳ではない。
それは、ミランダが『平凡令嬢』だから。
いつからか『平凡令嬢』と噂されるようになっていたミランダ。『絶賛婚約者募集中』の彼女にはかなり不利な状況。
チラリと向こうを見てみれば、1人の女子生徒に3人の男子学生が。あちらも良くない噂の方々。
……ミランダは、『あの人達だけはナイ!』と思っていだのだが……。
3万字少しの短編です。『完結保証』『ハッピーエンド』です!
オネエなエリート研究者がしつこすぎて困ってます!
まるい丸
恋愛
獣人と人の割合が6対4という世界で暮らしているマリは25歳になり早く結婚せねばと焦っていた。しかし婚活は20連敗中。そんな連敗続きの彼女に1年前から猛アプローチしてくる国立研究所に勤めるエリート研究者がいた。けれどその人は癖アリで……
「マリちゃんあたしがお嫁さんにしてあ・げ・る♡」
「早く結婚したいけどあなたとは嫌です!!」
「照れてないで素直になりなさい♡」
果たして彼女の婚活は成功するのか
※全5話完結
※ムーンライトノベルズでも同タイトルで掲載しています、興味がありましたらそちらもご覧いただけると嬉しいです!
獣人公爵のエスコート
ざっく
恋愛
デビューの日、城に着いたが、会場に入れてもらえず、別室に通されたフィディア。エスコート役が来ると言うが、心当たりがない。
将軍閣下は、番を見つけて興奮していた。すぐに他の男からの視線が無い場所へ、移動してもらうべく、副官に命令した。
軽いすれ違いです。
書籍化していただくことになりました!それに伴い、11月10日に削除いたします。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】お飾りの妻からの挑戦状
おのまとぺ
恋愛
公爵家から王家へと嫁いできたデイジー・シャトワーズ。待ちに待った旦那様との顔合わせ、王太子セオドア・ハミルトンが放った言葉に立ち会った使用人たちの顔は強張った。
「君はお飾りの妻だ。装飾品として慎ましく生きろ」
しかし、当のデイジーは不躾な挨拶を笑顔で受け止める。二人のドタバタ生活は心配する周囲を巻き込んで、やがて誰も予想しなかった展開へ……
◇表紙はノーコピーライトガール様より拝借しています
◇全18話で完結予定
大好きだけど、結婚はできません!〜強面彼氏に強引に溺愛されて、困っています〜
楠結衣
恋愛
冷たい川に落ちてしまったリス獣人のミーナは、薄れゆく意識の中、水中を飛ぶような速さで泳いできた一人の青年に助け出される。
ミーナを助けてくれた鍛冶屋のリュークは、鋭く睨むワイルドな人で。思わず身をすくませたけど、見た目と違って優しいリュークに次第に心惹かれていく。
さらに結婚を前提の告白をされてしまうのだけど、リュークの夢は故郷で鍛冶屋をひらくことだと告げられて。
(リュークのことは好きだけど、彼が住むのは北にある氷の国。寒すぎると冬眠してしまう私には無理!)
と断ったのに、なぜか諦めないリュークと期限付きでお試しの恋人に?!
「泊まっていい?」
「今日、泊まってけ」
「俺の故郷で結婚してほしい!」
あまく溺愛してくるリュークに、ミーナの好きの気持ちは加速していく。
やっぱり、氷の国に一緒に行きたい!寒さに慣れると決意したミーナはある行動に出る……。
ミーナの一途な想いの行方は?二人の恋の結末は?!
健気でかわいいリス獣人と、見た目が怖いのに甘々なペンギン獣人の恋物語。
一途で溺愛なハッピーエンドストーリーです。
*小説家になろう様でも掲載しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる