姉と妹がそれぞれ婚約者を押しつけてきますが、私の婚約者がおかしくなるのでやめてください!

能登原あめ

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3 私の婚約者はウォード① ※微

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 それから私達は、月に一度は顔を合わせた。
 時々意地悪なことを言うウォードだけど、私達は『お互いの大事なものは分け合わない、独り占めしていい』というのを合言葉にすっごく仲良しでいられた。

 それが少しずつ変化していったのは、ウォードが社交界に顔を出すようになった十六歳の頃から。

「リアの服はすべてお抱えの工房で用意したい。ご両親からは承諾を得ている」

 なんて言うから、姉のお下がりばっかりだった私は喜んだ。

「嬉しい! ウォード、大好き! ありがとう」
「よかった。愛するリアの笑顔を見れて嬉しい」
「愛する……ウォード、恥ずかしい! でも嬉しいな……私も愛している!」

 とろけるような笑顔を浮かべるウォードが、まさか下着まで用意してくるとは思わなかったけれど。
 十三歳の私にはすごく恥ずかしかった。

 それから、私のドレスのメンテナンスも週に一度使いの者がやって来て引き取り、ウォードの領地でやってくれるようになっている。
 メンテナンス、というより下着を含めた洗濯までと言われたけど下着はさすがに断った。

「そんなの、恥ずかしい……こっちでもできるわ」
「だけど、毎日会えなくて、恋しい。せめて、リアの残り香を嗅ぎたい」

 残り香。

「だから下着も」
「ウォード、ごめんなさい。大好きだけど、それはちょっと」
「そうか……残念だが、仕方ない。代わりに抱きしめてもいい?」
「……うん」

 十六歳のウォードは目立たない場所でずっと私を抱きしめていた。
 『欲しいものを独り占めしている私は、丸ごと俺のもの』になったらしい。

 私が十五歳になるとキスを教えてくれた。

「口を開けるの?」
「そうだ」
「んんんーーっ!(食べられる)」

 なかなか刺激的な経験だった。
 舌が別の生き物みたいに動いて、頭をぼんやりさせるなんて知らなかったから。
 しばらくウォードの口元ばかり見てしまって困ったけど。

 彼に抱きしめられてキスされるのは、すごく幸せな気持ちになった。

 十六歳の花嫁を迎えたかったウォードだけど、姉が先に結婚するまでしばらく待ってくれることになって。
 すぐに決まるだろうとお互い楽観的に考えていたから。

 いつもより黒い笑みを浮かべていたけど、家族はそんなウォードを普通の男だと思っていると思う、彼の本性に気づいていそうな母以外は。
 
 とはいえ、母だって私と彼が二人きりの時の様子まで事細かにわかっていないはず。
 ウォードの領地に家族で一週間ほど泊まった時はとんでもないものを見せられた。

「リアが十六歳で結婚できたら、こんなふうに我慢しなくてもよかったんだけど……」

 十九歳のウォードは私が前日に着ていたドレスの匂いを嗅ぎ、ズボンを下げた。

「……‼︎」
「見てて。ここから精を放つ。リアとつながる部位だよ。陰茎と言う」
「インケイ……」
 
 ウォードが楽しそうに笑った。

「リアの口から聞けるなんて、ははっ……」

 初めて見る男性自身に驚いて目が釘付けになる。
 なんというか、見たことのない形状で、なぜか先端は丸く膨らんで濡れていて。
 とにかく何かに例えると……あぁ、浮かばない。

「これは、興奮するな。……はぁ、……っ」

 気持ちよさそうな声と表情、それと聴き慣れない音。
 ウォードはそれを扱いて前日のドレスに白いものをこれでもかと飛ばしてかけた。

「…………」

 時々戻ってこないドレスはこんなふうに、ダメになっていったのか……。
 一応簡単な説明は母から聞いていたけど、思ったよりオープンな行為で驚いた。
 
「結婚したら、リアの中にいっぱい注いであげるから」
「どこに……」

 つぶやいてしまったのは、いけなかった。
 ドレスでさっと手を拭ったウォードが、私の目の前に立つ。
 嗅いだことのない匂いをすん、っと吸い込んだ。

「リア、ほかの男に気をつけるためにも、少しずつ教えてあげる。常に俺が守れたらいいけど、今はそういうわけにもいかないからな」

 私に口づけをすると、するりとスカートを持ち上げた。

「待ってっ! あっ」

 気温が高い時はスカートの下はペチコートを重ねて下着をつけない。
 ウォードの用意してくれる肌着は祖母が使うような太ももまで覆う、厚手で暑苦しいものが送られてくるから。

 むしろつけない方が動きやすかった……。
 そんなことを考えていると、彼の長い指が太ももを上がり、そのままお尻を掴んだ。

「ねぇ、リア? まさかいつもこんなに無防備なの?」
「違う……その、暑かったし、荷物を少なくしたかったから……それで……ごめんなさい」

 苦しい理由だけど、そう言って私が彼をそっとのぞきこむと、にっこり笑って脚のつけ根にそっと触れる。

「ん!」
「ねぇ、リア。俺が隣にいる時は許すけど、今後はダメだ。だって、こうして触れることができるだろう? 今は堅く閉じてる。けど、こうして……」

 スカートの中を見えないはずなのに、ウォードの指が自由に動く。
 片腕は私の腰に回されて逃げられない。
 時々指が掠める場所がむずむずするような感覚があって変な感じがした。

「俺も見せたから、リアも見せて」

 





 

 
 

 

 

 

 
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