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聖女の魔力と豊穣の秋
雨降りどしゃぶり、無断欠席 2
しおりを挟む器用に片手で制服の前を寛げると、服の中で窮屈そうにしていたフィオルド様の昂ぶりが顔を出す。
思わず視線を落としてしまった私は、はじめて、それをきちんと目にした。
白い皮膚とはまるで違う、濃い赤色をしているそれは、私の両手ではおさまらないほどに太くて、長い。
先端から透明な液体を零していて、ぬらぬらと光っている。
こくんと、唾液を飲み込んだ。
怖いのに、すごく愛しくて、恥ずかしいのに、触れてみたくなってしまう。
恐る恐る手を伸ばして、そっと触れてみる。
熱の塊が、手のひらの中でどくどくと脈打った。
「リリィ……」
切羽詰まったような、切なげな声で名前を呼ばれる。
フィオルド様を見上げると、ぎらぎらとした欲望を灯した眼差しと目が合った。
フィオルド様は私のスカートをめくり上げると、やや強引に下着を横にずらした。
露わになった秘所からは、たらりと蜜が垂れている。フィオルド様の白い制服を、色が変わるぐらいにぐっしょりと濡らしてしまっているのが、恥ずかしくて、申し訳ない気持ちになる。
「ごめんなさい、私、汚して……」
「構わない。リリィ、もっとお前の淫らな姿を見せて。私だけに」
昂ぶりが、花弁を開くようにして擦り付けられる。
愛液がフィオルド様のご自身に絡みついて、ぐちゅ、と濡れた音を響かせた。
雨音が、次第に激しさを増してくる。薄暗い植物園の中で、さわさわと植物たちが、雨とも、私たちの交わりとも無関係な顔をして、艶やかに花を開かせている。
「ふぃお、さま、っ、なか、ほしいの……っ、おねがい、して、いっぱい、して……っ」
浅いところを擦られるだけじゃ足りない。
もっと、満たして欲しい。
奥まで、もっと。
「あぁ、リリィ。……全て、お前の望み通りに」
フィオルド様が、私の腰を支えていた手の力を緩める。
支えを失った私は、足に力が入らなくて、膝立ちの状態からフィオルド様の上にしゃがみ込んだ。
入口にあたっていた昂ぶりが、それと同時に一気に中を押し開いて、最奥を穿った。
何の抵抗もなくフィオルド様のおおきなものを飲み込んだ私の中は、歓喜に震える。
「ぁ、ぁあっ、ん、ぁああ……っ」
脳髄まで痺れるような快楽と幸福が体にあふれて、背中を弓なりに反らせた。
あつくて、かたいものがお腹の底にあたるのが、おかしくなりそうなぐらいに気持ち良い。
それ以上に、フィオルド様と繋がっていることが、嬉しい。
「ふぃお、さま、っすき、あ、……あっ、ふぃおさま、もっと……きもちぃ、すごいの……っ」
目の前にちかちかと星が飛び散って、全ての音が消え失せる。
何度も下から突き上げられる感覚が全てになって、自分が何を言っているのかさえ良く分からない。
「あ、は、……っあぁ、ふぃお、さま……っ、あ、あ、……ん、ゃああ……っ」
意識が飛んだ気がしたのは一瞬で、激しい快楽が容赦なく与えられて、私は目を見開いた。
土砂降りの雨が、植物園の外壁に叩きつける音が、ばらばらと響いている。
フィオルド様の制服をぎゅっと握りしめて、倒れそうになる体を支えた。
生き生きと、植物たちが蔓や葉を伸ばしている。
まるで、たくさんの花々に見つめられているみたいだ。
誰かに見られることを考えると、なんだかわからないけれど、よりいっそう気持ち良くなってしまうみたいだ。
それは、正しさを求めて、自分を律し続けていたフィオルド様が、その呪縛以上に私を求めてくださるのが嬉しいからなのかもしれない。
呼吸を奪うように口付けられて、どちらのものともわからない唾液が口角を伝う。
ちゅぶちゅぶと、私のさらに深いところをこじ開けるように押し付けられる高ぶりの先端が、私を貫くたびに、眩暈がするような快楽に体が跳ねる。
雨がきっと、悪いことも、隠してくれる。
土砂降りだから、帰れなかった。
そんな言い訳をして、こんな淫らなことをしているなんて。
わずかに滲んだ背徳感に酔いしれながら、私は何度も譫言みたいに、フィオルド様のことが好きだと繰り返していた。
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