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聖女の魔力と豊穣の秋
雨けぶる午後 2
しおりを挟む少しづつ、大胆に動くことができるようになってくるのは、拒絶をまるで感じないからだろう。
全部、受け入れてもらっている。安心感から緊張が解けて、そこには愛しさだけが残った。
あんまり上手にはできないけれど、舌を絡めて、唾液を混ぜあう。
私がフィオルド様にそうしているのに、なんだかよくわからなくなるぐらいに、温い粘膜に包まれた舌が気持ちよくて、ぬちぬちと擦り合わせるだけで、肌の上を快楽が走る。
「ん、んぅ、……ん、ん……ふぁ……」
雨の音も、ここがどこかも全部忘れてしまうぐらいに、夢中になってフィオルド様の唇を貪った。
すごく、気持ち良くて、泣きたくなるぐらいに体が切ない。
もっと奥まで繋がりたい。弄り、舐ると、一つに溶け合ってしまえるような気がした。
唾液に塗れた唇や舌の曖昧になった境界が、それでもそれが境界だと感じられてしまうことが、もどかしい。
フィオルド様の手が、私の背中の制服を掴む。
それから、一度逡巡するように背中を撫でた後、なだらかな曲線を描く腰をたどって、その下の双丘にたどりついた。
不埒な指先が、スカートを捲り上げるようにして、直接肌に触れる。
レースの下着を双丘の合間に押し込めるようにしながら、胸よりは豊かな膨らみに両手が触れる。
感触を楽しむように揉みしだかれて、フィオルド様の太腿にまたがるようにして触れている両足の合間が、どうしようもないぐらいに切なくなってしまう。
「ふ、ぁ、あ……っ」
息苦しさと快楽から逃れるようにして、フィオルド様から離れようとした私の舌を、フィオルド様が甘く噛んだ。
見開いた瞳から涙が溢れて、頭の中が真っ白に濁る。
フィオルド様に抱きついた手のひらで、制服を強く握りしめた。
切なく疼く両足の合間を、フィオルド様の膝に擦り付けるようにして勝手に腰が揺れる。
「……達したのか、リリィ。……とても、淫らで、愛らしい顔をしている。もっと、よく見せて」
はぁはぁと息をつく私の顔を、フィオルド様が覗き込んだ。
艶やかに白い肌が紅潮して、唇がいつもよりも赤く、唾液に濡れている。私が貪っていた舌が、濡れた唇を舐める姿を目にしただけで、お腹の底が切なくなる。
フィオルド様の背後には、木々や花々がその存在を主張するように枝葉を伸ばしていて、降り出した雨のために外の景色はぼやけて見える。
「……っ、フィオルド様、ここ、じゃ、だめです……」
「……ここまでされて、我慢しろという方が残酷だろう」
「わ、私、そういうつもり、じゃ……フィオルド様のこと、大好きだから……大丈夫って、伝えたくて」
「……わかっているよ。私は、本当に恵まれている。……リリィ、だが、もう抑えられそうにない」
双丘の狭間で紐のようになっている下着を、フィオルド様の指が持ち上げるようにひいた。
下着に秘所や花芯が擦れて、びりびりとした快楽が体を震わせる。
「あ、あ……っ、ふぃおさま、だめ、濡らし、ちゃう……から……っ」
「もう、とっくに濡れている。リリィ、私の足に自分で押し付けて、腰を揺らして、まるで一人で遊んでいるようだな」
「ごめんなさ……っ、私、違う、のに」
「可愛いよ、リリィ。良い子だ。もっと、気持ちよくなりたい?」
咎めるような言葉の後に、褒められて甘く囁かれると、心が簡単に、ぐずぐずに蕩けていってしまう。
「……ぅん……っ」
花々の甘ったるい香りにさえ、熱を高められている気がした。
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