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遺跡探索と雪解けの春

 リリアンナ、朝食の途中で食べられる 2

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 あふれる果汁や唾液をすくうようにして舌が絡まり、口腔内に残るオレンジの果肉と共に、舌を嬲られる。

 私は力の入らない指先でフィオルド様の腕を掴んだ。
 ぐちゃぐちゃに口の中を舐られて、あふれた唾液や果汁が首まで滴り落ちて、べとべとに汚していく。

「……リリィ、もっとお前を食べたい」

「ぁ、ぁう、ふ、あ、あ……っ」

 ちゅぷりと唇を離したフィオルド様が、私から奪ったオレンジの果肉を飲み込んで、微笑んだ。

 白い部屋着を零れた果汁で汚して、くたりとフィオルド様にもたれかかっている私の唇を、フィオルド様がもう一度舐める。

「ごはん、終わるまで……何にもしないって、言いました……」

 あんまりにも恥ずかしいことをされたので、私はさすがに小さな声でフィオルド様に文句を言った。

 フィオルド様はどことなく嬉しそうに目を細める。

「一度……耐えることをやめてしまえば、もう待て、はできない。躾のなっていない獣ですまないな、リリィ。だが、お前も……ほら、濡れている」

「あっ、やぁん……っ」

 私は今薄手の足元まで隠す白いワンピースを一枚着ているだけで、下着は身に着けていない。

 スカートをたくし上げられるとすぐに太腿から、大切な場所までがあらわになってしまう。

 濡れた秘所へと指を差し入れた後、フィオルド様は透明な液体が滴る指先を私に見せた。
 それから、愛液に濡れた指先を、赤い舌で舐めとった。

「ふぃおるどさま、舐めたら、だめ……」

「どうして?」

「恥ずかしいです……」

「羞恥に瞳を潤ませるお前は愛らしい。つい、……もっと泣かせたくなってしまう」

 いつもよりも低い声が、鼓膜を舐める。

 フィオルド様は私を膝に座らせたまま、ゆったりとしたスラックスの前を寛げた。

 一瞬、フィオルド様の男性の象徴が目に入って、私はあわてて目をそらした。

 それはとても大きくて、長くて、奇妙な形をしていた。
 私の中に昨日入っていたものだ。

 到底入りそうにないぐらいに大きいのに、貫かれてみっしりと奥までそれが埋まったときに感じた果てのないほどの深い快楽の記憶が、体を勝手に巡り、新しい蜜がとろりと零れる。

「駄目か、リリィ……私の可愛いリリィ、もう一度、お前の中で果てたい」

 切なげに名前を呼ばれて、私の理性は先程食べた果物の果汁のように、とろりと溶けて零れ落ちていく。

「フィオルド様、好き……っ、リリィも、いっぱい、して欲し……っ」

「あぁ、リリィ。……お前は、私に甘いな。……まるで、先程食べた果実のように、甘い」

「っ、あ、あ……っ」

 フィオルド様が私の腰を掴んだ。

 向かい合わせの形になると、私の入り口にフィオルド様の昂ぶりがあてがわれる。

 先端のふくらみが、ゆっくりと私の中を開いていく。

 不安定な椅子の上で自分の体を支えきれず、私はそのままフィオルド様の足の上に座り込んだ。
 自重のせいで一気に貫かれて、深いところにフィオルド様の先端が触れる。

 頭の中がまっしろになるような刺激に、声にならない悲鳴をあげる私の背中を、フィオルド様が優しく撫でて下さる。

「……リリィ、食事も続けなければいけない。……もう少し、食べよう」

 深く沈み込むような快楽が全身を震わせるのに、決定的な何かをフィオルド様は与えてくださらない。

 私を膝に抱えて、私の中を猛り切った昂ぶりが貫いているのに、フィオルド様は動こうとしなかった。
 物足りなくて首を振る私に優しく口づけて、落ち着いた声音でそう言った。

「ぃや、あ……っ、できな……っ」

「果物だけでも、食べなければ。リリィ、口を開いて」

「は、ふ……っ」

 こんな状態でご飯は食べられないのよ。

 無理だと、私はもう一度首を振った。
 フィオルド様は苺を自分の口に含むと、私と唇を合わせる。

 果実が口の中に押し込まれて、いっぱいになったせいで苦しくて仕方なくもぐもぐと口を動かすと、もう一度強引に唇が合わさった。

 お腹の底はじくじくと切ないのに、体の奥は煮えたぎるように熱いのに、フィオルド様のご自身だって、私の中でどくどくと脈打っているのに。

 苺が甘くて、フィオルド様の舌が気持ち良くて、わけが分からなくなりながら私は夢中でフィオルド様と舌を合わせた。

 僅かばかりに残っていた理性的な私が、これが毎日続いたら、私は死ぬかもしれないと青ざめる。

 けれどそれは一瞬で、唇を合わせながら軽く下から突き上げられて、揺さぶられるだけで、泣きたくなるぐらいに気持ち良くて、どうにかなってしまいそうだった。


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