リリアンナ・セフィールと不機嫌な皇子様

遺跡探索と雪解けの春

好きと伝えられる幸せ ２

　下腹部をとん、と指でつつかれながら、何度も奥に昂りを押し付けるようにされると、両足に力が入って指先がぴんと持ち上がった。

　フィオルド様は私の大腿の裏側を掴んで、さらに足を抱え上げる。
　膝が顔の横につくぐらいに持ち上げられると、腰が浮いた。

「ひ、あ、あああ……っ、ぅ、あぁああ……っ」

　皮膚がぶつかり音を立てるぐらいに激しく、昂りを抜き差しされる。

　残酷なほどに容赦なく中を責め立てられて、濁った頭では何も考えることができない。
　腰が勝手にがくがくとゆらめき、揺さぶられる度に両足が跳ねた。

「あ、ん……っ、ぁう、あっ、あ゛、ひっ、ああぁ……」

　ひっきりなしに嬌声が唇から溢れ、涙と唾液で顔がぐちゃぐちゃになる。

　奥に当たるのも、内壁をこすられるのも、全部、泣きじゃくりたくなるぐらいに気持ち良い。
　何が正解かまるでわからないけれど、こうして繋がるのは、心も体も全部さらけだしたみたいに、気持ち良い。

「おく、おく、ふぃお、さま……っ、はげし、……いいの、気持ちい、ふぃおさまぁ……っ」

「あぁ、リリィ、気持ち良いな。私の全てで、お前を悦くしてやりたい。ここか、リリィ」

「あ、あぁっ、そこ、だめ、あぁああ、きもち、ぃ、すきぃ……っ」

　浅いところを押し上げるようにぐちぐちと貫かれて、幾度も最奥を貫かれる。

　体に触れるシーツも、フィオルド様の指も、貫かれるたびにフィオルド様の下腹部に擦れる花芯も、全部。

　おかしくなるぐらいの快楽が暴虐に身体中を暴れまわって、私はぽろぽろと涙をこぼした。

「も、だめ、だめなの、きちゃ、いく、いく、いっちゃ……」

「リリィ、……好きだ。私のリリィ、お前の中で、私も果てたい」

「すき、りりぃ、も、すき……っ、なか、で……して、くださ……ふぃおる、ど、さまぁ……っ」

「……っ」

　唸るような声が聞こえた。

　立派なベッドが軋むぐらいに、激しく中を貫かれる。
　何度も何度も中を穿たれて、目の前に星がチカチカと散った。

「いく、も、いく、の……っ、あ、あぁああ……っ」

　たっぷりと潤った蜜壺を、ぎりぎりまで昂りを引き抜いたフィオルド様が、容赦なく貫いた。
　どくりと、昂りが震える。ひときわ大きく硬く膨らんだような気がした。

　新しい蜜が、熱杭が引き抜かれるたびに結合部の隙間から漏れて、中でかき回されて白く泡立っている。

　はくはくと呼吸をしながら意識を飛ばす私を、フィオルド様は更に深く追い詰めていく。

「っ、また、いく、いっちゃう、も、あたま、へんになるからぁ……っ、ふぃお、さま、あっ、ああぁ……っ」

　自分で自分が何を言っているのか、よくわからない。

　高みに登ったまま降りてこれない私を、フィオルド様は揺さぶり続けている。

　私をじっと見つめているフィオルド様の瞳孔が縮まって、瞳の色が濃くなっている。
　眉を寄せながら、口角が吊り上がっている。

　美しいけれど、獰猛な獣じみた表情だ。

　獣に食べられる小動物のように、原初の恐怖のようなものを感じる。ぞわりとしたなにかが背筋を走る。
　けれどそれ以上に、熱心に私を求めてくださるフィオルド様が愛しい。

「可愛いな、リリィ。もう、何度達した？」

「わ、かん、なぃ……っ、ごめんなさ……きもちいいの、いいよぉ……っ」

「愛している、リリィ……っ」

「あ、は、……っ、あ、ぁああ……っ」

　頭が真っ白に濁り、どぷりと中に熱いものが注がれるのを感じた。
　フィオルド様が私の目尻や唇に、優しい口付けを落としてくださる。

「リリィ、リリィ……」

　何度も愛しげに名前を呼んでくださる声が、遠く聞こえる。

　胸いっぱいに多幸感が広がって、私の意識はそのまま夢の中へと落ちていった。