上 下
38 / 200
遺跡探索と雪解けの春

 気を取り直して初体験 2

しおりを挟む


 夜の営みというのは、男性が女性の中に入るということぐらいは、知っていた。

 けれど一番初めは痛いのよねと、ずっと思っていた。
 だって中に入るのだし。

 でも、痛みはまるでなくて、ただひたすらに気持ち良い。フィオルド様の指と、舌に体の全てが支配されてしまって、それ以外のことは何も考えられない。

「あ、あっ、っるど、さまぁ……っ、ゃ、あああっ」

 中をかきまわすように、指がばらばらと動く。
 優しく何度も媚肉を辿られて、勝手に内壁がひくついてフィオルド様の指を包み込むようにして締め上げる。

 少し圧迫感を感じる場所を幾度か撫でられ、指が引き抜かれた。

 耳を舐られている水音が、私の秘所を指がぐちゃぐちゃと嬲る音と混じり合って、もうどちらがはしたない音を立てているのかよくわからない。

「リリィ、お前の中は狭くて、柔らかいな。……中に、入りたい。お前と繋がりたい。リリィ、許せ」

「っ、はい、ふぃおるどさまの、好きに……」

「あぁ、リリィ。愛している。リリィ」

「ふぃおるどさまぁ……っ」

 愛していると言われるのって、こんなに幸せなことなのね。

 私はうっとりと目を細めた。

 恥ずかしいしちょっとだけ怖いので、フィオルド様の上半身から下に視線を落とすことはできないけれど、何か固くて熱いものが、私の秘所に押し付けられているのがわかる。

 燃えたぎるように熱いそれは、フィオルド様の清涼な魔力の奥にある深い情熱のようだ。

 ぐちぐちと幾度か擦り付けられて、花芯にまるで口付けでもするように、固くて丸みを帯びた先端がぷちゅぷちゅとあたる。

 どうやらそれは、長くて、硬くて、質量があるみたいだ。

 男性の昂りを見たことなんて一度もないけれど、美しいフィオルド様の体の一部がそのように獰猛に猛っているなんて、何だか信じられない。

「ぁ、あ、ぅぅ、くぅ、ん……」

 フィオルド様の昂りと花芯が擦れるたびに、もっと欲しいと阿るように、蜜壺からとろとろと蜜が滴り落ちて、膣壁が蠕動する。

 それがひどく淫らで恥ずかしくて、私は顔を枕に押し付けるようにして背けた。

「リリィ、私のリリィ、どうか、その美しい瞳に私を映してくれ。お前を淫らに花開かせる男の顔を、しっかり覚えていて欲しい」

「っ……」

 哀願するような響きを帯びた声音なのに、同時に有無を言わせない支配者のようでもある。 

 恥ずかしくて見ていられないはずなのに、私は瞼を開いてフィオルド様を見上げてしまう。

 艶やかに頬を染めて、切なげに眉を寄せたフィオルド様が視界にうつった途端に、一気に身体中に熱が巡った。

「愛している、リリィ。お前だけを、ずっと。今までも、これからも」

「フィオルド様ぁ……好き、私も、好き……っ」

 甘えるように手を伸ばすと、しっかりと抱きしめてくださる。

 蜜口にあてがわれた昂りの先端が、柔らかく潤んだ媚肉を開きわり、一息に中まで貫かれた。

 何かが弾けるような痛みを感じたのは一瞬で、押し付けられた先端の膨らみが私の一番奥に口付けて、肚の底にフィオルド様の魔力がそそがれるのがわかる。

「あ、ああああ……っ、あ゛、あっ、だめ、だめ……ふぃお、さま、……っ!」

 体に魔力が巡っていく。果てのない深いところに落ちていくような快楽が全身を走り、私は声にならない悲鳴をあげた。



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

婚姻初日、「好きになることはない」と宣言された公爵家の姫は、英雄騎士の夫を翻弄する~夫は家庭内で私を見つめていますが~

扇 レンナ
恋愛
公爵令嬢のローゼリーンは1年前の戦にて、英雄となった騎士バーグフリートの元に嫁ぐこととなる。それは、彼が褒賞としてローゼリーンを望んだからだ。 公爵令嬢である以上に国王の姪っ子という立場を持つローゼリーンは、母譲りの美貌から『宝石姫』と呼ばれている。 はっきりと言って、全く釣り合わない結婚だ。それでも、王家の血を引く者として、ローゼリーンはバーグフリートの元に嫁ぐことに。 しかし、婚姻初日。晩餐の際に彼が告げたのは、予想もしていない言葉だった。 拗らせストーカータイプの英雄騎士(26)×『宝石姫』と名高い公爵令嬢(21)のすれ違いラブコメ。 ▼掲載先→アルファポリス、小説家になろう、エブリスタ

後宮の棘

香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。 ☆完結しました☆ スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。 第13回ファンタジー大賞特別賞受賞! ありがとうございました!!

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜

まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください! 題名の☆マークがえっちシーンありです。 王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。 しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。 肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。 彼はやっと理解した。 我慢した先に何もないことを。 ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。 小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。

三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。 それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。 頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。 短編恋愛になってます。

処理中です...