36 / 200
遺跡探索と雪解けの春
頑張る私とすぐに落ち込むフィオルド様 2
しおりを挟む私と少し似ている。
でも、あんまり似ていないかもしれない。
私は人見知りが激しくて口下手だけれど、実はそこまで脳内反省会を開くタイプでもない。
結構怠惰だし、まあいいかと、すぐに忘れてしまうことも多い。
ドロレスに言わせてみれば「繊細の皮を被った怠惰で流されやすく、好きとか言われたらすぐに尻尾を振るタイプの二コマ即落ちお嬢様」なのだそうだ。
良く分からないけれど、つまりそういうことなの。
だから、私がもう少ししっかりしないと――フィオルド様がまた途中で落ち込んで、せっかく、うっとりするぐらいに良い雰囲気なのに、終わりにしてしまうかもしれない。
私はフィオルド様に、これ以上の我慢をして欲しくない。
「大丈夫、です……全部、気持ち良くて、もっと、してくださ……っ」
「だが、お前はあまりにも美しく、儚い。……こんなに細く頼りないお前を、私は愚かな思い込みから憎み、傷つけていたんだな」
「もう、良くて……それは、もう、過去、なので……だから……」
「償いきれない過去だ。……本来なら私は、お前に触れる資格もない」
フィオルド様が落ち込みつつある。
大丈夫なのに。私はあんまり気にしてない。というかもう良いのに、それ。
だって今、私はとっても幸せだもの。
「フィオルド様、私は、……フィオルド様が、良い、です。私で良ければ……フィオルド様のものに、していただきたい、です……」
私のことを好きだとおっしゃってくださるのは、フィオルド様だけ。
私は自分に自信がないけれど、欲していただけるだけで、少しだけ、強くなれるような気がする。
頭の中で考えているだけじゃ、思いは伝わらないもの。
頑張らないと、私。
だって、フィオルド様を、失いたくない。
フィオルド様は私の頬を撫でて、愛おしそうに微笑んだ。
その晴れ渡った空のような瞳に、頬を染めた私がうつっている。
「ありがとう、リリィ。はじめてのことで、怖いだろうに、……すまない。辛かったら、言ってくれ」
「っ、あぁ、ゃ、あああ……っ」
フィオルド様は、私の胸の頂を、小さな胸ごと口に含んだ。
舌で転がされて舐られて、お腹の下の方がじんじん痺れた。
同時に割り開いた花弁から顔を出した花の芽を、蜜を絡めた指先でこりこりとしごかれる。
私は腰を浮かせながら、いやいやと首を振った。
少し触れて頂くだけで、おかしくなるぐらいに気持ち良い。
この先もあるのかと思うと、少し怖い。
「ふぁ、あ……っ、あ、あっ、きもち、ふぃおるど、さまぁ……っ、そこ、ぁ、あ、あ」
「リリィ、ここ、か」
「ぅん、ん……っ、あ、あっ、ゃああ……っ」
指先が、陰核をカリカリと引っ掻き、楽器でも爪弾くようにして、幾度も弾いた。
私の胸から唇を離したフィオルド様は、脇腹や腹に口づけながら、その場所を目指していく。
両足を強引に大きな手のひらで開かせると、臍の下からつるりとしたなだらかな丘を唇で辿り、充血して敏感になった花芯に優しく口づけた。
その場所を舐られた時の記憶が、頭の中に一気に蘇る。
私はシーツをきつく掴んだ。
知らず逃げようとした私の腰を、フィオルド様はベッドに縫い留めるようにしっかりとつかんでいる。
口の中に含まれて強く一番敏感な部分を吸われると、頭の中にちかちかと星が瞬いた。
「あ、あ、ひぁ、やっ、ぁあああ……っ」
背中が弓なりに反って、腰が浮き上がってしまう。
指先まで力の入った足が、シーツを蹴ってたわませた。
フィオルド様は悲鳴染みた鳴き声をあげる私をさらに追い詰めるようにして、薄い皮を舌で捲るようにしたあとに、舌先で中の赤い突起を何度も押しつぶすようにした。
ちゅぷちゅぷと嬲られて、苦しいぐらいの快楽が体中を駆け巡る。
「あ、あっ、ゃああっ、そこ、だめ、だめなの……っ、ふぃお、さま、やだぁ……っ」
「良い声だ、リリィ。私の名を、もっと呼んで欲しい。……一度果てろ、リリィ」
「ん、あ、ああ、なんか、きちゃ……っ、ふぃお、る……っさま、くる、からだ、おかし……きちゃう、あぁ、あ、あ……――――っ!」
ぐりりと、舌で包み込むようにして、花の芽が押しつぶされる。
強すぎる刺激に、涙が零れた。見開いたはずの瞳には何もうつらない。
ただ気持ち良くて、幸せで、苦しくて、全身に快楽が突き抜けて、頭がぼやけた。
蜜口から愛液がこぼれおちて、シーツをぐっしょりと濡らしている。
激しく緊張したあとにくたりと弛緩した体を、フィオルド様が大切そうに抱き寄せてくださった。
23
お気に入りに追加
2,081
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
贖罪の花嫁はいつわりの婚姻に溺れる
マチバリ
恋愛
貴族令嬢エステルは姉の婚約者を誘惑したという冤罪で修道院に行くことになっていたが、突然ある男の花嫁になり子供を産めと命令されてしまう。夫となる男は稀有な魔力と尊い血統を持ちながらも辺境の屋敷で孤独に暮らす魔法使いアンデリック。
数奇な運命で結婚する事になった二人が呪いをとくように幸せになる物語。
書籍化作業にあたり本編を非公開にしました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【R18】深層のご令嬢は、婚約破棄して愛しのお兄様に花弁を散らされる
奏音 美都
恋愛
バトワール財閥の令嬢であるクリスティーナは血の繋がらない兄、ウィンストンを密かに慕っていた。だが、貴族院議員であり、ノルウェールズ侯爵家の三男であるコンラッドとの婚姻話が持ち上がり、バトワール財閥、ひいては会社の経営に携わる兄のために、お見合いを受ける覚悟をする。
だが、今目の前では兄のウィンストンに迫られていた。
「ノルウェールズ侯爵の御曹司とのお見合いが決まったって聞いたんだが、本当なのか?」」
どう尋ねる兄の真意は……
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる