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遺跡探索と雪解けの春
はじめての混浴 1
しおりを挟む自分で脱いだ方が良いのかしら。
当たり前だけれど、男性と一緒にお風呂に入るのははじめてだ。
私に褥の教育をしてくれたドロレスも、一緒にお風呂に入るときの流儀なんて何も言っていなかった。
といってもドロレスの褥教育というのは「お嬢様は女の子なので、ベッドの中で目を閉じてじっとしていれば大丈夫です。色香のある気の強そうな悪女顔のお嬢様が、純粋無垢とか、何それ萌える」といった感じだったので、教育と言えるかどうか怪しいのだけれど。
後半部分は正直よくわからなかったし。
私が「フィオルド様は私に興味がないし、多分嫌っていると思うの」と言うと、ドロレスは肩をすくめながら「あの氷の皇子は絶対お嬢様のことが好きだと思うので、そのうちわだかまりがとけますよ」と励ましてくれた。
わだかまりがとけて良かった。
良かったのだけれど、こんなことならもう少し詳しく、ドロレスに色々教えてもらっておくべきだったわよね。
私も途中から(フィオルド様と私の間に、何か起こるとは思えないし)なんて思って、あまり積極的には褥について、ドロレスに聞こうとしなかったもの。
婚約者としてあまり良い態度ではないと思うけれど、実を言えば私は勉強があまり好きじゃない。
できることなら日がな一日、何も考えないでぼんやりとお庭の花とかを見ていたい。
嫌われていたとはいえ、フィオルド様の婚約者だったので、そういう訳にもいかなかったのだけれど。
「……あ」
どうして良いやらわからず、積極的に行動できるわけもなくじっとしていると、フィオルド様は私の服をてきぱきと脱がせてくださった。
もしかしてこれから、なんらかの施術を受けるのでは? というぐらいてきぱきしていた。
フィオルド様は私の体を大きなタオルで包み、抱き上げた。
ぼんやりしていたからかしら、いつの間にかフィオルド様も裸体だった。
肌の露出が少なくて、いつも几帳面にボタンをしめて、乱れるという言葉とは無縁に見えるフィオルド様が、惜しげもなく素肌をさらしている。
服を着込んでいると細身に見えるけれど、首も腕も、私よりもずっと太い。
しっかりとした胸板に、筋肉の隆起した腹部と、形の良い、長い足。
世界一の芸術家が彫った彫刻のように、とても綺麗。
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