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遺跡探索と雪解けの春
耐え忍ぶフィオルド様と理性の溶けた私 2
しおりを挟む薄皮を器用に舌で剥いて、むきだしになった赤い突起をした先でつつかれると、背中から脳髄までを痺れるような刺激が貫いた。
「や、ああああっ、きもちい、いいよぉ……っ」
激しすぎる刺激に、頭がちかちかする。
勝手に腰が浮いて、フィオルド様の口に恥骨を押し付けるようにしてしまう。
「可愛い、リリィ……」
うっとりとした口調で、フィオルド様が言った。
あくまで冷静に、状況を説明してくださっていたフィオルド様の声とは、まるで別人のように艶やかで、情熱的な声だ。
その声を聞いた途端に、ぷつん、と、私の中でなにかが弾けるのを感じた。
「っ、ふぃおるど、さま……っ、嬉しい、あ、あ、りりぃ、かわいい……?」
「あぁ、可愛い。リリィ、私のリリィ」
「ふぃ、る……っ、さまぁ……っ」
小さな芽を舐っていた舌が、花弁を割って蜜口に入る。
愛液をすすられ、舐めとられる音がはしたなく響いた。
そうしながら、指先がちゅぷちゅぷと赤く肥大した肉芽をいじめはじめる。
胸と同じように指で挟まれ、やわやわとしごかれて、つまびくようにかりかりと何度も軽く弾かれる。
そのたびに落雷のような刺激が、足の爪の先から頭のてっぺんまで突き抜けて、私ははくはくと唇をわななかせた。
「好きだ、リリィ……可愛い。全て、食べてしまいたい」
「っ、ふぁ、あうう……っ」
好き、と言われると、頭がその言葉でいっぱいになる。
体中に、言葉が染み込んでいく。
私も、好き。フィオルド様が好き。
私を好きだと言ってくれるフィオルド様が好き。
それしかもう考えられない。
気持ち良い。
好き。
「ふぃおるどさま、すき、りりぃも、すきぃ……」
「あぁ、リリィ……愛している、リリィ」
「っあ、あぅ、きちゃ……なんか、くるの……こわい、ふぃお、さまっ」
「大丈夫だ、リリィ。私がいる。リリィ、いけ。我慢せず、果てて良い」
「ふああああ……っ」
舌が、充血してふくらんだ赤い芽を、ぐりりと押し潰した。
勝手に逃げる体を押さえつけられて、強く吸われる。
どこか遠くに、高いところに連れていかれるような浮遊感に、私は身を委ねた。
瞼の裏が白く濁る。
全ての感覚が消え失せて、フィオルド様が与えてくれる快楽に、埋め尽くされる。
意識が途切れるような深い果てを迎えて戻ってこれない私の、痙攣する体をフィオルド様が抱きしめてくださる。
「落ち着け、私。ここで理性を失えば、父と同じだ。……死ね、バルツス」
耳元で聞こえたのは、愛の言葉ではなくて、皇帝陛下の死を望むフィオルド様の独り言だった。
けれど私は完全に理性を失っていたので、フィオルド様の懊悩を察する余裕もなかった。
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