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終章:優しい家族と一緒に
しおりを挟む――あれ以来、王子様からの求婚は続いている。
この間は贈り物として持ってきてくれたガラスの靴を、ジョルジュお姉様が叩き潰していた。
本当はお母様は、ファブリス・トリスタン王弟殿下で、ジョルジュお姉様はお兄様で、王国騎士団で騎士団長を務めているらしい。そして、リュシアンお姉様もお兄様で、宮廷筆頭魔導士としてお城勤めをしている。
ファブリス様という方は変わり者で、早くに奥様であるイヴ・トリスタン公爵夫人を亡くしてからというもの、二人の息子の母になると言って、女性として生活をはじめたのだという。
お城を嫌い城下で散策することも多く、お父様とは偶然街の酒場で意気投合したらしい。
お母様の余命がいくばくもないこと、また、実はお父様も重い病気にかかっていること、残された私の心配をしていることを知ると、ファブリス様は私のことは自分に任せろとお父様と約束をしたのだという。
そうして、ファブリス様は、ファブリスお母様になってくれた。
お兄様たちは、ファブリス様を大変慕っていたので一緒に行くといってきかずに、けれど急に年頃の男が二人も家に来たら私が怯えるだろうということで、ファブリス様に倣って女性の姿になっていてくれたのだそうだ。
今でも私は素敵な家族と一緒に暮らしている。
アーサー様も素敵な方だとは思うけれど、――とっても優しい家族と離れがたくもあり、みんながアーサー様を認めてくれるまでは、私は結婚をしなくても良いかななんて贅沢なことを考えているのである。
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みんなの感想(4件)
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楽しくてかわいくて優しくて、何度も読んじゃいます。好き。
斜め上いくシンデレラ(爆)
これはこれでアリ(笑)
面白い(=^▽^=)
このまま王子が振られ続けてロケンロー!
なことを祈ります(。-人-。)(笑)
シリーズ化してほしいくらいですわ(笑)
童話シリーズ(爆)
怒られそうだけど面白そーなんだモーン🤣🤣🤣
で、
だいたいが王子が振られ続けてロケンロー!
になるって話(* 'ᵕ' )☆
めちゃくちゃ面白いです!!
毎話ツッコみながらニヤニヤしながら読んでいます笑
ありがとうございます✨