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お城の舞踏会のお誘い
しおりを挟むお城の舞踏会は夕方から、夜まで行われる。
私はドレスの仕上げにとりかかった。しゃべる鼠たちが現れてドレスの仕上げを手伝ってくれたし、足りない布や、宝石の飾りなどがいつの間にか運び込まれていた。
きっとリュシアンお姉様が魔法を使ってくれて、ジョルジュお姉様が荷物を運んでくれて、ファブリスお母様が気をきかせてご自分の装飾品を分けてくださったのだろう。
私は家族に恵まれている。血は繋がっていないけれど、みんな私の大切な家族だ。
だからお姉様たちには幸せになってもらいたい。王子様とは、王国の女性たちの憧れなのだから。
そういえばお姉様たちはお城勤めをしているから、王子様の顔を知っているわよね。
もしかしたら、働いている中で片思いなどをしているかもしれないわ。
そう思うと、ドレスを縫う指先にいっそう熱意が籠るようだった。
夕方になって、お城から馬車が迎えに来た。
完成したドレスを着たお母様たちはそれはそれは美しくて、私は感嘆のため息をつきながらお母様たちを見送った。
お迎えに来た馬車から降りてきた護衛の兵士の方が、何故かお母様たちの顔をみて爆笑していたけれど、女性に向かって失礼な方だと思う。
ジョルジュお姉様だって男性かもしれないけれど心は女性だし、美しい方なのだから。
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