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 轟音とともに、部屋の半分が吹き飛んだ。
 ぱらぱらと落ちてくる木くずの向こうに、随分と風通しの良くなった森の景色が見える。

「ジルベルト、扉から入るのが礼儀というものですよ」

 リアは私を組み敷いたまま、ちらりと破壊された外壁の方向に視線を送る。
 私もなんとか頭だけ起こしてリアの視線の方向を見ると、当たり前のように何もない空中に浮かんでいるジルベルト様が、感情の読めない無表情で室内へと足へ踏み入れるところだった。
 ジルベルト様は私とリアのいるベッドの傍で立ち止まった。リアが軽く外壁を指で示すと、崩れた外壁の端から太い蔦が絡まり合うようにするすると伸びて、壁面を埋め尽くした。
 そして、ぼんやりと光ったかと思うと、壊れた窓や粉々になった壁が元の綺麗な状態へと戻っていた。
 一瞬で建築が終わってしまうなんて、街の建築業の方が見たら泣いてしまうだろうなと思う。

「……リア、リディスを離せ」

 感情を抑えた落ち着いた声で、ジルベルト様は言った。

「許可なく部屋に入ってきたうえに命令ですか、俺は君を王だと認めて居ませんよ」

「お前に認めて欲しいとは思ってない。王とお前の問題に、リディスは関係ねぇだろ。巻き込むな」

「えぇ、関係ありませんね。この子は偶然森で拾ったんです。可愛いでしょう、俺の寵姫にしようかと思っているんですよ」

 リアはわざとだろう、私の足を見せつけるように広げると、太腿に手を這わせる。
 下着が見えるか見えないかの絶妙な角度だ、見えそうで見えなところに趣があることをリアはよく分かっている。流石、倒錯的な趣味をお持ちの方は手慣れているなと、感心する。

「あぁ、知ってる。案外足が速くて、途中で見失ったからな」

「駄目ですよ、ジルベルト。大事なものにはきちんと首輪をつけて繋いでおかないと」

「お前みたいな悪趣味な事はしねぇよ」

 ジルベルト様は私の腕に巻き付いている蔦を見ているようだった。

「……お前の目的はなんだ?」

「暗闇に隠れて住むことに嫌気がさしてるんですよ、俺たちは。いつまで人間などという繁殖力だけが取り柄の下等種族から逃げ続けるつもりです」

「そんな事だろうとは思っていたが、その傲慢さが招いた結果が、今なんだろ?」

「まぁ、良いですよ、どちらでも。君が話し合う気が無いというのなら、それでも別に。結界からの解放を望んでいる者は多いですが、俺にはリディスさんがいるので困りませんし」

「俺はお前と揉めたくない。もう一度言う。リディスを、離せ」

「ジルベルト。君がもう一歩でも近づいたり、君の魔力の気配を感じたら、リディスさんの腕に食い込んだ蔦が、彼女の腕を体から切り離しますよ」

 なるほど、今は痛くない程度に巻き付いている蔦だが、リアの気分次第でそう言ったこともできてしまうのだろう。私は本当に、人質なのだなと実感する。
 ジルベルト様を困らせてしまっているのは申し訳ないけれど、私の力では蔦を外すことはできないし、自力で逃げる事はできそうにない。

「リディスさんの話では、彼女は君の寵姫ではないようだし、俺が貰っても問題ないですよね、ジルベルト」

「それは……」

「それとも、彼女は君の大切な人なんですか?」

「……いや」

 ジルベルト様は言い淀んだ。
 この期に及んで言い淀むとはどういうことだ、私はジルベルト様を睨みそうになってしまい、考え直して頭を振った。
 忘れていた、ジルベルト様は生真面目で、それは彼の美徳である。
 私にきちんと愛を伝えていないのだから、こんなところで口にするのは不誠実だと考えているのかもしれない。
 それは褒めるべきところであって、腹を立ててはいけない。

「君は寵姫でもないただの人間の娘の為に、わざわざ顔も見たくない俺のところに来たんですか、それは随分物好きですね」

「ただの、人間じゃない。リディスは、大事な客人だ。お前が望むように、人と俺たちが和解するために、リディスの存在は重要だ。お前には、渡さない」

 そんな風に考えていたとは、知らなかった。
 ジルベルト様が私をあくまでお客様だと考えているなら、最後は国に帰るべきだという彼の主張も頷ける。
 和睦の交渉人として私を見ているなら、簡単に手を出すわけにはいかないだろう。
 つまり、ジルベルト様は血の滲むような我慢をしているということだ。
 私としたことが、察することができずに申し訳ないことをしてしまった。

「建前ですね。面倒ごとを嫌う君が、人と和解したいと考えているとは思えない。君はただ、リディスさんが欲しいんでしょう? 俺に奪われるのが、嫌なだけだ」

「……あぁ、そうだよ。俺は、ちょっと目を離すとお前やらクソ蛇やらに弄ばれそうになってる、危なっかしいリディスが、たぶん、好きなんだよ。これで満足か、リア」

 苛立たしげに、投げやりに、ジルベルト様は言う。
 ちょっと気になる部分はあったものの、きちんと言われたのははじめてだ。
 胸の奥が切ないのは、照れている様子が可愛らしいのと、やっと素直になれたジルベルト様の成長が嬉しいからだろう。
 成長した我が子を見守る気持ち、いわゆる母性本能だ。たぶん。

「君にも大切な人ができて、俺は本当に嬉しいですよ。君の前で奪える幸運に感謝しなければ」

「ふざけるな。そいつは、お前が踏みにじって良いような女じゃない。アリアの復讐をするのは勝手だが、リディスを下らない復讐のために傷つけるんなら、俺はお前を、消す」

「下らない?」

「あぁ、下らないんだよ。ルシスもユールも、アリアも、お前も。俺は見たこともねぇ女神に執着する、ルシスの記憶も、記憶に惑わされたユールも、俺に全てを押し付けて消えたアリアも、いつまでも恨んでるお前も、面倒過ぎて嫌になる」

「苦しんで消えた姉さんを、愚弄するつもりですか?」

 緊迫した空気が部屋に漂う。
 これはいけない、いけない流れだ。
 ジルベルト様もリアも、感情的になっている。話し合いの時に感情が勝ちすぎるのは良くない、良い結果にならない。
 私は動く範囲で手を動かして、リアの服を引っ張った。

「リア様、リア様」

「なんですか、リディスさん?」

「リア様は、アリア様を愛していたのですね」

 私の言葉に、彼は俄かに目を見開いた。
 それから訝しげに、眉をひそめる。

「それはもちろん。同時に作り出された、姉でしたから」

「なるほど、双子のお姉様だったのですね。私にもお兄様がいますわ、失ったらとても辛いと思います。お兄様も、何よりも私を愛してくれておりますわ」

「それが、どうしましたか。君は少し、自分の心配をした方が良いですよ」

「先程から聞いておりましたけれど、ごちゃごちゃに混ざってしまっているのがいけないのです。リア様、少し整理して考えた方がよろしいのではないかしら。リア様は、愛するアリア様を失ってしまって、寂しくて辛いのですよね?」

「こんな状況なのに、黙っていられねぇのかリディス」

 ジルベルト様に咎められたが、こんな状況だから話すのだ。私のできることは、それしかないのだから。

「そうですね、リディスさん。今の俺は、半身がもぎ取られたように、空虚です」

「同族の方々もいなくなってしまって、森の中で孤独に、王への恨みを募らせていたあなたの前に、偶然にも天使のような私が現れました。私は天使である上に人間で、あなたの子供を産むことができる。さらに言えばジルベルト様に愛されていて、私を汚すことがアリア様の復讐にもなる、ということですのね。私がジルベルト様に助けを求めて泣きじゃくる様子を、見せつけたい、と」

「間違ってはいませんよ」

「リア様、ここに大きな思い違いがありましてよ。私はあなたが怖くはありませんし、リア様の孤独を満たすことができるのは、海より深い聖母のような、私の愛情だけですわ。私が愛してさしあげます。だから、存分に好きになさってくれて構いませんわ」

 優しく微笑んで私は言った。
 リアは驚いたように、まじまじと私を見つめる。

「馬鹿か、いや、馬鹿なのは知っていたんだが、何を言ってるんだ、リディス」

「ジルベルト様は、他の方に襲われている私が好きだという変わった性癖をお持ちだと、先程おっしゃっていましたから、むしろこの状況で興奮されるのではないかと」

「するわけねぇだろ!」

「ともかく、リア様に抱かれたぐらいでは、私は傷つきませんわ。私に触れたが最後、私の大いなる愛情と儚く美しい色香に夢中になるのはリア様の方です。復讐心が消え去れば、万事解決ですわね。さぁ、リア様、どうぞその仄暗い欲望を満たしてくださいまし。縛ったり見せつけたりするのがお好きなのですね。私受け入れてさしあげましてよ」

「リディス、この、馬鹿女!」

 それはもう大きな声で、ジルベルト様が怒鳴った。
 怒鳴らなくても聞こえるし、ジルベルト様にとっては私は馬鹿女であることは知っているので、あらためて言わなくても良い。

「っふ、ふふ、あー、面白い。ジルベルトがこれ程手を焼いて、困っているところははじめて見ました。なんだか、君からリディスさんを取り上げるのは、可哀想な気がしてきましたね」

 リアが楽しげに笑っている。
 なんだか、先程までの緊迫していた雰囲気も和らいでいる気がした。

「君は本当に良い人ですね、リディスさん。ジルベルトと俺が殺しあわないように、してくれたんですね」

「違いますわ。リア様の孤独と憎しみが癒されて、ジルベルト様との関係が良好になるのなら、私の身をあなたに捧げる価値があると考えましたのよ。アリア様の残してくださった、たった一人の家族であるジルベルト様と、リア様は争うべきではありませんわ」

「そうですか。……それは、ありがとうございます」

 私の腕から、蔦がするすると解かれ消えていった。
 動けるようになった私は、体を起こすと乱れた裾を直した。ジルベルト様がそれはもう怒っていますという顔で私を見ている。視線だけでどうこうなる私ではないが、私としては珍しく、正直ちょっと怖い。
 私も人間なので、そう感じるときもある。

「姉さんを失った過去が変わるわけではありませんが、城に戻ったら面白いものが見られるということが、よく分かりました」

「……どういうつもりだ、リア」

「可愛い甥御の遅い初恋を、にやにやしながら眺めるのもそう悪くないかな、と」

「やめろ、お前は別に戻って来なくて良い。面倒臭いのが一人増えるだけだ」

「嫌ですよ。リディスさんは、俺の事も愛してくれると約束してくれたので、城でお行儀よく順番を待ちますよ。俺は処女を奪うのが好きなんですけど、ジルベルトに譲ってあげるので、感謝してくださいね」

「感謝してたまるか、今の話はどういうことだ……、リディス、お前この根暗狼に何か言ったのか?」

 私は視線を逸らす。
 何か言ったかと言えば色々言った気がするけれど、火に油を注ぐことになりそうなので黙っていた方が賢いと判断した。

「……まぁ、良い。話は後だ。帰るぞ、リディス」

「私、色々あって疲れておりますの。抱き上げてくださいまし」

 長い間腕を拘束されていたので、体が痛い気がした。
 両手を伸ばしてせがんでみると、ジルベルト様は深い溜息をついた後に、私を抱き上げた。
 素直なのは良い事だ。

「リディスさん、身支度を整えたら、俺も城に戻ります。また、会いましょう」

「はい、リア様。お世話になりましたわ」

 挨拶は大切な礼儀なので、私は抱き上げられた姿勢でせめてもと思い、優雅に手を振って見せた。

「お前、酷い目にあった自覚がねぇのか、根暗狼にまで愛想を振りまかなくて良い」

「あら、あらあら、ジルベルト様、嫉妬、嫉妬ですのね。お可愛らしいですわ」

 私は嬉しくなって、ジルベルト様の深い赤色の髪を、ぐいぐいと引っ張った。
 ジルベルト様はそれはもう嫌そうな顔をした後、「そうだよ」と小さな声で言った。



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