悪役令嬢、お城の雑用係として懲罰中~一夜の過ちのせいで仮面の騎士団長様に溺愛されるなんて想定外です~

束原ミヤコ

文字の大きさ
上 下
73 / 74

あなたと共に

しおりを挟む


 じゅ、じゅ、と、強弱をつけながら花芯を吸われて、ルティエラの足先がぴんと張った。
 腰が浮いて、レオンハルトの口に恥骨を押し付けるようになってしまう。

 恥ずかしいのに、止まらない。強すぎる刺激に、頭がぼんやりと濁った。

「あ、ああっ、れおさま、きもちいの……っ、吸うの、きもちい、ひぅ、あああっ」
「気持ちいいな、ティエ。きちんと言えて、いい子だ」
「ぅん……っ、いいこ、嬉しい……あ、ああっ、私、いってしまいます、すぐ、あ、あああ……っ!」

 舌先で器用に薄皮を剥いて、中の小さな赤い宝石をちろちとと舐る。
 長い指先が濡れた蜜口へとつぷりと入り込んで、浅い場所をぐちゅぐちゅと撫でた。

 プシュっと潮を噴きながら達するルティエラの中から指を引き抜いて、レオンハルトは張り詰めた自分のそれを蜜口に押し当てる。
 かつてはもっと時間をかけて、ルティエラが泣きじゃくるまで快楽を一方的に与えることが多かった。
 性急さに、彼の余裕のなさを感じる。それだけ求められていることが嬉しい。

「ティエ、悪いが、もう」
「大丈夫です、レオ様……レオ様も、一緒に気持ちよくなって欲し……っ、ぁ、ひ、ぁあああっ」

 剛直が一気に、体の奥を貫く。
 言葉は甘い悲鳴に変わり、ルティエラは大きく背中を反らせた。
 レオンハルトはルティエラの細い腰を抱き、切なげな息を吐く。
 触れるだけの口づけを何度か繰り返し、それから舌を絡めた。

「ん、ん、んぅぅ……っ」

 両足を抱えられて、腰を抱かれて、最奥までをゆっくりと穿たれる。
 入り口まで引き抜かれて、奥を撫でるようにしてとちゅりと亀頭が子宮口へと当たった。

 達したばかりで震える膣壁を押し開き、擦りあげて、抽送は次第に早く激しくなっていく。
 
 長い口づけと、奥を押し上げられる快楽に、ルティエラはぽろぽろ涙をこぼした。
 レオンハルトの広く逞しい背中に手を回す。
 ぎゅっと抱きしめて、それから、息苦しさに服を引っ張った。

「……ずっと、こうしたかった。駄目だな。もっと丁寧にゆっくり優しくと、思っていたのに。会えない日々の思い出を語り、君を労って……だが、君を前にすると、理性も余裕も、無くしてしまう」

 唇が離れて、包み込むように体を抱きしめられる。
 レオンハルトの声が直接、体に響いているようだった。
 揺さぶられるたびに脳髄が焼け付くように気持ちがよく、その言葉も理解できないぐらいに、心も体もとろけてしまいそうになる。

 できれば全部覚えていたい。与えられるものは全て、忘れたくない。
 なけなしの理性を繋ぎ止めて、ルティエラは唇を開いた。

「レオ様はいつも、余裕で、私は、おかしくなって、ばかりで」
「俺も同じだ。君といると、おかしくなる。君が欲しくて、愛しくて、可愛くて」
「嬉しいです、レオ様……」
「怖くはないか?」
「怖くない、です……私、怖くない、あなたが大好き……っ、ひ、ぅ、あ、あ、ああ……っ」
 
 さらに激しく、どちゅりと最奥を穿たれて、ルティエラは悲鳴じみた嬌声をあげた。
 なけなしの理性は崩れてしまい、もう何も考えられない。
 気持ちよくて、愛しくて。
 寂しさも、心細さも消えてしまって、レオンハルトの熱でいっぱいになる。

「れおさま、はげし……っ、おく、きもちい、いいの、いい、好き……っ」
「俺も、愛している、ティエ」
「大好き、です……レオ様、ずっと、一緒にいてください、私、レオ様とずっと……」

 蕩ける理性が、感情を剥き出しにさせてしまう。
 いつもは理性で抑えつけている本音が、口をついて出てしまう。
 レオンハルトは嬉しそうに目を細める。
 今はもう隠されていない瞳には、ルティエラだけに向けられる熱がある。

 それはルティエラの信じている、美しいものだ。
 愛情とは、これほど深く美しく、愛しい。

「ずっと一緒だ、ティエ。君を離したりしない。君が俺から離れることも、許さない。ティエ、愛している」
「レオ様……っ、あっ、あ、ああ、ぃく、いきます、レオ様、お願い、一緒に……っ」
「あぁ。ティエ、ティエ……」

 名前を呼ばれて、愛していると囁かれることが。
 痛いくらいにキツく抱きしめられることが。全てが愛しくて、切ない。

 最奥に熱いものが注がれるのを感じながら、ルティエラは深く激しい絶頂を迎えた。
 言葉にならない声をあげて、はくはくと息をついて。
 レオンハルトの服を、力の入らない指先でぎゅっと掴む。

「愛している、ティエ。ユースティスの聖母、か。よい名だ。俺の子を産み、この家の母になってくれるか?」
「レオ様、赤ちゃん、欲しいです、私……あなたの子を、産みたい」
「では、孕むまでずっと、こうしていよう。夜明けまではまだ、遠い」

 レオンハルトはゆるゆると腰を動かしはじめる。
 ルティエラの中にある彼はまだ逞しく、熱くて硬い。
 その熱が、再びルティエラを快楽で染めていく。

「ティエ、可愛い俺のティエ。もっと気持ちよくなろう、一緒に」
「れおさま、れおさま……っ」
「はは……またイッたな。可愛い。愛している。俺には君だけだ、ティエ」
 
 逃げようとする腰を掴まれて、最奥を再び穿たれる。
 精液がかき混ぜられて泡立ち、ぐちゅぐちゅと大きなはしたない水音をあげた。 
 太腿を液体が流れ落ちて、シーツがぐっしょりと濡れるのがわかる。

 それさえも、快楽を煽った。
 羞恥も罪悪感も消えてしまって、多幸感に満たされる。
 気持ちいい。幸せ。好き。
 ルティエラは小さく泣き声を上げながら、助けを求めるようにレオンハルトに手を伸ばした。
 

しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。

海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。 ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。 「案外、本当に君以外いないかも」 「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」 「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」 そのドクターの甘さは手加減を知らない。 【登場人物】 末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。   恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる? 田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い? 【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた

狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた 当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

処理中です...