23 / 31
吸血伯ルカ・ゼスティア 1
しおりを挟む結局いつものように、食事は城の食堂でとることにした。
小麦粉とバターと砂糖を買って、ついでにお店の店頭にあったマフィンもいくつか買って帰ってきた私たちは、まずは昼食を食べようということになり、鈴音は木の実が沢山は入ったものを、私はベリーが沢山入ったものをひとつづつ食べた。
それはかつて晩餐会で食べたものより甘さがかなり抑えられていて、果物の甘酸っぱさをしっかり感じることがでるものだった。苦手意識があった私でも、最後まで苦痛に感じることなく食べることができた。
食事をとりながら先程の女性についてを尋ねてみると、鈴音は「あれはエミリア・エンリケ様。ハワード・エンリケ様……ワーテルの街の首長の一人娘です。ルカ様の前では借りてきた猫のように大人しいですし、直接言葉を交わしたのは今回が初めてですね」と言っていた。
エミリア・エンリケ二十歳。今まではルカ様が必要があって首長の家を訪れるときは、ハワード様の後ろに控えるように静かにしていたらしい。
あのような言動をする人だとは知らなかったと、鈴音は言った。
「私の住む難民街では東国人の方が数が多くて、市場や大通りの商店街では差別的な言葉をきいたことはありません。でも、エミリア様のように思っている人も少なくないのだと思います。戦争は終わったばかりですからね」
そう寂しそうに鈴音が言う。
「それでも、マリィ様に守っていただいて鈴は幸せです。全ての人に好かれようなんて思いませんし、全ての人が私を好きな世界とか気持ち悪いじゃないですか。私の家族と、ルカ様と、マリィ様。もう十分です。だから、エミリア様の事なんてもう忘れました」
私もそうだと頷くと、鈴音は「それじゃあ元気になったところで、焼き菓子を作りましょうか!」といつもの調子で言った。
ルカ様と楼蘭が王都から帰ってきたのは、夕食の片づけが終わった後の事だった。
作りたての一口大の焼き菓子はひとつふたつ抓んだけれど、昼食にマフィンを食べてしまったのであまり食べる気にはならず、作り過ぎた分は鈴音の子供へのお土産に袋に入れて包んだ。
鈴音は私をひとりで残せないと言って、帰らずに城に一緒に居てくれた。自宅に残しているという鈴音の子供が心配だったけれど、「あの子は私よりも私の母に懐いてるぐらいなんですよ。今日一日ぐらいは大丈夫です」と言っていた。
入浴と着替えをすませてしまおうというので、二階にあがろうとしている最中、玄関の扉が開いたのである。
本当に今日中に帰ってきたことに驚いて正面玄関まで迎えに行くと、ルカ様は私を抱き上げてくれた。
「マリィ、会いたかった! マリィのいない一日は寂しくて辛くてまるで地獄のようだったよ!」
嬉しそうな笑顔を浮かべて、ルカ様は言う。
「ルカ様、お帰りなさい」
朝と変わらない様子のルカ様に内心安堵した。
ルカ様が王妃様の葬儀でメルヴィル様やクラーラに会っていたら、クラーラに何かを言われていたらと思うと、不安だった。
メルヴィル様も見栄えの良い方だったけれど、ルカ様の色合いは王国の者としては珍しい。黒い髪は東国の方々のようだけれど、顔立ちは王国の民のものだ。赤い瞳をもつものは少なく、希少な宝石のようだ。
私の貰いてとなってくださったルカ様が吸血伯という噂とは違い、容姿に優れた優しい方だと知ったら――きっとクラーラは私から奪おうとするだろう。
「マリィ、変わりは無かった? 大丈夫だった?」
「私は大丈夫でした。ルカ様の方は、……王都では何か問題はありませんでした?」
「特にはないよ。ルネスと話して、マリィとの挙式が一週間後に決まったよ。祭壇の準備も間に合いそうだ。あとは、招待状を送って、マリィのドレスを作ろう。祝いの手配を整えれば、あとは一週間後を待つだけだよ。これでマリィと俺は正式な家族になれるね!」
「王妃様が亡くなったばかりなのに、良いのですか……?」
抱き上げられていた私は、床に降ろされると今度はぎゅうぎゅうと抱きしめられた。
体の大きなルカ様にすっぽり抱き込まれながら、私は疑問を口にした。
「ルネスの即位も行う必要があるし、いつまでも喪に服しているわけにはいかないからね。目立つ祝い事は多ければ多いほど良いそうだよ」
「そうですか……、ルネス様はいらっしゃるのですか?」
「駄目だよ、マリィ。ルネスは独身だけれど、マリィは俺の奥さんになるんだからね? まさか、ルネスの方が顔が好み、とか。ルネスの方が若いし……、どうしよう、負ける未来しか予想できない」
私が着になったこととは違う心配をルカ様がし始めるので、私はルカ様の服を引っ張った。
「違います、ルカ様。顔の好みで言えば、私はルカ様が好きです」
「マリィ……!」
ルカ様は感動したように私の名前を呼んで、更にきつく抱きしめてくる。
ルカ様の顔が好きだというのは事実だし、安堵してくれたのなら良かった。ルネス様の顔は、一度遠目でお会いしただけなので、よく思い出せない。美しい方だったという記憶はあるけれど。
「ルネス様は、私に会いたくないだろうと思って」
「それはこちらの台詞だよ、マリィ。本当は俺はマリィをルネスなんかに会わせたくない。可憐なマリィをルネスなんかに見せるのは勿体ない。マリィが減ってしまう」
「ルカ様、人に見られても私は減りません」
「いや、減る。俺が見る分が減る」
「……じゃあ、ルカ様の分が減らないように、どうぞお好きなだけ、沢山見てください」
いったいこれは何の話だろう。
あまりの内容のなさになんだか気が抜けてしまって、私は少し笑った。
「良いの? 四六時中いろんな角度から見ても怒らない?」
「怒ったりはしませんよ。お好きになさってください」
「じゃあ今日はもう何もせずにマリィを眺めていよう。可憐なマリィを見ていると、中央の貴族たちを沢山見てしまったせいで荒んだ心が癒されていくようだね」
「ルカ様は、社交の場に出るのがお嫌いでしたでしょう。王都までの往復でお疲れでしょう? ゆっくり休んでくださいね」
「うん、ありがとう。……楼蘭も、鈴音も今日は遅くまでありがとう。下がって良いよ」
ルカ様に言われて、楼蘭と鈴音は立礼をすると城から出ていった。
ワーテルの街の難民街にあるという自宅へと帰るのだろう。「おやすみなさい」と私が言うと、二人とも優しく微笑んで「おやすみなさいませ、マリィ様」とかえしてくれた。
夕食は適当にすませてきたとルカ様は言った。
先に入浴をして良いといわれたので、お風呂をすませて白い頭からかぶるだけの寝衣に着替える。
ベッドに横になって天蓋に泳ぐ魚をぼんやりと見つめていると、私の隣に滑り込んできたルカ様が私の体を抱き込んだ。
「今日はひとりにして、悪かったね。心細くはなかった?」
「大丈夫です。鈴が一緒にいてくれましたから」
「鈴音がいても、俺がいなくて心細かったと言ってくれると嬉しいんだけれど……」
残念そうにルカ様が言う。
「……ごめんなさい、私……、素直じゃないですね。ルカ様がいなくて、不安でした。……心配も、していました」
ルカ様が求めていた言葉を察することができなくて申し訳なく思い、私は眉を寄せる。
メルヴィル様に素直に助けを求めなかったのは、私は大丈夫だと、どんな苦境もひとりで乗り越えることができると――強がってしまったからだ。
今なら分かる。
お母様が亡くなった時に現われたお父様に、子供らしく泣きじゃくって縋って、悲しいと言っていれば、あそこまで酷い扱いを受けなかったのかもしれない。
激しい怒りと憎悪と自尊心と矜持。それが私から、素直さを奪った。
お父様たちに阿ることを考えると嫌悪感が心を満たすけれど、ルカ様にまで意地を張る必要はないだろう。素直に気持ちを伝えることで何かが変わるのなら、意地を張り続けて失ってしまうよりはずっと良い。
「……話はしなかったけど、メルヴィルにも会ったよ。随分と印象が変わっていたね」
「そうですか……」
「それから、マリィの義理の妹。……クラーラと言ったかな。仲睦まじそうにしていたよ。ルネスと話をしていたら二人が来たから、さっさと逃げてきた。心配しなくても大丈夫。何も、言われていないよ。それにあれに比べたら、俺のマリィの方が数百倍可愛い。比べるのはマリィに失礼だというぐらいに、マリィの方が愛らしい。マリィが湖の妖精だとしたら、あれは……なんていうのかな、石の裏にこびりついている苔のようなものだね。……苔に失礼か」
「ありがとうございます。お世辞だとしても、嬉しいです」
「お世辞じゃないんだけどな。……さぁ、マリィ。今日はそろそろ休もう。……明日は久々にちゃんと仕事をしないといけないからね。挙式の準備というのは中々大変らしい。書類関係の仕事は苦手なんだけど、マリィの作ってくれた焼き菓子があるから、頑張れそうだよ」
「……美味しいかどうかはわかりませんよ?」
「マリィの作った料理ならなんでも美味しいから問題ない」
ルカ様は私の背中をゆっくりと撫でてくれる。
目を伏せると、髪に口付けられるのが分かった。
「……ルカ様。……もしよければ、昔話の続きをしてくれませんか?」
もう少しだけ声を聴いていたい。
大丈夫だと自分に言い聞かせても、やはり心には鋭い刃物で切り付けられたような傷が残っている。エミリアに嘲られて、私はそれを思い出してしまった。
ルカ様や鈴音を貶められた時に感じた激しい怒りが通り過ぎてしまえば、弱く無力な私が残る。だから無性に、甘えたくなってしまった。
「ん。良いよ。……じゃあ話をしようか。……返事はいらない、眠ってしまって良いからね」
長く武骨な指が髪を撫でた。
私は体の力を抜いた。ぱたりとベッドに落ちた手に、じゃれるように手のひらが絡みついた。
「――長らく続いた戦乱に決着がつかなかったのは、黒い棺の国の方が、隣国よりも発展していたからでした。隣国は切り立った山の多い地形で、大軍を送り込むのも困難だったということもあります。やがて武器は弓から銃となりました。馬止めの柵に足をとられている間に、銃撃の雨が降る。――勝てる見込みなどある筈がありません。それでも、隣国は侵略をやめようとはしなかった」
東国では沢山の人が命を落としたのだろう。
戦争には多額の資金が必要だ。武器を買い、軍を維持するだけでもかなりの費用がかかる。
その分のお金を自国の民のために使えば良いのに。
多くの領土を求めずに、今あるものだけを大切にしていたら、血が流れずにすんだのに。
「隣国は考えました。力推しが無理なのなら、内側から――壊してしまおうと。隣国には魔女と呼ばれる不思議な力を持った女が産まれる事がありました。彼女たちの力は様々でしたが、皆良い魔女でした。彼女たちは、人を助けるために力を使っていました。隣国の王は魔女たちに命じました。黒い棺の国の人々の中に紛れ込み、内側から崩壊させろ、と」
鈴音は、自分を魔女だと言った。
人見の力がある、と。それは人の真実を見抜くだけの力だという。嘘か本当かを判別するだけのもの。
鈴音も王からそれを命じられたのだろうか。だから、東国から逃げてきたのだろうか。
「魔女たちはそれを拒みました。—―王の命令には従わなかったのです。彼女たちは投獄されて、実験に使われました。そうして出来上がったのが、魔女とは名ばかりの、偽物の魔女だったのです」
偽物の、魔女。
鈴音は、最近は魔女という呼び名の意味合いが変わったと言っていなかっただろうか。
それは戦争のために作られた、魔女だから?
私はルカ様に尋ねようとした。けれど「さぁ、おやすみ」とあまりにも優しい声でルカ様が囁くから、髪を撫でる手が心地よくて、私は深い眠りへと落ちていった。
5
お気に入りに追加
490
あなたにおすすめの小説
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

忘却令嬢〜そう言われましても記憶にございません〜【完】
雪乃
恋愛
ほんの一瞬、躊躇ってしまった手。
誰よりも愛していた彼女なのに傷付けてしまった。
ずっと傷付けていると理解っていたのに、振り払ってしまった。
彼女は深い碧色に絶望を映しながら微笑んだ。
※読んでくださりありがとうございます。
ゆるふわ設定です。タグをころころ変えてます。何でも許せる方向け。

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです
きぬがやあきら
恋愛
「聖女になれなかったなりそこない。こんなところまで追って来るとはな。そんなに俺を忘れられないなら、一度くらい抱いてやろうか?」
5歳のオリヴィエは、神殿で出会ったアルディアの皇太子、ルーカスと恋に落ちた。アルディア王国では、皇太子が代々聖女を妻に迎える慣わしだ。しかし、13歳の選別式を迎えたオリヴィエは、聖女を落選してしまった。
その上盲目の知恵者オルガノに、若くして命を落とすと予言されたオリヴィエは、せめてルーカスの傍にいたいと、ルーカスが団長を務める聖騎士への道へと足を踏み入れる。しかし、やっとの思いで再開したルーカスは、昔の約束を忘れてしまったのではと錯覚するほど冷たい対応で――?
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。アメリアは真実を確かめるため、3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話

忘れられた幼な妻は泣くことを止めました
帆々
恋愛
アリスは十五歳。王国で高家と呼ばれるう高貴な家の姫だった。しかし、家は貧しく日々の暮らしにも困窮していた。
そんな時、アリスの父に非常に有利な融資をする人物が現れた。その代理人のフーは巧みに父を騙して、莫大な借金を負わせてしまう。
もちろん返済する目処もない。
「アリス姫と我が主人との婚姻で借財を帳消しにしましょう」
フーの言葉に父は頷いた。アリスもそれを責められなかった。家を守るのは父の責務だと信じたから。
嫁いだドリトルン家は悪徳金貸しとして有名で、アリスは邸の厳しいルールに従うことになる。フーは彼女を監視し自由を許さない。そんな中、夫の愛人が邸に迎え入れることを知る。彼女は庭の隅の離れ住まいを強いられているのに。アリスは嘆き悲しむが、フーに強く諌められてうなだれて受け入れた。
「ご実家への援助はご心配なく。ここでの悪くないお暮らしも保証しましょう」
そういう経緯を仲良しのはとこに打ち明けた。晩餐に招かれ、久しぶりに心の落ち着く時間を過ごした。その席にははとこ夫妻の友人のロエルもいて、彼女に彼の掘った珍しい鉱石を見せてくれた。しかし迎えに現れたフーが、和やかな夜をぶち壊してしまう。彼女を庇うはとこを咎め、フーの無礼を責めたロエルにまで痛烈な侮蔑を吐き捨てた。
厳しい婚家のルールに縛られ、アリスは外出もままならない。
それから五年の月日が流れ、ひょんなことからロエルに再会することになった。金髪の端正な紳士の彼は、彼女に問いかけた。
「お幸せですか?」
アリスはそれに答えられずにそのまま別れた。しかし、その言葉が彼の優しかった印象と共に尾を引いて、彼女の中に残っていく_______。
世間知らずの高貴な姫とやや強引な公爵家の子息のじれじれなラブストーリーです。
古風な恋愛物語をお好きな方にお読みいただけますと幸いです。
ハッピーエンドを心がけております。読後感のいい物語を努めます。
※小説家になろう様にも投稿させていただいております。

悪役令嬢の涙
拓海のり
恋愛
公爵令嬢グレイスは婚約者である王太子エドマンドに卒業パーティで婚約破棄される。王子の側には、癒しの魔法を使え聖女ではないかと噂される子爵家に引き取られたメアリ―がいた。13000字の短編です。他サイトにも投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる