虐げられた公爵令嬢は辺境の吸血伯に溺愛される

束原ミヤコ

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 中庭のテラスには白いクロスのかけられたテーブルに、お菓子と紅茶が用意されている。
 お母様が亡くなる前は時々侍女が私の為にお茶を準備してくれていた。
 館に籠り切りというのはあまりよくないと、気を使ってくれての事だった。
 あの侍女は、元気なのかしら。
 お母様が亡くなってからもう、五年。五年前にはもう四十の坂を越えている年齢にみえたから、どこかでゆっくりと余生を過ごしているかもしれない。
 私のお爺様や、お母様は早世してしまったけれど、ローゼクロス王国民の寿命は今は六十歳前後である。
 昔は流行り病で亡くなる方も多く、四十まで生きることができたらお祝いを開くくらいだったようだけれど、今は水路の整備や遺体のきちんとした埋葬、それから医薬品の開発によって寿命は少しづつ伸びているらしい。
 歴史だけはお爺様の本を読めば書いてあるので、少しは知っている。
 だからきっと、私に優しかったあの侍女も、まだ元気にどこかで暮らしている筈だ。そう、思いたい。

「メルヴィル様、お座りになって! 今日は王都で流行っている焼き菓子を用意したのですよ。カリカリに焼いた薄いアーモンドをキャラメルでくるんでいるもので、とても美味しいんです。紅茶はスカラッド産の一番高級なもので……、あら私ったら、ごめんなさい。私ばかり話してしまって!」

 弾むような声で、クラーラが言う。

「いや、別に構わない。……マリスフルーレ、賑やかな妹君だね。俺の兄上は物静かな方だから、少し羨ましい」

「そうですか……」

 メルヴィル様はどこか遠いところを見る様な目をして言った。
 どこまで本気で言っているのか分からずに、私は戸惑う。
 もしかしたらメルヴィル様は私の状況を知らないのかもしれない。王家の方の耳にまで、公爵家の醜聞は入らないだろう。きっと。
 それに私の置かれている環境なんて、知る人はきっとどこにもいない。
 皆の前でクラーラが堂々と言っていたように、世間的には私はお母様が亡くなってずっと沈んでいて、外に出たがらないだけだと思われているのかもしれない。
 アラクネアやクラーラやお父様が、私について正直に話すとはとても思えない。
 だからきっと、そうなのだろう。
 それについて私はメルヴィル様に直訴して助けを求めて良いのかどうか、まだ決めかねている。
 私とメルヴィル様とクラーラは、三人で席についた。
 中庭の椅子に座るのは随分久しぶりだ。もっと幼い頃、お母様と少ない使用人と一緒に暮らしていた時は、こんなことになるなんて思いもしなかった。
 細々と慎ましやかに、穏やかに生きていけると思っていた。
 年頃になればミュンデロット家を継いでくださる誰かと結婚をするのだろうし、そうしたらお父様の事で心が惑わずにすむと思っていた。
 それなのに今は、私の物を全て奪おうとする義理の妹と、第二王子のメルヴィル様と一緒にお茶会をしている。
 メルヴィル様は率先して私に話しかけてくれて優しいけれど、私の心はいまだどんよりと曇り続けていて、晴れる事はなかった。

「君の母、ラスティナ・ミュンデロットはそれはそれは可憐な方だったそうだ。俺の母が時々話をしてくれる。亡くなってしまい残念だと。ミュンデロット家の唯一残った血筋であるマリスフルーレを大切にし、幸せにするように何度も言われた」

 メルヴィル様が真っ直ぐに私を見て、お母様の事を話してくれる。
 口調は優しいけれど、随分と不躾な印象があった。
 心の中の柔らかい部分を、鋭利な刃物で切り割かれるような不快感を感じる。
 お母様の事も私の事も、ミュンデロット家がどんな状況かも知らないのに、不用意にその話題にふれてほしくない。
 まして、クラーラの前で話すような事じゃない。

「メルヴィル様、お可哀想……、王妃様の命令で、お姉様と婚約なさるのですね? 心に決めた方がいたかもしれないのに……」

 クラーラが口元を両手で押さえて、悲し気に言った。
 私は目を伏せ、紅茶の注がれたカップを見つめる。とても、居心地が悪い。

「そういった者はいないから問題はない。それに、拒むこともできたが俺がそれを望んだ。マリスフルーレを幸せにしたいと思っている」

 真剣な表情でメルヴィル様がそう言って、私の手を握ってくださる。
 どうして良いのか分からなかった。
 メルヴィル様の気持ちは嬉しい。孤独の中から私を救い上げてくれようとする真摯な思いも感じることができる。
 それでもどこか、素直に受け止められない自分がいる。
 心の底から嬉しいと思えない。私の血にはローレンお父様の血が半分流れている。お母様が死んでしまったのは、お父様のせい。そして、私のせい。
 私は幸せにはなってはいけないし、きっとなることもできないだろう。
 心のどこかにぽっかりと穴が開いてしまったかのように、諦めと諦観が支配している。
 それにメルヴィル様は私に優しいけれど、クラーラにも優しい。
 あの日私を守ってくれたことからも分かるように、女性に優しい方なのだろう。
 だから私にも、優しくしてくれる。
 それはきっと、憐れみと同情からだ。

「なんてお優しいの! お姉様は幸せですね。私はお姉様が羨ましい。私もメルヴィル様のような方と結婚したいです!」

「クラーラ、君は可憐だからきっと良縁に恵まれるだろう。心配することはない」

「そんなことはありません……、私はまだ、婚約者も居なくて……、メルヴィル様、ありがとうございます」

 クラーラは恥じらうように頬を染める。
 私は伏せていた目をあげることはなかったし、何かを積極的に話すこともなかった。
 話す話題もみつからなかったし、クラーラが息つく間もなく話すので、私の出る幕などはなかった。

 メルヴィル様が帰り自分の部屋に戻った私は、違和感に気づいた。
 誰かが私の屋根裏部屋に入った形跡がある。
 私の物なんて何一つないので盗むものもないけれど、お爺様の蔵書だけには触れられたくない。
 急いで書架のある塔への扉を開くと、中にあった沢山の本が持ち出されていた。
 持ち出すためにはかなりの時間がかかる筈だ。私がメルヴィル様とクラーラと過ごした数時間で運び出せる量じゃない。
 嫌な予感がして、屋根裏部屋の窓から外を覗き込む。
 そこには沢山の本が投げ捨てられて山のようになっていた。
 いくつかの山には火がつけられ、煙があがっている。
 私はずるずると床に座り込んで膝のを抱えて顔を伏せた。涙が目尻に溜まるのが分かる。
 懸命に口の端を笑みの形に吊り上げる。

「馬鹿ね……、売れば、少しは借財の足しになったかもしれないのに……」

 それだけ呟くのが精一杯だった。
 アラクネアはともかく、お父様には本の価値は分かる筈だ。
 それでも私を傷つけることを優先したのだろう。お父様はアラクネアの言いなりの、傀儡のようなもの。
 とうとう、ミュンデロット家からはお母様の痕跡も、お爺様の痕跡も何もかもが消えてしまった。
 私は舵を失った寄る辺のない小舟のように不安定で、心にあったお爺様やお母様に恥じない自分でありたいという小さな明かりを灯した蝋燭さえ、ぽっきりと折られてしまったように感じられた。

 それからの日々はあっと言う間だった。
 時折メルヴィル様は私のもとを訪れてくれたけれど、私よりもクラーラと過ごす時間の方が多かったように思う。
 クラーラに何を吹き込まれているのかは分からないけれど、私に向ける眼差しが愛情に満ちた優しいものから、道端ですれ違う他人を見るような冷たいものへと変わっていった。
 もっと私がメルヴィル様に対して積極的だったら何か変わっていたかもしれない。
 けれど、私は自分のことで精一杯で、自分の状況を改善しようと誰かに訴えることができなかった。
 一度だけメルヴィル様に言っただろうか。

「何故マリスフルーレは、いつも黒い服ばかり着ているんだ? なくなった母親の喪に服すのは理解できるが、俺と会う時までその色を選ぶことはないだろう?」

 確かにメルヴィル様にそう思われてもおかしくないと思う。
 メルヴィル様が来訪する日は、私は使用人たちに無理やり衣装部屋へと連れて行かれ、髪と服を整えられていた。
 使用人たちが私に着せるのは、飾りの少ない黒いドレスばかりだ。髪も、髪飾りすらつけずにきつく結われてしまい、まるで葬儀のための衣服だった。

「……私には、選ぶ権利がないのです。私のものは、何一つここには残っていませんから」

「それはどういうことだ、マリスフルーレ? 君はミュンデロット家の後継者だろう。選ぶ権利がないとは……」

「私は、屋根裏部屋で暮らしているのです」

 言うべきだろうと感じた。
 隠し事をしているから、メルヴィル様との距離がひらいてしまう。
 全てを上手く隠すほどに私は器用ではなくて、嘘をつけばつくほどに、喉の奥に何かがつっかえているように言葉が出なくなってしまう。
 メルヴィル様は一瞬戸惑った表情を浮かべた。意味が理解できなかったのだろう。

「屋根裏部屋、とは……」

「嫌だわ、お姉様! またお姉様のお得意の作り話をしているのですね!」

 そこにすかさずクラーラの声が響いた。
 クラーラがいると落ち着いて話ができないからと、その日はクラーラはいつもの中庭のお茶会からの退室を促されていた。
 それでも諦めきれずに、側で私たちを見張っていたのだろう。

「だからメルヴィル様と二人きりにするのは不安だったのです! お姉様は部屋に篭って本ばかり読んでいるから、夢みがちなんですよ。それに、お母様を亡くしてしまったせいか、現実と夢の境が曖昧で、こうして時々作り話をしては皆を惑わせるのです!」

「……それは、違うわ」

「違いません。この間なんて、私たちがお姉様の本を裏庭で燃やしたと言うのですよ! 本は貴重品ですから、燃やしたりなんて勿体無いことはしないのに。ね、メルヴィル様?」

「……マリスフルーレ。俺を、揶揄っているのか?」

 メルヴィル様の声からは不信感が滲んでいた。
 あぁ、駄目ね。
 ここで泣いて違うと言って真実を訴えても、クラーラによって煙に巻かれるだけだろう。
 私は首をふったけれど、それ以上のことはできず、言葉も出てこなかった。
 昔は、もっと強かった筈なのに。
 どんな状況でも強くあろうとしていたのに、なんだか疲れてしまい、頑張ることができなくなってしまった。

 隣国の東国との大規模な戦闘が、国境付近であったのは私がメルヴィル様と婚約してから一年と少しした後のことだった。
 私はもうすぐ十八歳。もう大人に近い年齢なのに相変わらずの日々を過ごしていて、切ることのできない髪はさらに長くなって膝の辺りまで届いて邪魔だった。
 メルヴィル様との結婚が決まったのは、国王であるディーア様がお亡くなりになったからだった。
 国境の戦闘に軍を率いて参加されていた国王様は、流れ矢に当たってしまったらしい。
 その傷から毒が周り、長らく伏せっていたけれど回復はなさらなかったそうだ。
 王妃ロゼッタ様は国王を亡くされた悲しみから体調を崩されてしまい、王位に第一王子のルネス様がつくことになった。
 メルヴィル様がミュンデロット家に婿入りするのは、王位継承を巡っての派閥争いが起こるのを避けるためである。
 東国との戦争と和睦、その後の片付けで忙しかったのだろう、メルヴィル様とは随分と会っていなかった。
 正式に結婚したら、何か変わるだろうか。
 お父様からの連絡を受けた後、私はベッドで膝を抱えて座りながら、ぼんやりと考えていた。
 手入れをしていない私の手は、夜の洗濯や掃除のせいで肌荒れがひどい。髪は長いだけで艶もなく、着る服もないので、洗って着古したクラーラのお下がりを身に纏っている。本当に天井裏に住み着いた鼠そのものだ。
 こんな私が、結婚をする。
 なんだか、現実味に乏しかった。
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