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贈り物とラブレター 2
しおりを挟む私はゼフィラス様からいただいた髪飾りをつけて、学園に向かった。
教室に入るとすぐに、ミランダ様がやってきて「聞きましたわよ」と意味ありげな笑みを浮かべた。
「リーシャ、ゼフィラス様と婚約したそうですのね」
皆に聞かれないようにか、ミランダ様は耳元でコソコソ言った。
「えっ、どうして知っているのですか?」
「私を誰だとお思いですの? 三大公爵家とは王家に最も近しい家。おまけに私の婚約者は騎士団長をしておりましてよ。もとより、ゼスがゼフィラス様だとは知っておりましたわ。殿下の思い人があなたであることも」
「ミランダ様、教えてくれてもよかったのに」
「教えたところで何かが変わっていたとは思えませんわ。それにこういうことは、本人が言うべきですの」
ミランダ様は口元を扇で隠して、おほほ、と笑った。
確かにミランダ様の言う通りだ。ゼフィラス様が私のことが好きらしいと聞いても、私は多分信じなかっただろうし。
むしろ、なんでそんな冗談を言うのかと、警戒してしまっていたかもしれない。
昼過ぎになり、約束通りゼフィラス様は学園にやってきた。
ゼス様ではない。ゼフィラス様だ。仮面もローブもつけていない。
特に護衛もつれずに堂々と、ミランダ様と食堂のテラス席でまったりしていた私の元へと現れた。
「リーシャ、会いたかった。私の贈った髪飾り、つけてくれたのだな。なんて可憐なんだ、とても似合うよ」
私とゼフィラス様の婚約は、まだ公表されていない。
当然、現れたゼフィラス様に食堂は騒然となったし、私に見せつけるようにして食堂の特別席で食事をしていたクリストファーとシルキーも唖然としていた。
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