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 歩み寄るのも大切です 2

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 シルディスのことを何も知らないのに、ずっと、嫌っていた。

「偉そうな嫌なやつ……では、あるのだろうな。それも、レーヴェに時々、罵られる」

「レーヴェ様は、お友達思いの良い方なのね」

「あぁ。少々変わったところはあるが、基本的には悪い人間ではないのだと思う」

「あのね……シルディス」

「あぁ」

「私、実はね、……ずっと、恋愛に、憧れていたの」

 シルディスの妻になるのなら、夫婦として仲良くできたら良いなって思った。
 けれど、私が頑なに拒否していたのに、仲良くなんて、できる訳がないわよね。
 ちゃんと、言わないと。
 私のことを、知ってもらいたい。

「いつか素敵な恋愛ができるんじゃないかと思って、ずっと期待していて……初夜だって、夢があったのよ。だから、突然あなたと結婚をすることが決まって、それに、あんなことをされて……すごく、傷ついたわ」

「すまなかった、ミエレ。俺のことを許せないかもしれないが……俺は、君が好きだ。離したくない」

「……本当に、私が好きなの?」

「あぁ。今まで、女性を好きになったことなど一度もなかった。このような気持ちは、はじめてだ」

「そう」

「俺は……その、お前と、素敵な恋愛とやらが、できるだろうか」

「それじゃあ、最初からやり直して、シルディス。私を、言葉と、態度で、欲しがって」

 目を細めて、上目遣いでシルディスを見つめる。
 シルディスは年上で、戦場では敵がいないぐらいに強いって噂で、男らしい方ではあるのだろうけれど。
 お馬鹿さんだし、人付き合いが下手なのだわ。
 密やかな声で耳元で囁いてあげる。
 シルディスの頬が、わかりやすいぐらいにぶわっと、真っ赤に染まった。

「あ、あぁ……ミエレ。好きだ。一目見た時から、好きだった。俺の、妻になって欲しい」

「……ええ。それじゃあ、キスして。優しく、私が好きだって気持ちを、たくさん込めて」

「良いのか」

 私が頷くと、それはもう慎重に、恐る恐るといった感じで肩を掴まれる。
 唇が重なって、私は瞼を閉じた。


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