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ルナリア、我が儘を言う
しおりを挟むレーヴェ様は体を起こすと、不思議そうに私を見下ろした。
しどけなくベッドに落ちて広がる長い髪が、私の頬や首に触れて、くすぐったい。
くすぐったいだけじゃなくて、今の私にはただそれだけでも甘い刺激になってしまう。
レーヴェ様がこんなに近くにいるのに。
罪悪感と恥ずかしさと申し訳なさと、それから、寂しさでいっぱいで。
──私、こんなに我慢ができないなんて、知らなかった。
我慢強い方だって、思っていたのに。みんなのお姉ちゃんだし、ご飯だって、自分の分は我慢したり、ずっとしていたのに。
「ルーナ、ちゃんと言って。泣きそうな顔、してる。私は、ルーナを悲しませてしまった? 何が、あった?」
「……違うんです。……私、……私」
「うん」
「レーヴェ様に、お休みの日まで、我慢してほしいって、言ったのに……」
「そうだね。あと一日の我慢だと、理解しているよ」
「……それなのに、私」
私はレーヴェ様の頬に手を伸ばすと、白くしっとりと手のひらに吸い付くようなきめ細やかな皮膚に触れた。
「……レーヴェ様に、して、ほしくて。えっちなこと、いっぱい、してほしく、て……ごめんなさい、私、我儘で……」
こんなこと、自分から言ってしまうなんて。
恥ずかしくて、顔から火が出そうだし、涙もこぼれてきた。
でも、してほしい。明日までなんて、待てない。
キスも、その先も、たくさん。
「……っ、ぅぐ」
レーヴェ様が奇妙な声をあげた。
胸を押さえながら苦しそうに蹲るレーヴェ様の頭から、ぴょこんと三角の耳が生える。
そして、九本の大きくて長い尻尾がはえて天蓋の上まで広がった。
「ルーナ……私を、試している……?」
「ち、ちがいます、私……」
「で、でも、約束だから……私は、ルーナを愛しているから、ちゃんと、体だけではなくて、ルーナの全てを愛しているから、我慢しないといけなくて……」
レーヴェ様が涙目で私をぎゅうぎゅう抱きしめながら言った。
私はレーヴェ様の背中に腕を回して、寝衣をぎゅっと掴む。
「……レーヴェ様、その、あの、びっくりすることもある、けど……レーヴェ様、痛いことはしなくて、いつも、気持ちよくしてくれて……だから、私、レーヴェ様と、気持ち良いことするの、好き、みたいで……」
「ルーナ……」
「レーヴェ様、好き……好きだから、して、欲しくて」
我儘だけれど。
でも、本心だから。
私はレーヴェ様が好き。好きだから、そばにいると、たくさん触って欲しくて。
「我慢するの、得意だったのに……レーヴェ様が優しいから、なんでも言っていいって、おっしゃるから……隠せない、です。私、レーヴェ様に、していただく夢を、見てしまって……」
「夢、を……?」
「はい……だから……その……」
そのさきが言えなくて、私はきゅっと唇を結んだ。
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