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ルナリア、禁欲三日目にして我慢の限界を迎える 2
しおりを挟む本当は、もっと触れて欲しいって言いそうになってしまったけれど、我慢した。
レーヴェ様が頑張ってくださっているのに、私が先に、約束を破ってしまうわけにはいかないもの。
「ルーナ……明後日になれば、私は君の中に、私を埋められる。きっとすごく気持ち良いのだろうね。我慢した分、ご褒美が待っていると思って、頑張るね」
レーヴェ様の長い指先が、私の臍の下あたりをやんわりと撫でる。
その刺激だけで私はレーヴェ様の腕の中で、体を震わせてしまう。
「もう、眠った? 可愛いね、ルーナ。気持ちよさそうな顔、可愛い。あと一日終わったら、ここに、私を突き入れて、奥をとんとん、突いてあげるね。きっと、すごく気持ち良いと思うよ、ルーナ。私が君を、気持ち良くしてあげる」
「ふ……ぅう……っ」
レーヴェ様に耳元で囁かれたことを想像してしまった私は、レーヴェ様の胸に顔を押し当てる。
もう、寝なきゃ。
(入れてほしい……レーヴェ様が、欲しい……)
頭の中が、それだけでいっぱいで。早く眠ってしまわないと、耐えられなくなってしまう。
私はレーヴェ様に撫でられる甘い刺激を体中で受け止めながら、なんとか夢の中に落ちていった。
――夢の中で、レーヴェ様と私は深く交わっている。
体が揺さぶられるたびに、レーヴェ様の昂ぶりの先端が私の奥をとんとんと穿つ。
「きもちい、レーヴェ様、気持ち良い、すき、すき……っ」
私は泣きじゃくりながら、レーヴェ様を受け入れていて、幸せでいっぱいで。
「ルーナ、気持ち良い? ほら、ここ、ぐりぐりしてあげる。浅いところ、好きでしょうルーナ。ここをぐりぐりすると……ルーナはすぐ、潮を吹いてしまうのだよね」
赤い舌で唇をぺろりと舐めながら、レーヴェ様が艶やかな声で言う。
ぞくぞくしたものが背中を張って、腰が勝手に跳ねた。
でちゃう、でちゃうと、私はぐすぐすに泣いていて――。
「……っ」
ぱちりと目を開くと、もう、朝だった。
なんだか寝た気がしない。体がすごく火照っている。
下着もなんだか、しっとり湿っている。
私はレーヴェ様の腕の中にいて、レーヴェ様は穏やかな寝顔で、すやすや眠っている。
長い睫毛が頬に影を作っている。
銀の髪も白い肌も、カーテンの隙間から差し込む朝日に照らされて、とても綺麗。
私はなんだか激しい夢を見てしまった罪悪感を感じながら、いそいそとレーヴェ様の腕から抜け出した。
私の今の顔、見られたら困る。
きっとすごく、いやらしい顔をしている。それに、下着も濡れてしまった。
私はレーヴェ様の頬に軽くキスをすると、ベッドから出た。
侍女の方にお願いして、お風呂に入れて貰いましょう。それから、身支度をして、朝食を作って。
(胸が、どきどきする……)
今日やることを考えても、体の熱がまるでひいていかない。
夢の中での快楽を思い出してしまって、ベッドから降りるとくたりと腰が抜けた。
思わず座り込みそうになってしまった私は、一度ベッドの端に座る。
「……ルーナ、もう起きた? まだ、朝早いよ。戻っておいで」
私が物音を立ててしまったからだろう、レーヴェ様が薄く目を開いて、私に手を伸ばしてくれる。
私はしばらく逡巡していたけれど、レーヴェ様の元へ戻った。
ぎゅっと抱きしめられて、首筋に顔をこすり付けられると、体中が切なく疼く。
「レーヴェ様……私、……ごめんなさい、悪い子、です」
あと一日、なのに。
触れてもらいたくて、どうにかなってしまいそうだった。
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