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神官長レーヴェと皇帝シルディス
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ゆらゆらと、尻尾が揺れる。
ピクピクと、耳が揺れる。
私はとても機嫌が良い。
こんなに機嫌が良いのは、二十五年間生きてきた中ではじめてだ。
「……何故、お前のような変態は良くて、俺は駄目なんだ」
政務室のソファに座って、邪魔そうなぐらいに長い足を組みながら、シルディスが言った。
まぁ、足は私の方が長い。
身長も、私の方が高い。
顔立ちも私の方が良いので、仕方がないのではないかなと思う。
「何故お前はルナリア嬢とうまくいっているんだ……!」
「愛故に」
私は短く答えた。
ぱたぱたと九本の尻尾が揺れる。
大神殿にある私の政務室の机には、肘置き用のルーナの胸の模型が置かれている。
ちゃんと下着も着せた。
白いレースの下着だ。可愛い。
そしてほどよい柔らかさ、手首に対するフィット感。
これでいくら書類にペンを走らせても、手首が痛くならない。
あぁ、嫁とは、なんと素晴らしい存在なのだろう。
「俺もミエレを愛しているぞ」
「噂によれば……花嫁選定で、臆せず意見をしてきたミエレ公爵令嬢を、君は無理矢理娶ったのだとか」
私は政務室の机に積まれた書類をふむふむと読みながら言った。
神官長である私は、ヴェルニアの血を受けた生きているだけで尊い存在である。
具体的に言うと、私は全ての魔生物たちの王であり、全ての魔生物は私に従う。
そして私が存在するだけで、春夏秋冬が安定して訪れる。
干ばつも、洪水も起らない。
それはヴェルニアの魔力が大地に満ちるからだ。聖獣は神様なのでね。それぐらいはできる。
つまり私は尊いので、仕事などせずにルーナと四六時中良いことをしていても許されるのではないかと、思うわけだ。
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