清廉潔白な神官長様は、昼も夜もけだもの。

束原ミヤコ

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耳と尻尾がはえる男 

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 私の中に、レーヴェ様の舌が入り込んで舐めている。
 嫌悪感からの鳥肌とは違うぞわぞわする何かが、皮膚の裏側を這い回っているみたいだ。
 すごく、いけないことをされている気がする。

「ふ、ぁ、……っ、あぁ、あ……っ」

「ん……ルーナ、甘くて、美味しい……ルーナの中、狭くて、あつくて、ぬるぬるしてる。ここに、もうすぐ入ることができるのだね……」

 ちゅぷりと私の中から舌が引き抜かれて、かわりに長くてしなやかな指が入ってくる。
 爪の硬さや、骨の硬さが、膣壁を通して伝わってくる。

 まだ誰にも触れられたことのない場所を、長い指が優しく広げていく。
 恥骨の裏側を押し上げたり、そっと撫でたりされると、最初は違和感だけだったのに、だんだん体が蕩けていく。

 体温が上がり、体がしっとりと汗で濡れる。

「ん、ん……っ」

「ねぇ、ルーナ。ここで、行き止まり。……つまりこれが、噂に聞いた……いや、噂には聞いていないか。私は、世間的には性とは無縁な麗しの神官長なのだし……」

 自覚があるのね、レーヴェ様……。
 確かにレーヴェ様、黙っていれば清廉潔白な麗しい神官長様に見えるものね。
 先ほど、私の胸の模造品を掲げて喜んでいたのは、何かの幻じゃないのかしらって思うもの。

「うん。書物で読んだのだよ。これが、処女膜……!」

「い、言わなくて、良いですから……っ」

「ルーナ、健気に閉じていて、可愛い……ここに私を埋めて、これから破ると思うと、なんと勿体無いんだろう……なんとか、このまま、処女膜を残しつつもルーナを犯すことはできないものだろうか……」

「うぅ……」

 レーヴェ様が何を言っているのかわからないわ……。
 ぐじゅぐじゅ私の秘所からははしたない音がひっきりなしに聞こえていて、浅いところを撫でるようにされると、先ほど感じた排泄感が舞い戻ってくる。

 逃げ出したいぐらいに気持ちよくて、でも一番奥を触られると、圧迫感もあって、頭も体も混乱する。
 だから、レーヴェ様の言葉がよくわからないのかしら。

 私、初めてだから。

 それに、あまり褥のことについて詳しくもないし。褥の作法よりも、造花の作り方についての方が詳しいものね。
 そのせいで、レーヴェ様の知識についていけていないのね、きっと。

『レーヴェ。お前の選んだ花嫁は、素直で愛らしい。我の血を受ける神子を産むにふさわしい』

 空中に浮いたまま私を覗き込んでいたヴェルニア様が口を開いた。
 その声も、レーヴェ様にどことなく似ている。
 少し低く、厳かで落ち着いた声音だ。

「ルーナは可愛いでしょう、ヴェルニア。私のことが好きだから、こんなに、気持ちよくなってくれているんだって。なんて可愛いんだろうね。たまらなく、愛しくて、ぐちゃぐちゃにしたくなるよね」

「は、ぅう……ぁ、ああ、ゃあああっ、れ、ゔぇさま、私、きちゃ……っ、あ、あっ、あ……!」

 膣壁を素早く指の腹で押し上げるようにされると、レーヴェ様にさんざん舐られた小さな突起が切なくなる。 
 お腹の奥に力が入って、腰ががくがくと揺れる。

「ふぁ、あああ……っ」

 頭が真っ白になって、私の秘所から再び透明な液体が噴き出した。

「あっ、ああ……っ」

 私、また……あれを。
 自分の体が、自分の体じゃないみたいだ。
 粗相をしているようで、情けなくて恥ずかしいのに、とめることができない。

「レーヴェ様、私、また……っ」

「なんて、可愛くていやらしい花嫁なんだろう、ルーナ。はじめてなのに、こんなに気持ち良くなってくれて、何度も潮を吹いてくれるなんて、私は嬉しいよ」

「恥ずかしいの、レーヴェさま、ヴェルニアさまも……見ないで、お願い……」

「可愛いルーナのことを、私は隅々まで見たいから、駄目だよ。それに、ヴェルニアにも見せてあげないとね。ルーナの可愛いところ」

「やだぁ……」

「ルーナがあんまり可愛いから……私は、今、すごく興奮していてね。ヴェルニアも喜んでいる。……あぁ、もうすぐ、呪縛が解ける」

「レーヴェ様……?」

 レーヴェ様は歓喜に震える声で言った。
 恐る恐る目を開いてレーヴェ様を見ると、レーヴェ様は長い法衣をバサリと床に落とした。

 余計なお肉の一切ついていない、均整の取れた体が顕になる。
 すごく細身というわけではなくて、胸板も、腹筋も、しっかりと隆起している。


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