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なんとなく勢いでエロティックマジックをかけられる王子様 1
しおりを挟む怖い。怖い。そして怖い。
シャウラ先生に教育的指導をされている時、そのあまりにもの焦らされっぷりに、アルス様が助けに来てくれないかなぁと思っていた私。
けれどいざ助けにこられてしまうと、今とっても浮気現場を見つかった間男の気分。
私は女だし、私が間男だと、アルス様とシャウラ先生がご夫婦ということになってしまうのだけれど。
そんなことよりも体が辛い。
私の魔法の効果は、まるで切れていないのよ。それなのに私を助けてくれるのは良いけれど、説教するつもりなの、アルス様。
残念だけれど、私はそれどころじゃない。
寸止めのされすぎで、私の体はシャウラ先生の水のぷにぷにのようにどろどろに溶けて、消えてしまうかもしれない。
「レティ、お前は……」
私を抱っこしたまま、アルス様が私を怒ろうとしている気配を察知した私は、思わずアルス様の頬を両手で包み込むようにした。
「エロティックマジック三種盛り……!」
息も絶え絶えになりながら、私はアルス様に魔法をかけた。
今回は反省点を踏まえて一度だけである。
アルス様が死んじゃったら困るし。興奮のしすぎてアルス様が死んじゃったら、私は殺人犯になってしまうもの。
アルス様はシャウラ先生と違って速攻で魔法にかかってくれたらしい。
上気する頬に、甘くなる吐息。私のお尻の下に、硬く猛ったものが当たっている。
深く眉根を寄せて、アルス様が殺すぐらいの勢いで私を睨んでいる。
安心して、アルス様。私に殺意はないのよ。王家に謀反を起こしたいとか、そういうのではないの。
ちょっと怒られたくなかっただけで。
「レティ、また魔法をかけたな……! その、えろなんとか、とは一体何なんだ……!」
アルス様が苛々しながら言った。
アルス様から人生初ツッコミを受けた私。感動的。
でもできれば言葉ではなくて、別のものを突っ込んでいただきたい。限界なのよ。
アルス様の呼吸も荒い。アルス様になら私の辛さがわかるわよね。なんてったって、私の魔法の二倍量の初めての被害者なのだし。
あくまで私に説明を求めてくるアルス様を、私はあまりの辛さに再びぐすぐす泣きながら、たどたどしい言葉を紡いだ。
「ミラクルハイパーウルトラエロティックラブマジックです、アルス様」
「先ほどより長いな。正気か」
「正気です」
正気を疑われてしまった。
ちょっと体は媚薬的な私の魔法で大変なことになっているけれど、私は正気です。
切ない。身体中が切ない。
私はアルス様の体に自分の体を摺り寄せながら、お尻の下にある昂りに足の間を擦り付けるようにする。
別に頭がおかしくなったというわけではないのよ。
もう、正直限界だもの。アルス様はシャウラ先生から私を助けた責任を取ってもらわないといけないのよ。
それが嫌なら部屋に帰らせて欲しい。
セディには怒られると思うけれど、セディは優しいからなんとかしてくれると思うし。
「シャウラと何があったんだ。……昨日、お前は今と同じ魔法を私にかけたな。その、ミラクルハイパーウルトラエロティックラブマジックを」
「すごい、アルス様……! 私でさえ覚えられない毎回適当な呪文を、スラスラと……!」
「今のが正式名称ではないのか」
「なんでも良いんです、ともかく、私の魔法は、性欲増強と、媚薬付与と、感度倍化の効果があって……」
「薄々気づいていたが、言葉にされると物凄いな……、待て、レティ。なぜ今その魔法を私にかける」
「だって、勃っていただかないと、困るんですぅ」
硬くてあつくて、気持ち良い。
さっきまで指一本動かすことがやっとだった私、アルス様の昂りに自分の秘所をすり合わせると、快楽が思うように拾えるのがたまらなく気持ち良い。
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