特殊魔法は蜜の味

束原ミヤコ

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EP2:シャウラ・エルナト 7

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 シャウラ先生は泣きながら体を震わせている私を眺めて、腕を組むと軽く小首を傾げた。

「レティ、僕は別に不具でもなければ男色でもないよ。この年になると大抵の艶ごとには慣れてしまって、君が一人で気持ち良くなっている姿を見たところで、さして何も感じないというだけで」

「ぅう、っ、じゃあ、もう、開放してよぉ……っ」

「先生に対してその口のきき方はいけないよね、レティ」

「か、開放してくださ……っ、だめなの、ゃっ、ああっ、もぅ無理ぃ……っ、ふ、ぁああ……」

 水魔法でできた粘度の高いスライム状の物が、下着ごしに私の秘所をゆっくり擦り続ける。
 たくさんある粒々したものが柔らかく優しく触れるたびに、じんじんと腰のあたりが甘く痺れる。

 気持ち良いのに達することができなくて、直接的な刺激がまるで与えられずに、焦れったすぎて死にそう。

 両手が使えれば、今すぐ自分の指でその場所に触れたい。
 酷い姿を晒しても良いから、気持ちよくなりたい。

 あぁ、アルス様、ごめんなさい。こんなに辛かったのね、アルス様。

 それなのに、私ときたら、私にひどくしないように一生懸命我慢してくれていたアルス様に、「抜いて、抜いて」と嫌がってしまったわね。
 それは強引に乱暴にしたくもなるわよね、だって私のせいだってバレていたもの。

「どれぐらいで効果が薄れるのだろうね。場合によっては、数時間このままということもあるのかな。君の魔法だから、僕にはわからないけれど」

「ゃ、やだぁ、無理なの、むりぃ、たすけて、せんせ……っ、助けてくださ……っ」

「本当に効果が薄れるまで数時間かかるの? それは大変だねぇ」

 シャウラ先生はこれっぽっちも大変そうじゃない口調で言った。

 酷い。大人って酷い。

 基本的には全部私のせいだけど。

「まぁ、お仕置きだからね。それも仕方ないと思って、諦めるんだよ。魔法を使うときは相手を選びなさい、良い教訓になったね」

「あ、あ、ぃや、ぁあ、足りない、足りないの……っ、いきたい、せんせ、お願い……っ、これ、もうやだぁ」

 全身をぬるぬる粘液状で少し芯のある柔らかいものに舐められているのに、足りない。

 軽く達することを繰り返しているけれど、決定的な何かが与えられなくて、私は泣きじゃくりながら懇願した。

 自尊心とか、恥じらいとか、そんなものに拘っている場合じゃないくらいに、なんせ辛い。
 もうわかったから、私が悪かったって分かったから、先生には金輪際手を出さないから、なんとかして欲しいのよ。
 うるうるぽろぽろ泣いている私に、シャウラ先生は手を伸ばした。

 頬に流れる涙を指先で拭ってくれる。
 水のぷにぷには無機質だけれど、シャウラ先生の手には血が通っている。

 思わず頬を擦り付ける。あったかい。
 
「ううん、困ったね。どうしようかな。少し可哀想になってきてしまったね」

 そうでしょう、そうでしょう。
 いたいけな私がこんなにお願いしているのだから、なんとかして。それが人情ってものじゃないかしら。


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