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第十二章 血と暴風
第七十話 夜襲
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第七十話 夜襲
俺はコンラート、ブレイメン公国の農家の出だ。
歳は二十歳、両親と嫁さんと娘がいる。
俺は今ブレイメン要塞にいる。
夕食を食べながら仲間と話をしていた。
今夜は豚肉と蕪のシチューとジャガイモだ。
デザートにブドウもつく。
豚肉と蕪は最近ブレイメン公国でよく食べられる組み合わせで、大体ジャガイモが付け合わされる。
今まで俺たちが食っていたライ麦は豚に食わせる事が多くなったので、豚肉が豊富に生産されている。
勿論豚はすぐには育たないが、今まで冬用に備蓄していた塩漬け豚肉が放出されているから市場にも沢山出回っていた。
ジャガイモもライ麦も龍肥のおかげでびっくりするくらい早く育つので、食料に困らなくなった。
家族が腹いっぱい食べられるようになってとても嬉しい。
これも竜神シュマラ様とハヤト侯爵様のおかげだ。
余った土地で作られる蕪や大根なども一緒に食べられるようになった。
元々植えられていたブドウやリンゴにも龍肥は使えて出荷分を引いても俺たちの口に入るようになっていた。
確かに税は安くは無いが、今までより遥かに多く食い物が手に入るので苦しくはない。
何より両親と娘が飢えなくなった事が一番嬉しいんだ。
「去年までは食うや食わずだったのにな」
「まったくだ。竜神シュマラ様とハヤト侯爵様のおかげだよな」
そういいながら俺と仲間は賭け事をしていた。
ハヤト侯爵様がカードという新しい遊びを教えてくれたのだが俺が好きなのは囲碁だ。
暇つぶしといえば賭け事か飲酒が兵士の基本なので酔っ払いは常にいたらしい。
それを改善する為にハヤト侯爵様はカードゲームやオセロや囲碁など新しい遊びを広めてくれる。
今俺がやっているのは囲碁で、俺より年下だが囲碁が上手い相手に相手してもらっていた。
勝率は俺が三、相手が七だ。
俺は負ける気は無いがあっちは遥かに上手いので相手にならない。
◆◆◆
「やっぱり負けたなコンラート」
「そう言うなよバートルド」
そう言って俺とバートルドは夜間の歩哨に立っていた。
バートルドは嫁さんを貰ったばかりの十七歳で俺より三歳年下だが正規の軍人なので上官になる。
俺とバートルドは気が合ったのかよく一緒に飯を食い歌い寝た。
バートルドは毎回俺に賭けてくれるのでたまには大勝してやりたいが囲碁の世界も奥が深い。
俺より上手い奴はいくらでもいる。
歩哨は退屈だ。
帝国軍は食い物が無いらしく、山の下に大軍がいるが登って来れないらしい。
俺は村に残してきた両親と嫁と娘の事を思い出していた。
今頃ちゃんと食っているだろうか。
「そろそろ交代の時間だぞ」
もうそんな時間かとバートルドが俺にそう告げる。
その時、俺の背筋にぞわりとする感覚が襲った。
俺は思わず立ち上がった。
気のせいか空気が震えて殺気が感じられた。
「どうしたコンラート?」
「敵が来る」
俺がそう言うとバートルドの顔が緊張した面持ちになった。
そして歩哨に立っている間に上官から渡された望遠鏡を手にする。
俺も慌てて同じ望遠鏡を取り出して覗いた。
月明かりは無いが山ノ下にいたはずの軍団が松明を持ってこっちに登ってきていた。
「バートルド」
「ああ。えらいことだ」
俺とバートルドは慌てて笛を吹いた。
俺たちの笛に反応した歩哨たちが一斉に笛を鳴らす。
要塞中に緊張が走った。
俺たちの上官が手を振ると、俺たちは慌てて塹壕へ飛び込んだ。
「コンラート。敵兵はどれくらいだ?」
「おそらく万単位だ。あの松明の数は千人以上いるぞ」
俺とバートルドが望遠鏡を覗きながらそう答えると上官が頷いた。
だがまだ信じられないようだ。
「そんな馬鹿な、奴らには食料が無いんだぞ」
「俺にもわからない。だが松明の数が尋常じゃない」
俺とバートルドは望遠鏡をしまって近くの兵士に連弩を渡して貰うと矢弾を込めた。
そして歩哨壕を出て要塞内に駆け込む。
俺たちと一緒に歩哨をしていた兵士たちも次々に中に入っていく。
俺とバートルドは配置場所に向かった。
そして望遠鏡を渡され覗くように言われたので覗き込んだ。
松明を持った兵士たちが要塞に取り付こうとしていた。
だが、その数は万単位だ。
俺は思わず後ずさりした。
あの数に勝てるわけがないと俺の本能が告げていた。
だが、このブレイメン要塞にはハヤト侯爵様がいるはずだ。
ハヤト侯爵様なら何とかしてくれるに違いない。
俺はそう信じて恐怖を振り払った。
「バートルド、この間の賭けだがな」
「なんだよこんな時に」
「あの賭けな。わざと負けた」
「なんだとてめえ!!」
バートルドが恐怖に震えこわばった笑顔で俺の首を絞めた。
お互い身体の震えが止まらない。
俺は八百長でバートルドに損をさせた事を詫びた。
今詫びておかないと永遠に詫びれない気がしたからだ。
「いいさコンラート。いつか倍返ししろよ。それでチャラだ」
バートルドはそういうと俺の首を絞める手を緩めた。
俺も悪かったと謝罪する。
そして俺とバートルドは要塞のトーチカに籠り籠城戦の準備を始めたのだ。
そのうちに敵の松明が数を増す。
どうみても千はいる。
その時ドラゴンの羽ばたく音が耳に入った。
俺たちの守護神竜騎士だ。
ここにはクリス様の私兵竜騎士が配置されている。
美人ぞろいの女性竜騎士でバートルドはそのうちの何人かにご執心だ。
俺も男だから嫁に悪いなと思いつつ美女たちに見とれていたのは認める。
生きて帰れたら嫁さんに謝ろう。
その竜騎士がドラゴンの足に装着した箱から何か矢のような物を地面に落とす。
それはマグネシウム粉と硝酸ナトリウムで出来た照明弾だったが俺には当然なにかわからない。
ただ昼間みたいに明るくなったと思ったら敵兵の姿がはっきり見えた。
「おいおいおいおい本当かよ。なんだよ奴ら、この要塞に軍団で襲い掛かって来やがった」
ざっと見た限り数千人の大軍がこちらに向かって来ていた。
慌てて連弩を発射しそうになるがバートルドに頭を抑えられる。
「落ち着けコンラート。まだ矢は届かねえよ」
そう言って連弩を構えるバートルド。
射撃の合図があるまで撃つなと命令されていたことを思い出した。
年下とはいえ生粋の軍人のバートルドは頼りになる奴だ。
俺はコンラート、ブレイメン公国の農家の出だ。
歳は二十歳、両親と嫁さんと娘がいる。
俺は今ブレイメン要塞にいる。
夕食を食べながら仲間と話をしていた。
今夜は豚肉と蕪のシチューとジャガイモだ。
デザートにブドウもつく。
豚肉と蕪は最近ブレイメン公国でよく食べられる組み合わせで、大体ジャガイモが付け合わされる。
今まで俺たちが食っていたライ麦は豚に食わせる事が多くなったので、豚肉が豊富に生産されている。
勿論豚はすぐには育たないが、今まで冬用に備蓄していた塩漬け豚肉が放出されているから市場にも沢山出回っていた。
ジャガイモもライ麦も龍肥のおかげでびっくりするくらい早く育つので、食料に困らなくなった。
家族が腹いっぱい食べられるようになってとても嬉しい。
これも竜神シュマラ様とハヤト侯爵様のおかげだ。
余った土地で作られる蕪や大根なども一緒に食べられるようになった。
元々植えられていたブドウやリンゴにも龍肥は使えて出荷分を引いても俺たちの口に入るようになっていた。
確かに税は安くは無いが、今までより遥かに多く食い物が手に入るので苦しくはない。
何より両親と娘が飢えなくなった事が一番嬉しいんだ。
「去年までは食うや食わずだったのにな」
「まったくだ。竜神シュマラ様とハヤト侯爵様のおかげだよな」
そういいながら俺と仲間は賭け事をしていた。
ハヤト侯爵様がカードという新しい遊びを教えてくれたのだが俺が好きなのは囲碁だ。
暇つぶしといえば賭け事か飲酒が兵士の基本なので酔っ払いは常にいたらしい。
それを改善する為にハヤト侯爵様はカードゲームやオセロや囲碁など新しい遊びを広めてくれる。
今俺がやっているのは囲碁で、俺より年下だが囲碁が上手い相手に相手してもらっていた。
勝率は俺が三、相手が七だ。
俺は負ける気は無いがあっちは遥かに上手いので相手にならない。
◆◆◆
「やっぱり負けたなコンラート」
「そう言うなよバートルド」
そう言って俺とバートルドは夜間の歩哨に立っていた。
バートルドは嫁さんを貰ったばかりの十七歳で俺より三歳年下だが正規の軍人なので上官になる。
俺とバートルドは気が合ったのかよく一緒に飯を食い歌い寝た。
バートルドは毎回俺に賭けてくれるのでたまには大勝してやりたいが囲碁の世界も奥が深い。
俺より上手い奴はいくらでもいる。
歩哨は退屈だ。
帝国軍は食い物が無いらしく、山の下に大軍がいるが登って来れないらしい。
俺は村に残してきた両親と嫁と娘の事を思い出していた。
今頃ちゃんと食っているだろうか。
「そろそろ交代の時間だぞ」
もうそんな時間かとバートルドが俺にそう告げる。
その時、俺の背筋にぞわりとする感覚が襲った。
俺は思わず立ち上がった。
気のせいか空気が震えて殺気が感じられた。
「どうしたコンラート?」
「敵が来る」
俺がそう言うとバートルドの顔が緊張した面持ちになった。
そして歩哨に立っている間に上官から渡された望遠鏡を手にする。
俺も慌てて同じ望遠鏡を取り出して覗いた。
月明かりは無いが山ノ下にいたはずの軍団が松明を持ってこっちに登ってきていた。
「バートルド」
「ああ。えらいことだ」
俺とバートルドは慌てて笛を吹いた。
俺たちの笛に反応した歩哨たちが一斉に笛を鳴らす。
要塞中に緊張が走った。
俺たちの上官が手を振ると、俺たちは慌てて塹壕へ飛び込んだ。
「コンラート。敵兵はどれくらいだ?」
「おそらく万単位だ。あの松明の数は千人以上いるぞ」
俺とバートルドが望遠鏡を覗きながらそう答えると上官が頷いた。
だがまだ信じられないようだ。
「そんな馬鹿な、奴らには食料が無いんだぞ」
「俺にもわからない。だが松明の数が尋常じゃない」
俺とバートルドは望遠鏡をしまって近くの兵士に連弩を渡して貰うと矢弾を込めた。
そして歩哨壕を出て要塞内に駆け込む。
俺たちと一緒に歩哨をしていた兵士たちも次々に中に入っていく。
俺とバートルドは配置場所に向かった。
そして望遠鏡を渡され覗くように言われたので覗き込んだ。
松明を持った兵士たちが要塞に取り付こうとしていた。
だが、その数は万単位だ。
俺は思わず後ずさりした。
あの数に勝てるわけがないと俺の本能が告げていた。
だが、このブレイメン要塞にはハヤト侯爵様がいるはずだ。
ハヤト侯爵様なら何とかしてくれるに違いない。
俺はそう信じて恐怖を振り払った。
「バートルド、この間の賭けだがな」
「なんだよこんな時に」
「あの賭けな。わざと負けた」
「なんだとてめえ!!」
バートルドが恐怖に震えこわばった笑顔で俺の首を絞めた。
お互い身体の震えが止まらない。
俺は八百長でバートルドに損をさせた事を詫びた。
今詫びておかないと永遠に詫びれない気がしたからだ。
「いいさコンラート。いつか倍返ししろよ。それでチャラだ」
バートルドはそういうと俺の首を絞める手を緩めた。
俺も悪かったと謝罪する。
そして俺とバートルドは要塞のトーチカに籠り籠城戦の準備を始めたのだ。
そのうちに敵の松明が数を増す。
どうみても千はいる。
その時ドラゴンの羽ばたく音が耳に入った。
俺たちの守護神竜騎士だ。
ここにはクリス様の私兵竜騎士が配置されている。
美人ぞろいの女性竜騎士でバートルドはそのうちの何人かにご執心だ。
俺も男だから嫁に悪いなと思いつつ美女たちに見とれていたのは認める。
生きて帰れたら嫁さんに謝ろう。
その竜騎士がドラゴンの足に装着した箱から何か矢のような物を地面に落とす。
それはマグネシウム粉と硝酸ナトリウムで出来た照明弾だったが俺には当然なにかわからない。
ただ昼間みたいに明るくなったと思ったら敵兵の姿がはっきり見えた。
「おいおいおいおい本当かよ。なんだよ奴ら、この要塞に軍団で襲い掛かって来やがった」
ざっと見た限り数千人の大軍がこちらに向かって来ていた。
慌てて連弩を発射しそうになるがバートルドに頭を抑えられる。
「落ち着けコンラート。まだ矢は届かねえよ」
そう言って連弩を構えるバートルド。
射撃の合図があるまで撃つなと命令されていたことを思い出した。
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