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第十一章 嵐の前
第六十四話 血の契約
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第六十四話 血の契約
俺とクリスは大商人たちとの会談が終わると早々にシリカ国を後にしてブレイメン公国に戻った。
一日だって無駄にはできない。
幸いアルスラン帝国は秋に収穫される食料が手に入らないと大規模な行動が出来ない事がわかったので、国内の余剰な武器を早速輸出用に準備しなくてはならない。
それをフランツ宰相に相談する事にした。彼は政治のトップなのである程度軍事に明るい。
「なるほど。アルスラン帝国を分裂させる策はわかりました。具体的な方法を説明していただきたい」
フランツ宰相が疑問を口にするのも当然だ。
いつもの思慮深い穏やかな顔は微塵も崩さないが目は笑っていない。
俺の考えが足りなければこの人は補ってくれる。
オットー大公だって説得できるほどの人格と人脈を持っているのだ。
だから俺は安心して自信を持って答える事が出来るのだ。
「はい。まず南部諸州で反乱を起こさせます」
「ふむ。それで?」
「その後、シリカ国と同盟を結ぶのです」
「ほう?なぜですかな」
フランツ宰相が興味深げに聞いてくるので、俺は説明を続ける。
「シリカ国はアルスラン帝国南部諸州との貿易で潤っていますがその反面、総督府に重い関税をかけられて不満を持っています。関税は港で徴収されるので逃れようもありません」
「確かにそうですな」
「ですので南部諸州の港に入る沖合でシリカ国の船から気球で物資や食料を直接不満を抱えている族長に届けるのです。代金は香辛料や香料がいいでしょう」
「つまり関税より安く香辛料や香料が手に入ればシリカ国は儲かる。生粋の商人国家のシリカ国が儲けに乗らない筈がない。ですがその策は南部諸州が反乱を成功させなければ水泡になりますな」
「そういう事です。ですので俺たちが売る武器が必要です。しかも大量の武器が無いと成功しません」
「ふむ」
そう言ってフランツ宰相は頷いた。
俺はさらに説明を続ける。
「その武器ですが、アルスラン帝国南部諸州の有力者に売る事が可能になっています」
「手際がいいですな」
「全てムワ・カティオ氏が南部諸州の有力者と話を付けてくれたからです。あとはブレイメン公国の意思一つ」
「その策が成功したとしたら南部諸州とアルスラン帝国は血で血を洗う内乱になるでしょう。当然女子供も犠牲になるでしょう。それでもいいのですか?」
「いいですよ。ブレイメン公国の流す血が減るなら俺は鬼にでも悪魔にでもなります」
「ふむ」
そう言ってフランツ宰相は黙り込んだ。
思慮深げな表情の裏側で、自分が悪事に加担している事の罪悪感があるのだろうか?
この人に限ってそんな事は無いと信じたい。
俺もフランツ宰相もブレイメン公国の為なら地獄に堕ちる覚悟は出来ている筈だ。
しばらく沈黙が続いた後、彼は口を開いた。
「わかりました。南部諸州に武器を売る事にしましょう。南部諸州が反乱を成功させれば武器の代金を香辛料や香料で受け取る事ができて我々も儲かりますし」
「ありがとうございます」
こうしてブレイメン公国はアルスラン帝国南部諸州に武器を売る事を決定する。
この国運をかけた作戦は大量の武器を必要とする。
フランツ宰相が説得し、その意味を理解したオットー大公が承認した事で非情な策は現実のものとなる。
秋までに南部諸州に必要な武器を送り届けなくてはいけない。
ブレイメン公国は持てる金銀を大放出しシリカ国経由で食料など生活必需品を買い集めると同時に、武器を南部諸州に備蓄する。
ブレイメン公国から気球で南部諸州に武器を運んだ帰りに香辛料や香料をシリカ国で売り、帰りに食料などを買うのだ。
これは気球だけでは追いつかないのでゴムタイヤ付き馬車も動員された。
ゴムタイヤの威力は絶大でシリカ国まで二か月はかかる山脈を一か月前後で走破する。
ゴムタイヤ付き馬車の荷は行きはブレイメン公国の金銀や工芸品で満たされ、帰りはシリカ国で購入された大量の食糧や必要物資で満たされて帰ってくる。
ブレイメン公国は完全に戦時体制に移行し武器の大量生産を始めた。
そしてアルスラン帝国南部諸州の有力者へ武器を売る契約を秘密裏に結んだ。
その武器は反乱を成功させた後に代金として香辛料や香料と交換する事になっている。
だがこの作戦には大きな穴がある。
それはアルスラン帝国の総督府が反乱を事前に察知して鎮圧する可能性だ。
そして南部諸州には反乱する兵隊の数はいるが指揮官の数が足りない。
今のままでは南部諸州軍は烏合の衆で勝負にはならない。
急遽俺の大学で作った士官学校の生徒を送り込む事になった。
無論教育不足だが、いないよりマシだ。
そして指揮官だが。
「僕が行きます」
そう言って出撃を志願したのはフリッツ君だった。
危険すぎると反対者が続出したが、オットー大公たちはブレイメン公国を離れられない。
「僕はブレイメン公国公子です。僕が兵を率いて参陣すればブレイメン公国が本気でこの反乱に加担すると理解されるでしょう。確かに現地の様子はわかりませんが毎日詳細な報告書を本国に送ります。その報告書を読めば現在何が必要なのかわかると思います」
南部諸州から竜騎士で三日かかるとして毎日資料を受け取ればこちらも助かる。
細かい指示も出来るだろう。
アルスラン帝国が持つ南部諸州の報告書は数か月かけて首都にいる皇帝へと送り届けられる。
絶対的な有利さが俺たちにはある。
秋になるまでに南部諸州で反乱を起こさせなければならない。
それを過ぎたらアルスラン帝国の大攻勢が始まる。
いくら強固な要塞陣地があるとはいえ十倍の戦力で攻撃されたらひとたまりもない。
「わかった。公子フリッツに竜騎士二百騎を与える」
オットー大公の言葉に皆驚いた。
ブレイメン公国の所有する竜騎士は二百五十騎。
つまり残り五十騎とクリスの私兵の女性竜騎士だけで十倍のアルスラン帝国とたたかうというのだ。
だが南部諸州の反乱が成功しなければどのみち勝機は無い。
オットー大公はこの作戦にブレイメン公国の命運を託したのだ。
「必ず父上のご期待に応える事を誓います」
これがフリッツ君と話をする最後の機会かもしれない。
フリッツ君は竜騎士二百騎と士官たちと共に南部諸州へと向かう事になった。
俺とクリスは大商人たちとの会談が終わると早々にシリカ国を後にしてブレイメン公国に戻った。
一日だって無駄にはできない。
幸いアルスラン帝国は秋に収穫される食料が手に入らないと大規模な行動が出来ない事がわかったので、国内の余剰な武器を早速輸出用に準備しなくてはならない。
それをフランツ宰相に相談する事にした。彼は政治のトップなのである程度軍事に明るい。
「なるほど。アルスラン帝国を分裂させる策はわかりました。具体的な方法を説明していただきたい」
フランツ宰相が疑問を口にするのも当然だ。
いつもの思慮深い穏やかな顔は微塵も崩さないが目は笑っていない。
俺の考えが足りなければこの人は補ってくれる。
オットー大公だって説得できるほどの人格と人脈を持っているのだ。
だから俺は安心して自信を持って答える事が出来るのだ。
「はい。まず南部諸州で反乱を起こさせます」
「ふむ。それで?」
「その後、シリカ国と同盟を結ぶのです」
「ほう?なぜですかな」
フランツ宰相が興味深げに聞いてくるので、俺は説明を続ける。
「シリカ国はアルスラン帝国南部諸州との貿易で潤っていますがその反面、総督府に重い関税をかけられて不満を持っています。関税は港で徴収されるので逃れようもありません」
「確かにそうですな」
「ですので南部諸州の港に入る沖合でシリカ国の船から気球で物資や食料を直接不満を抱えている族長に届けるのです。代金は香辛料や香料がいいでしょう」
「つまり関税より安く香辛料や香料が手に入ればシリカ国は儲かる。生粋の商人国家のシリカ国が儲けに乗らない筈がない。ですがその策は南部諸州が反乱を成功させなければ水泡になりますな」
「そういう事です。ですので俺たちが売る武器が必要です。しかも大量の武器が無いと成功しません」
「ふむ」
そう言ってフランツ宰相は頷いた。
俺はさらに説明を続ける。
「その武器ですが、アルスラン帝国南部諸州の有力者に売る事が可能になっています」
「手際がいいですな」
「全てムワ・カティオ氏が南部諸州の有力者と話を付けてくれたからです。あとはブレイメン公国の意思一つ」
「その策が成功したとしたら南部諸州とアルスラン帝国は血で血を洗う内乱になるでしょう。当然女子供も犠牲になるでしょう。それでもいいのですか?」
「いいですよ。ブレイメン公国の流す血が減るなら俺は鬼にでも悪魔にでもなります」
「ふむ」
そう言ってフランツ宰相は黙り込んだ。
思慮深げな表情の裏側で、自分が悪事に加担している事の罪悪感があるのだろうか?
この人に限ってそんな事は無いと信じたい。
俺もフランツ宰相もブレイメン公国の為なら地獄に堕ちる覚悟は出来ている筈だ。
しばらく沈黙が続いた後、彼は口を開いた。
「わかりました。南部諸州に武器を売る事にしましょう。南部諸州が反乱を成功させれば武器の代金を香辛料や香料で受け取る事ができて我々も儲かりますし」
「ありがとうございます」
こうしてブレイメン公国はアルスラン帝国南部諸州に武器を売る事を決定する。
この国運をかけた作戦は大量の武器を必要とする。
フランツ宰相が説得し、その意味を理解したオットー大公が承認した事で非情な策は現実のものとなる。
秋までに南部諸州に必要な武器を送り届けなくてはいけない。
ブレイメン公国は持てる金銀を大放出しシリカ国経由で食料など生活必需品を買い集めると同時に、武器を南部諸州に備蓄する。
ブレイメン公国から気球で南部諸州に武器を運んだ帰りに香辛料や香料をシリカ国で売り、帰りに食料などを買うのだ。
これは気球だけでは追いつかないのでゴムタイヤ付き馬車も動員された。
ゴムタイヤの威力は絶大でシリカ国まで二か月はかかる山脈を一か月前後で走破する。
ゴムタイヤ付き馬車の荷は行きはブレイメン公国の金銀や工芸品で満たされ、帰りはシリカ国で購入された大量の食糧や必要物資で満たされて帰ってくる。
ブレイメン公国は完全に戦時体制に移行し武器の大量生産を始めた。
そしてアルスラン帝国南部諸州の有力者へ武器を売る契約を秘密裏に結んだ。
その武器は反乱を成功させた後に代金として香辛料や香料と交換する事になっている。
だがこの作戦には大きな穴がある。
それはアルスラン帝国の総督府が反乱を事前に察知して鎮圧する可能性だ。
そして南部諸州には反乱する兵隊の数はいるが指揮官の数が足りない。
今のままでは南部諸州軍は烏合の衆で勝負にはならない。
急遽俺の大学で作った士官学校の生徒を送り込む事になった。
無論教育不足だが、いないよりマシだ。
そして指揮官だが。
「僕が行きます」
そう言って出撃を志願したのはフリッツ君だった。
危険すぎると反対者が続出したが、オットー大公たちはブレイメン公国を離れられない。
「僕はブレイメン公国公子です。僕が兵を率いて参陣すればブレイメン公国が本気でこの反乱に加担すると理解されるでしょう。確かに現地の様子はわかりませんが毎日詳細な報告書を本国に送ります。その報告書を読めば現在何が必要なのかわかると思います」
南部諸州から竜騎士で三日かかるとして毎日資料を受け取ればこちらも助かる。
細かい指示も出来るだろう。
アルスラン帝国が持つ南部諸州の報告書は数か月かけて首都にいる皇帝へと送り届けられる。
絶対的な有利さが俺たちにはある。
秋になるまでに南部諸州で反乱を起こさせなければならない。
それを過ぎたらアルスラン帝国の大攻勢が始まる。
いくら強固な要塞陣地があるとはいえ十倍の戦力で攻撃されたらひとたまりもない。
「わかった。公子フリッツに竜騎士二百騎を与える」
オットー大公の言葉に皆驚いた。
ブレイメン公国の所有する竜騎士は二百五十騎。
つまり残り五十騎とクリスの私兵の女性竜騎士だけで十倍のアルスラン帝国とたたかうというのだ。
だが南部諸州の反乱が成功しなければどのみち勝機は無い。
オットー大公はこの作戦にブレイメン公国の命運を託したのだ。
「必ず父上のご期待に応える事を誓います」
これがフリッツ君と話をする最後の機会かもしれない。
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